明智警視の優雅なる事件簿

明智警視の優雅なる事件簿

同著者による作品『金田一少年の事件簿』にも登場する警視庁の警視・明智健悟を主人公に据えて描かれた一話完結の連作短編。健悟が刑事になってから解決した、さまざまな難事件の中から4本を収録している。「週刊少年マガジン」1997年第35号から2000年第17号にかけて不定期に掲載された。

正式名称
明智警視の優雅なる事件簿
ふりがな
あけちけいしのゆうがなるじけんぼ
原作者
天樹 征丸
漫画
ジャンル
推理・ミステリー
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

警視庁のエリートである明智健悟警視は、とある殺人事件の容疑者として留置所に入れられてしまった金田一一と面会する。健吾に対し、自分は無実だと訴える金田一。彼が犯人でないことを証明するため、健悟は剣持警部とともに、事件現場へと聞き込みに向かうのだった。

登場人物・キャラクター

明智 健悟 (あけち けんご)

警視庁きってのエリートといわれる警視の男性。容姿端麗で頭脳明晰、非の打ちどころがない優秀な人物。しかし、何かと格好つけたり、上から目線での物言いが目立つため、部下である剣持をイライラさせてしまうケースが多い。金田一一や七瀬深雪とは、面識がある。

金田一 一 (きんだいち はじめ)

かつて名探偵と謳われた有名な祖父を持つ高校生の男子。普段から軽口を言ったり、待ち合わせに遅れるなどいい加減な面もあるが、洞察力に関しては人並み外れたものを持っている。双子山遊園地駅始発の不動山鉄道線で起きた殺人事件の現場に居合わせていたため、容疑者として拘留されてしまい、明智健悟と剣持に助けを求めていた。

七瀬 深雪 (ななせ みゆき)

エピソード「殺人ポーカー」、エピソード「幽霊ホテル殺人事件」に登場する。金田一一の友人で、高校生の女の子。金田一とは一緒に出掛けたり、商店街のくじ引きで当選したディナーを食べに行くなど、友達以上恋人未満の仲。明智健悟とも顔見知りで、健悟の端正な顔立ちに見とれてしまうこともある。

剣持 (けんもち)

エピソード「証言パズル」、エピソード「死者のチェックメイト」に登場する。警視庁に勤めている刑事で、階級は警部。明智健悟の部下にあたる。オールバックの髪形に無精ひげを生やした中年男性で、趣味は将棋。金田一一とは一緒に将棋を打つ仲だが、上司である健悟は、常日頃からいけ好かないイヤミヤローだと思っている。

住吉 慎吾 (すみよし しんご)

エピソード「証言パズル」に登場する。警視庁捜査一課に所属する29歳の男性。双子山遊園地駅始発の不動山鉄道線で発生した殺人事件の現場に居合わせた。双子山近辺で聞き込みを終えた後、双子山遊園地駅から問題の電車に乗り合わせ、被害者と同じ車両に唯一乗っていた金田一一を容疑者として逮捕した。

鹿沢 直美 (しかざわ なおみ)

エピソード「証言パズル」に登場する。不動山学院高校に通う、2年生の女子学生。友達の家から帰るため、双子山遊園地駅から不動山鉄道線の快速列車2両目に乗り、不動山駅を目指していたが、その途中で事件に遭遇してしまう。

能代 乙彦 (のしろ おとひこ)

エピソード「証言パズル」に登場する。サラリーマンをしている45歳の男性。双子山遊園地駅から不動山鉄道線の1両目に乗り込んだ。泥酔していたため乗車してすぐに寝込んでしまい、一緒に乗車した人物などは覚えていない。

国東 隆介 (くにとう りゅうすけ)

エピソード「証言パズル」に登場する。フリーターをしている26歳の男性。アルバイト先がある終点の不動山駅に行くため、自宅のある起川駅から双子山遊園地駅始発の不動山鉄道線の1両目に乗り込んだ。その際、泥酔し寝ていた能代乙彦を目撃している。

八木 清 (やぎ きよし)

エピソード「証言パズル」に登場する。不動山電鉄の車掌を務める28歳の男性。始発駅である双子山遊園地駅から3両目にある車掌ボックスに乗っていた。2つ目の駅を出た頃、乗り越し精算に行ったところで事件に遭遇してしまう。

金子 善勝 (かねこ よしかつ)

エピソード「証言パズル」に登場する。不動山電鉄の運転士を務める46歳の男性。双子山遊園地駅始発の不動山鉄道線で、事件が起きた車両を運転していた。安全のため運転席を離れることができなかったため、始発駅から殺人事件が起こるまでずっと運転席にいた。

江熊 忠夫 (えぐま ただお)

エピソード「証言パズル」に登場する。双子山遊園地駅始発の不動山鉄道線で起きた殺人事件の被害者。55歳の男性。都内で金貸しを営んでおり、あくどい守銭奴として業界でも有名だった。金を貸した相手に頭と腕を切られた跡がある。傷跡を隠すため、真夏でもエンジのコートと帽子を着用している。

雲間 進治 (くもま しんじ)

エピソード「殺人ポーカー」に登場する。長野の山中にある山小屋で、雨宿りをしていた38歳の男性。銀座で画廊を経営しているが、画廊に出入りしていた親しい男に、有名画家の贋作を売りつけられてしまい、何千万円もの負債を負った過去がある。

赤菱 五郎 (あかびし ごろう)

エピソード「殺人ポーカー」に登場する。長野の山中にある山小屋で、雨宿りをしていた42歳の男性。金融会社を営んでいる社長。以前、金を貸した客がナイフを持って事務所に殴り込み、わけののわからないことを喚き散らすという事件に遭遇している。

三矢 鉄男 (みつや てつお)

エピソード「殺人ポーカー」に登場する。長野の山中にある山小屋で、雨宿りをしていた40歳の男性。宝石商を営んでいるが、商売上危険な目に遭遇することが多い。社員に原石を持ち逃げされたり、買い付け先で強盗に襲われたなどの過去を持つ。

緑川 総介 (みどりかわ そうすけ)

エピソード「殺人ポーカー」に登場する。長野の山中にある山小屋で、雨宿りをしていた37歳の男性。警備会社の役員を務めている。若い頃に呉服店の警備中、反物泥棒に背中を刺されて重傷を負った。妻もそのショックで流産してしまった、という悲しい過去を持つ。

猫田 光成 (ねこた みつなり)

エピソード「殺人ポーカー」に登場する。長野の山中にある山小屋で、雨宿りをしていた50歳の男性。運送会社に勤めている。妻に逃げられて借金地獄に陥ってしまい、ついていない人生を送ってきた。山小屋で一緒になった明智健悟に、15年前に起きた未解決の殺人事件の現場を見たことを告白する。

パトリシア・オブライエン (ぱとりしあおぶらいえん)

エピソード「死者のチェックメイト」、エピソード「幽霊ホテル殺人事件」に登場する。明智健悟が研修赴任しているロス市警の女性刑事。殺人課に所属し、健悟とはワーキングパートナーを組んでいる。金髪でスタイルのいい華やかな容姿をしており、健悟に対して恋心を抱いている。

舟木 トシロウ (ふなき としろう)

エピソード「死者のチェックメイト」に登場する。日本人の男性。25歳。3年前にラスベガスで開催された、プロアマ合同のチェス世界選手権に出場した。大会の優勝候補だったが、ケネス・ゴールドマンに敗退。その後、ホテルの部屋で何者かに殺害されてしまう。

ケネス・ゴールドマン (けねすごーるどまん)

エピソード「死者のチェックメイト」に登場する。3年前にラスベガスで開催された、プロアマ合同のチェス世界選手権に出場した中年男性。1991年の世界選手権で優勝経験を持つベテランプレイヤー。大会が開催されているホテルからほど近い場所に建つ、ロイヤルゴールドマンホテルの経営者でもある。

ジャン・モノリス (じゃんものりす)

エピソード「死者のチェックメイト」に登場する。3年前にラスベガスで開催された、プロアマ合同のチェス世界選手権に出場したフランス人の男性。無冠の若手という異名を持っていた。しかし準々決勝戦でケネス・ゴールドマンと対決するが、敗れてしまった。

ショウヘイ・金田 (しょうへい かねだ)

エピソード「死者のチェックメイト」に登場する。3年前にラスベガスで開催された、プロアマ合同のチェス世界選手権に出場した男性。眼鏡をかけた気弱そうな容姿をしており、初戦で舟木トシロウに敗れている。トシロウが殺された時間にアリバイがなかったため、疑いをかけられる。

カルロス・ロッシ (かるろすろっし)

エピソード「死者のチェックメイト」に登場する。3年前にラスベガスで開催された、プロアマ合同のチェス世界選手権に出場したスペインの男性。スペインの新星という異名を持ち、準々決勝戦で明智健悟と対戦するが、敗れてしまった。

アニタ・ロビンソン (あにたろびんそん)

エピソード「死者のチェックメイト」に登場する。システムエンジニアの女性。眼鏡をかけている。以前にシリコンバレーの会社に勤める優秀なシステムエンジニアとして、パソコン雑誌のインタビューを受けている。ケネス・ゴールドマンの知り合い。

ボブ・デイヴィス (ぼぶでいゔぃす)

エピソード「幽霊ホテル殺人事件」に登場する。明智健悟が研修赴任しているロス市警の刑事の男性。元重量挙げのチャンピオンで、腕力には自信を持っている。銀行強盗犯のジム・チッパが、盗んだ金を共犯者に受け渡す現場を取り押さえるために、健悟とパトリシア・オブライエンとともに、フランクリンホテルで張り込みをしていた。 過去に離婚経験がある。

ジム・チッパ (じむちっぱ)

エピソード「幽霊ホテル殺人事件」に登場する。殺人の前科持ちで、出所後に銀行強盗を働いた。赤毛で口元に傷がある男性。盗んだ金を共犯者に受け渡すため、フランクリンホテルに宿泊している。日本人を「黄色」と呼び、極度に毛嫌いしている。

ビル・ハメット (びるはめっと)

エピソード「幽霊ホテル殺人事件」に登場する。フランクリンホテルで支配人を務めている中年の男性。5年前にホテルで起きた火災により、顔の左側に大きな火傷を負ってしまったため、現在は火傷の跡を前髪で隠している。口ひげも蓄えた、物腰の柔らかい人物。

ミスターマスクマン

エピソード「幽霊ホテル殺人事件」に登場する。謎の東洋人マジシャンの男性。フランクリンホテルでディナーショーをしている。口元以外のすべてを覆い隠す、大きな黒いマスクを着用しており、素顔は不明。明智健悟いわく、凄腕のマジシャンらしい。

ケン・ムラタ (けんむらた)

エピソード「幽霊ホテル殺人事件」に登場する。刺殺されてしまった東洋人の少年。5年前にフランクリンホテルで起きた火災事故の最中に殺された。日本人の母を持ち、当時の年齢は10歳だった。それ以来、ケンが殺された部屋に、少年の幽霊が出ると噂が広まっている。

場所

フランクリンホテル

ロサンゼルス郊外に建つ古いホテルの名称。5年前に起きた火災事故により多数の死者が出ており、未だに焼け死んだ人の、火だるまになった姿が見えるなどの噂が絶えない。いわくつきの「幽霊ホテル」。

クレジット

原作

ベース

金田一少年の事件簿 (きんだいちしょうねんのじけんぼ)

後に長期シリーズ化される『金田一少年の事件簿』シリーズ1作目。さとうふみやが作画、case2巻までは金成陽三郎が原作、それ以降は天樹征丸(樹林伸)が原作・原案を務める。高校生の金田一一が遭遇する難事件... 関連ページ:金田一少年の事件簿

SHARE
EC
Amazon
logo