月光条例

月光条例

高校生の主人公岩崎月光たちが狂ってしまった「おとぎばなし」の世界を救済するアクション冒険漫画。和洋問わず、さまざまなおとぎ話の登場人物が登場することが特徴。1話から数話でエピソードが完結する連載形式だが、徐々に登場人物らの謎が明かされていくという要素も持っている。後半はカグヤを取り戻しに来た月世界人との戦いとなっていく。また、悲劇の存在意義や嘘の世界を構築する意味など、物語そのものの根源的価値を問う内容になっている。作中、ある重要な演出として同作者の作品、『うしおととら』や『からくりサーカス』のコマが登場する。

正式名称
月光条例
ふりがな
げっこーじょーれい
作者
ジャンル
アドベンチャー
 
ファンタジー
レーベル
少年サンデーコミックス(小学館)
巻数
既刊29巻
関連商品
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概要・あらすじ

何十年かに一度、青い月光が降り注ぐと、「おとぎばなしの世界」がおかしくなる。そうなると長老会がつくった唯一の法律、月光条例に基づき、執行者はねじれたおとぎばなしの世界を正さねばならない。読み手の世界(人間界)の高校生・岩崎月光は、執行者としておとぎばなしの住人を正気に戻し、おとぎばなしが消滅(デスアピア)することを防ぐため活躍することになる。

登場人物・キャラクター

岩崎 月光 (いわさき げっこう)

偶然額に鉢かづきの持っていた極印を押され、月光条例の執行者になった高校生。東京都緋立市立現高校在学。苦手なものはお月さま、本当のことを言うこと、エンゲキブ、育ての親のじいちゃん。思ったことと逆を言う、筋金入りのアマノジャク。へそ曲がりで口が悪いが、いつも絶妙にタイミングがいい。 また勝てないケンカはしない信条。極印には月光条例のエネルギーが詰まっており、それ自体でも武器になるが、呑舟を手にするとより強力。冬の夜に神社の木の根元に捨てられた捨て子だった。呑舟でパワーアップした刀で、桃太郎に頭を斬りつけられても無傷だったことから、捨て子だった自分が本当に人間なのか、疑いはじめる。 アラビアンナイトの魔人のランプの中で修行する中で、童話青い鳥の主人公チルチルだった頃を思い出し、分身の魔法など過去に身につけた魔法使いの力も使えるようになって帰ってくる。妹のミチルが起こしたアラビアンナイト事件では、自分の分身が起こしたことにして代わりに罪をかぶり、体感重量240キロの透明な鎖に繋がれる罰を受ける。

演劇部 (えんげきぶ)

岩崎月光の幼なじみ。現高演劇部所属。演技力に定評があり、明るい性格。男子に人気で、ミス現高アンケートはぶっちぎりトップ。月光の子どもの頃の話など、弱みをたくさん握っている。現在は一人暮らし。アイドルのイデヤのファン。父親は劇団の座長で、母親は演劇誌編集者ということになっているが、実の親は月の向こうの世界の下級役人。 つき合う男がよく変わり、そのときの彼氏の影響で同じ趣味にはまるきらいがある。高木天道とつきあったこともあり、今も交際を申し込まれている。本当は月光のことが好き。実は正体はかぐや姫で、高勢露と同一人物。月の向こうの世界の住人で、オオイミ王の許婚だった。 正しい真実以外認めない月の向こうの世界で、両親を安心させるためついた小さな嘘に厳罰が課され、穢き地上に堕とされる。平民出だが光の良き受け手という王妃の条件を備えている。1000年間地上で太陽のエネルギーを浴び続けていたため、擬似太陽光製造装置ダカツガマの電池代わりにされそうになる。 月の客には、力の増殖炉ジョイとして恐れられている。領巾を武器にできる。

岩崎 徳三 (いわさき とくぞう)

ニューえびす商店街にあるラーメンいわさきの店主。岩崎月光の育ての父。捨て子だった月光を拾って、いまは亡きばあちゃんと育てた。愛情深く、筋の通らないことが嫌いな頑固親父。月光にはじいちゃん・ジイさん、エンゲキブにはオヤジさん、幼なじみの警察署長にはトクちゃんと呼ばれている。

鉢かづき姫 (はちかづきひめ)

おとぎばなし『鉢かづき姫』の主人公。月光条例執行のための極印を持つ人間界への使者。使者の中の使者として、呑舟の異名があり、最高の兵器ともいわれる。普段は鉢をかぶっているため顔は見えない。頭上の鉢のおかげで、毎回月打の影響を受けない。岩屋の中で月打を逃れた太郎丸に託された一寸法師を連れ、人間のいる読み手界へと向かう。 執行者の岩崎月光のパートナー兼武器として活躍。70年前の月打では、センセイとコンビを組んでいた。呑んだものに変身でき、その威力は元の10倍になる。天然だが使命感が強く、腹のすわった性格。人間界に現れた直後に、太郎丸の鬼の金棒を呑む。 おとぎばなしの中では風呂たきをしていたことがあるため、掃除洗濯が得意。袂に入っている大きな黒電話は非常回線で、離れたおとぎばなし界の住人とも話すことができる。人間界にいるときは、ラーメンいわさきを手伝うように。エンゲキブにはハッちゃんと呼ばれている。

はだかの王様 (はだかのおうさま)

おとぎばなし『はだかの王様』の主人公。おとぎばなし界長老会の正三位。鉢かづきに極印を預ける。昔最強月打を受けたことがあるが、長老としての責任感から自らに月光条例を執行した。そのときの経験から、物語の「作者」の存在を理解できる。体力は無尽蔵に近い力自慢。 100年前の最強月打でチルチルを見逃し、逃亡を助けたことから、長老会から重さ1600トンのケープを200年間着用する罰を与えられていたが、アラビアンナイト事件のニセチルチルとの戦いの中で、親ゆび姫に恩赦を与えられる。

太郎丸 (たろうまる)

おとぎばなし『一寸法師』の脇役の鬼の一人。岩屋にいたため月打を逃れる。鉢かづきに一寸法師を託し、鉢かづきを人間界に逃がす。

一寸法師 (いっすんぼうし)

おとぎばなし『一寸法師』の主人公。脇役の鬼の太郎丸の機転で鉢かづきに託され、鉢の中に隠されて人間界に来た。小さいとかわいいは禁句。鉢かづきと同じお伽草子の出身で、一緒に岩崎月光たちと読み手界で暮らすようになる。大のお菓子好き。アラビアンナイト事件では、アラディンたちにうちでの小槌を振らせないよう活躍。

高木 天道 (たかぎ てんどう)

岩崎月光のライバルで、ケンカ仲間。ガタイがよく、いかつい顔つきで、ヤクザも道を開けるほど強い。月光とは幾度となく対決しているが、二人とも人助けに走るため、決着はついたことがない。バイクと車、特に四輪が好きな走り屋。陸上自衛隊のレンジャー資格を持ち、徒手格闘の優勝者でもあった父に鍛えられた。 その父親が事故死した後、再婚のじゃまになった母に捨てられ、おじさんのところに引き取られた苦労人。エンゲキブとつきあったことがある。

シンデレラ姫 (しんでれらひめ)

おとぎばなし『シンデレラ』の主人公。レースに燃えるスピード狂。月打された後、速き者を求めて王子の防衛線を突破し、読み手界に来る。車は馬車、運転手(ドライバー)はねずみ。流されっぱなしで幸せになる主体性のない人生に疑問を感じるが、岩崎月光とエンゲキブに諭されて目が覚める。 たまに人間界で車やバイクを走らせ、最後は月の向こうの世界との戦いで月光に協力するため、赤ずきんとともにうちでの小槌で人間になる。赤ずきんには、オバさん呼ばわりされている。

イデヤ・ペロー

おとぎばなし『長靴をはいた猫』の主人公。おとぎばなし界から使者としてやってきた。人間の姿をしているときは、アイドルグループスプラッシュのイケメンメンバーで芸能人。読み手界で政府に月光条例の申請手続きをし、正式な認可を受けたツクヨミのメンバー。なお、月光条例の執行が免許制になったのは50年前から。 最初は岩崎月光たちを民間の違法執行者扱いし、月光条例保安局に手を回して、呑舟と月光を拘束する。その後、月打された桃太郎との戦いでピンチを救われた後、月光たちの実力を認めるようになる。工藤伽耶が好きだが、強引なやり方を嫌われ、一度はコンビ解消される。 同じ時期に読み手界に来た金太郎は数少ない友達。

工藤 伽耶 (くどう かや)

岩崎月光たちの同級生。現高校特別進学クラス在籍の図書委員。本好きで博学な黒髪ロングの美少女。人と足並みをあわせるのが苦手。イデヤの認めた合法執行者。人のために一生懸命な月光が気になっている。3歳の頃に交通事故で両親を失う。母は文学、父は物理学の大学教授。 古本屋を経営する母方の祖父母に引き取られ、大学進学後は工藤古書店を継ぎたいと思っている。かぐや姫の露と瓜二つ。アラビアンナイトの世界から読み手界に帰ってきた後、月光に告白するがフラれる。

平賀 帯刀 (ひらがたてわき)

ツクヨミの責任者。読み手界の上層部と繋がりを持つ。チルチルが起こしたマッチ売りの少女誘拐事件の際には人質救出作戦の総司令官を務める。正体はおとぎばなし界最強といわれる『西遊記』の孫悟空。物語と同じく觔斗雲を操る。三蔵法師が経を唱えると、額の金の輪・緊箍圏が締まり、身動きできなくなる。 また名前を呼ばれて返事をすると、妖魔金角銀角兄弟の紅ひょうたんに吸い込まれるなど、意外と弱点が多い。

赤ずきん (あかずきん)

おとぎばなし『赤ずきん』の主人公。50年前の火事で死んだ『赤ずきん』愛読者の少女佳代ちゃんの敵討ちをしようと、月打されるのを待っていた。読み手界で爆破事件を起こして人間を2人殺し、3人目の神林をねらって警察署を襲撃する。攻撃時などの決めゼリフは、「だむですとろい」。おばあさんと猟師を召喚できる。 キャラクターの力は人間界での知名度と比例しているため、のちに岩崎月光たちの頼もしい助っ人になる。月の向こうの世界と戦う際に、シンデレラとともに人間になる。

神林 剛三 (かんばやし ごうぞう)

退職した警官。18歳のときに野島若夫、田崎森四郎と一緒に出来心で放火。だが、火の中に本を取りに戻った佳代ちゃんという女の子を救出した。その後罪滅ぼしに刑事になる。

神林 佳代 (かんばやし かよ)

50年前に赤ずきんのお話が大好きだった少女。赤ずきんにとっての「おひさま」。神林剛三ら3人が起こした火事の際に、本を取りに戻って死んでいたかに思われていたが、救出に入った神林によって助けられていた。現在は神林の妻。孫娘の果歩は、子どもの頃の佳代にそっくりで、同じく赤ずきん好き。

桃太郎 (ももたろう)

おとぎばなし『桃太郎』の主人公。月打後、執行者の誰かが持っているという伝説の武器、呑舟を探して、ツクヨミ構成員のおとぎばなし界の住人を片っ端から倒していく。その際、三枚のお札の小僧の札を使って、倒した相手を壁に貼りつけた。7、80年前の月打のときに、鬼に取り囲まれたのがトラウマになっている。 犬蔵、猿吉、雉太の3匹の手下を従える。きびだんごは非常においしく、食べると体力を回復させる魔法のアイテム。幼少時の月打時の命の恩人でもある鉢かづきに惚れている。

小竹 (こたけ)

エンゲキブの同級生で、新聞部部員。エンゲキブたちと、街中のあちこちにできた中から声のするという青いシートに囲われた壁を見に行った際の、唯一の人間の生存者。ラプンツェルに助けられ、呑舟を手に入れようとする桃太郎の戦いに巻き込まれる。金太郎をやられたことに激昂したイデヤに協力を申し出る。 その後も岩崎月光の危機に、魔法のじゅうたんでシンデレラを呼びにアメリカ渡るなど、月光らに協力。事件への関わりが深かったため、月打解消後も記憶が残っている。

ラプンツェル

おとぎばなし『ラプンツェル』の主人公。ツクヨミの一員で、金太郎のパートナー。長い髪をムチなどの武器にして戦う。また、その髪の毛はツクヨミ特殊部隊の弾丸の素材にも使用されている。

藤木 裕美 (ふじき ゆみ)

花屋「花の藤木」の娘で、高校では放送部員。シャイだが冷静沈着でしっかりした一面もある。月打されたきき耳ずきんの主人公の若者に長者の娘と思われ、追い詰められていた際に、通りかかった岩崎月光に救われる。月打解消後も、月光のことは恋心からおぼろげに覚えていた。その後、エンゲキブに誘われて海水浴に同行したことから、一緒にアラビアンナイトの世界に行くことに。 願い事叶えキャノンを無駄打ちさせることで、アラディンたちの計画を阻止する方法を思いつく。

アラディン

『アラビアンナイト』の『アラディンと魔法のランプ』の主人公。月打され、長老会の中枢8人を捕え、うちでの小槌を要求する。その狙いは一寸法師のアイテムをアラビアンナイトの世界に持ってくれば、物語のリミッターが働かず、法外な願い事を叶えることができるため。読者パワァを独り占めするため、おとぎばなしをアラビアンナイト1本にして、他のものは読み手界から消そうとしている。 ランプの精と指輪の精の魔人(ジン)を操り、バグダードの都に住む。黒幕のニセチルチルの窓口役。

シンドバード

『アラビアンナイト』の『船乗りシンドバードの冒険』の主人公。巨大な怪鳥のロック鳥を操る。エンゲキブに一目惚れして、ロック鳥をシンデレラと戦わせている隙に彼女をさらった。惚れっぽい性格。月の向こうの世界との戦いで、岩崎月光に王の剣(マリク・サイフ)号という船を貸す。

空飛ぶじゅうたん3兄弟 (そらとぶじゅうたんさんきょうだい)

『アラビアンナイト』の『空飛ぶじゅうたん』の主人公たち。フーサインがじゅうたんを操り、両目に遠眼鏡を貼り付けたアリーが探索し、アーマッドが暗黒りんご玉で攻撃する。ニセチルチルがアラビアンナイトも消滅させる気と知り、土壇場で願い事叶えキャノンの発砲を止めようとする。

チルチル

おとぎばなし『青い鳥』の主人公の少年。のちの散吉や岩崎月光。100年前に最強月打を受けた唯一のキャラクターで、作中人物にとって神にも等しい作者の存在を理解する。いろんな世界に行ける魔法の帽子を持っていたため、月打後は他のおとぎばなしの世界や読み手界にも自在に出入りできるようになる。 作者モーリス・メーテルリンクに会ってハッピーエンドに書き換えるよう頼んだ際、もっと悲しい話が数多くあることを知り、悲劇からキャラクターたちを救う使命感に燃えるように。マッチ売りの少女を誘拐してアンデルセンの元へ向かうが、書き直しはできないと言われ、アラビアンナイトの世界に逃げ込む。 その後指輪の精によって、大魔法使いの記憶と力を得る。また分身の術が使える。孫悟空に敗れ、魔力の使いすぎで消滅しそうになっているところを、お菊とマッチ売りの少女によってうちでの小槌で救われる。

ミチル

おとぎばなし『青い鳥』の主人公のチルチルの妹。本物のチルチルの不在に、行方を捜しつつ代理を務めていたが、月打を受けて、他のおとぎばなしを全部消せばチルチルを見つけ出せるという青い鳥の冗談を真に受ける。アラビアンナイトのキャラたちからは恐れられ、あの人と呼ばれている。 おとぎばなし長老誘拐事件の黒幕。チルチルと同じ魔法の帽子を持っており、他のおとぎばなしの世界や読み手界にも自在に出入りできる。色々なおとぎばなしから願いごと叶えグッズを盗んで集めている。アラビアンナイト事件の真の犯人。

お菊 (おきく)

おとぎばなし『雉も鳴かずば』の主人公。チルチル同様、はっきりものを言う正直者。毬つきであずきまんまのことを歌ったために、父親の弥平が自分のために小豆を盗んだことが発覚。そのため父親が人柱にされてしまう。チルチルが、誰かを救いたいと思うきっかけとなった少女。その後、70年前の月打で、魔力を使い過ぎたチルチルがアラビアンナイトの世界で消滅しそうになった際、マッチ売りの少女と共にうちでの小槌を使ってチルチルが「自らを救えるよう」と願いをかける。

散吉 (さんきち)

100年前に最強月打されたチルチルが読み手界で転じた姿。チルチルに散るの字をあて、散吉とセンセイが命名。自らを救えるようにとのうちでの小槌にかけられた願いによって読み手界の日本に飛ばされ、月夜の線路でセンセイに拾われる。センセイの元で急激に成長し、岩崎月光とそっくりな姿に。 自分は誰も助けられない役立たずで、青い鳥のおとぎばなしにも居場所がなくなったため、帰るところがないと感じている。センセイにすがりつく高勢露を自分と同類とみている。センセイがうちでの小槌にかけた願いによって、岩崎月光に転生する。

センセイ

魔人のランプの中での修行中に、岩崎月光が過去の記憶をさかのぼって出会った人物。山高帽に背広姿で外套をはおっている。田舎で晴耕雨読の生活を送る文人。読み手界の人間だが、月とおしゃべりができる。実家は裕福で、元は学校の先生。昼は畑仕事をしながら土壌や肥料の改良に取り組み、夜は詩や小説を書いている。 勘当同然の父親にはデクノボー扱いされている。肺病持ち。鉢かづきのパートナーで、70年前の月打で桃太郎を救っている。自分の物差しで生きることの大切さを散吉に教えた。ふだんは温厚で、人助けの好きなお人好し。幸福の王子の月光条例執行後、病気で死亡。読み手の執行者が最後に与えられるほうびの儀で、うちでの小槌にチルチルに新しい人生をと願う。 モデルは宮沢賢治。

高勢 露 (たかせつゆ)

エンゲキブの過去の姿。暗い目をしたさびしそうな美人。センセイの養女。実は竹から生まれたかぐや姫。おとぎばなし界の住人ではなく、月の向こうの世界から堕とされた天女。父親であるセンセイの隣という自分の居場所を、散吉に奪われたと思って最初は敵意をむき出しにする。右手の掌に極印を持ち、執行者代理を名乗って鉢かづきらとともに戦う。

アリババ

『アラビアンナイト』の『アリババと40人の盗賊』の主人公。唯一月打されなかった。ツクヨミのメンバー。

オオイミ王 (おおいみおう)

エンゲキブを迎えに来た月の向こうの世界の王。光が枯渇する世界の太陽の最大の受け手。おとぎばなしの世界をすべて消すよう、ミチルをそそのかした張本人。許婚のカグヤを迎えに行くと同時に、穢き地上のおおそうじと称して、嘘の物語のキャラクターである紙上の者を皆殺しにしようと目論む。正しい真実のみをよしとしながら、地上のテレビの影響で岩崎月光を悪に見立ててヒーロー役に酔っている。 体内から出し入れできる宝剣マガツキを使う。

集団・組織

長老会 (ちょうろうかい)

『月光条例』に登場する組織。それぞれのおとぎばなしの世界を管理する責任者。メンバーははだかの王様、白雪姫の継母、花咲か爺さん、乙姫、親ゆび姫、三枚のお札のおしょうさん、みにくいアヒルの子、かさじぞうのうちの一人、絵姿女房、シンデレラの仙女など。月打のことや、自分たちが物語の中のキャラクターであることをあらかじめ知っている。 年に一度、ツクヨミ本部の円卓会議場で読み手の様子や月打の兆候を報告している。アラビアンナイト事件の際、アラディンにまとめてとらわれる。

ツクヨミ

『月光条例』に登場する組織。漢字では肉月に神。おとぎばなし界からの使者が所属する、職員1277人の秘密の公務員団体。警察や自衛隊の協力も得ている。月打されたキャラはおとぎばなし界の武器でなければ元に戻せないため、開発したライフェンバッハ-10銃などには、ラプンツェルの髪など、月光条例の使者の持ちものを加工した弾丸が使われている。

ナナツルギ

『月光条例』に登場する集団。オオイミ王の親衛隊。地上ではフードをかぶり、顔を見せない姿で登場する。公園で鉢かづきを襲い、桃太郎を消滅させる。伸剣のキョスイ、隠形のアンセイ、重撃のクウザン、冥速のシンゼツ、回転のメイジ、溶天のガンドウ、発射剣のムガンの7名で構成。

その他キーワード

玉手箱 (たまてばこ)

浦島太郎の持ち物。絶望した人の気を吸い取ることで、月打されたキャラクターを正気に戻せる飲み薬をつくれる。ただし、気を吸われすぎると死ぬ。

マペティカ

『月光条例』に登場する技。月光条例の使者イデヤが使う執行者との合体強化法。体の一部を融合させる技で、執行者の頭脳や内在するパワーを増幅できる。工藤 伽耶とのコンビで使っている。

願い事叶えキャノン (ねがいごとかなえきゃのん)

『月光条例』に登場する兵器。チルチルがあちこちのおとぎばなしから願いごと叶えグッズを盗ってきて作った大砲。花咲かじいさんの小判の出る杵と臼や、願いを叶えてくれる3匹の犬を呼ぶ火打ちばこ、金の卵を産むガチョウ、海の水のからいわけの石臼、白雪姫の継母の魔法の鏡など。発射1発につき、大きな願いを1つ叶えられるが、一度使うと充電のため70年は使えない。

月打 (むーんすとらっく、げつだ)

『月光条例』に登場する用語。青い月の光を浴びてムーンストラックされると、物語の登場人物がストーリーの呪縛から解放されて、主に凶暴化する方向で勝手に動き出す。読み手界に飛び出すことも多い。狂ったキャラクターが月光条例の執行によって正されると、月打の影響はすべてリセットされ、正気に返ったキャラは通常、自分のおとぎばなしの中に帰っていく。 また関わった者の記憶も自動的に消去されるのが通常。

書誌情報

月光条例 29巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉

第1巻

(2008-06-18発行、 978-4091214201)

第2巻

(2008-09-18発行、 978-4091214690)

第3巻

(2008-12-18発行、 978-4091215192)

第4巻

(2009-03-18発行、 978-4091216106)

第5巻

(2009-07-17発行、 978-4091220189)

第6巻

(2009-09-17発行、 978-4091217479)

第7巻

(2009-11-18発行、 978-4091218865)

第8巻

(2010-02-18発行、 978-4091221490)

第9巻

(2010-05-18発行、 978-4091222978)

第10巻

(2010-08-18発行、 978-4091225085)

第11巻

(2010-11-18発行、 978-4091226600)

第12巻

(2011-01-18発行、 978-4091227713)

第13巻

(2011-04-18発行、 978-4091228543)

第14巻

(2011-07-15発行、 978-4091231994)

第15巻

(2011-10-18発行、 978-4091233363)

第16巻

(2012-01-18発行、 978-4091235367)

第17巻

(2012-03-16発行、 978-4091236180)

第18巻

(2012-05-18発行、 978-4091236562)

第19巻

(2012-08-17発行、 978-4091237903)

第20巻

(2012-11-16発行、 978-4091240118)

第21巻

(2013-02-18発行、 978-4091241832)

第22巻

(2013-04-18発行、 978-4091242846)

第23巻

(2013-06-18発行、 978-4091243232)

第24巻

(2013-08-16発行、 978-4091243614)

第25巻

(2013-11-18発行、 978-4091244956)

第26巻

(2014-01-17発行、 978-4091245502)

第27巻

(2014-02-18発行、 978-4091246103)

第28巻

(2014-03-18発行、 978-4091246110)

第29巻

(2014-05-16発行、 978-4091246172)

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