ジャンク・ランク・ファミリー

ジャンク・ランク・ファミリー

文明が完全崩壊し、荒廃した世界におけるギャング同士の抗争を描く、サバイバルアクション漫画。人間たちは一滴の水や油を奪い合い殺し合う。極限状況の時代の中で固いきずなで結ばれたジャンク・ランク・ファミリーの5人は生き抜いていく。「ヤングチャンピオン」2016年19号より連載の作品。

正式名称
ジャンク・ランク・ファミリー
ふりがな
じゃんく らんく ふぁみりー
作者
ジャンル
マフィア・ギャング・ヤクザ
 
アクション
 
サバイバル
レーベル
ヤングチャンピオン・コミックス(秋田書店)
巻数
既刊14巻
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あらすじ

第1巻

ある大陸を、未曽有の大地震が襲った。大地は割れ火を噴いた。それを皮切りに、人類の意思も狂い始め、各地で悲惨な紛争が勃発する。放射能や化学物質で世界は荒廃し、さらに「黒目」と呼ばれる謎の伝染病が蔓延。ついには秩序も正義もルールも消え、暴動、略奪、殺人がはびこる地獄へと変わり果ててしまう。クロスオーバー作品『OREN'S オーレンズ』で活躍するチーム・オーレンズが住むチョプリンCityから北に約800キロ先の強奪、暴動、そして殺戮が日常的に横行する地域が舞台。そんな世界で幅を利かせている仮面を付け武装した無法集団「ベベルズ」のレッドゾドたちは、ルカドントを追っていた。ルカはベベルズのの弟・クレージーレザーを殺害していたのだ。ルカは逃げきれず、ついには生け捕りにされる。

ルカはつるし上げられ、その命も風前の灯火と思われたが、そんななか、ベベルズを6人の男たちが襲撃する。彼らは凄まじい戦闘力で「ベベルズ」の暴徒たちを圧倒し、捕われていたルカを救い出した。彼らシャチシドケチャップターボピピポポこそ、勇名轟くアウト・サイド・ギャングジャンク・ランク・ファミリー」であった。

ベベルズの頭はルカとジャンク・ランク・ファミリーを探し出せと命令する。ジャンク・ランク・ファミリーは水を得るために黒目が住む山に入り、水源を探す。 うんこの実をレインコートに塗りこめば黒目に襲われないと言うルカ。 その知恵のおかげでジャンク・ランク・ファミリーは貴重な水源を発見する。ルカからベベルズの頭に祖父を惨殺された過去を聞き、一緒に戦い、そして、生き抜くことをジャンク・ランク・ファミリーは決意する。

第2巻

町でザボ・ローチェのメンバーに捕まったシドは、アジトに監禁され暴行を受ける。顔や体が腫れ上がり、命も風前の灯だ。シャチとルカ、ターボはドントの鼻でシドの捕らわれているアジトを発見。極限状況の中へシャチが単身でなぐり込む。その圧倒的なシャチの強さに微笑むシド。その微笑はジャンク・ランク・ファミリーメンバー相互の、深い信頼感と強い絆の証だった。ザボ・ローチェの頭ザジは、生き抜くためには水が必要で、ベベルズに従いシドを捕まえるしかなかったと告白。シャチはそんなザジから命を助ける代わりに食料とガソリンを奪う。バカな奴、弱い奴、しくじった奴から消えていくしかない世の中だった。

ルカは以前シャチとシドから、出会う人間 まずは敵と思え!と言われていた。 それなのに自分がジャンク・ランク・ファミリーに受け入れられている理由がわからなかった。そこへシャチがザボ・ローチェのアジトに放置していたバイクを持ち帰ったが、なぜかザボ・ローチェの頭ザジも同行していた。 シャチは、ザジに 山の水源からパイプ、ホースで麓まで水を通せれば水を分けてやると約束する。 ザジは水を通した後に殺さないことを交換条件にシャチの提案を受け入れた。

 ザボ・ローチェのメンバー10人が水を通す作業を始め、ジャンク・ランク・ファミリーたちも協力する。その頃、フィルザザの幹部ヘルムと5人のメンバーがベベルズのアジトを訪れていた。ヘルムは ベベルズの頭・ファジーマジーに フィルザザの傘下に入れと勧告する。すると死んだはずだった頭の弟・クレイジーレザーが現れ、フィルザザの6人を抹殺したファジーマジーは、部下たちにジャンク・ランク・ファミリーとルカを探し地獄を見せろと命じる。 ジャンク・ランク・ファミリーとサボ・ローチェたちは、とうとう水を麓まで通すことに成功。  翌日、ザボ・ローチェたちが水をボトルに汲んでトラックに載せているところに現れたのはベベルズの部隊だった。

登場人物・キャラクター

シャチ

アウト・サイド・ギャング「ジャンク・ランク・ファミリー」のリーダーを務める男性。ルカを捕獲したベベルズの前に現れ、ファミリーの仲間を伴い襲撃をかけた。荒廃した世界においても、ファミリーを守るためなら何でもするという、強い信念を持っている。戦闘においてはナイフを使い、的確に敵の急所を切り裂く。

ルカ

無法集団「ベベルズ」に追われていた、16歳の少年。捕縛され、つるし上げられたところをジャンク・ランク・ファミリーのメンバーたちに助け出され、行動を共にすることとなる。逆境においても闘志を絶やさない勇敢な性格。黒目に感染した人間たちから身を守る術を知っているなど、豊富なサバイバル知識を持っている。

シド

アウト・サイド・ギャング「ジャンク・ランク・ファミリー」の副リーダーを務める男性。弓矢の名手で、一矢で敵の首を射抜く腕前を持つ。平時はその腕前を活かし、狩猟によってファミリーの食糧確保に貢献している。一見クールだが、狩りで獲物を獲れなかったことを笑い飛ばすようなユニークな一面も持ち合わせる。

ケチャップ

アウト・サイド・ギャング「ジャンク・ランク・ファミリー」メンバーの巨漢。見た目通りの怪力を誇り、ベベルズとの戦闘の際は、丸太を抱えて車の運転手を外からねじ伏せる活躍を見せた。普段は食糧係を務めており、確保した食糧は缶詰1つに至るまで残らず管理している。この荒廃した世界においても太っていることから、仲間内では「キセキのデブ」と呼ばれている。

ターボ

アウト・サイド・ギャング「ジャンク・ランク・ファミリー」メンバーの黒人の少年。両親とは物心つく前に別れているため、ジャンク・ランク・ファミリーを家族のように想っている。肺か気管支に疾患を抱えており、粉塵などを吸うとすぐに咳き込んでしまうため、普段は防塵マスクを被っている。ルカとは歳が近いこともあり、真っ先に打ち解けた。

ピピ、ポポ

アウト・サイド・ギャング「ジャンク・ランク・ファミリー」メンバーの男性2人組。常にコンビで行動しており、戦いの際は得意武器である槍を手に、優れたコンビネーションを見せる。常にマスクを被っているが、ターボと異なりその理由は不明。ただし感情は豊かで、主にファミリー内におけるツッコミ役を担当している。なお、マスクに描かれた顔の口が開いている方がピピで、閉じている方がポポである。

ドント

ルカの相棒の小動物。黒い体毛を持ち、ウサギのような顔と猫のような尻尾を併せ持つが、その正体はルカもわかっていない。しかしルカには忠実で、彼が口笛を吹けばどこからともなく現れる。なお、ケチャップには当初食用と勘違いされていた。

レッド

無法集団「ベベルズ」メンバーの男性で、ルカを追う任務を帯びていた小隊の隊長。武器として、大きな鎌を所持している。ルカを捕らえることに成功した時は、幹部に昇格できると息巻いていた。しかし、その直後にジャンク・ランク・ファミリーの襲撃を受けてしまい、臨戦態勢に入る間もなくシャチのナイフによって倒された。

ゾド

無法集団「ベベルズ」メンバーの男性で、レッド率いる小隊の隊員。慎重な性格で、ルカを捕らえた時も決して油断をしないよう、レッドに促している。レッドもそんなゾドを信頼しており、次の小隊長に据えようと考えていた。しかし、小隊がジャンク・ランク・ファミリーに襲撃され、レッドを始め、仲間を次々に倒されてしまう。 ゾド自身もシャチのナイフの前に、手も足も出ないまま倒された。

(かしら)

無法集団「ベベルズ」のトップを務める男性。弟の「クレイジーレザー」をルカに殺害されたため、レッドの小隊に追跡を命じた。尋常ならざる戦闘能力を持っており、2振りの小太刀を用いて、黒目に感染した人間たちを1人で軽々と殲滅している。ジャンク・ランク・ファミリーには警戒心を抱いており、ルカと合流したことを知ると、まとめて始末するよう、改めて部下に命令した。

集団・組織

ジャンク・ランク・ファミリー (じゃんくらんくふぁみりー)

アウト・サイド・ギャングチームの1つ。シャチを筆頭に、6人のメンバーで構成されている。もとは「ジャンク」と「ランク」という兄弟によって設立されたものだが、2人は既に亡くなっている。メンバーはそれぞれが一騎当千の戦闘力を持ち、無法集団「ベベルズ」にも恐れられるほどだが、お互いが軽口を叩き合うなど雰囲気はアットホームで、結束も非常に固い。

ベベルズ

強盗、略奪、殺人を厭わない、悪辣な無法集団。弱い人たちを襲うなどの悪事を働いているため、ルカからは「ハイエナのような奴」と侮蔑されている。アウト・サイド・ギャング「ジャンク・ランク・ファミリー」の仲間を殺したこともあるため、彼らからも強く憎悪されており、警戒の対象としている。

その他キーワード

うんこの実 (うんこのみ)

紫色の皮を持つ、みかんのような形状の柑橘類。臭くて食べられないため「うんこの実」という俗称で呼ばれているが、正式名称は不明。黒目に侵された人間すら嫌がる臭いを発しており、アウト・サイド・ギャング「ジャンク・ランク・ファミリー」はルカの提案により、この実を使うことで黒目に襲われずに行動できている。 なお、食用にはおよそ適さないとされているが、ケチャップは平気でこの実を口にしていた。

黒目 (くろめ)

人間が理性を失い、獣のようになり果ててしまうという奇病、またはその患者を指す。原因も感染ルートも明らかにされておらず、わかっているのは目が真っ黒になると人ではなくなり、本能のままに他者を襲うということだけである。患者たちは群がって襲い掛かってくるため、アウト・サイド・ギャング「ジャンク・ランク・ファミリー」や無法集団「ベベルズ」さえ彼らを恐れているが、ルカは患者たちの習性を知り尽くしており、彼らから身を守る方法に詳しい。

アウト・サイド・ギャング (あうとさいどぎゃんぐ)

縄張りを持たず、世界各地を巡っているギャングファミリーの総称。「ジャンク・ランク・ファミリー」もアウト・サイド・ギャングに相当する。作品の世界は、食糧すら貴重品とされるほど荒廃しきっているため、アウト・サイド・ギャングとして活動していくには、優れた戦術眼と戦闘能力、サバイバル能力が必要となる。なお、アウト・サイド・ギャングとは対照的に、特定の縄張りを持つギャング集団は「イン・サイド・ギャング」と呼ばれている。

書誌情報

ジャンク・ランク・ファミリー 14巻 秋田書店〈ヤングチャンピオン・コミックス〉

第1巻

(2017-06-20発行、 978-4253141017)

第11巻

(2022-06-20発行、 978-4253141550)

第12巻

(2022-12-20発行、 978-4253304504)

第13巻

(2023-06-20発行、 978-4253304511)

第14巻

(2023-11-20発行、 978-4253304528)

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