超訳百人一首 うた恋い。

超訳百人一首 うた恋い。

百人一首の歌の世界を現代語訳したエッセイコミック。一点の歌を題材にした短編『和歌物語』、その解説の『ていかメモ』、4コマ漫画で構成されている。

正式名称
超訳百人一首 うた恋い。
ふりがな
ちょうやくひゃくにんいっしゅ うたこい
作者
ジャンル
エッセイ
 
時代劇
 
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概要・あらすじ

藤原定家は、親戚の宇都宮頼綱の別荘の障子を飾る色紙形に記される歌の選定を任される。これがのちの百人一首となった。歌に込められた詠み人達の恋が展開されていく。

登場人物・キャラクター

藤原 定家 (ふじわら の ていか)

実在の歴史上の人物藤原定家がモデル。鎌倉時代の歌人。本作品では金髪で現代風の若者に描かれている。新勅撰和歌集を編纂するが、政治的圧力によって一部の秀歌を削除させられ、世のそしりを受けていた。そんな中、親戚の宇都宮頼綱の別荘の障子を飾る色紙形に記される歌の選定を任される。これがのちの百人一首となった。 本作品では、各話の後に彼が語る形式で解説『ていかメモ』が掲載されている。

宇都宮 頼綱 (うつのみや よりつな)

実在の歴史上の人物宇都宮頼綱がモデル。僧の身なりをした男性。鎌倉幕府の武将だったが、出家した。歌人としても優れている。親戚の藤原定家に別荘の障子を飾る色紙形に記される歌の選定を依頼。これがのちの百人一首となった。

在原 業平 (ありはら の なりひら)

実在の歴史上の人物在原業平がモデル。平安時代の容姿端麗な男性貴族。伊勢物語の主人公昔男のモデルと言われ、プレイボーイとして名高い。和歌が巧みで六歌仙の1人と言われ、藤原定家が編纂した百人一首の17番の歌の作者でもある。本作品では藤原高子に情熱的に迫る様子が描かれている。

藤原 高子 (ふじわら の たかいこ)

実在の歴史上の人物藤原高子がモデル。平安時代の女性。宮中に仕えているが気位が高く、いずれ中宮(天皇の后)になると自認している。在原業平から情熱的に迫られ、彼との恋が始まる。後に藤原定家が編纂した百人一首の13番の作者・陽成院の母となる。

陽成院 (ようぜいいん)

実在の歴史上の人物陽成天皇がモデル。後に藤原定家が編纂した百人一首の13番の作者。第57代天皇に即位するが、常軌を逸した行動が目立つとして17歳で退位させられ、荒んだ性格になっていた。いとこおばにあたる綏子内親王を妻とするが、当初は政略結婚だからと冷たく接していた。

綏子 内親王 (やすこ ないしんのう)

実在の歴史上の人物妥子内親王がモデル。陽成院の次に即位した光孝天皇の皇女で、父が退位した後に政略結婚の道具として陽成院に嫁いだ。陽成院が夫となるとは思っていなかったが、彼を「貞明様」と呼び、愛そうとする。藤原定家が編纂した百人一首の13番の歌は、陽成院から彼女に贈られた後朝(きぬぎぬ)の文(恋文)。

藤原 義孝 (ふじわら の よしたか)

実在の歴史上の人物藤原義孝がモデル。本作品では前髪で右目が隠れた現代風の若者として描かれている。平安時代の歌人で中古三十六歌仙の1人。後に藤原定家が編纂した百人一首の50番の作者。大変な美男子だったとされている。 源保光の娘を妻とするが、真面目で几帳面な性格のため、会わずに文ばかり送っていた。

藤原 道隆 (ふじわら の みちたか)

実在の歴史上の人物藤原道隆がモデル。平安時代の公卿で、藤原義孝とはいとこにあたる。明るく気さくで、容姿も人柄も良いとされている。父から廃寺に幽霊が出ると聞かされ、義孝と共に供養に行かされた。後に藤原定家が編纂した百人一首の63番の作者藤原道雅は彼の孫にあたる。4コマ漫画『その後の道隆』では孫を溺愛している様子が描かれている。

源 保光 娘 (みなもと の やすみつ の むすめ)

実在の歴史上の人物源保光娘がモデル。藤原義孝の妻となる。しかし、彼は文を送るばかりで一向に会いに来ようとしなかったため、不安を覚えていた。後に藤原定家が編纂した百人一首の50番に取り上げられる義孝の歌は、彼女と迎えた朝に詠まれたといわれている。

紫 式部 (むらさき しきぶ)

実在の歴史上の人物紫式部がモデル。平安時代の女官で、『源氏物語』『紫式部日記』の作者。『紫式部日記』は宮中で評判となり、仕えている中宮・彰子からも続きをせかされているが、本意ではなかった。親友の藤子と邂逅した際に詠んだ歌が、後に藤原定家が編纂した百人一首の57番となる。

藤子 (ふじこ)

左目の下に泣きぼくろのある女性。紫式部の幼馴染で親友。彼女を「香」と呼ぶ。幼い頃、女だてらに漢詩を学んで男性達から蔑まれていた紫式部を唯一認めていた。地方官に嫁いで京を離れたが、夫の任期が終わった際に一度だけ紫式部と邂逅する。その際に紫式部が詠んだ歌が、後に藤原定家が編纂した百人一首の57番となった。

藤原 道雅 (ふじわら の みちまさ)

実在の歴史上の人物藤原道雅がモデル。本作品では無骨な男性として描かれている。平安時代の公卿で、後に藤原定家が編纂した百人一首の63番の作者。宮中の実権を握っていた祖父藤原道隆に溺愛されるが、後に家が没落する。粗暴な言動が絶えず「荒三位」と呼ばれた。当子内親王と恋をしているが、当時皇族と臣下の結婚は許されていなかった。

当子 内親王 (まさこ ないしんのう)

実在の歴史上の人物当子内親王がモデル。三条天皇の皇女。斎宮(伊勢神宮に奉仕する未婚の皇女)として京を離れることを嫌がり、駄々をこねていたところで藤原道雅と出会う。後に京に戻った際に道雅と再会し、恋仲となる。しかし当時皇族と臣下の結婚は許されていなかった。後に藤原定家が編纂した百人一首の63番の歌は道雅から彼女に贈られたものとされている。

式子 内親王 (のりこ ないしんのう)

実在の歴史上の人物式子内親王がモデル。鎌倉時代の皇女で、藤原定家より13歳年上。屋敷に通い始めた定家に対して、和歌の深みが足りないと指摘。その経験を補うために彼と遊びで恋の歌を交わし始める。定家はいつしか、彼女に本当に恋をしてしまう。

クレジット

監修

渡部 泰明

アニメ

超訳百人一首 うた恋い。

百人一首の恋愛化を中心に、詠み人を主人公としてストーリー化した作品。藤原高子と在原業平、陽成院と綏子内親王、僧正遍昭と小野小町などの男女の恋模様が、百人一首を元に描かれる。 関連ページ:超訳百人一首 うた恋い。

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