午後の日差し

午後の日差し

結婚20年目を迎えた主婦、若村賞子の視点から、もう一度ときめきたいと願う少女のような感情を押さえつける現実を描く。不倫までは進めないし、離婚もできない現実を受け入れていく賞子は、娘の成長を感じ、自分のときめきを娘の若村ひとみに託すのだった。

正式名称
午後の日差し
ふりがな
ごごのひざし
作者
ジャンル
日常
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概要・あらすじ

若村賞子は郊外の一軒家に会社員の夫と2人の子供とで住む、42歳の専業主婦。今の状況にそれなりに満足していたのだが、ある日、「夫婦なんて他人だ」と言う夫の言葉にショックを受ける。ちょうどその頃、料理教室に新入生、海部達夫が来る。25歳の海部に惹かれるものを感じ、海部も自分に対して悪くない印象を抱いているようだ。

賞子は海部とのアヴァンチュールの想像にときめくが、現実は当然、それを許さない。双方とも曖昧な態度のまま、日々が過ぎて行く。海部は賞子の長女の若村ひとみが通う予備校の講師に就く。そして、ひとみが大切に使っているバスブラシが自分に贈られたものと同じだと知り、ひとみの中にある女性の部分に気づく賞子

自分の夢が覚めるとともに、娘と海部の未来を暖かく見守ることを決心する。

登場人物・キャラクター

若村 賞子 (わかむら しょうこ)

42歳。小さいながらも都内に一軒家を所有している一家の専業主婦。家族構成は旦那と、一男一女。長女は19歳。友人たちと行く趣味の料理教室で出会った海部達夫に一方的に恋愛感情を持ち、駆け落ちを夢想するが、お互いに告白はないまま終わる。賞子主観の描写のため事実は定かでないが、海部の行動は好意を抱いていると受け取られても仕方ないものであった。

海部 達夫 (かいふ たつお)

25歳の好青年。女系家族に育ったためか、女性に対して屈託がない。若村賞子と知り合った時点ではフリーのアルバイター。やがて賞子の長女、若村ひとみが通う塾の英語講師として採用される。

若村 ひとみ (わかむら ひとみ)

若村賞子の娘。19歳の浪人生。最初は「馴れ馴れしいヤツ」と思っていた塾の講師、海部達夫に好意を抱いている、と賞子に妄想されていた。賞子に自分の年齢を思い知らせ、諦めさせるきっかけになった。実はお互いの告白シーンはなく、賞子の自己完結である。

若村 ひとし (わかむら ひとし)

若村賞子の息子。高校生。

鳥飼 カオル (とりかい かおる)

若村賞子の高校時代からの友人。旦那の浮気で離婚の危機になっている主婦。海部達夫に賞子の実年齢を告げる。

石井 (いしい)

若村賞子の高校時代からの友人。

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