ハニーレモンソーダ

ハニーレモンソーダ

内向的な性格からいじめを受けてきた優等生の石森羽花が、街で偶然出会った少年の三浦界に心惹かれていく姿を、爽やかに描いた青春ラブストーリー。羽花と界の恋愛模様だけでなく、羽花が自ら他者とかかわり合いを持ち、成長していく姿も丁寧に描かれる。「りぼん」2016年2月号から連載の作品。2021年7月実写映画化。

正式名称
ハニーレモンソーダ
ふりがな
はにーれもんそーだ
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
りぼんマスコットコミックス(集英社)
巻数
既刊24巻
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あらすじ

羽花の高校生活の始まり

中学生時代は内向的な性格からいじめを受けていた石森羽花は、自分を変えるためにわざと有名進学校を不合格になる。そして街で偶然出会った少年、三浦界が受験すると話していた、自由な校風で個性的な生徒の多い私立八美津高校に入学する。しかし、派手な生徒の多い八美津高校では、羽花のような地味でまじめな生徒は少なく、入学して早々にクラスでは浮いた存在になってしまう。さらに八美津高校には中学生時代に羽花をいじめていた主犯格でもある小島麗美も進学しており、羽花は素行の悪いグループに目をつけられてしまう。そんな中、同じクラスになった界は麗美たちいじめグループから羽花を助け、さらにクラスの輪の中に入れるようにさりげなくフォローをする。界の気持ちに応えるために、羽花も少しずつ自分の気持ちを人に伝える努力を重ねていた。羽花の努力もあり、界だけでなく学校内で目立つグループに所属している遠藤あゆみ高嶺友哉瀬戸悟とも親しくなっていく。そんな羽花の様子が気に入らない麗美は、自分の彼氏に羽花と目障りな界を傷めつけて欲しいと依頼する。

初めての学校行事

石森羽花三浦界とかかわっていく中で、自らが界に恋心を抱いていることを自覚する。そんなある日、私立八美津高校では遠足が催されることとなる。遠足自体をうまく把握していなかった羽花は、一人だけ本格的な登山用の装備で参加してしまう。この失敗で再び周囲から孤立してしまうと恐怖心を抱く羽花だったが、クラスメイトからは「登山部」と明るくからかわれたことで、友達の輪の中に自然と入っていくことに成功。さらに羽花は界ともオリエンテーリングを通してさらに親しくなり、これまでに味わったことのない青春を謳歌(おうか)していた。そんな中、羽花と界の親しそうにしている姿に嫉妬した女子たちが、道案内板の左右を逆にしたことで、一行は山の中で道に迷ってしまう。

界の元恋人の登場に心が揺れる羽花

石森羽花はクラスメイトとも少しずつ打ち解けていき、毎日通学することが楽しみになっていた。そんな中、クラスメイトたちはお互いをもっと知るため、中学時代の卒業アルバムを持ち寄ろうと提案し合う。三浦界の卒業アルバムには菅野芹奈という美少女が写っており、さらに芹奈は界の元彼女だと知り、羽花の心は穏やかではなかった。そして放課後、羽花は界、遠藤あゆみ高嶺友哉瀬戸悟の五人で勉強をすることになる。集合場所に選んだファミリーレストランで、羽花たちのグループのとなりに、偶然にも芹奈とその取り巻きの女子たちが座っていた。芹奈の取り巻きの女子たちは、目立つグループの中に地味な羽花がいることを、場違いで恥ずかしいとバカにし始める。

私立八美津高校の文化祭がスタート

石森羽花三浦界遠藤あゆみの支えもあり、恋も友情も順調に育んでいた。そんな中、私立八美津高校では文化祭が催されることになる。クラスメイトとさらに親しくなりたい思いから羽花は、勇気を出して文化祭実行委員に立候補する。積極的に行動する羽花を好意的に受け取る者がいる中で、トンボをはじめ、生真面目で不器用な彼女を疎んじる者たちも現れる。クラスの雰囲気が悪化する中、羽花は立候補したからには最後までやり遂げることを決意し、一人で奮闘していた。その姿にこれまで非協力的だった及川多央白石望華も感化され、それをきっかけにして羽花に協力する者が続出し、クラスの出し物である「メイド喫茶」は大成功を収める。そんな中、界は八美津高校の美男美女が集う映像の出し物に参加しており、そこで「自分は石森係」と自己紹介をしたことで、二人が交際しているのではないかという噂が流れる。

失恋を覚悟する羽花

文化祭で石森羽花たちのクラスは特別賞を受賞し、担任からご褒美の食事が振る舞われる。クラス内が大いに盛り上がる中、三浦界羽花に声をかけて、こっそり二人でその場を抜け出す。そして初めて二人っきりでゲームセンターに向かった羽花は、界と楽しい時間を過ごす。そんなある日、羽花と界は学校内でも美少女として有名な菅野芹奈が、別の女子たちから恋愛絡みで因縁をつけられている場面に遭遇する。芹奈を助けようとする界の姿を見た羽花は、その言動からまだ彼女のことが好きなのではないかと疑う。また、一方の芹奈からも界に未練があることを感じ取った羽花は、二人のあいだには割って入れないと、身を引く覚悟を決める。

羽花の高校最初の夏休み

1学期が終わり、石森羽花たちは夏休みとなる。羽花はこれまで学校内でいつもいっしょにいた、三浦界遠藤あゆみと会えなくなることに寂しさを覚えていた。そして夏休みのある日、あゆみは夏祭りに行こうと羽花を誘う。あゆみは羽花が界と菅野芹奈のために、自らが身を引くことを決意したことに気づいており、傷ついている彼女を慰めようとしたのだ。そして夏祭りで、羽花とあゆみは界と顔を合わせ、自らの気持ちはまだ界にあり、あきらめることができないと悟った羽花は、芹奈に界が好きだと本心を打ち明ける。こうしてライバル関係となった羽花と芹奈だったが、同時に奇妙な友情関係が築かれる。そんな中、羽花は界、芹奈、あゆみたちと海に遊びに行く計画に誘われる。訪れた海で羽花は運悪く小島麗美らのグループに遭遇してしまうが、このまま逃げてばかりではいけないと勇気を出して話しかけ、自分のいじめられていた過去を吹っ切ることに成功する。一方、芹奈は界に対してまだ自分は界が好きなのだと、素直な気持ちをストレートに伝える。

私立八美津高校を去る羽花

夏休みが終わり、石森羽花三浦界たちからカラオケに行かないかと誘われる。初めてのカラオケに大興奮する羽花だったが、その姿を運悪く羽花の父親に目撃されてしまう。派手な髪色の界や、制服を着崩している遠藤あゆみといっしょにいる羽花の姿を見た過保護な父親は、私立八美津高校への入学を許したことを後悔する。そして羽花の父親は、彼女にこれからは学校に登校しないように命じ、八美津高校側には、娘がいじめを受けているため、他校に編入すると伝える。父親からはスマートフォンを取り上げられ、外出も禁じられた羽花はふさぎ込むが、そんな彼女の部屋に界が忍び込んで来る。界と話をした羽花は、これまで反抗したことのない父親と本音で向き合うことを決意する。

界との距離を感じる羽花

石森羽花三浦界をはじめとするクラスメイトたちの協力もあり、そのまま私立八美津高校に在籍できることとなる。以前のように楽しい学校生活に期待する羽花だったが、界から距離を置かれていることに気づく。その理由を知りたい羽花は、放課後にどこかへと向かう界を尾行する。すると界はなんらかの事情から、周囲に黙ってカラオケ店でアルバイトをしていることが発覚し、羽花は二人きりの秘密だと約束する。それと同時に界は以前から感じていた、羽花からのプレッシャーについて打ち明ける。界は羽花から「なんでもできる人」「頼れる存在」と崇(あが)められることがプレッシャーになっており、少し距離を置きたいと告げるものの、羽花はこのままの関係でいたいと宣言。こうして二人は絆(きずな)をより強いものにする。しかし何者かのリークによって、界がアルバイトをしていることがクラスメイトたちに知られてしまう。一方、界に片思いしている藤田真鈴は、羽花の存在を疎ましく感じていた。こうして真鈴は羽花に身の程をわきまえさえようと、界がアルバイトをしているカラオケ店で他校の男子との合コンを開催し、その場で羽花を笑いものにする。

体育祭と羽花の告白

私立八美津高校では体育祭が行われることになり、石森羽花藤田真鈴から体育祭の準備を押し付けられてしまう。しかし、羽花は遠藤あゆみたちの協力を得て、なんとかその状況を切り抜ける。こうして体育祭の日を迎え、羽花は三浦界と共にリレーに参加することになる。しかし、目立つ存在であることから上級生の不良グループに目をつけられている界は、リレーが始まる直前に物置に閉じ込められてしまう。界がいないことにいち早く気づいた羽花はすぐに界を助け出し、「これからは守られるだけではなく、自分も界を守りたい」と告げるのだった。こうして界の活躍により、羽花たちのクラスはみごと優勝を果たす。その直後に貧血で倒れて保健室に運ばれた羽花は、心配してやって来た界に告白をする。

恋人同士になった羽花と界

石森羽花三浦界と両思いになるものの、実感がわかない日々が続いていた。しかし界が一歩前に踏み出したことで、二人は正式に交際をスタートさせ、学校内でも公認のカップルとなる。そんな中、羽花は遠藤あゆみたちを交えて界と休日を過ごしていると、街で偶然会った藤田真鈴から敵意をむき出しにされる。さらに学校内でも羽花は界のファンの女子たちから悪意を向けられ、落ち込む日々が続いていた。そして成績優秀な羽花は先生たちからも期待を寄せられ、界と交際することを暗にやめるように諭される。そのうえ、羽花の父親は私立八美津高校に在籍することは許したものの、界との交際には断固反対の立場を取っていた。そんな逆境の中でも、羽花と界は交際するにあたって問題になっていることを一つずつ解決していく。

新しいクラスと新しい友達

石森羽花は2年生に進級する。進学を希望している羽花と就職を希望している三浦界は、クラスが別々になってしまうものの、二人はさらに心を通わせていく。1年生の頃は優しいクラスメイトに恵まれていた羽花は、新しいクラスでは自分から積極的に仲間を作ろうと奮闘していた。最初は羽花が地味で可哀想(かわいそう)だからと、以前のクラスではチヤホヤされていたのだろうと思い込んでいた周囲も、彼女が魅力的だから人が集まってくるのだと納得し、新たな交友関係が広がっていく。そんな中、界のクラスに在籍している岩川奈乃が、羽花と友達になって欲しいと話しかけてくる。自分と似ている奈乃に親近感を覚えた羽花は、彼女の態度に好感を覚え友情を深めていく。しかし、奈乃が羽花に近づいたのは界と交際したいからで、かつての引っ込み思案だった羽花の真似をして彼に取り入ろうと画策していたのだ。そして奈乃の思惑どおり、奈乃は周囲から「第二の羽花」として扱われるようになり、界と急接近していく。

欲張りになっていく羽花

岩川奈乃と本音で向き合った石森羽花は、さらにたくましく成長していた。そんな中、別のクラスに在籍している羽花と三浦界は、学校ではなかなか顔を合わすことはなかったものの、連絡を取り合うなどして良好な関係を築いていた。しかし、羽花はそれだけでは満足できず、界に対してわがままになっている自分に気づく。その思いは界も同じで、二人は会えない時間を取り戻すため、久しぶりに遊園地でのデートへ向かう。

羽花たちの林間学校へ

私立八美津高校では林間学校が行なわれることとなる。その道中で石森羽花は、クラスメイトの女子たちが自分よりもかわいらしいヘアアレンジをしたり、立ち居振る舞いをしていることが気になっていた。羽花は三浦界が、地味な自分のどこが好きなのかわからなくなり、すっかり自信を失っていた。そんな羽花の様子を見た界は、自分の好きな気持ちを理解していないのかといら立ちを募らせ、二人のあいだに距離が生じてしまう。そんな中、八美津高校恒例の肝試し大会が開催される。そこで羽花は界と仲直りをするものの、羽花は界が自分に触れようとしないことに気づく。そしてその夜、幼い頃から互いに思いを寄せていた遠藤あゆみ瀬戸悟が恋人同士となる。一方の羽花は、界がなぜ自分に触れてこないのかを知りたい思いから、同室のあゆみに声をかけ、二人で界と悟の部屋に忍び込まないかと大胆な計画に誘う。

羽花の放課後と界の生活

ある日の放課後、石森羽花遠藤あゆみと遊びに行く計画を立てる。そこに橋本由瑠及川多央白石望華も加わり、あゆみの家で楽しいひと時を過ごす。羽花は初めて友達の家で遊ぶという経験をして、感動のあまり涙してしまう。そして楽しい時間はあっという間に過ぎ、羽花は父親と約束している門限の17時に帰宅するが、もう少し門限の時間を遅くして欲しいと思うようになる。そんな中、アルバイトを22時に終えた三浦界は、帰宅途中に羽花の父親と顔を合わせる。羽花の父親は界と羽花の交際を快く思ってはおらず、アルバイトをしているとはいえ、帰宅時間が遅すぎるのではないかと苦言を呈する。そこで界は初めて羽花にも打ち明けていない、自らの両親について羽花の父親に語り始める。

羽花と界の2度目の夏休み

石森羽花私立八美津高校に入学してから、2度目の夏休みを迎える。羽花は遠藤あゆみたちと街に遊びに行き、その帰りに三浦界がアルバイトをしているカラオケ店を訪ねる。しかし、界はカラオケ店を既に辞めており、何も知らされていなかった羽花はショックを受ける。それはまじめな羽花のために、よりイメージのいいカフェ店にアルバイトを変えたためで、界の思いやりに彼女は感謝する。こうして羽花は初めて一人暮らしをしている界の家に遊びに行ったり、いっしょに花火大会を楽しんだりと夏休みを謳歌する。

羽花を巡るライバルの登場

石森羽花はクラスメイトに誘われ、近隣にある私立華宮(はなみや)高校の文化祭を訪れる。そこで羽花は以前、花火大会で出会った滝沢宙と再会し、彼の明るく人懐っこい性格に好感を抱く。一方の宙はまじめで優しい羽花に心を奪われてしまうが、彼女が交際しているのが自らもあこがれている三浦界だと知り、身を引こうとする。そんな中、羽花たちが通う私立八美津高校でも文化祭の準備を始める時期になり、今年は集客をアップさせるため、近隣にある高校生も出場できる「ミスターコンテスト」の開催が決定する。八美津高校の代表として界が推薦されるが、目立つことを好まない界は出場を固辞する。一方の宙は、羽花のことをあきらめきれず、界に対してミスターコンテストで優勝した方が、羽花と交際する権利を得ることにしようと提案する。宙の堂々としたライバル宣言に心を動かされた界は、彼の挑戦を受け入れる。

羽花と界の交際1周年

石森羽花三浦界は交際してから1年の記念日を迎える。交際記念のデートをするように周囲からアドバイスを受けた二人は、久しぶりに街に繰り出してプリクラを撮影したり、ファーストフード店に立ち寄ったりと楽しい時間を過ごす。こうして羽花は界と過ごした1年を振り返り、彼とお弁当を食べたことがない事実に気づく。さらに、界がいつもクラスメイトからおかずをもらっていることを知った羽花は、お手製のお弁当を作ることを決意する。

高校生活、最後の1年間がスタート

高校3年生に進級した石森羽花は、これまでいっしょだった遠藤あゆみ橋本由瑠とクラスが別々になってしまう。さらに私立八美津高校で最も厳しいと噂される男性教諭が担任になり、羽花は初日から厳しい言葉をかけられる。さらにクラスメイトに勇気を出して話しかける羽花だったが、最上級生にもなると女子グループは完全にできあがっており、彼女のつけ入るスキはまったくなかった。落ち込む出来事ばかりが続く羽花だったが、これまでは早く自立したい思いから就職希望だった三浦界が進路を進学希望に変更したことで、遠く離れたクラスからとなりのクラスになったことを知る。そして羽花は、休み時間に界やあゆみたちと過ごすことで、少しずつ元気を取り戻していく。そんな中、界が右手をケガしてしまい、しばらく羽花がサポートすることになる。

熊本県への修学旅行

石森羽花たちは、修学旅行で熊本県へ向かう。その移動中の観光バスの添乗員を務める小沢遥は、以前三浦界と同じ地域に住んでおり、小学校時代の界と交流していたことが発覚する。お節介な性格の遥は羽花に対して、界の複雑な家庭の事情をどこまで知っているのかと尋ねる。すると遥は、羽花が界のことを知らなすぎることに、彼から本当に信頼されているのかと厳しい言葉を口にする。遥の言動に心を揺さぶられつつも、羽花は界のことを好きな自分の気持ちを大切にし、ついに下の名前で呼ぶことに成功する。こうして羽花と界はお互いを大切に思う気持ちを再確認し合い、高校を卒業してからもずっといっしょにいようと誓い合う。

初めてラブレターを書く羽花

熊本県への修学旅行も無事に終わり、修学旅行の感想文を書く課題が出される。石森羽花はまるで日記のような感想文を提出し、周囲を笑わせる。この出来事から文章を書くことに面白さを感じた遠藤あゆみたちは、彼氏にラブレターを書くことが流行になる。こうして羽花も三浦界に自分の気持ちを綴った手紙を書くが、運悪くその手紙を担任に見られてしまう。

高校最後の夏休み

石森羽花は苦手科目を克服するため、夏休みは予備校に通うことになっていた。予備校には進学希望の高嶺友哉岩川奈乃も通うようになり、これまで二人とは特別に親しい関係ではなかった羽花だったが、同じ目標に向かっていることから交流を深めていく。さらに羽花を応援しようと、三浦界は連絡を最低限にする代わりに予備校へと迎えに行き、二人きりの時間を作るなどして絆を深める。そんな中、羽花は遠藤あゆみから声をかけられ、一日だけ海に遊びに行かないかと誘われる。羽花は界を含めた仲間たちと海に行くが、突然の豪雨に遭って帰宅できなくなってしまう。こうして急遽(きゅうきょ)あゆみたちが手配したコテージに宿泊することになり、羽花は初めて学校行事以外で界と朝まで過ごすことになる。その後も羽花と界は夏祭りに行ったり、初めて羽花の部屋に界を招いたりと、受験勉強で忙しい日々を送りながらも充実した時間を過ごす。

波乱の体育祭

私立八美津高校ではもうすぐ体育祭が催されることになり、学校内は活気にあふれていた。しかし、下級生には素行の悪い不良グループがおり、体育祭をボイコットすると宣言するなど、不穏な空気が漂っていた。そんな中、不良グループのリーダー的な存在である射手矢が、石森羽花たちに接近して来る。射手矢は三浦界と小学校時代からの腐れ縁ではあるものの、彼に対してあこがれと嫉妬が入り混じった複雑な感情を抱いていた。射手矢はわざと羽花にボールを当てようとするなど、界に対して挑発的な言動を繰り返す。

メディア化

実写劇場版

2021年7月9日、本作『ハニーレモンソーダ』の実写劇場版『ハニーレモンソーダ』が公開された。キャストは、石森羽花を吉川愛、三浦界をSnow Manのラウールが演じている。

登場人物・キャラクター

石森 羽花 (いしもり うか)

八美津高校に通う1年生の女子。内向的な性格故に他人とコミュニケーションを取る事が苦手で、人前では緊張して強張った表情で、動けなくなってしまう事から「石」と呼ばれ、中学校まで友達が一人もいなかった。さらに小島麗美達のグループからは「どんくさい」「邪魔」と言われるなどいじめに遭い、完全に自分の殻に閉じこもっていた。 本来は地域の有名進学校に合格できるほどの学力の持ち主だったが、自由な校風で個性的な生徒の多い八美津高校にあこがれを抱いていた。高校の受験前、街で麗美達にいじめられていたところを三浦界に助けられ、界も八美津高校に進学すると聞き、有名進学校の試験にわざと不合格になり、八美津高校に入学した。八美津高校に入学してからも浮いた存在だったが、界のおかげで自分から人とかかわりを持つようになる。 界に対しては最初はあこがれと感謝の気持ちを抱いていたが、次第に異性として好意を持つようになる。基本的に両親との関係は良好だが、過保護な父親に悩んでいる。

三浦 界 (みうら かい)

八美津高校に通う1年生の男子。髪色はレモンを思わせる派手な黄色。好きな飲み物はレモンソーダ。友達からは「塩対応」と言われるほど愛想がなく、滅多に笑顔を見せない。人に媚びる事なく、自分の気持ちに正直に生きており、周囲からは一目を置かれている存在。整った顔立ちをしているため、女子生徒達からの人気が高い。高校入学前、石森羽花が街で小島麗美らのグループにいじめられている場面に遭遇し、助けた過去がある。 高校に進学してから周囲とかかわり合いを持てずにいた羽花に声を掛け、一歩踏み出す勇気を与えた。学校内外問わずキャップをかぶっている事が多く、その大きな理由は寝癖隠しだが、羽花以外には秘密にしている。

高嶺 友哉 (たかみね ともや)

八美津高校に通う1年生の男子。三浦界、瀬戸悟、遠藤あゆみと共に行動している。整った顔立ちをしており、まるで王子様のような立ち振る舞いのキラキラとした人物。多くの女性を同時に愛するタイプで、彼女を一人に絞ろうとは考えていない。基本的に穏やかで優しい性格の持ち主だが、自分の仲間がバカにされると暴言を吐くなど容赦しない。

瀬戸 悟 (せと さとる)

八美津高校に通う1年生の男子。三浦界、高嶺友哉、遠藤あゆみと共に行動している。男子ながらもかわいらしい見た目で、子供っぽい性格の持ち主。そのため上級生の女子から人気が高い。幼なじみのあゆみから好意を寄せられているものの、鈍感であるためまったく気づいていない。石森羽花が付けたキャッチコピーは「永遠の小学生」。

遠藤 あゆみ (えんどう あゆみ)

八美津高校に通う1年生の女子。三浦界、高嶺友哉、瀬戸悟と共に行動している。派手なイヤリングをするなど、制服を個性的に着こなす。活発な性格の美少女で、上級生の男子から噂になるほど有名。明るく誰とでも平等に接し、クラスの人気者でもある。先生から指名された問題の答えがわからなかった時、石森羽花が助けた事で会話を交わすようになり、その後は親友となる。 幼なじみの瀬戸に密かに片思いをしており、遠藤あゆみなりにアプローチしているものの、瀬戸が鈍感な事から気づいてもらえない。人気アイドルに似ており、瀬戸がそのアイドルのファンである事から、さらに似せようと前髪を作るなど涙ぐましい努力をしている。羽花が付けたキャッチコピーは「僕のアイドル」。

菅野 芹奈 (かんの せりな)

八美津高校に通う1年生の女子。三浦界とは同じ中学校出身。中学生の頃に界と交際していたものの、界に依存して自分が弱くなっていくのが怖く、別れてしまった。しかし、界に対しては今でも特別な感情を抱いている。他校でも話題になるほどの美少女で、性格はサバサバとしていて、言いたい事は何でも口にするタイプ。自分の取り巻きの女子達が石森羽花の悪口を言った時には、はっきり注意するなど強い正義感の持ち主。 その正義感故に中学生の頃はいじめを受けた事もある。

トンボ

八美津高校に通う1年生の男子。石森羽花らと同じクラスに在籍している。面倒くさい事が嫌いで、その場のノリで生きている。思った事はすぐ口に出るタイプで、悪気はないものの少々デリカシーに欠ける部分がある。

橋本 由瑠 (はしもと ゆる)

八美津高校に通う1年生の女子。石森羽花らと同じクラスに在籍している。ヘアアレンジをするのが好きで、羽にはポニーテールが似合うなどとアドバイスをし、実際にセットをしてあげるなど面倒見がいい。

及川 多央 (おいかわ たお)

八美津高校に通う1年生の女子。石森羽花らと同じクラスに在籍している。誰に対してもつねにクールな態度で接し、言葉づかいは荒いが、本来は友達思いの性格の持ち主。白石望華と仲がいい。羽花が付けたキャッチコピーは「麗しき三枚目女騎士」。

白石 望華 (しらいし もか)

八美津高校に通う1年生の女子。石森羽花らと同じクラスに在籍している。面倒くさい事は嫌いで、文化祭実行委員の羽花の提案も適当でいいと、やる気はなかった。しかし、羽花が一人でがんばっている事を知り、羽花の力になりたいと奮起した。及川多央と仲がいい。羽花が付けたキャッチコピーは「No.1モテガール」。

藤田 真鈴 (ふじた まりん)

八美津高校に通う1年生の女子。石森羽花らと同じクラスに在籍している。基本的に明るくノリのいい性格の持ち主だが、三浦界に告白するもののふられてしまい、羽花に対して八つ当たりをした。ただし羽花の事が嫌いなわけではなく、あくまで界に相手にされない事の逆恨みであったため、のちに謝罪している。

小島 麗美 (こじま れみ)

石森羽花と同じ中学校出身の女子。羽花を「石」と呼んでいじめていた素行の悪いグループの中心人物。友達からは「こじれみ」と呼ばれている。三浦界達のグループといっしょに行動している羽花を見て、調子に乗っていると腹を立て、彼氏に羽花を痛めつけてほしいと依頼。その事件が問題になり、八美津高校を退学し、今は昼夜問わず適当に街をブラブラしている。 過去と向き合うようになった羽花に対して強くなった事を認め、街で会えば挨拶をする関係にはなったものの、羽花が所属するなかよしグループに対しては「偽善的で気持ち悪い」と酷評している。

(みどり)

八美津高校に勤務する英語教師。整った顔立ちにミステリアスな雰囲気を漂わせた大人の男性で、特に女子生徒達からの評判がいい。しかし一方で、おとなしそうな女子生徒に手を出して、有名進学校から八美津高校に異動させられたという噂もあり、三浦界は石森羽花を狙っているのではないかと警戒した。実際はクラスに馴染めない女子生徒からの相談を受けていた際、相手の生徒から恋心を抱かれ、それが周囲に明るみに出ただけで、後ろめたい事実は何もない。

華原 絵里 (かはら えり)

私立八美津高校に通う女子。2年生に進級した際に、三浦界と同じクラスになったことで石森羽花と知り合いになる。学校内では、菅野芹奈と人気を二分する美少女として知られている。自分の容姿に興味を示さない界に対しては、面白い男性だと何かと絡むことが多いが、異性として好意を抱いているわけではない。一見儚(はかな)い雰囲気を漂わせた美少女に見えるが、サバサバとした飾りっけのない性格をしている。言いたいこともはっきり言うタイプで、羽花に対しても辛辣ながらも的確なアドバイスを送る。同年代の男子からは非常にモテるが、お金持ちの年上男性としか交際しないと公言している。

岩川 奈乃 (いわかわ なの)

私立八美津高校に通う女子。2年生に進級した際に、三浦界と同じクラスになる。自分と同じく学校内では地味な存在の石森羽花に親近感を覚え、友達になって欲しいと声をかける。しかし、実際は羽花と親しくなりたいわけではなく、界に取り入るために彼女を利用しようとしている。中学校時代の羽花のように直接的ないじめは受けていなかったが、「いてもいなくても同じ」「存在感のない幽霊」と周囲からは陰口を叩かれていた。歌が得意で、動画配信サイトに岩川奈乃自身の歌唱動画をアップしている。実家が歯科クリニックを営んでいることから、将来は歯科医になることを希望しているが、歌手としても成功したいと思っている。

射手矢 (いてや)

私立八美津高校に通う男子。石森羽花の後輩。たれ目が特徴の美男子で、肩まで伸ばした髪をオレンジ色に染めている。三浦界とは小学校時代からの付き合いで、界に対してはあこがれと嫉妬が入り混じった複雑な感情を抱いている。界が羽花と交際していると知り、何かと彼女にもちょっかいを出すようになる。八美津高校の中でも特に素行の悪いグループに属している超有名人。

滝沢 宙 (たきざわ そら)

地域でも有名な進学校と知られる私立華宮(はなみや)高校に通う男子。サッカー部に所属しており、エースを務めている。花火大会で迷子になった妹を探していた際に、石森羽花が保護したことで知り合う。その後、滝沢宙の高校の文化祭に羽花が来たことで再会し、彼女のまじめで優しい人柄に好意を抱くようになる。ただし、宙自身も三浦界のファンであることから、強引な手段で羽花を略奪しようとは考えていない。見た目は界と並ぶほどの美男子だが、明るい性格で天然気味なところがある。つねに笑顔を絶やさず、周囲からはまるで人懐っこい子犬のようだと評されている。見た目と中身のギャップが激しいこともあり、周囲からはチヤホヤされているが、これまで彼女ができたことはない。

小沢 遥 (おざわ はるか)

熊本県で観光バスの添乗員を務める若い女性。私立八美津高校の3年生が熊本県を訪れた際、石森羽花のクラスを担当したことで知り合う。以前は三浦界と同じエリアに住んでおり、彼の小学校時代のことや、界の両親についても知っている。明るく社交的ながらお節介な性格で、羽花と界の交際にやたらと首を突っ込みたがる。八美津高校の男子たちからは「ぱる」と呼ばれ、アイドル的な人気を誇る。

場所

私立八美津高校 (しりつはちみつこうこう)

石森羽花、三浦界達が通う男女共学の高校。自由な校風で、校則も緩い事から、髪の毛を染めたり制服に装飾を施すなど、派手な見た目をした生徒が多い。また、すべり止めとして受ける生徒が多いため、偏差値は高くなく、一部素行の悪い生徒も在籍している。

書誌情報

ハニーレモンソーダ 24巻 集英社〈りぼんマスコットコミックス〉

第1巻

(2016-05-25発行、 978-4088674162)

第2巻

(2016-09-23発行、 978-4088674315)

第3巻

(2017-01-25発行、 978-4088674438)

第4巻

(2017-04-25発行、 978-4088674599)

第5巻

(2017-08-25発行、 978-4088674704)

第6巻

(2017-12-25発行、 978-4088674834)

第7巻

(2018-04-25発行、 978-4088674971)

第20巻

(2022-07-25発行、 978-4088676722)

第21巻

(2022-11-25発行、 978-4088676876)

第22巻

(2023-03-24発行、 978-4088677088)

第23巻

(2023-07-25発行、 978-4088677217)

第24巻

(2023-11-24発行、 978-4088677378)

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