悪女聖書

悪女聖書

出生から業を背負わされた根津業子が、美貌と策略で自らの欲望を満たし、また復讐に生きる姿を描く。原作池田悦子、作画牧美也子。

正式名称
悪女聖書
ふりがな
あくじょばいぶる
原作者
池田 悦子
作画
ジャンル
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概要・あらすじ

首吊りをした母から生まれた 根津業子はその出自ゆえに、家族に虐げられて育つ。初恋の男性寺尾貴志と一度は思いを遂げるが、別れた上に高校を中退して上京する。北斗電機の女工から本社社員に抜擢された彼女は、同僚の槙原圭介との幸せを夢見るが、かつての恋人寺尾貴志との再会がきっかけでその想いは絶たれてしまう。

それ以来、欲望に生きる女へと変貌し、美貌と頭脳を武器に次々に欲しいものを手に入れる。

登場人物・キャラクター

根津 業子 (ねづ なりこ)

初登場時は高校3年生。父の祝言の日に首を吊った、父の愛人であった巫女から生まれ落ちた。父と義母の家に引き取られるが、義母からは冷たい仕打ちを受けて育つ。出会った男性を次々に虜にする美貌の持ち主。初恋の男性寺尾貴志と一度は思いを遂げるが、その後別れて高校を中退し上京する。北斗電機江戸川工場の女工となる。 北斗電機 本社に抜擢されるが、同僚の槙原圭介との恋愛に破れて以降は、大胆かつ綿密な計略でのし上がって行く。また自分を陥れた人々に対しては徹底的な復讐をする。変装を駆使し、時には自らの身体を犠牲にして目的を遂げることも辞さない。反面、本気で好意を持った男性に対しては、愛情と自分の抱えた業の間で懊悩する。 また虐げられ傷ついた女性に対しては深く同情し、助けの手を差し伸べる。

根津 恵 (ねづ めぐみ)

根津業子の異母妹。同い年だが根津業子を「姉さん」と呼ぶ。両親からは寺尾貴志と将来結婚し、根津家の跡取りとなるよう期待されていたが、彼を根津業子に奪われる。以後、縁談を破談にされるなど次々に幸せを壊され、根津業子を憎悪している。のちに国会議員筒井利章の妻になる。

寺尾 貴志 (てらお たかし)

初登場時は大学生で、根津業子、根津恵の両親から資金を援助されて大学に通っていた。根津業子とはお互い初恋の相手。一度は思いを遂げるが、彼女に裏切られたと思い離れていく。当初は実直な性格だったが、根津業子との別れ以後は女性に対しての不信感が強くなる。大学卒業後はアメリカユニバーサル社日本支社の技師として働き、北斗電機の槙原圭介と提携交渉をするが、その過程で北斗電機の専務特別秘書となった根津業子と再会する。 ユニバーサル社退社後、篠崎弦一郎と共謀して華道新曙流を立ち上げ事務局長に就任するが、のちに行方不明となる。

糸川 明彦 (いとかわ あきひこ)

新和化学の社員。北斗電機江戸川工場の経理野口小夜子と付き合って金を横領させている。北斗電機江戸川工場の女工となった根津業子に目を留め、近付こうとする。根津業子 の初恋の相手寺尾貴志に顔が似ている。

槙原 圭介 (まきはら けいすけ)

北斗電機の社員で同社ラグビー部員。ニュージーランドへの転勤を希望している。北斗電機本社社員となった根津業子に一目惚れして交際を始め、北斗電機専務の島田隆三の娘島田麗子との縁談を断る。ユニバーサル社との提携交渉を任され、寺尾貴志と会う。

曙 輝之 (あけぼの てるゆき)

全国に500万人の門弟を有する華道曙流宗家の家元。プリンスと呼ばれ、またプレイボーイとも噂される。曙流の広報部職員となった根津業子を妻に迎えようとする。

篠崎 弦一郎 (しのざき げんいちろう)

口髭を生やした男性。華道曙流の理事長で、曙流を門弟500万人にまで発展させたやり手。根津業子を華道曙流の広報部に就職させ、その後肉体関係を結ぶ。のちに曙流を脱退して、寺尾貴志と共に新曙流を設立する。

華栄 (かえい)

華道曙流宗家の内弟子の女性。現家元の曙華紅(曙輝之)が15歳の時から、彼の欲求処理とお目付け役をさせられていた。彼の心を奪った根津業子を憎悪し、篠崎弦一郎と結託する。

ガストン・マーテル

フランスの伯爵家の末裔。古城など莫大な資産を持ち、フランスの産業界を支配する富豪。パリに移住した根津業子と深い仲になり、彼女の手を借りて以前の愛人だったアニタを消そうとする。

アニタ

フランス人女性。売れないヌードモデル。富豪ガストン・マーテルの愛人だったが、別れを切り出され、彼を強請ろうとする。以前は根津業子が住む部屋の住人だった。

火野 百合子 (ひの ゆりこ)

料亭雨蝶の娘。雨蝶を手に入れようとする夏世と高利貸し駒谷文造の策略で、結婚を破談にされた上雨蝶を追い出され精神に異常を来してしまう。根津業子は彼女の世話をするようになる。兄火野孟は、パリで流れの板前をしている。

筒井 利章 (つつい としあき)

父親の地盤を継いだ若き国会議員。駒谷文造に睡眠薬を飲まされた根津業子を助けて以来、彼女と深い仲になる。

宮脇 善三郎 (みやわき ぜんざぶろう)

国会議員。宮脇派の領袖。派閥の若手代議士筒井利章と深い仲になった根津業子に横恋慕し、媚薬を使って無理矢理関係を結ぶ。

駒谷 文造 (こまたに ぶんぞう)

駒谷商事の社長。不動産、建設、金融など手広く商売をしているが、実態は脱税や高利貸しなど、あくどい手法で私腹を肥やしている。高級料亭・満玉の仲居・夏世と謀って料亭雨蝶を手に入れる。根津業子の策略で窮地に陥った際、国会議員宮脇善三郎を頼る。

クレジット

原作

池田 悦子

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