星は歌う

星は歌う

星を見ることが好きな少女・椎名サクヤが、不思議な少年・葵千広と出会い恋に落ちていく様を描いた青春・恋愛漫画。辛い過去を背負っている登場人物が多く、彼らの成長も大きなポイントとなっている。

正式名称
星は歌う
ふりがな
ほしはうたう
作者
ジャンル
恋愛
 
青春
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概要・あらすじ

星が自分に語りかけてくると感じ、夜空を眺めることが好きな少女・椎名サクヤ。彼女は自分の誕生日の日に、同居する叔父の椎名奏と共に家にいた少年・葵千広と遭遇する。サクヤは千広を奏の知り合いと思っていたが、奏は彼のことをサクヤの彼氏だと思っており、実際には二人にまったく関係の無い人物だった。

しかし、サクヤは千広のことが気になって仕方が無く、彼の姿を探し続けてしまう。ある日、サクヤは自分が所属するホカン部こと星空鑑賞同好会の活動後に偶然にも千広と遭遇する。胸の高鳴りが押さえられないサクヤを千広は冷たく拒絶するが、そのことでサクヤは自分が千広に恋していたことに気がつく。

もう二度と千広に会えないかもしれないと落ち込むも、周囲の励ましもあって立ちなおりつつあるサクヤだったが、あるときのホームルームで自分のクラスに転入してきた千広と再開する。なかなか千広との距離を縮められないサクヤだが、部活説明会の日に緊張して周りから笑われた彼女を千広が助けたことから、千広のホカン部入部が決定する。

その後、次第に態度が軟化していく千広との距離を徐々に縮めていき、幸せな日々を送るサクヤだったが、ある日千広の元に彼の昔の恋人で、自殺未遂の末に昏睡状態に陥っていた少女・天宮桜から一本の電話が入る。

登場人物・キャラクター

椎名 サクヤ (しいな さくや)

星空鑑賞同好会の部長。星を見ることで星に励まされていると感じている少女。両親の離婚後、押し付けられる形で父親に引き取られる。義母に好かれようと努力をするも彼女から一方的に嫌われており、その末家から追い出されるような形で従兄弟の椎名奏と同居するようになる。奏が社会復帰できていないため、アルバイトで稼いだ自分の給料で家計を支えている。 18歳の誕生日の日に、自分の家にいた葵千広と遭遇。その時から彼のことが気になっており、再会した際に彼のことが好きだと自覚する。辛い過去を持つが、周囲の人たちの支えにより、明るい性格を取り戻している。体に起伏の無い、幼児体型であることがたびたび指摘されている。

葵 千広 (あおい ちひろ)

椎名サクヤが18の誕生日の日に出会った少年。後に彼女の学校に転校することになる。容姿端麗で人当たりが良く、女子からの人気も高い。しかし、猫かぶりであり知人にはぶっきらぼうでもある。男好きで自分勝手な母親との母子家庭で育った経緯があり、中学時代に自分と似た恵まれない境遇に育つ少女・天宮桜と出会い恋に落ちる。 しかし、高校の時に桜が自殺未遂を起こしてしまい、その原因となった彼女の父親に手を上げてしまったため、転校を余儀なくされる。サクヤのことは、当初桜と似ている部分があり馴染めなかったが、後に彼女自身に惹かれていく。

椎名 奏 (しいな かなで)

椎名サクヤの叔父で彼女の後見人。非常にぶっきらぼうで素直でない性格。家の収入のほとんどをサクヤのアルバイトに頼っているため、周囲からの評判は悪い。学歴を重視する両親の期待を一心に背負うも、その重圧に耐え切れず成績が振るわずに大学受験に失敗し、引きこもりと化してしまっている。その後、サクヤの父親の提案に乗り、彼女と同居するようになる。 少年時代には勉強のみをしてきたために、コミュニケーション能力が著しく低く、仕事に就くのも困難。

本条 聖 (ほんじょう ひじり)

椎名サクヤの親友であり、ホカンの会員。頭が良く美人で、学級委員長も勤めている才色兼備な少女。男子生徒からは人気があるものの女子からの評判は悪く、また親しい人の前では腹黒い一面も見せる。実家は地主というお嬢様でもある。恵まれた環境に育ったために、自分とは対照的な不幸な人間に憧れを抱いていた時期があり、その時サクヤと出会う。 しかし、実際に不幸な人間を前にした時に自分の憧れが間違ったものであることを実感、それ以降サクヤのことを守ろうとする気持ちが強く、時にはやりすぎてしまうこともある。

村上 優里 (むらかみ ゆうり)

椎名サクヤの親友であり、ホカンの会員。運動神経が良く、活発で感情表現豊かな少年。男女を問わず人気があり、友達も多い。身長が低いことが悩みの種。サクヤのことは気にはかかっていたものの、その気持ちが恋だとは認識していなかった。しかし、ある日彼女のことを不慮の事故から押し倒してしまったことから自分の本心に気がつく。

久谷 静 (くたに しずか)

椎名サクヤが所属するクラスの担任教師。星空鑑賞同好会の顧問でもある。感情が顔に表れることは少ないが、生徒のことはしっかりと考えている。生徒の頭を撫でて励ますことが多い。また、視力は非常に悪く、コンタクトレンズや眼鏡が無いと目の前のものすら識別できないほど。

村上 優人 (むらかみ ゆうと)

椎名サクヤのアルバイト先である酒屋の店長。サクヤの同級生・村上優里の兄でもある。優しく考え方もしっかりした大人で、子供たちのことはしっかりと見守っているものの、社会復帰できていない椎名奏には良い感情を持っていない。

天宮 桜 (あまみや さくら)

葵千広の中学時代の恋人。学校ではいじめられ、家でも父親から暴力を振るわれていた少女。たどたどしいしゃべり方をする。自分の境遇を呪っており、幸せな家庭のことを幻想だと思っている。千広のことは全面的に信頼を置いていたが、高校に入ってしばらくした後父親に責められたせいで首吊り自殺を図ってしまう。 一命は取り留めたものの、しばらく昏睡状態が続いており、意識を取り戻した後もリハビリが必要となっている。

沙己 (さき)

本条聖のお目付け役。手回しが良く、事務能力も高い非常に優秀な男性。聖に対しては、重要な所ではきちんと注意をするものの、基本的にはとても甘い。陽気で冗談好きな性格であり、しばしば聖と夫婦漫才のような会話をしている。

サクヤの義母 (さくやのぎぼ)

椎名サクヤの父親の愛人であり、サクヤの母親と離婚したあとの妻。サクヤにとっては義母にあたる。サクヤのことを引き取ることに関しては当初から反対しており、必死に気に入られようとするサクヤのことを冷たく拒絶。サクヤが椎名奏と暮らすようになってからはめったに会うことはない。

葵 悠一 (あおい ゆういち)

葵千広の叔父。傷害事件を起こし、母親にも逃げられた千広のことを引き取った男性。シルバーアクセサリーを作ることを生業としている。結婚はしているが子供は居らず、千広のことを息子のように心配している。

生徒会長 (せいとかいちょう)

椎名サクヤが通う学校の生徒会長を勤める女子生徒。勝気な性格の持ち主。本条聖とは中学からの知り合いであり、口げんかは絶えないものの何かと仲が良い。村上優里に恋心を抱いている。

ポン太 (ぽんた)

『星は歌う』に登場する動物。村上優里の家で飼っている犬。優里の実家が酒屋であるため、日本酒の略称であるポン酒から名前が取られている。拾われた時は小さかったが、最近肥りつつある。

集団・組織

ホカン

『星は歌う』に登場するグループ。椎名サクヤが部長を務める、星空を鑑賞する同好会。会員はサクヤ、本条聖、村上優里の三名であり、後に葵千広が加わることとなる。

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