土佐の一本釣り

土佐の一本釣り

若い漁師である主人公小松純平が、男として、人として成長する姿と、彼を支える姉さん女房吉村八千代との山あり谷ありの恋人関係から結婚に至る恋愛の過程を描く青春恋愛ストーリー。高知県久礼の漁師町に住む人々の、リアルな人間模様を活写したローカルご当地漫画でもある。

正式名称
土佐の一本釣り
ふりがな
とさのいっぽんづり
作者
ジャンル
青春
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概要・あらすじ

中学を卒業して、すぐにマグロ漁船の下っ端として乗り込んだ小松純平はケンカっ早く、強情っ張りで、おまけに前近代的な男尊女卑や単純な侠気を美学としている。そんな小松純平の背伸びとやせ我慢を受け入れつつも、時には反発するヒロイン吉村八千代。物語は小松純平の田子での漁師修行や釧路での浮気疑惑などの山あり谷ありの中で、より強く育まれていく二人の愛と性、そして人間的成長を軸に、漁師町の老若男女のリアルな生活と過酷なカツオ漁に携わる男たちの姿を描き出していく。

登場人物・キャラクター

小松 純平 (こまつ じゅんぺい)

連載開始時は中学卒業直後の漁師1年生。一番下っ端のカシキからスタートする。2歳年上の吉村八千代のことを憎からず思っているが、小学1年の時、登校路の峠越えで「行きたくない」と駄々をこねて、八千代におんぶされて通った過去があり、素直に「好き」とは言えない。素朴で前近代的な男尊女卑感覚が強く、男であること、女より前に出ること、酒を飲むのも、女を買うのも男の甲斐性だと思っているが、かなり背伸びしている。

吉村 八千代 (よしむら やちよ)

小松純平より二歳年上で、連載開始時は女子高生。後に純平の姉さん女房になる。亭主関白でいたい純平と、ある程度は夫唱婦随を受け入れる八千代は名コンビ。何度かの危機は訪れるが、そのたびにお互い成長していく。元ソフトボール部のピッチャー。高校卒業後は地元の鰹節工場で働く。

柴田 玄 (しばた げん)

第一福丸の船頭。小松純平を厳しく鍛える。淋病をもらった純平にペニシリンを注射するなど面倒見もいい。一男一女の父。

西川 勝 (にしかわ かつ)

第一福丸の乗組員。小松純平の先輩で、一番仲が良く、いつでも一緒にいる。エロ写真マニア。お好み焼き屋の丸子と結婚する。

前川 又三 (まえかわ またぞう)

第一福丸の舳乗り。若い衆の頭分。

吉村 千代亀 (よしむら ちよかめ)

吉村八千代の父。カツオ船の船頭だった。現役時代は大酒飲みで、出漁時には毎回、泥酔したままリヤカーで船に運び込まれた。

米蔵 貞松 (よねくら さだまつ)

台風で小松純平の父と一緒に沈んだ漁師米蔵の息子。最初は八幡宮の祭りの酒もちとして純平の前に登場。後に弟分となり、中学卒業後、第一福丸に乗船する。

丸子 (まるこ)

お好み焼き屋の娘で吉村八千代の親友。丸顔で太め。勝と結婚する。久礼高ソフトボール部ではキャッチャーとして八千代とバッテリーを組んでいた。

松村 三津子 (みつこ)

マグロ漁船に乗り組む松村裕二の若妻。夫が遠洋に出ている間、慣れない漁師町に一人残される。しきたりなじめず、年寄りたちに反抗する。しかし八千代と仲良くなり、少しずつなじんでいく。しかし、夫は帰らず。帰港先の釧路まで行ってみれば、女と逃げていた。自暴自棄になった彼女が小松純平と出会ったことから大騒動が勃発する。

松村 裕二 (まつむら ひろじ)

マグロ漁船員。釧路で女と逃げるが、貯めた金を持ち逃げされ、三津子とよりを戻して久礼に戻ってくる。

錠吉 (じょうきち)

室戸犬吠埼の船頭。アル中だが腕は確か。事故で漁の指揮をとれなくなった柴田の代打として第一福丸に乗り組む。カツオ漁のすべてを知り尽くしており、実力で乗組員の信頼を勝ち取っていく。小松純平とは相容れないが、小松純平はカツオ漁の神髄を彼から学んでいく。かつて台風で遭難し17人の犠牲者を出しているが、カツオの群れに魅せられ、台風の中、第一福丸を避難させまいとする。

純平のお母ァ (じゅんぺいのおかあ)

夫の死後、女手ひとつで小松純平を育てててきた。

熊倉 矢太 (くまくら やた)

小松純平の乗り組むカツオ船の新参の釣り師。数々の武勇伝の持ち主。純平を連れて飲みに行った時、不良学生と大喧嘩となり、相手のナイフを奪って刺し、逮捕される。

貫次 (かんじ)

小松純平より三歳年上。漁師にはならず大阪の自動車整備工場で働く。

藤崎 (ふじさき)

妻に先立たれて、男手ひとつで子供を育てているが、働いている間は八千代に子供を預けている。

近藤 忠臣 (こんどう ただおみ)

柴田とはカシキ時代からの同期。高知市長浜在住。第一福丸のピンチに小松純平たちが訪ねていく。

川西 (かわにし)

第一福丸の船主。乗組員たちの無事を祈って、朝参りを続けていたが、無理がたたったのか急死する。

川西 とき (かわにし とき)

川西の妻。夫の死後、船主を引き継ぐ。

権左 (ごんざ)

人助け好きな老漁師。

加矢 (かや)

権左の妻。終戦直後の若い頃、村の若い男たちのサセコだった。加矢が妊娠した時、男たちは「株主総会」を開き、一番サセてもらっていた権左が夫の座を射止めた。今では年寄りになった男たちは、それが残念でならない。

岸部 (きしべ)

田子の漁師町のスカウト。小松純平に惚れ込み、酒に酔わせて契約書にサインさせてしまう。素面になった純平に肋骨が折れるほど殴られるが、結局、純平のスカウトに成功する。

芳漁丸の船主 (ほうりょうまるのふなぬし)

芳漁丸の船主。

道広 (みちひろ)

芳漁丸の見習い漁師。スナックのママに惚れて、陸に上がろうとする。

大仏の福 (だいぶつのふく)

小松純平が田子で世話になる宿親。

鉄伍 (てつご)

小松純平が出会う田子の漁師。暴れ者の酒飲み。

(さとし)

芳漁丸の船頭。

寿のママ (ことぶきのまま)

田子のスナック寿のママ。道広に惚れられる。

室源 (むろげん)

室戸の長老的な漁師。錠吉を紹介する。

親分 (おやぶん)

勝と小松純平が下田でケンカしたヤクザの親分。田子を逃げ出した純平と道広と熱海で飲んで事情を訊く。

伊藤 (いとう)

『土佐の一本釣り』の登場人物芳漁丸の舳乗り。

三郎 (さぶろう)

小松純平の後輩のカシキ見習い。父親が元漁師の魚屋。一度、出漁して嵐に遭遇し、陸に上がってしまう。

高島 (たかしま)

香陽中のソフトボール部監督。吉村八千代にちょっかいを出してはねつけられる。

堀本 (ほりもと)

マグロ漁船の乗組員。小松純平が下田の飲み屋で一緒になる。妻の美佐に逃げられてしまう。

久保 勝江 (くぼ かつえ)

貞松の幼なじみ。

あきにいやん

久礼の喫茶店「LONDONER」のマスター。元漁師。

ねこまたぎの三兄弟 (ねこまたぎのさんきょうだい)

『土佐の一本釣り』に登場する三つ子の漁師。船頭、機関長、舳乗り、無線士が事故で乗船できなくなった第一福丸に、ピンチヒッターとしてスカウトされる。最初は小松純平を騙して金を巻き上げようとしたが、純平のまっすぐさに負けて、乗船することになる。

場所

久礼 (くれ)

『土佐の一本釣り』に登場する漁師町。最寄り駅は土讃線土佐久礼駅。

田子 (たご)

『土佐の一本釣り』に静岡県賀茂郡西伊豆町田子の漁師町。

その他キーワード

第一福丸 (だいいちふくまる)

『土佐の一本釣り』に登場する39トンのカツオ漁船。小松純平たちが乗り組んでいる。

芳漁丸 (ほうりょうまる)

『土佐の一本釣り』に登場する田子のカツオ漁船。299トン。ニューギニア近海まで漁に出ることができる。小松純平が修行のために乗り組む。

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