ブリザードアクセル

ブリザードアクセル

少年漫画では珍しい、フィギュアスケートを題材とする作品。人々の注目を集めたいと願う少年、北里吹雪がフィギュアスケートと出会い、成長していく姿を描く。この作品の元となった読切作品からは、主人公の設定などが大きく改変されている。

正式名称
ブリザードアクセル
ふりがな
ぶりざーどあくせる
作者
ジャンル
スケート
関連商品
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概要・あらすじ

優秀すぎる兄を持つがゆえに親から注目してもらえず、その反動からケンカに明け暮れる日々を送っていた少年・北里吹雪。そんな彼がフィギュアスケートと出会い、「目立ちたい」という欲求を満たすことのできる場をようやく見つけたという思いから、フィギュアスケートの魅力にとりつかれていく。そして、荒削りながらも彼の中に眠る素質を見抜いたコーチの導きにより才能を開花させていくと共に、人間的にも大きく成長していくことになる。

登場人物・キャラクター

北里 吹雪 (きたざと ふぶき)

福島県に暮らす中学1年生の少年。非常に優秀な3人の兄を持ち、それゆえに両親から注目されることなく育つ。そのコンプレックスから「人々の注目を浴びたい」と強く願い、ケンカで100連勝を達成。しかし注目されるどころか、周囲から孤立することになってしまう。そんなある日、友人の誘いで訪れたスケート場で、目立ちたい一心でフィギュア未経験ながらジャンプを披露。 その身体能力に地元のフィギュアスケートクラブ氷山FSCのコーチ・黒塚光は驚愕し、彼の勧めで本格的にフィギュアスケートを学び始める。そして親の金銭的援助を得たくないという思いから、東京の名門クラブ・白帝FSCの特待生制度に挑戦。一度は狭き門ゆえに試験に落ちるが、独創的な表現力が元世界チャンピオンのコーチであるジョージ・マッケンジーの心を動かし、彼とともに世界の頂点を目指してフィギュアスケートの新たな次元を切り拓いていく。 やがてある事情から、シングルだけでなくペアも兼ねることになるが、そのパートナーとなる白原六花との出会いにより、さらに選手として大きく成長することとなる。

白原 六花 (しらはら りっか)

北里吹雪とペアを組むことになる、本作のヒロイン。中学1年生。白帝FSCのオーナー・白原順三郎の一人娘で、同クラブの特待生。しかし父は本心ではフィギュアスケートを辞めて会社の跡取りとなることを願っており、その意向を汲んだコーチの神谷舞子により、成績不振を口実に組むあてのないペアへの転向を言い渡される。 そうした事情から、当初は経験の浅い北里吹雪とやむを得ずペアとなるが、彼の努力と不屈の精神に刺激されて互いに切磋琢磨。「ドン・キホーテ」の演目では新たな表現を見せつけて、ライバルのペアに圧勝する。その後、本格的に北里吹雪とペアを組むが、いつしか彼のことを愛してしまい、「パートナーとの恋愛を禁じる」というコーチの方針との間で思い悩むことになる。 しかし、「愛した相手を傷つけることが怖くなる」という常識を超え、信頼ゆえに傷つけることを恐れないペアへと成長。一時は父の仕事の都合でペアを解消するが、やがては北里吹雪と共にオリンピックの舞台で金メダルを獲得するに至る。なお、見た目からは想像できないほど部屋は汚い。

五反田 正 (ごたんだ ただし)

中学2年生。北里吹雪が最初に出会うフィギュアスケートの経験者で、白帝FSCの寮では彼と同室となる。もとは福島の地元クラブである氷山FSCに所属しており、そこからの推薦で北里吹雪、阿波花音と共に白帝FSCの特待生試験を受ける。彼らと比較すると平凡とも言える演技ではあったが、表現力や未知の可能性よりも、基礎的な技術力を重視するコーチの城島研一の意向により、試験に合格する。 当初は初心者の北里吹雪たちを下に見る鼻持ちならない性格の人物だったが、その後、白帝FSCでは周囲のレベルの高さに一度は挫折。フィギュアスケートを辞めて故郷へ帰ろうとしていたが、後から特別に編入された北里吹雪のがむしゃらな姿に刺激を受けて、再び情熱を取り戻した。 その後は彼の良き友人となっている。なお、他人の演技などに驚いたときには大量の鼻水を噴出するという、極めて迷惑な体質を持つ。

梧桐 陣 (ごとう じん)

白帝FSCの特待生のひとり。中学1年生。天性のアクセルジャンパーであり、自分と同じ素質を持つ北里吹雪を、特待生の中では最初にライバルと認める。寮の自室はフィギュアスケート関連の書籍やビデオで埋め尽くされており、非常に研究熱心。しかし、当初は「ライバルは自分だけ」と言い放ち、他人の存在を気にかけない態度も見られたが、北里吹雪との出会いによって競うことの楽しさに目覚め、さらにテクニックに磨きをかけることになった。 そして、その切磋琢磨が短期間で北里吹雪が基礎的な技術を修得するきっかけにもなっている。また、シングルとペアを兼任し、ペア競技では桜田小雪をパートナーとする。

桜田 小雪 (さくらだ こゆき)

白原六花の友人で、白帝FSCの特待生のひとり。たびたびアクシデントで身体的な接触をする北里吹雪と白原六花の仲を、勘違いしがちな女子中学生。同じく特待生である桜田武士の妹で、兄には溺愛されている。シングルとペアを兼任し、ペアのパートナーは梧桐陣。

桜田 武士 (さくらだ たけし)

白帝FSCの特待生のひとり。中学3年生とは思えないほどの屈強な肉体を持ち、寮の自室にはほとんど筋トレ用の器具しか置かれていない。その筋力をベースにした四回転トゥループが得意技とされているが、交流戦を不意の下痢によって欠場。結局、作中ではほとんど演技する姿が描かれることはなかった。 見た目とはややギャップを感じるほど、同じく特待生である妹の桜田小雪を溺愛しており、ペアへの転向を命じられた白原六花からパートナーの打診を受けた際には、自分がペアを組むとすれば妹とだけと断言して「シスコン」の烙印を押されている。

ジョージ・マッケンジー

男子シングルの元世界チャンピオンで、現在は白帝FSCのコーチのひとり。赤い鼻が特徴。北里吹雪を世界の舞台へと導く。彼と出会うまでは、表現力よりも技術偏重となっていったフィギュアスケート界に失望し、指導への情熱を失った状態にあったのだが、北里吹雪の荒削りな四回転半ジャンプに「技術」ではなく「芸術」の資質を感じ取り、本来ならば「特待生の合格者は1年にひとり」というルールを曲げてまで彼を直接指導する。 そして特例を認めるかわりに、極めて短期間でフィギュアスケート選手の壁と言われる140点を北里吹雪が獲得しなければ、白帝FSCのコーチの職を失うという約束が交わされていた。 その後、彼の常識はずれな練習量が実って見事に課題をクリア。それによって、かねてよりアメリカから誘致を受けていたコーチの城島研一は渡米の決心を固め、北里吹雪だけでなく全選手の指導を委ねられることになる。なお、北里吹雪には対面前、「じょうじま けんじ」という名の日本人だと勘違いされていた。

黒塚 光 (くろつか ひかる)

元オリンピック選手のフィギュアスケーターで、現在は福島県の氷山FSCでコーチを務める。北里吹雪の素質を最初に見出し、彼をフィギュアスケートの世界へ導く。そして、準備資金として必要な150万円を用意できないという北里吹雪に、合格すれば一切の費用が免除される白帝FSCの特待生試験を受けるように勧めた。 その後も試験に合格できなかった彼のために両親を説得に向かったり、特別に特待生として追加されることが決まった後も、たびたび成長の様子を伺いに試合会場に姿を見せている。また、地元に残った阿波花音と宍戸雷造の指導を続け、やがては彼らもオリンピックでメダルを狙うようになるまで育て上げている。

阿波 花音 (あなみ かのん)

北里吹雪と福島県で同じ学校に通う親友。女性的なルックスの男子中学生。幼いころよりバレエダンサーとしての経験を積み、その道では超一流になれると目されていたが、自分なりの「ボレロ」を演じることに強いこだわりを持っており、そのためにはバレエよりもフィギュアスケートのほうが向いているのではないかと考えていた。 しかし、一般的な常識ではすでにフィギュアスケートに転向するには遅すぎる年齢であるため躊躇していたところ、北里吹雪がこの年齢で1からフィギュアスケートの世界へ足を踏み入れたことに触発され、自らも転向を決心した。フィギュアスケート選手が後から演技のためにバレエを学ぶのとは比べ物にならない豊かな表現力を持ち、その才能はジョージ・マッケンジーら一流コーチをも魅了。 白帝FSCの特待生試験には不合格となるが、福島に戻って黒塚光のもとで経験を積んでいく。

宍戸 雷造 (ししど らいぞう)

北里吹雪と福島県で同じ学校に通う親友。彼とは対照的に目立つことが苦手な性格。「周囲にナメられないように」という理由で北里吹雪によってソリコミを入れられているが、本来はまったく不良的な資質は持っていない。当初は彼らがフィギュアスケートの道へと進むのを見守り、応援する立場を取っていたが、実は自分もやってみたい気持ちがあるのを北里吹雪に見抜かれ、彼が単身上京を決めた際、自身も地元でフィギュアスケートを始めることを決意した。 数年後、物語の最終盤においてアイスダンスの道へ進み、オリンピックでメダルを獲得するほどに成長していることが描かれている。

ガブリエル・ホワイト

北里吹雪が白原六花とのペアを解消してシングルに専念した際、アメリカでのライバルとなる人物。フィギュアスケートを極めるために他のすべてを犠牲にし、その威圧的な演技から四回転の悪魔(クワドデビル)、あるいはデビルと恐れられる選手。しかし、かつては北里吹雪と同じく豊かな感情と周囲への愛情を持っており、北里吹雪との戦いを通じて少しづつ本来の姿を取り戻していく。 そして彼をライバルとして認め、数年後はオリンピックという最高の舞台でぶつかることになる。

場所

白帝FSC (はくていふぃぎゅあすけーとくらぶ)

『ブリザードアクセル』の主な舞台となるスケートクラブ。ウインタースポーツ用品の大手メーカーである白帝グループが運営。オーナーはグループの社長であり、白原六花の父親でもある白原順三郎。北里吹雪の才能を開花させることになるジョージ・マッケンジーのほか、城島研一、神谷舞子、獅門慶介らがコーチとして所属している。 日本では名門中の名門であるクラブとされており、特待生制度を採用して一流フィギュアスケート選手を育成。特待生に選ばれた者は一切の費用が免除されるが、非常に狭き門となっており、通例であれば1年にひとりしか合格させないことになっている。ジュニアクラスの特待生は白帝若葉寮の寮生となり、私立白帝学園に通学している。

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