KAGETORA

KAGETORA

忍者の里に暮らす風間影虎が主家から受けたお役目は、運動音痴の、現当主の娘・藤堂由姫を武芸に秀でた立派な後継者に育て上げることだった。任務の中で、やがてお互いを意識し始める2人の姿を描いた忍者ラブコメディ。「マガジンSPECIAL」2002年No.7から2006年No.10まで掲載されていた。

正式名称
KAGETORA
ふりがな
かげとら
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

風間家が治める「風雷の里」でトップクラスの実力を持つ上忍・風間影虎は、主家である藤堂宗家の現当主・藤堂沙耶から、火急の「お役目」があると東京に呼び出された。藤堂宗家といえば、戦国の世から武功で繁栄を遂げた一族であり、代々の当主は武芸十八般すべてに完璧を求められる。しかし、一子相伝で伝えてきた藤堂流古武術の奥義を受け継ぐには、沙耶の娘である藤堂由姫は運動音痴すぎた。

現役の忍びの指南を受けさせれば改善されるかもと考えた沙耶は、影虎にお役目として由姫の武術指南を申し渡す。その日から住み込みで指南を始めた影虎は、由姫と生活をともにするようになり、やがて2人はお互いを異性として意識するようになる。しかし忍びの影虎は、主君である由姫と恋仲になることなど許されない身だと、好意を隠し続ける。

そんな中、影虎の強さに惹かれたお嬢様・冷泉院皐月に、昔から影虎に好意を寄せる忍者の里の幼なじみの朔夜、由姫の3歳年上の従姉妹の藤堂巴と、由姫の周りには恋のライバルが次々と現れる。

登場人物・キャラクター

風間 影虎 (かざま かげとら)

風間家が治める「風雷の里」で生まれ育った忍びの男性。上忍の地位にあり、里でもトップクラスの実力を持つ。裏表のない一本気な性格のイケメンで、異性にモテる。幼い頃から姫付きの御役目に就くことを目標に修行に励んでおり、同い年の藤堂由姫の武術指南役として東京にやって来た。高校1年から3年の間、由姫と高校生活をともにする。

藤堂 由姫 (とうどう ゆき)

高校生の女子。代々武術に秀でた家筋である藤堂家の一人娘。身長が149センチと小柄で華奢な体型。おっとりした性格で、異性からも同性からも人気がある。藤堂家の次代当主として武術に長けた存在であるよう期待されているが、実際は極端な運動音痴。しかし、藤堂由姫自身は期待に応えたいと願っており、自分の運動音痴をどうにかしたいと強く願っている。 武術指南役としてやって来た忍びの風間影虎を、最初は兄のように慕っていたが、次第に異性として意識するようになる。実は酔っ払うと喧嘩が非常に強くなるが、本人はそのことに気付いていない。高校1年から3年の間、影虎と高校生活をともにする。

藤堂 沙耶 (とうどう さや)

藤堂由姫の母親。武術全般に秀でた家柄である藤堂家の当代当主で、藤堂流古武術の師範でもある。いつも和服をきっちりと着こなした、凛とした女性。薙刀で畳を軽々と破壊する力の持ち主。風間影虎に、由姫に武術指南をするようにお役目を申し渡し、高校1年から3年の間、住み込みで指導するようにと、高校編入の手配もした。

小助 (こすけ)

風間影虎の連れている雄の忍猿。両手で軽く抱えられるボール程度の大きさ。言葉は話せないが、人間の言うことは理解できる。フリップを使って周囲の会話に参加する。

桐谷 秋乃 (きりたに あきの)

藤堂由姫の幼なじみのクラスメイト。長髪で見た目は不良ぽいため、近寄りがたい雰囲気を漂わしている。由姫をまるで恋人のように可愛がっており、当初は武術指南役として住み込む風間影虎を敵視していた。だが、ともに過ごすうちに影虎の由姫への想いの深さを知り、一目置くようになる。高校1年から3年の間、由姫と影虎とともに学生生活を送る。

志狼丸 (しろうまる)

風間影虎の一番上の兄。長髪を後ろで1つに束ねている忍び。料理が得意で人当たりも良く、初対面で藤堂由姫とすぐに打ち解けた。任務により不在がちな父親に代わって、弟たちに厳しく接するなど憎まれ役を引き受けることもあるが、志狼丸なりに弟たちのことを大事に思っている。

那智 (なち)

志狼丸の連れている雄の忍者狼。小助が好きで、会うたびに追いかけまわしている。志狼丸が藤堂邸に住み込み中の風間影虎に会う際に、よく一緒に来ているが、何かと置き忘れられることが多い。

朔夜 (さくや)

風間家が治める「風雷の里」のくノ一。風間影虎の幼なじみ。アイドル並みに可愛らしく、同性の藤堂由姫がうらやむほどに、メリハリのある体つきをしている。幼い頃に影虎と口約束で結婚を誓い合ったことがあり、以降ずっと影虎を想い続けているが、影虎はそのことをすっかり忘れている。影虎の気持ちが由姫にあることを知りながらも、諦めきれずに東京に逗留し、影虎の行く先々に現れて、気を引こうとする。

鷹王 (たかおう)

風間影虎の兄。風間家の次男で、腰まである長髪を後ろで1つに束ねた忍び。物腰が柔かく、いつもにこやかで口調も丁寧ながら、よく辛辣な言葉を吐く。神社などに奉納する武具などを手配しており、時おり御役目のために東京にやって来ている。

(なつめ)

風間家が治める「風雷の里」の少女くノ一。風間家の遠縁の娘で、風間影虎に稽古をつけてもらうことを楽しみにしていた。ところが、藤堂由姫とのピクニックを影虎が優先し、修行を後回しにされてしまったため、怒って里帰り中の影虎を追いかけまわした。影虎の気を引こうとして迷惑をかけてしまった由姫にすぐに謝るなど、根は素直な心の持ち主。

小野 (おの)

風間影虎のクラスメイトの男子。夏祭りの出店でリゾートクラブ宿泊券を獲得した強運の持ち主。上条や桐谷秋乃とも仲が良く、高校1年から3年の間、良くつるんで一緒に遊んでいた。

上条 (かみじょう)

風間影虎のクラスメイトの男子。高校小野や桐谷秋乃とも仲が良く、高校1年から3年の間、一緒に良く遊んでいた。

冷泉院 皐月 (れいぜいいん さつき)

風間影虎に一目惚れし、2年次から同じ高校に編入して来た同学年のお嬢様。思い込みの激しい性格で、影虎にストレートに交際を申し込んで、はっきりと断られたものの、自信家ゆえに自分が拒否される訳はないと、なかなか聞き入れない。

藤堂 巴 (とうどう ともえ)

藤堂由姫の従姉妹で、由姫より3つ年上。合気柔術道場の師範代を務める才色兼備の美人。由姫を妹のように大事に思っており、お役目として住み込み武術指南をしている風間影虎の人柄を試すため、藤堂家を訪ねて来た。この時、影虎に組み手を挑んで互角に渡り合うなど、相当の実力の持ち主。影虎を試すために色仕掛けで誘惑するが、由姫への想いを告げてきっぱり拒否した影虎のことを気に入り、好感を抱く。

呉葉 (くれは)

風間影虎、志狼丸、鷹王の母親。笑顔を絶やさない優しい女性だったが病がちで、三兄弟が成人する前に亡くなった。志狼丸と鷹王に対し、末弟の影虎を一人前にしてあげてほしいと頼み、辛い時でも笑顔でいられる強い心を持つようにと、3人に言い遺した。

キース・ウェイランド (きーすうぇいらんど)

関西弁で金髪、整った容姿の外国人の青年。武術を極めようと武者修行の旅をしており、藤堂流の道場の噂を聞いて、弟子入りを志願するためにやって来た。思ったことを直ぐに行動や口に出すタイプ。藤堂由姫を可愛いと明け透けに褒め、肩を抱くなど馴れ馴れしい振る舞いをして風間影虎に敵視されるが、本人には悪気はない。

(ほたる)

風間影虎が弟子入りしていた年配の忍者・竜源爺の孫娘。影虎の5つ年上の腕の立つくノ一。明るく活発で、影虎の初恋の相手だった。

藤堂 武弥 (とうどう たけみ)

藤堂由姫の父親。眼鏡をかけた温和な性格の考古学者で、世界各国を飛び回っている。研究のため2年も家を空けていたたため家の敷居が高く、藤堂家に不審な装いで忍び込んだところを、風間影虎に捕縛された。家に帰って来た際は、いつも由姫への土産がいつも的を外しており、それを妻の藤堂沙耶に「妙なもの」と取り上げられるのが、お決まりのパターン。 しかし、取り上げられた土産物は、すべて沙耶が大事に取ってあるなど、実は夫婦仲はいい。

藤堂 沙霧 (とうどう さぎり)

藤堂の先代当主の厳めしい老女。あまりに親しすぎる孫娘・藤堂由姫と由姫付き忍びの風間影虎の様子を厳しく咎めた。影虎が一時とはいえ由姫のそばに仕え続けることを迷うほど、身の程を弁えるように強く命じるなど、厳格な発言をする強い信念を持った女性。

紅雷 (くらい)

風間家が治める「風雷の里」の忍び。風間影虎とは竹馬の友。先代藤堂家当主・藤堂沙霧が機械嫌いのため、防犯設備を邸宅に備えていないので、代わりに警護にあたっている。影虎が昔から藤堂家の姫のお役目に就きたがっていたのを知っていた。そのため、自信をなくしてお役目を自ら退こうかと迷う影虎を、強く諫めて思いとどまらせた。

(せつ)

風間家が治める「風雷の里」のくノ一。先代の藤堂家当主である藤堂沙霧のお付き。長い黒髪を背中に流した、落ち着いた雰囲気の女性。口数は少な目で表情もあまり変えないが、次代当主の藤堂由姫の悩みに的確な助言をする。

高遠 七緒 (たかとう なお)

風間影虎の通う高校の女子。影虎より1つ年上。ショートヘアの髪型をしている。運動神経抜群で、サバサバした性格のため、男女ともに友人が多い。高校の弓道部で部長を務めている。影虎が高校2年に在籍時に、大事な試合の助っ人を頼んだ。ともに練習するうちに彼に好意を抱くようになる。

九条 一成 (くじょう いっせい)

風間影虎が高校3年時に街で出会った、同学年の男子高校生。長身で外見が厳つく、非常に目立つため絡まれることが多いが、実際は運動音痴で喧嘩も弱い。忍者に憧れており、街で不良相手に忍術を駆使して闘っていた影虎を見かけ、押しかけて弟子になる。

天鷲 (てんしゅう)

風間家の当主で、風間影虎の父親。任務のために妻の呉葉を看取ることもできなかったが、3人の息子と妻のことを天鷲なりに大切に思っている。期待しているからこそ、息子たちに対しても厳しい態度を取り、身内に厳しい。

(かや)

風間家が治める「風雷の里」のくノ一。先代の藤堂沙霧付きのお役目に就いていたが、風間影虎が高校3年に在籍時に、同じく藤堂由姫付きに任命された。任務に忠実で冷静沈着、武術の腕も影虎と同格と、非常に優秀なくノ一。由姫の影虎への気持ちを汲んで、2人の関係を取り持つ重要なヒントを与えるなど、任務一辺倒ではない人格者でもある。

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