01

01 <ZERO ONE>

バーチャル格闘ゲームを題材にした人間ドラマで、奥浩哉が『GANTZ』の連載前に手掛けた作品。「週刊ヤングジャンプ」1999年21・22合併号から2000年17号に不定期に掲載されたほか、「週刊ヤングジャンプ増刊・別冊ヤングジャンプ」2000年5/5号に掲載された。

正式名称
01
ふりがな
ぜろわん
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

いじめられっ子の小学生、石動音露は、世界一になれるものを見つけろ、という石動音露の父の教育方針によって、中学への進学を許されず、孤独な日々を過ごしていた。ある日音露は、前々から興味を持っていたバーチャル格闘ゲームMBZを、プレイするチャンスをつかむ。初めて体験した1対1のバーチャル格闘バトルにおいて、音露は意外な才能を見せ、MBZの魅力を知る。

そしてMBZを通じて、さまざまな人々と出会いながら、成長していく。

登場人物・キャラクター

石動 音露 (いするぎ ねろ)

小学生の男の子。短い黒髪で、可愛らしい顔立ちをしている。両親と妹、弟と5人で暮らしている。父親は売れないプロレスラーで、家は貧しい。運動神経はいいのだが、学校ではそれを隠し、あまり目立たないようにしている。学校では、クラスメイトのムラッチョたちからパシリにされているが、友達付き合いもある。妹、弟思いの面倒見のいい兄で、正義感は強い。 世界一になれるものを見つけろ、という父親の教育方針によって、中学への進学は許されていない。小学校卒業後は、父親のプロレス興行のポスター貼りを手伝いながら、日々を過ごす。負けず嫌いな面があり、バーチャル格闘ゲームMBZにハマっていく。

石動 蔵羅 (いするぎ くらら)

石動音露の妹。黒髪を襟元の左右でしばっている。幼稚園児だが、弟の面倒を見るしっかり者。ゲームセンターで八神零とぶつかった際、八神が持っていたバイオリンケースのようなものに顔面を強く打ち、流血した。

石動 富夢 (いするぎ とむ)

石動音露の弟。姉の石動蔵羅と同じ幼稚園に通う男の子。ベースボールキャップを、つばを後ろにしてかぶっている。ゲームセンターで蔵羅が流血した際に泣きじゃくるが、泣きながらも、兄にしっかりと状況の説明をし、八神零の移動先を把握していた。

石動音露の父 (いするぎねろのちち)

石動音露の父親。小柄の売れないプロレスラー。音露を連れて、自身でプロレス興行のポスターを街に貼っている。どんな人間も、必ず何かしら世界一になれる才能を持っており、子供のうちにそれを自分自身で見つけるべきだ、という固い教育方針を持っている。そのため、音露の中学進学を許さなかった。しつけに厳しく、石動蔵羅の流血事件も、目を離した音露が悪いと断じ、ゲームセンターへの出入りを禁じる。

石動音露の母 (いするぎねろのはは)

石動音露の母親。長い黒髪の美人だが、家計が苦しいため、見た目は地味。優しい性格で、音露を中学へ行かせてほしいと、石動音露の父に頼む。家計を助けるため、弁当屋で働いている。

八神 零 (やがみ れい)

石動音露のクラスに転校してきた少年。アメリカからの帰国子女で、IQ200という噂の天才。陸上、水泳、音楽、絵画の才能もあり、何も見ずに、写真のように写実的な虎の絵を描いて見せた。他人を見下しており、教室のモニターに、IQ140以下の人間は話しかけるな、とメッセージを残す。そのため男子からは嫌われているが、容姿端麗なうえにスポーツ万能の天才少年のため、女子からの人気は高い。 MBZのプレイヤーとしても優秀。

ムラッチョ

石動音露のクラスメイトの少年。クラスのリーダー的存在で、音露と山下良一をパシリにしている。MBZのスゴ腕プレイヤーである八神零にホレ込むが、無視されたことを根に持ち、仕返しを企てる。

山下 良一 (やました よしかず)

石動音露のクラスメイトの少年。音露の隣の家に住んでいる。勉強はできず、太っており、音露と2人でいじめられっ子。小1の時に登校拒否していたが、音露のおかげで学校へ行くようになった。プロレスラーのようにガタイのいい父親がいる。

森川 咲 (もりかわ さき)

石動音露と同じ小学校に通う美少女。音露とは別のクラス。音露が父親とサッカーやバスケをしているところを見ているため、彼が実は運動神経がいいことを知っている。音露のファンであると告白し、学校の体育の授業中、1人で音露に声援を送った。

吉田 ちずる (よしだ ちずる)

MBZのナビゲーターとなるバーチャルキャラクター。ストレートの茶髪ロングヘアーで、水着のような露出の高い衣装を着た巨乳の美少女。MBZの筐体に入ると出現し、プレイヤーを案内する。

ゼロワン

初めてMBZをプレイした石動音露の脳内に話しかけてきた謎の存在。姿は見えず、その声はMBZをプレイ中の音露にしか聞こえない。MBZで絶対に負けるわけにはいかないと言い、音露に戦い方をレクチャーする。

洋介 (ようすけ)

MBZのプレイヤー。彼女を連れてゲームセンターへやって来て、MBZをプレイしている粗暴な男。腕はそこそこで、しつこく勝負を挑んでくる。猿田高史のことをうっとうしく感じている。石動音露がMBZを初めてプレイする際、偶然対戦することになる。

猿田 高史 (さるた たかし)

MBZのプレイヤー。事務機器メーカーの営業マン。メガネをかけ、背の低い冴えないサラリーマン。MBZに魅了され、営業中なのかスーツ姿のまま、昼間からゲームセンターでプレイしている。腕はいまひとつ。落とし物を拾ってくれた石動音露にMBZの手ほどきをし、音露の最初のMBZ仲間となる。

土方 力也 (ひじかた りきや)

左頬に傷を持つ青年。少年院出身の元プロボクサー。因縁をつけてきた相手をケンカでのしては、金を巻き上げている。初めてプレイしたMBZでも、元プロボクサーならではの格闘センスを発揮する。賞金目当てで、石動音露のMBZチームに参加する。

ゲーセンのじいさん

さびれたゲームセンターを経営する老人。妻に先立たれて1人で暮らしていた。娘のしおりが駆け落ちしたため、残された借金まみれのゲームセンターを引き継ぎ、孫のあつしを引き取った。店に客を呼ぶため、人気のMBZを無理して1台導入し、大会に参加してくれるプレイヤーを集めている。

近藤 将水 (こんどう まさみ)

MBZのプレイヤー。長身のイケメン大学生。Cランクという高ランクプレイヤーで、ジョイパレスというゲームセンターで開催されたMBZ大会の優勝者。MBZでのプレイヤー名は「リチャード・ギア」。MBZのウデを利用して、女の子をナンパしている。洋介がMBZで負けたはらいせに、対戦相手の石動音露に暴力を振るおうとしたところに現れ、音露を助けた。

源 鞘香 (みなもと さやか)

MBZのプレイヤー。23歳の巨乳美人主婦。仕事に忙しい夫が帰ってこないため、テレビ番組の紹介で知ったMBZでストレスを発散する。やや天然なところがあり、ゲームの案内役であるバーチャルキャラクターの吉田ちずるに、時給を尋ねていた。

源 良常 (みなもと よしつね)

MBZのプレイヤー。都内の高校に通う男の子。源鞘香の弟。自称Cランクプレイヤー。姉に呼び出されて、石動音露のMBZチームに参加する。

明智 那菜 (あけち なな)

MBZのプレイヤー。ショートカットの女子高生。Cランクという高ランクプレイヤーで、女忍者のキャラクターを使う。子供が大好きと公言し、初対面の石動音露に、「オッパイ触らせたげよっか」と声をかける。音露のMBZチームに参加。

仁徳 竜

福岡で仁徳流格闘術道場を経営する男性。父親の作り出した格闘技の道場を引き継ぐが、門下生は1人もおらず、経営の危機。若者に仁徳流格闘術の力をアピールするため、MBZをプレイするが、まったく勝てない。

仁徳 新愛 (じんとく あろあ)

仁徳竜の長女。ショートカットの美少女。まだ中学1年だが、誰もが目を奪われるほどの巨乳。そのことで男子からからかわれるため、本人は胸なんかなければいいと思っている。MBZで勝てない父親に代わって、仁徳流格闘術を広めるためにMBZのプレイを始め、魅了されていく。福岡にいながら、MBZの通信対戦プレイで東京にいる石動音露と出会い、交流を深めていく。

その他キーワード

MBZ

ゲームセンターで遊べるバーチャル対戦格闘ゲーム。「MBZ」は、「maximun battle zone」の略。直径2メートルほどの球状の筐体にプレイヤーが入り込み、実際に体を動かして戦う体感ゲーム。8種類のキャラクターから選ぶか、自分で作ったオリジナルキャラクターを使い、相手プレイヤーが操作するキャラクターと1対1で戦う。 仮想世界を舞台に、まるで実際に自分が戦っているような感覚でプレイできる。武器はなく、体ひとつによる肉弾戦だが、エネルギー弾を放つことは可能。世界中でプレイされており、プレイヤーは1000万人を超えるといわれる。通信対戦も可能で、成績に応じてランク付けされる。対戦中は相手と会話することも可能で、ギャラリーは対戦の様子をモニターで観戦できる。 プレイ料金は1回500円。負けなければ、次のプレイは無料。開発はゼータエンターテイメント。

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