ラスト ~僕らは未来のために~

ラスト ~僕らは未来のために~

高校時代に深い後悔を残し、孤独な生活を送る男性。彼が突如タイムスリップし、当時ほとんど関わりのなかった少女の協力を得て、未来を変えようと奔走する青春SFラブストーリー。

正式名称
ラスト ~僕らは未来のために~
ふりがな
らすと ぼくらはみらいのために
作者
ジャンル
タイムトラベル
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あらすじ

第1巻

2002年。高校3年生の高田カンタは、片想い相手の藤田ヒナと、親友のいぶきに囲まれ、楽しい日々を過ごしていた。しかし、修学旅行の夜、カンタはいぶきもまた、ヒナに想いを寄せていることを知ってしまう。焦るカンタだったが、現在の関係が壊れるのを恐れるあまり、ヒナに対しても、いぶきに対しても中途半端な態度を取り、2人から見放されてしまうのだった。 それから6年後。カンタは大学を卒業したものの、仕事も決まらなければお金もない、という孤独な生活を送っていた。ある日、いぶきに借金を申し込んだカンタは、その帰り道で交通事故に遭ってしまう。しかし、カンタが目を覚ますと、彼は2002年に修学旅行で泊まったホテルにいた。自らがタイムスリップしていると知ったカンタは、同じ過ちを繰り返さないため、クラスメイトの須堂リコの協力を得て「ヒナへの想いは諦め、ヒナといぶきが結ばれるように協力する」という、本来の歴史とは違う行動をとり始める。

第2巻

高田カンタの健闘むなしく、藤田ヒナいぶきは、交際するどころか険悪な関係になってしまった。一度は全員が幸せになる未来を諦めかけるカンタだったが、須堂リコの励ましと、リコの意外な行動により、ヒナといぶきを仲直りさせることに成功する。そんなある日、カンタはいぶきから、リコが学校を休み、病院にいるらしいと聞く。リコが何らかの重い病気なのでは、と考えたカンタは病院に駆けつけるが、病気なのはリコではなく、リコの祖母であった。病院で知り合ったリコの祖母とリコの妹である須堂アコから、リコが家計を支えるために数々の苦労をしてきたと知ったカンタは、リコを支える決心をする。それと同時に、本来の歴史ではリコが高校卒業と同時に亡くなっていることを改めて意識し、リコの死を阻止するにはどうするべきか、考えるようになるのだった。

登場人物・キャラクター

高田 カンタ (たかだ かんた)

20代前半の無職の男性。前髪を目の上で切ったボサボサのショートカットヘアに眼鏡をかけ、無精ひげを生やしている。高校3年次は前髪を目の上で切り、髪全体をツンツンに立てたショートカットヘアにしていた。やや優柔不断でそそっかしいが、困っている人を放っておけない心優しい性格。高校時代、友人の藤田ヒナに想いを寄せていた。しかし高校3年次の5月、修学旅行中に親友のいぶきもヒナに想いを寄せていると知り、悩む。 そして、ヒナに対してもいぶきに対しても中途半端な態度を取った結果、2人に愛想を尽かされ、疎遠になってしまった。その後、大学に進学するが、卒業後も就職が決まらず、借金まみれのさえない生活を送っていた。ある日、久しぶりにいぶきに会うが、その帰り道で交通事故に遭ってしまう。 しかし、目を覚ますと自分が2002年の、高校3年生の修学旅行の夜にタイムスリップしていることを知る。そして、違う未来を描くために、本来の歴史とは違う行動をとることを決める。その際、ヒナといぶきに「自分は須堂リコと交際している」と噓をつく。事情を察したリコが、交際しているフリをしてくれることになり、タイムスリップした世界で、リコと恋人ごっこをしながら、ヒナといぶきが結ばれるように画策することになる。 タイムスリップ当初はリコのつれない態度に腹を立てていたが、本当は生真面目で親切なリコの人柄に触れるうち、リコに惹かれるようになっていく。そして「高校卒業と同時に亡くなる」というリコの未来を変えるにはどうするべきか、考えるようになる。 家ではジャッキーという犬を飼っている。

須堂 リコ (すどう りこ)

高田カンタの、高校3年次のクラスメイトの女子で故人。須堂アコは妹。前髪を目の上で切り、耳の下まで伸ばした外はねボブヘアにしている。クールで物静かな性格で、周囲となじまない一匹狼。そのため、一見他人に関心がないように見えるが、実は観察眼に優れ、さらに機転が利くという、頼れる一面がある。不愛想で不器用だが、本来的には生真面目で責任感が強く、1人で問題をしょい込んでしまうところがある。 2002年、高校3年次に修学旅行のグループを組むにあたり、1人だけ、どこのグループにも入っていなかったという理由で、1名定員に空きがあったカンタ、藤田ヒナ、いぶきたち3人のグループに入る。しかし、3人とは一切親しくならずに修学旅行を終え、その後、高校卒業と同時に亡くなった。 だが、高校3年の修学旅行の日までタイムスリップしてきたカンタが、ヒナといぶきを欺くために「自分とリコは交際している」と噓をついたのをきっかけに、タイムスリップ後の世界では、カンタと噓の恋人生活を送ることになる。実は自分もタイムスリップを繰り返しており、毎回「孤独な高校生活を送り、卒業と同時に亡くなる」という結末を迎えてきた。 そのため、これまでのタイムスリップ時にはなかったカンタの行動に驚きつつ、自分もタイムスリップを繰り返している事実を隠しながら協力する。何度もタイムスリップした経験から、タイムスリップした人間が干渉することにより、人間関係などが好転することはあっても、死の運命は基本的に変えられないという事実を知っており、自らの死を受け入れているところがある。 子供の頃に両親を亡くして以来、アコと祖母の3人で生活している。そのため家は貧しく、新聞配達のアルバイトをし、さらに家事全般まで担当しながら生活している。極端に無口で無表情なため、何事にも動じないように見えるが、遊園地の絶叫系アトラクションは苦手。また、家族の前では別人のように明るい表情を見せる。 特技は料理。実は犬が好き。

藤田 ヒナ (ふじた ひな)

高田カンタの元友人で、20代前半の女性。高校卒業から6年後の現在も、高校3年次も髪型は同じで、前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸の下まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。スタイル抜群で胸が大きい。明るく天真爛漫な性格だが、怒りを引きずるところがあり、喧嘩をするとこじれやすい。高校時代はカンタといぶきと3人で非常に親しかった。 しかし、実はカンタに想いを寄せており、2002年、高校3年次の修学旅行の際に、勢いでカンタとキスをする。だが、その現場をいぶきに目撃された際、カンタの中途半端な態度に深く傷つき、疎遠になってしまった。カンタがタイムスリップした後の世界では、修学旅行で疎遠になることは避けられたものの、カンタの「須堂リコと交際している」という言葉を怪しんでおり、カンタが自分といぶきを交際させるために噓をついているのではと考えている。 やや怖がりなところがあり、お化けが苦手。高校卒業後は、介護関係の道に進む。

いぶき

高田カンタの高校時代の親友。現在は疎遠となってしまっている20代前半の男性。高校時代も、卒業から6年後の現在も髪型は同じで、前髪を上げて額を全開にしたスポーツ刈りにし、もみあげを頬のあたりまで長く伸ばしている。がっしりとした体つきで、太眉が特徴。高校時代は裸眼だったが、現在は眼鏡をかけている。さわやかで素直な性格で、やや単純な人物。 実家は病院で、高校卒業後は慶応義塾大学に進学し、医者を目指すエリートとなる。しかし、現在でもカンタに裏切られたことに怒りを感じている。高校時代はカンタと藤田ヒナと3人で非常に親しく、また、ヒナに想いを寄せていた。しかし2002年の5月、修学旅行の夜にカンタにそれを打ち明けた際、カンタが「いぶきに協力する」と言ったにもかかわらず、直後カンタとヒナがキスしている現場を目撃してしまう。 さらにその後みずえが行ったヒナへの中傷行為を、カンタが犯人であると思い込んで、決定的にカンタと疎遠になってしまった。カンタがタイムスリップした後の世界では、カンタがヒナとのキスを避けたため、カンタが言葉通り協力してくれるのだと考え、良好な関係になる。

須堂 アコ (すどう あこ)

須堂リコの妹。前髪を眉上で切り、肩につくほどのストレートセミロングヘアにしている。姉とは対照的に、明るく人懐っこい性格。高田カンタとは、ある日、リコが入院したと勘違いしたカンタが、須堂リコの祖母の病室にやって来た時に知り合った。リコの不器用で言葉足らずな性格を案じており、特に、リコに友人らしい友人がこれまでいなかったことを心配している。 そのため、カンタをリコの初めての友人と捉え、すれ違いがちなカンタとリコの関係を積極的にサポートする。

高田カンタの母親 (たかだかんたのははおや)

高田カンタの母親。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸まで伸ばしたストレートロングヘアにしている。カンタがタイムスリップした後の世界においては、カンタがタイムスリップしていることは知らない。しかし、カンタの、未来を変えたいがための突拍子もない行動も受け入れ、協力している。

須堂リコの祖母 (すどうりこのそぼ)

須堂リコと須堂アコの祖母。腰を痛め、とある病院の303号室に入院している。前髪を上げて額を全開にし、胸の下まで伸ばしたストレートロングヘアを、首の付け根の位置で1つに結んでまとめている。やや太めな体型で、目が細く、いつも目を閉じているように見える。穏やかで落ち着いた性格。高田カンタとは、ある日、リコが入院したと勘違いしたカンタが、自身の病室にやって来て知り合った。 複雑な家庭環境により、必要以上に苦労してきたリコを案じており、カンタに、リコの支えになってほしいと頼む。

青木 ユウ (あおき ゆう)

高田カンタの高校3年次のクラスメイト。前髪を左側は後ろに流して額を見せ、右側の前髪は目の上で切り、胸まで伸ばしたロングヘアを首の付け根の高さで1つに結んでいる。ある日、教材費を入れた集金袋を誰かに盗まれたと思い込み、犯人がリコであると考え、友人らと詰め寄る。しかし実際は、集金袋をロッカーに入れ忘れたままになっていただけで、盗まれてはいない。 そのため、本来の歴史では、事件はリコを孤立させる要因の1つとなっていたが、カンタがタイムスリップした後の世界では、集金袋のありかを知るカンタにより集金袋を発見され、友人とともにリコに謝罪する。

みずえ

高田カンタと同じ高校の3年D組に所属する女子。前髪を目の上で切って真ん中で分け、癖のあるショートカットヘアにしている。同じ塾に通ういぶきに密かに想いを寄せており、いぶきと親しいヒナのことを快く思っていない。そのため、修学旅行中、ヒナがカンタを自分の部屋に呼んで話をしていたのを目撃したのを機に、修学旅行後、「ヒナは自室に男性を連れ込むふしだらな女性である」という内容の言葉を、教室の黒板に書いて嫌がらせをする。 本来の歴史においては、その嫌がらせの犯人はカンタであると周囲に誤解された形で終わっていた。しかし、カンタがタイムスリップした後の世界では、カンタが真犯人であるみずえを諫め、やめさせることに成功する。改心した後は、いぶきに対して積極的にアプローチするようになる。

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