落盤

落盤

鉱山の竪穴という閉鎖空間の中で、過去に起きた落盤事故をめぐり2人の男が繰り広げる心理劇を描く。1959年9月15日発行の「X」第3号に掲載された作品。

正式名称
落盤
ふりがな
らくばん
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
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概要・あらすじ

ある鉱山の竪穴の中に2人の男がいた。若い方の男、大村が突然に、前に貸した金を返して欲しいと言い出す。言われた前橋は覚えがないと答え、大村はあなたの記憶なんてそんなものだと馬鹿にする。頭に来た前橋は、自らの記憶力を証明しようと20年ほど前に起きた落盤事故の思い出を語り始める。しかし大村は、同じ事故について語った録音テープや新聞記事を出してきて、少しずつ話の内容が違うと追究し、前橋を追いつめていく。

登場人物・キャラクター

大村 (おおむら)

鉱山の竪穴の中で、鉱山長の前橋に貸した金を返してくれるように迫る。覚えがないと答えた前橋を挑発するようにして、昔の思い出話を引き出す。20年ほど前に起きた落盤事故に関する資料をいくつも持っており、記録された前橋の発言の違いを指摘して追いつめる。

前橋 (まえばし)

鉱山の竪穴の中で、突然大村から金を返すように求められる。記憶の曖昧さを馬鹿にされて腹を立て、自分の記憶力を証明しようと20年ほど前に起きた落盤事故の話をする。事故で死者を出してしまったことを新聞や週刊誌に書きたてられたが、それから必死に努力して鉱山長になったと主張する。事故に関して過去に受けた取材には、それぞれ異なる発言が記録されている。

石井 (いしい)

20年ほど前に鉱山の竪穴で起きた落盤事故で命を落とした男。前橋が事故に関して受けた取材で残した証言の中で、石井に関する部分が毎回異なっている。死の間際に、自分の死の真相を書いたメモを残した。

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