封神演義

封神演義

藤崎竜が『PSYCHO+』に続いて、集英社「週刊少年ジャンプ」にて連載した代表作。原作は安能務訳の『封神演義』。殷王朝時代の古代中国。傾国の美女妲己と軍師太公望の戦いを描いた作品。史実の殷周革命と仙人の戦いをリンクさせて描いた中国の古典小説『封神演義』をモチーフとしているが、超古代文明思想や宇宙人の存在なども物語に組み込んでいるため、中国史・SF・バトル要素を含む作品である。

正式名称
封神演義
ふりがな
ほうしんえんぎ
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
バトル
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
全23巻完結
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あらすじ

第1巻

中国、の時代。第30代皇帝の紂王は、妖怪仙女の蘇妲己の「誘惑(テンプテーション)」にかかり、あやつり人形のようになっていた。これにより、数多の妖怪仙人が王宮に住み着き、貧富の差が広がって国が傾いていく。この状況をよしとしない仙人界では、原因となる仙人を人間界から排除し、人間界と仙人界のあいだに造られた神界の封神台に封じる封神計画を実行に移す。そして、崑崙山脈の総統の元始天尊は、この任務を道士太公望に命じた。太公望はもともと姜族の頭領の息子の「呂望」という人間であったが、妲己の行いによって家族を殺されて孤独になり、妲己への復讐を胸に仙人界へとやって来た男だった。太公望はこの任を受け、封神するべき365人の仙人の名前が書かれた封神の書と宝貝、打神鞭を元始天尊より受け取り、霊獣の四不象を供として人間界へ降りる。意気揚々と出発した太公望であったが、封神の書のトップに記されている申公豹に出会うと、圧倒的な力の差を見せつけられて出鼻を挫かれる。気を引き締めた太公望は、妲己の配下である陳桐を封神、続いて妲己の妹の王貴人を倒し、真の姿である石琵琶に戻す。太公望がこれを持って殷の都、朝歌の宮殿、禁城へ入ると、妲己本人が出迎えにやって来る。

第2巻

蘇妲己の計略に嵌った太公望は、四不象と打神鞭を奪われ、囚われの身となる。太公望が姜族の出身とわかると、妲己は無数の蛇や鰐が蠢(うごめ)く蠆盆へ、姜族の奴隷を次々と落とす。奴隷達は反乱を起こすが、妖怪仙人によって全員が殺害されてしまう。混乱に乗じ、太公望は天然道士の黄飛虎に助けられ、一人、朝歌を脱出する。そして、すべてを失った太公望の前に現れた申公豹に四不象と打神鞭を返されると、太公望は闘う意思を取り戻し、妲己を倒すための策を再び練り始める。その一環として太公望は、仲間を集める事を決心。宝貝人間の哪吒とその親子の問題を解決し、味方に引き込もうとしたものの、太乙真人によって哪吒は回収される。次に太公望の前に現れた天才道士の楊戩には、封神計画を手伝うに相応しいかどうか力量を試され、の難民を助けるために、関所を開けさせろ、という難題を突き付けられる。

第3巻

仲間を集める太公望のもとに、二つの噂が舞い込んで来る。一つは、の国内を統治する四大諸侯のうち、東伯候と南伯候が殺され、北伯候と西伯候が朝歌の禁城に捕らえられたという事。もう一つは、「空の兄弟」と呼ばれる義賊が世間を賑わしているという事である。その統領の雷震子が「コウモリ人間」と呼ばれている事に興味を持った太公望は、彼を仲間にするため、勝負を挑む。太公望に敗北した雷震子は、父親である西伯候の姫昌が禁城に幽閉されているのを知ると、太公望の仲間になろうと決意するが、殷と闘うために力をつけたいと言い、仙人界へと帰って行った。一方殷では、蘇妲己の策略により、紂王の正妻の姜妃が自害に見せかけて殺され、その魂は封神台へと飛んでいく。次に命を狙われるのは紂王の息子である、殷郊、殷洪の兄弟であると察した黄飛虎は、二人を守ろうとする。朝歌の外へと逃げ出した殷郊、殷洪の二人を太公望が助け、安全な場所へ匿おうとすると、申公豹が二人を奪い返しに現れる。太公望と申公豹の戦いが起きるかに思えるが、白鶴童子が太子達を仙人界に連れて行ってしまったため、二人が衝突する事はなくなった。しかし太公望は、仙人ではない姜妃の魂も封神された事を申公豹から聞かされると、封神計画の真の意味を探るため、一度仙人界へと戻るのだった。

第4巻

禁城に幽閉されている姫昌を解放してもらうべく、姫昌の長子の姫伯邑考は貢物を持って紂王のもとへやって来た。しかし、伯邑考は蘇妲己の策略により殺され、その肉は父親である姫昌のもとにハンバーグとして差し出される。妲己の非道な行いに悲傷した姫昌は一人、西岐に返される。間もなくして、朝歌には、の太師であり、道士聞仲が帰還。300年にわたり殷を守り続けてきた聞仲は、過去に妲己を宮中から追い出した事もあり、妲己対峙するなり宝貝禁鞭を振るう。しかし、妲己の宝貝の傾世元譲の力が上がっていると気づいた聞仲は、力で追い出す事が叶わず、まずは殷の太師として国を立て直す事に専念する。しかし、ほどなくして紂王より遠征の命が下ると、友である黄飛虎に朝歌を任せ、紂王のもとを離れた。すると今度は、妲己の策略によって黄飛虎の妻の賈氏と、妹であり紂王の側室である黄貴妃が自害に追い込まれた。身内を殺された黄飛虎は殷を離反し、一族を連れて西岐を目指す。のちにこの一件を聞かされた聞仲は、妲己とは別に刺客を出し、黄飛虎が西岐に到着する前に抹殺するように命じるのだった。一方、仙人界から人間界に戻って来た太公望は、西岐に降り立つ。そこで太公望は、武吉という青年から弟子になりたいと追われ、その先で朝歌から戻って来た姫昌に出合う。そこで姫昌は、道士である太公望に、自分がこれからどうするべきかを問い始める。

第5巻

西岐へ向かう黄飛虎を助けるため、太公望四不象武吉に加え、仙人界からは哪吒と黄飛虎の息子の黄天化が次々と援軍としてやって来る。これにより一行は、蘇妲己聞仲が送り込んだ刺客を退けて行くが、西岐まであと一歩というところで、新たな刺客が立ち塞がる。それは過去に聞仲と共に妲己を国から追い出した、四聖と呼ばれる四人。聞仲に忠誠を誓う四聖は、水や自然の力を使い、太公望達を西岐ごと滅ぼそうと攻撃を仕掛けてくる。苦戦を強いられる太公望達であったが、太公望が水を酒に変える仙桃の力を使って窮地を脱し、仙人界から戻って来た楊戩の加勢によって、戦況は大きく変わっていく。

第6巻

四聖との闘いを有利に進めていた太公望達であったが、聞仲の乱入によって一気に劣勢となる。聞仲の持つスーパー宝貝の禁鞭によって哪吒や楊戩は次々と負傷していき、その力はかつての友であり、を裏切った黄飛虎にも向けられる。結果、太公望達は聞仲一人に敗北するが、四聖が西岐の民を巻き込んだ戦いを起こした事の責任を取り、太公望達の命を取らずにその場を去っていった。数日後、太公望達は姫昌の城で目を覚ます。聞仲にまったく歯が立たなかった事をひどく悔やんだ哪吒や楊戩は仙人界に戻り、修行のやり直しをするために西岐を離れた。また、老い先短くなったうえ、姫伯邑考をハンバーグにされた一件により食事を受け付けず、衰弱の一途を辿る姫昌は、西岐を守るため、黄飛虎を西岐の武成王に、太公望を軍師に任命し、二人もこれを承諾した。一方蘇妲己は、石琵琶に変えられていた王貴人を妖怪に戻し、申公豹は聞仲に対し、殷王朝存続をこだわる理由である朱氏の話を聞く事となる。

第7巻

西岐の軍師に任命された太公望は、を倒す第一歩として、蘇妲己に媚を売り続けた末に亡くなった北伯候の崇候虎が治めている北伯を味方につけるため、黄飛虎と共に北を目指す。そこで待ち受けていた崇候虎の弟の崇黒虎は、神獣の神鷹を使って太公望達を追い返そうとする。説得に応じない崇黒虎に対して黄飛虎が力で捻じ伏せようとするが、そこに現れた姫昌が崇黒虎に頭を下げ、西岐は北伯を味方につける事に成功した。そしてこれが姫昌の最期の仕事となり、姫昌が息を引き取ると、息子の姫発が西岐の王となり、国の名前をと改める。一方朝歌では、周となった西岐を倒すため、聞仲が兵を連れて出陣をしようとする。しかし、妲己の力で自我を保てなくなりつつある紂王から離れる事が危険だと察した聞仲は、金鰲列島通天教主の命で人間界へやって来た魔家四将に、仕方がなく周討伐を任せる形をとった。周に辿り着いた魔家四将は、宝貝の花狐天を使って大々的な攻撃で動揺を誘い、護衛の黄天化を倒して姫発を捕らえる。姫発を人質に取られた太公望は、投降する代わりに花狐天を止めるよう交渉を持ちかけつつ、四不象崑崙山脈に向かわせ、楊戩と哪吒を連れてくるよう命じるが、魔家四将が約束を破り、花狐天で民を襲い始めると、太公望は機が熟すまで怒りを抑えるのだった。そして、姫昌の死を知って仙人界から降りて来た雷震子が雷を落とすと、魔家四将が動揺し、その間に太公望は姫発を連れて逃げ出し、絶体絶命の状況から抜け出した。遂には哪吒、楊戩が到着し、劣勢だった状況は次第に好転していった。

第8巻

楊戩の移動宝貝の哮天犬で仙人界に戻って回復した黄天化が再戦し、太公望達は魔家四将の面々を次々と撃破し、封神する事に成功する。しかし今回の戦いによって、が倒すべき敵は紂王蘇妲己だけではなく、金鰲列島に属する妖怪仙人達だと考え始める。殷の聞仲のもとには、金鰲列島からの使者、趙公明が訪れ、金鰲列島に属する仙人の全権を聞仲に譲るという通天教主からの伝言が届く。すると、聞仲は金鰲列島に住む妖怪仙人と共に、崑崙山脈を含む周との戦いを決意した。こうして殷と周は、敵国とそれに属する仙人を倒そうと決起する。そして、人間界と仙人界の混合した戦いを望まない太公望と聞仲は、それぞれの指揮官として本格的に戦う事となるのだった。

第9巻

を滅ぼすために、一度金鰲列島へ出向いた聞仲は、十天君を動かそうとするが、交渉は失敗に終わり、十天君の罠にはまって身動きを取れなくされてしまう。そしてでは、趙公明が自由に軍を動かし、蘇妲己は殷滅亡への道を着々と進めていく。一方周では、殷からのスパイの鄧蝉玉を懐柔する事に成功し、趙公明が差し向けた仙人の呂岳の殺人ウイルス攻撃に苦戦を強いられながらも、蝉玉の働きによって危機を脱した。すると間もなくして太公望の前に、紂王の息子の殷郊、殷洪が崑崙山脈から降りて来る。申公豹が、二人の王子にどちらの国につくのかを問うと、殷郊は殷の次期王と宣言し、申公豹と共に殷に戻る事を決めた。

第10巻

の軍勢を包囲して戦力を削ぐの軍に対し、殷郊は宝貝の番天印を使う。人間同士の闘いに宝貝を使ってまで勝利を収めようとする殷郊の行動を止めるため、太公望は殷郊の前に立つが苦戦を強いられ、片腕を失う。そして、争いを止めようとする殷洪が番天印の犠牲になると、殷郊は戦意を喪失し、太公望の手で封神されていった。二人の太子が太公望に敗れた事が殷の朝歌に伝わると、趙公明蘇妲己と共に行動を起こす。妲己は太公望達がどれくらい強くなったのかを確認すると見せかけ、四不象黄飛虎、土行孫、姫発を連れ去ってしまう。三人を取り戻すため、太公望達は趙公明に言われるがまま、彼が作り出した舞台、クィーン・ジョーカーⅡ世号へと向かった。各階では趙公明の部下と、人質が一人ずつ大きな砂時計の中で捕まっており、制限時間を超えると人質は生き埋めにされてしまう事から、太公望達は先を急いでいく。1階では楊戩が元画家の楊任の幻覚に惑わされながらも勝利を収めて姫発を救出し、2階では哪吒は呂岳の作り出した宝貝人間の馬元と激しい攻防を繰り広げる事となる。

第11巻

哪吒は呂岳、馬元を倒して封神し、父親の李靖を助ける。そして3階に待っていたのは鄧蝉玉にストーカーをしていた男の劉環であった。鄧蝉玉は砂時計に閉じ込められた愛する土行孫を助けるために奮闘するが、力の差は歴然で絶体絶命の危機に襲われる。そんな状況の中、水の仙女の竜吉公主が援軍として現れると、形勢は一気に逆転し、激しい攻防の最中で自由になっていた土行孫からの不意打ち攻撃によって、劉環は封神されていった。4階では、黄天化が蜂使いの珍奇を倒して封神し、別行動を取っていた黄天祥がミミズの妖怪仙人の丘引を封神する。そしてこの階に捕まっていた黄飛虎は、太公望がなかなか到着しない事に痺れを切らし、自力で砂時計を壊し、目の前にいる妖怪仙人の余化と戦闘を始まる。優位に戦いを進めているところに太公望、黄天化、黄天祥が合流すると、本来の姿になった余化が、最後の力を振り絞り、黄天化の腹部を一刺しして封神されていく。疲弊した仲間を連れていく事ができないと判断した太公望は、みんなを休ませ、四不象を救うべく単身で5階へ進み、趙公明と対峙するのだった。

第12巻

趙公明が差し向けた雲霄三姉妹に勝利した太公望は、四不象と共にクィーン・ジョーカーⅡ世号の船上へと浮上する。そこで趙公明は、太公望に本気を出させるために四不象を石化させ、これを壊そうとする。太公望は持てる力を使って趙公明に挑むが、趙公明の持つスーパー宝貝の金蛟剪から放たれた七色の龍の攻撃に、打神鞭が耐えられずに敗北し、四不象も砕け散る。趙公明が勝利する形で戦いが終わるかのように思えたが、四不象は復活の玉によって蘇り、スーパー四不象へ進化をすると、金蛟剪から放たれる龍を食べていった。金蛟剪が効かないとわかった趙公明は本来の姿である巨大花に変身し、戦いを挑む。そして、楊任が身代わりになって封神された事で一命を取り留めた太公望は、スーパー四不象と共に大気圏を飛び出し、宇宙から打神鞭で風を起こし、趙公明を凍らせる事に成功する。

第13巻

趙公明が封神された事で、動揺を見せる金鰲列島妖怪仙人達であったが、十天君のリーダー的存在である王天君は聞仲の拘束を解くと、聞仲と共に崑崙山脈攻略を始める。そして、崑崙山を消滅させようとミサイル攻撃を仕掛けて来た聞仲達に対し、太公望達崑崙山脈の仙人は、元始砲で対抗しようとするが、金鰲列島に張られたバリアに阻まれてしまう。この状況を打開するために、楊戩は一人、金鰲列島に潜り込み、バリアを解除しようと奮闘する。しかし、十天君の一人の張天君の作り出す亜空間、紅砂陣に閉じ込められ、自分が妖怪仙人である事に気づかれた楊戩は、真の姿を現して張天君を封神し、バリア解除スイッチの前で待つ王天君と対峙する事となった。

第14巻

金鰲列島のバリアが解除されると、崑崙山脈は金鰲列島に突撃し、大打撃を与える事に成功。しかし、楊戩が一向に戻って来る気配がない事から太公望は、四不象、鄧蝉玉、そして楊戩の師匠であり、親代わりをしていた玉鼎真人は楊戩奪還のため、金剛列島へと潜入する。十天君の一人、孫天君が作り出すオモチャの空間の化血陣を破り、先を急ごうとする太公望であったが、太公望に妖怪仙人としての姿を見られたくないと思う楊戩の気持ちを危惧した玉鼎真人は、一人で楊戩のもとへと向かう。無事に再会を果たした玉鼎真人であったが、王天君が作り出した空間、紅水陣の犠牲となり、楊戩を太公望に預けて封神されてしまった。崑崙十二仙の一人でもあった玉鼎真人が封神された事で、他の崑崙十二仙も十天君や聞仲と闘う決意を固める。すると太公望はチームを組んで金鰲列島へ攻め入る指示を出し、それぞれが決められたルートを使って、金鰲列島攻略に向かった。黄飛虎黄天化、黄天祥と共に董天君の風吼陣を破る一方、太公望は四不象、普賢真人と共に寒氷陣を支配する袁天君と対峙する。そして、太公望や聞仲蘇妲己が姿を消した人間界では、妲己の誘惑(テンプテーション)から解放された紂王を立て直し、は殷への攻撃を一時中断する事にした。

第15巻

普賢真人の宝貝の太極符印で寒氷陣を破り、袁天君を封神した太公望達は、王天君を探し始める。また哪吒は、援軍としてやって来た韋護と、崑崙山脈で治療を受けているはずの楊戩と合流すると、金光聖母や姚天君と対峙する。哪吒が姚天君に苦戦すると韋護は宝貝の降魔杵を使って空間を破ろうとする。しかし、一筋縄ではいかない金光聖母と姚天君は、新たに亜空間を作り出し、哪吒達は自分の影と闘う羽目になってしまう。楊戩はこの状況を打開するために変化の術を使ってスキを作り、金光聖母を封神する事に成功。残った姚天君を韋護が封神すると、戦闘不能状態になっていた楊戩の姿が消えていた。妖怪仙人として覚醒していた楊戩が王天君を追いかけていくと、金鰲列島の総統であり、自身の父親である通天教主と対峙する。そして王天君は、自分が元始天尊の一番弟子の王奕であった事や、崑崙山脈と金剛列島の不可侵条約の印として楊戩と交換で差し出された事、自分は楊戩を妲己から守るために犠牲になった事、さらにはその蘇妲己が自分の唯一の理解者になった事を語り出す。

第16巻

通天教主は、王天君によって仕組まれた楊戩との戦いを通じて、通天教主が自分を制御できなくなった事で、金鰲列島の一部が崩壊。そして王天君はこれに巻き込まれて、通天教主と共に封神された。残るは中枢にいる聞仲のみとなったが、その聞仲は崑崙十二仙を次々と倒し、封神していく。そして崑崙十二仙全員を囮にした普賢真人は、自ら聞仲の背後に回って自爆。これによって金鰲列島は崩壊するが、聞仲を封神するに至らず、聞仲は単身で崑崙山脈へ出向き、元始天尊に対して攻撃を仕掛けていった。これと同じ時、崑崙山脈に避難をしていた黄飛虎のもとには、封神されたハズの王天君が現れ、黄飛虎を連れ去ってしまうのだった。

第17巻

元始天尊は、重力をあやつるスーパー宝貝の盤古幡で聞仲を圧倒するが、を守ろうとする聞仲の気迫に負け、深手を負わされる。あと一歩のところで崑崙山脈が消滅するという時、現れた王天君が聞仲を紅水陣に引きずり込み、黄飛虎と再会をさせた。酸の雨が降る中、聞仲と黄飛虎は拳を交え、黄飛虎は聞仲を激励しつつ封神されていった。誰にも心を開かないと豪語していた聞仲は、長年の友を失った事で、身も心も疲弊していく。太公望はこの戦いに終止符を打つため、聞仲の前に立ち、最後の戦いを始める。激闘の末、聞仲は太公望に対して、仙人の介入しない人間界を作るよう託し、身を投げて自ら封神される道を選び、戦いは幕を閉じた。聞仲がいなくなった殷では、部下の張奎や四聖が朝歌を守っていたが、紂王のもとに戻って来た蘇妲己によって四聖は封神され、張奎は澠池城の守護をする事となった。へと戻った太公望は、国を楊戩に任せ、妲己を倒す新しい力を得るために、元始天尊、通天教主と並ぶ三大仙人の太上老君を探す旅に出かける。

第18巻

太上老君を探す旅に出た太公望は、桃源郷で羊の毛刈りのアルバイトをしていると、裁判長をしている少女の呂邑姜に案内され、ついに太上老君に出会う。しかし太上老君は、蘇妲己と戦う気はないと言い、頑丈なスーツを着て眠り続ける。納得のいかない太公望は、そこで眠りにつき、夢の中で対面した太上老君に宝貝を要求すると、太上老君はスーパー宝貝の太極図を打神鞭に付け、さらには夢の中で太公望に特訓をさせるのだった。一方人間界では、が再びを攻めるため、澠池城を陥落させようと進軍する。しかし、聞仲の仇討ちに燃える張奎とその妻の高蘭英が、宝貝を使ってゆく手を阻む。そこへ戻って来た太公望が太極図を使い、張奎達の宝貝の能力を無力化していくと、戦いは周の優勢になっていく。そして、敗れた張奎は、太公望と共に封神台へと向かい、聞仲と再会を果たすと、自分のために戦えと言われ、澠池城を開城する事を決断するのだった。

第19巻

の王の姫発に戦術マニュアルを託し、軍を進めるように指示を出す太公望は、朝歌の手前でスーパー宝貝の傾城元譲で兵の心をあやつる蘇妲己に対抗するべく、太極図の力を開放する。しかし、妲己の力が強すぎるあまり、姫発は妲己にあやつられた周の兵士に刺されてしまう。周の軍勢はこれに衝撃を受けるが、呂邑姜率いる姜族が援軍としてやって来ると、の兵士を黄河まで押いつめていく。人の勝負が決まったとわかると、妲己は術を解き、化け物に改造した紂王を太公望達に差し向ける。圧倒的な力の差に苦しめられる太公望達をよそに、申公豹は妲己の背後に、星の歴史を自分の思い通りに作ろうとする女媧がいる事を突き止める。

第20巻

圧倒的な力を持って太公望達を退け続けた紂王であったが、次第に身体のコントロールが効かなくなると、王天君によって朝歌へ戻される。の軍勢は宿営地を設けて休息を取るが、余化に刺された傷からの出血が止まらない黄天化は一人、紂王のもとへと向かう。黄天化の行動を察した太公望は、力ずくで止めようとするが、王天君の介入により、黄天化は朝歌の禁城へ辿り着く。そこはかつて、紂王が黄飛虎と闘った場所。黄天化はその場所で紂王に勝利するが、兵士に背後から刺されて封神された。翌朝、禁城に入った武王の姫発が、民衆の前で紂王の首を刎(は)ね、の滅亡と周の始まりを宣言するのだった。これですべてが終わったかのように思えたが、まだ蘇妲己を封神していない事や、封神されたはずの王天君が存在する事から、太公望達はさらなる敵がいる事を察した。太公望は封神計画の真の目的を改めて知るべく、再び元始天尊のもとへと戻ると、そこで初めて女媧の存在を知らされる。始祖の一人であり、歴史を自分の思い通りにしようと目論む女媧と妲己の思惑を阻止するため、太公望は崑崙山脈に残った仙人を集め、女媧が封印されているという蓬莱島へと向かう。

第21巻

女媧が眠る蓬莱島へとたどり着いた太公望達は、哪吒、楊戩、張奎、そしてかつて崑崙十二仙の一人だった燃燈道人と共に地下の闘技場へ降りると、蘇妲己主催の宝貝大会に参加させられる事となった。第一試合では、張奎が聞仲の形見である禁鞭を使って勝利を収め、第二試合では楊戩が通天教主が使っていたスーパー宝貝の六魂幡を駆使して難なく勝利した。第三試合に登場した哪吒の前に現れたのは、かつて太公望に敗北し、琵琶になった妲己の妹の王貴人。王貴人が繰り出す弦の攻撃に、一度は核をえぐり取られた哪吒であったが、彼の体から現れた金蛟剪の龍によって、王貴人は再び琵琶の姿に戻されるのだった。そして第四試合では、妲己のもう一人の妹の胡喜媚が四不象をかけて太公望に勝負を挑み、得意の変化の術で太公望を苦しめていく。太公望は一度敗北を認めるものの、四不象を人質にして胡喜媚の羽衣を奪い、滅多打ちにした。卑劣な手口でやられた胡喜媚は泣きながら、真の姿である雉鶏精に変身する。そして太公望は、雉鶏精の羽に触れる事でどんどん幼児化していき、その魂は蓬莱島の外へと飛んで行ってしまうのだった。太公望の魂は封神台には行かず、王天君が作り出した空間で留まった。そして太公望は、自分がかつては王奕と呼ばれる人物であり、その魂魄は太公望と王天君に分けられた事を知るのだった。

第22巻

元始天尊によって魂魄を分けられ、金鰲列島へ幽閉されていた王天君は、蘇妲己に心を壊されてなお、自分の光の部分に値する太公望を探し続けていた。太公望は王天君と融合し、王奕に戻ると、さらに王奕という存在が始祖の一人であり、女媧を封印した一人、伏羲であった事も思い出す。一方蓬莱島では、燃燈道人が敵の妖怪仙人を一気に撃破した事により、妲己は負けを認め、彼らを女媧のもとへ案内する。そこで待っていた女媧の本体は氷壁で封印されていた。魂魄だけで戦う女媧の精神宝貝の山河社稷図によって、燃燈道人や楊戩、哪吒や張奎はもちろん、興味本位でやって来た申公豹太上老君は、無音の闇の世界に閉じ込めてしまった。その闇を破ったのは伏犠となった太公望である。女媧は伏羲との再会を喜ぶが、自分を消滅させるための封神計画は、伏羲が考えた物だと知ると、女媧は最強宝貝の四宝剣を持って迫る。これに対し伏羲は、魂魄を溶かす雪を降らせる誅仙陣の中に女媧を閉じ込め、消滅させようとする。一方妲己は、女媧の体を蓬莱島から地上に移動させ、自身の計画を着々と進めていく。

第23巻

太公望達は、無数に分裂した女媧の魂魄を倒そうと、持てる宝貝を使い続ける。だが、蘇妲己は地表に送られた女媧の肉体を乗っ取り、地球と融合して消えていった。肉体を奪われた女媧は、わずかに分裂させて残しておいた肉体と魂魄を再生させ、真の姿を現し、地球を消滅させようと動きだす。その被害が人間界の人々にまで渡ると、太公望は哪吒や楊戩はもちろん、封神台にいる普賢真人や黄飛虎聞仲ら多くの仙人道士の力を吸収し、女媧と激闘を繰り広げていく。女媧は再生できなくなるまで弱っていくと、太公望に共に消滅してくれと懇願し、太公望はそれを受け入れようとするが、妲己の手に寄り生き長らえる事となった。こうして女媧は消滅し、太公望達の戦いは終わった。それから仙人界は楊戩、燃燈道人、張奎を中心に立て直し、神界の封神台に飛ばされ、魂魄だけとなった者達は神となり、人間界をそっと手助けする役目を果たす事になった。そして人間界は、武王の姫発が国を盛り立てていく事となる。

登場人物・キャラクター

太公望 (たいこうぼう)

崑崙山脈出身の道士で、元始天尊の直弟子。元々は中国の遊牧民族・羌族の頭領の子息であったが、妲己による人狩りで一族を滅ぼされ、天涯孤独となったところを元始天尊にスカウトされた。封神計画の遂行者に任じられ、妲己以下金鰲列島出身の人間界に害をなす仙人・道士を倒し、また周の軍師として殷周革命を成功に導くために人間界に下る。 主な武器は風を操る宝貝・打神鞭。飄々とした風を装っているが非常に頭が良い策士タイプで、仲間を想う気持ちも強く、人望も篤い。初登場時72歳。「わし」「~だのう」など老人のような口調で話すが、外見は10代後半~20代ほどの姿をしている。 史実で周の軍師を務めた太公望がモデル。

蘇妲己 (そだっき)

金鰲列島出身の妖怪仙人で、原型は狐。魂魄だけで移動し、他人の肉体を借りて生きる術を心得ており、「蘇妲己」は使用している女性の元々の名である。絶世の美貌と宝貝・傾世元禳による「誘惑の術」で、紂王をはじめとする殷王朝の人間や金鰲列島から連れてきた妖怪仙人たちを操り、殷の皇后として悪政の限りを尽くす。 女媧の配下にあり、それらの行為は女媧の計画を遂行するためのものであったが、実はその企てに賛同はしていなかった。女媧の同胞たちと同様に自身が地球に同化し、地球上のあらゆるところに存在するようになることを望み、最後には女媧の肉体を乗っ取り、その目的を果たした。

申公豹 (しんこうひょう)

妲己の客人として殷に身を置いてはいるが、「誰の味方でも敵でもない」という中立の立場を保ち、狂言回しのような役どころで崑崙山脈と金鰲列島、殷と周の戦いを見物する。雷を操るスーパー宝貝・雷光鞭を持ち、「最強の道士」と呼ばれる。ピエロのような外見をしており、常に無表情だが、面白いことが好きで、自分の美学に反する行いには敵意を示す。 自らに傷を負わせた太公望をライバルと定め、何かと気にかける。

四不象 (すーぷーしゃん)

仙人の乗り物である霊獣の一種「スープー族」の子供で、カバのような外見をしており、「~ッス」という語尾が特徴。太公望が封神計画遂行のために人間界に下る際に供としてつけられた、太公望の相棒にしてツッコミ役。物語中盤で大人になり、変身して宝貝による敵の攻撃を食べてしまう能力が使えるようになる。

黄天化 (こうてんか)

崑崙山脈で修行を積んだ道士で、黄飛虎の次男。こだわりのないあっけらかんとした性格に見えるが、戦いに対する執着心は非常に強い。鼻に一文字のキズがあり、「俺っち」「~さ」という口調が特徴的。主な武器は宝貝・莫邪の宝剣だが、戦闘センスに優れており、他にも様々な宝貝を使いこなす。

聞仲 (ぶんちゅう)

殷に長年仕える太師(軍師)にして、金鰲列島で修行をした道士。額に第三の目を持ち、左顔面は仮面で覆っている。殷王家と紂王を自らの子供のように愛し、忠誠を誓う一方で、殷に害をなす妲己には強い敵意を示す。主な武器はスーパー宝貝・禁鞭。

趙公明 (ちょうこうめい)

妲己・聞仲と並んで金鰲列島の三強と称される妖怪仙人で、原型は巨大な花。敵対する妲己と聞仲を休戦させる目的で殷に派遣され、太公望らとも戦う。ヨーロッパの貴族のような派手な風貌と言動で、ギャグ要員としても活躍。スーパー宝貝・金蛟剪の使い手。

元始天尊 (げんしてんそん)

崑崙山脈を統括する仙人で、通天教主・太上老君と並んで三大仙人と称される。太公望の師であり、封神計画の遂行を太公望に命じた。重力を操るスーパー宝貝・盤古旛を持つ。

通天教主 (つうてんきょうしゅ)

金鰲列島を統括する仙人で、元始天尊・太上老君と並んで三大仙人と称されるが、妲己と王天君によって心を壊され、傀儡となる。楊戩の実の父親。スーパー宝貝・六魂旛の使い手。

王奕 (おうえき)

元は魂魄を分裂させることができる性質を持った人間出身の崑崙山脈の道士で、元始天尊の弟子だったが、金鰲列島との不可侵条約の証として、二つに割った魂魄の片方が楊戩と交換に通天教主に預けられ、その魂魄が妖怪をベースとした肉体に入れられたことによって妖怪仙人・王天君となった。 残った半分の魂魄は赤子の頃の太公望に入れられたため、元は太公望と同一人物である。金鰲列島に連れていかれてすぐに封印籠に閉じ込められたために心が壊れかけたところに、妲己に付け込まれる。残酷な性格の皮肉屋で、大量のシルバーアクセサリーを身に着けている。

伏羲 (ふっき)

のちの王奕と同一人物であり、王奕と太公望が融合した際に名乗った名前。女媧と共に地球に降り立った宇宙人の男性。女媧の目論見を阻止するため封神計画を立案した張本人。

太上老君 (たいじょうろうくん)

元始天尊・通天教主と並んで三大仙人と呼ばれるが、最も謎が多い。申公豹の師。羌族の小さな村で最初に発見されたとされるが、そのときからほぼ常に眠ったままの状態でいる。レム睡眠時には立体映像で交信が可能。スーパー宝貝・太極図を所持していたが、最終決戦前に訪ねてきた太公望に与えている。 外見は10代~20代の中性的な青年。

黄飛虎 (こうひこ)

当初は殷王朝に属し、紂王の臣下として鎮国武成王を務めていたが、一族を率いて造反し、周で開国武成王を任される。初期段階で妲己に戦いを挑み惨敗した太公望を救った。明るく豪放磊落な性格で、大きな身体と怪力、並外れた精神力を持つ天然道士である。

姫昌 (きしょう)

周を統治し、太公望を軍師に迎えて殷周革命へ向けての下地作りを行ったのち亡くなる。思慮深く温厚な性格で、統率力にも優れており、民からの信頼も厚い。史実で周の始祖とされる文王がモデル。

姫発 (きはつ)

姫昌の次男であり、後継者として太公望と共に周を率いて殷周革命を指揮する。女好きで軟派な性格だが、正義感が強く、その温かい人柄で人望を集める。史実で殷を滅ぼし周を立てたとされる武王がモデル。

武吉 (ぶきち)

太公望の弟子を名乗る素直な性格の少年。元は西岐で木こりをしていたが、太公望と出会ってから彼を師と慕い、共に行動するようになる。数知れないアルバイト経験と、並外れた怪力と運動神経を持つ天然道士でもある。

紂王 (ちゅうおう)

名君として知られた殷王朝第30代皇帝。元来女好きで、妲己の美貌と「誘惑の術」により骨抜きにされてしまい、殷を弱体化させるに至る。史実でも殷王朝最後の王である紂王がモデル。

楊戩 (ようぜん)

崑崙山脈で修行を積んだ道士で、自他ともに認める天才。仙人となるに十分な実力の持ち主ながら、弟子を取ることを拒み道士の位にとどまっている。青みがかかった長髪の美形で、傲岸不遜な性格だが、太公望のことは心から尊敬し、その右腕として戦うようになる。実は通天教主の息子であり、幼少時に王奕と交換に崑崙山脈に預けられた妖怪仙人である。 主な武器は宝貝・哮天犬、三尖刀。変化(へんげ)の術の使い手でもあり、変化した相手の宝貝も使うことができる。

女媧 (じょか)

太古の昔に他の惑星から地球に降り立った宇宙人の女性。地球に滅びてしまった故郷の惑星と同じ歴史を歩ませるために、人間界を意のままに操ろうとする存在。その思惑を危険視した同胞たちによって肉体は封印されている。

哪吒 (なたく)

崑崙山脈の仙人が人間の女性の胎内に入れた宝貝・霊珠を本体として生まれた宝貝人間であり、本体を壊されない限り死ぬことはない。戦闘能力も非常に高く、同時に複数の宝貝を難なく使うことができる。太公望とは、父親と対立していたところを仲裁されたのがきっかけで知り合う。その後は崑崙山脈で道士としての修業を積み、太公望の仲間として戦うようになる。 その出自から人間らしい感情に乏しいが、母親想いで、面倒見の良いところも見せる少年。

場所

崑崙山脈 (こんろんさんみゃく)

『封神演義』に登場する舞台の一つ。元始天尊が統治する仙人界の一つで、主に元が人間であった仙人・道士約400人が生活、修行をしている。元始天尊の居住する総本山を中心に多くの「山」がある。人間界からも視認できる高さの中空に存在する。

金鰲列島 (きんごうれっとう)

『封神演義』に登場する舞台の一つ。通天教主が統治する仙人界の一つで、基本的に人間は受け入れず、元が動植物や無生物である妖怪仙人約1000人が生活する。総本山である金鰲島の大きさだけで崑崙山脈の総本山の約5倍に上り、文明も崑崙山脈より進んでいる。

(しゅう)

『封神演義』の舞台の一つ。殷王朝下で姫昌が統治していた中国西部の地域で、紂王に反旗を翻すにあたって名称を「西岐」から「周」に改めた。のち殷を倒し、次代の王朝となる。

その他キーワード

(いん)

『封神演義』の舞台の一つ。首都・朝歌を中心とした、歴史的に実在が確認される最古の中国王朝。紂王が妲己により堕落させられ、悪政を繰り返したために国力が衰え、周に滅ぼされるに至る。

封神計画 (ほうしんけいかく)

『封神演義』に登場する用語。当初は妲己を筆頭に殷に害をなす妖怪仙人たちを一掃し、悪政に苦しむ人間を救うことを目的として元始天尊が太公望に命じたものとされたが、真の目的は女媧による支配から人間の生活を解き放つことであった。

封神台 (ほうしんだい)

『封神演義』に登場する用語。封神計画が遂行される過程で仙人・道士や能力の高い人間が肉体的に死亡した際に、その魂魄が封じられる空間。元始天尊が持つ巨大な宝貝の一種であり、彼の力によって維持されている。

仙人 (せんにん)

『封神演義』に登場する用語。仙術や宝貝、霊獣と呼ばれる人語を解し乗り物として機能する生き物を使う者の総称で、肉体はほんの少しずつ年を取るものの不死である。基本的には崑崙山脈、金鰲列島といった仙人界に属し、弟子を取って生活する。太古の昔に地球に降り立ち、地球に同化した女媧の同胞の血を濃く受け継いだ存在。

道士 (どうし)

『封神演義』に登場する用語。能力的に未熟な仙人の総称で、基本的には自らを仙人界にスカウトした仙人の弟子となって、仙人界で修行を積むが、人間界にとどまった場合は、頑強な肉体とずば抜けた身体能力を持った天然道士と呼ばれる存在となる。

妖怪仙人 (ようかいせんにん)

『封神演義』に登場する用語。仙人・道士のうち、その原型が人間ではなく動物や植物、無生物である者のこと。基本的には金鰲列島に属して生活・修行をする。充分な修行を積んだ者は人間の姿をとることができる。

宝貝 (ぱおぺえ)

『封神演義』に登場する武器。仙人・道士が使う戦闘用武器の総称。火や水、風、重力、空間など、操れる力は様々であり、見た目も非常に多彩である。女媧の同胞が女媧を抑えるために開発した武器が地球に残り、のちに発掘されてスーパー宝貝と呼ばれるようになったのが始まり。それを模して造られたものがその他の宝貝である。 通常は仙人が開発し、修行の過程で弟子の道士に与える。

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書誌情報

封神演義 全23巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(1996-11-01発行、 978-4088721415)

第23巻

(2000-12-22発行、 978-4088730592)

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