魔法遣いに大切なこと 太陽と風の坂道

魔法遣いに大切なこと 太陽と風の坂道

メディアミックス作品「魔法遣いに大切なこと」シリーズのコミカライズ2作目。1作目である『魔法遣いに大切なこと Someday's dreamers』と世界観を共有しながら、登場人物を一新し、舞台を長崎に移している。魔法が苦手で大嫌いな現代を生きる魔法遣いである松尾ナミの心の成長を描く青春劇。方言の監修を行うと同時に、長崎の自治団体と協力するなど力を入れており、1巻巻末には長崎の街を紹介するロケ地マップが掲載されている。KADOKAWA「月刊ドラゴンエイジ」2004年1月号から2006年3月号に掲載された。

正式名称
魔法遣いに大切なこと 太陽と風の坂道
ふりがな
まほうつかいにたいせつなこと たいようとかぜのさかみち
原作者
山田 典枝
作画
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

松尾ナミ魔法遣いの少女だが、魔法を上手く使うことができず苦手に思っていた。そんな彼女は、趣味で綺麗な桜並木を撮影していたところ、狭い道でスピードを出したバイクに轢かれそうになる。ナミを避けたために転倒してしまったバイクの男子に申し訳ないと思ったナミは魔法を使ってバイクの修理を試みるが、失敗して更に悲惨なことに。

修理に出すという男子と別れて凹むナミだったが、数日後、彼女が通う学校にバイクの男子が転校してくる。富永龍太郎と名乗り、言葉少なに自己紹介を終えた彼をアルバム係の林田康平が写真を撮ったところ、龍太郎は突然激怒し殴り合いの大げんかに発展する。ナミは龍太郎に対して、バイクを壊した後ろめたさと同時に興味を覚えるのだった。

登場人物・キャラクター

松尾 ナミ (まつお なみ)

長崎緑南高校に通う3年生女子で、写真を撮るのが趣味。松尾秀樹という弟がいる。過去のトラウマから自分の誕生日に苦手意識を持っており、また、父親とも上手くいっていない。祖父が偉大な医療専門の魔法遣いであることが、魔法をうまく使うことのできない松尾ナミにはコンプレックスになっている。富永龍太郎の運転するバイクに轢かれそうになったことをきっかけに、彼のことが気になっている。

富永 龍太郎 (とみなが りゅうたろう)

父親の仕事の都合で横浜から松尾ナミのクラスへと編入してきた男子。編入初日に林田康平や福山光明と大げんかした。父親は船乗りで長期間家に帰ってこないため、祖母と妹である富永すももの3人で長崎の祖母の家に暮らしている。母親は交通事故により死亡しており、その際に起きた騒動が富永龍太郎とすももの心に深い影を落としている。 金を必要としており、草野造船所でアルバイトしている。

浜浦 香代子 (はまうら かよこ)

長崎緑南高校に通う3年生女子で、松尾ナミのクラスメイト。ナミをいつもいじめている。議員をしている父親が、自分の進路を勝手に決めたりすることに反発を覚えており、短大へ進学しろという父親の方針に逆らい、進路希望欄には歯科技工士の専門学校と書いた。自分がやりたいことをやるためならば手段を選ばないところがある。

森山 理恵子 (もりやま りえこ)

松尾ナミのクラスメイト。ナミ、渡辺千花を含めた仲良し3人組の1人。ハキハキとしゃべり頭が良く、正義感も強い。ナミのことをかばっていじめっ子の浜浦香代子に食ってかかることもある。国公立大学の教育学部を目指し、将来の夢は小学校の先生。同じクラスの福山光明のことを憎からず思っている。

渡辺 千花 (わたなべ ちか)

松尾ナミのクラスメイト。ナミ、森山理恵子を含めた仲良し3人組の1人。 おっとりしていて手芸が上手で、将来的には良いお母さんになりそうな人物とナミに評されている。看護師を目指し、看護学校を受験しようと考えている。ナミに対してただならぬ感情を抱いている。

福山 光明 (ふくやま みつあき)

松尾ナミのクラスメイト。女子に向かってセクハラじみた行為を平気でするお調子者だが、それでいて嫌われていない得な性格。アスリートを目指しており、トライアスロンで生計を立てるのが夢。そのために、伊王島から長崎緑南高校まで、毎日自転車で長い坂道を越えて通学している。

林田 康平 (はやしだ こうへい)

松尾ナミのクラスメイトの眼鏡をかけた真面目な男子。写真部に所属しており、クラスのアルバム係を務めている。ナミとは写真という共通の趣味を通し、1年生の頃からの付き合い。平凡であることが一番とうそぶきながらも、写真に対しては強い想いを持っている。

松尾 秀樹 (まつお ひでき)

松尾ナミの弟。高校に入ったばかりの1年生。バイクが好きでバイク屋で手伝いをしており、卒業したらそのまま働くことになっている。同じバイク好きの縁から、いつの間にか富永龍太郎と仲良くなり、まるで兄のように慕っている。

富永 すもも (とみなが すもも)

教会で松尾ナミが出会った少女で富永龍太郎の小さな妹。過去のトラウマが原因で喋ることができない。教会でマリア様の絵をよく描いており、気に入った人や友人にしかその絵を見せない。龍太郎によって過保護気味に育てられているが、兄妹仲はいい。

板橋 正樹 (いたばし まさき)

富永龍太郎が横浜に住んでいた頃の友人で同じ陸上部仲間だった男子。龍太郎が巻き込まれた母親の事故による騒動をよく知っており、長崎へ引っ越した彼のことを案じていた。現在は浪人生をしている。龍太郎の高校時代の逸話や馬鹿話を松尾ナミへと伝えた。

手塚 宗之 (てづか むねゆき)

松尾ナミが気晴らしに撮影に来ていた稲佐山の展望台で出会った小学生の少年。ガールフレンドの佐藤栞が外国へ引っ越しすることが決まっており、2人で遊びに来ていた。好きな子のためなら危険を顧みず行動できる強い気持ちを持ち合わせている。

佐藤 栞 (さとう しおり)

松尾ナミが気晴らしに撮影に来ていた稲佐山の展望台で出会った小学生の少女。外国へ引っ越しすることが決まっており、ボーイフレンドの手塚宗之と2人で遊びに来ていた。初対面ながら、ナミに話しかけたりと社交性がある。

小榊先生 (こさかきせんせい)

松尾ナミたちのクラス担任。白髪頭をした年配の教師。富永龍太郎が怪我をした子犬をクラスに持ち込んだ際には頭ごなしに叱らず、保健室で子犬の治療をするよう指示したり、誰が面倒を見るのかを相談させたりと、穏やかで心優しい先生。定年を迎えるため、ナミたちが教師生活最後の生徒となる。

神田先生 (かんだせんせい)

富永龍太郎の母親が起こした事故による騒動を担当している弁護士。事件に関する法的な問題を処理しており、たびたび横浜へと龍太郎のことを呼びつけている。被害者、加害者間の取り決めを破った龍太郎のことを叱責することもあったが、同時に、彼の未来を案じている1人でもある。

ユメ

松尾ナミが桜並木で偶然であったプロの魔法遣いの女性。ふゆみの依頼に応えて枯れ果てた桜の木に、元気だった頃と同じ満開の桜の花を咲かせてみせた。魔法遣いの研修や、魔法遣いになってからのことに悩むナミの悩みを聞き、アドバイスを送った。

ふゆみ

松尾ナミが桜並木で偶然出会ったプロの魔法遣いであるユメの依頼主。小さい頃に眺めていた桜の枯れ木が、元気だった頃にどんな花を咲かせていたのか見せて欲しいと、ユメに依頼していた。車いすに乗っている少女で、自身の余命が残り僅かであるかのような素振りを見せている。

場所

長崎緑南高校 (ながさきりょくなんこうこう)

松尾ナミたちが通う県立高校。観光名所である諏訪大社の裏手にある高台を登ったところにあり、通学路には起伏に富んだ数キロの坂道が続いている。この高校からの眺めが良く、長崎の風景を一望することができる。

その他キーワード

魔法遣い (まほうつかい)

魔法を使うことのできる人物のこと。魔法能力者は19歳未満であれば親の特別許可によって魔法を使用できるが、19歳以上になると無免許での魔法使用が法律により禁止されている。そのため、狭義には魔法遣い試験に合格し、魔法使用に関する資格を取得したプロの魔法遣いのことを指す。資格取得後は、一般には自治体の直轄で働いたり、事務所に所属、または個人事務所を開くこととなる。

クレジット

原作

山田 典枝

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