ゴッドサイダーセカンド

ゴッドサイダーセカンド

「週刊少年ジャンプ」で連載された『ゴッドサイダー』の続編。「ヨハネの黙示録」の予言に沿うように、神の側の人間(ゴッドサイダー)と悪魔の側の人間(デビルサイダー)がそれぞれの特殊能力と奇想天外な必殺技を駆使して壮絶にぶつかり合う、壮大かつファンタジーに富んだSFアクション。旧約聖書を主軸に北欧神話、バビロニア神話、インド仏教、チベット仏教、日本の八百万神など、世界のあらゆる宗教や天地創造神話をミックスさせて大胆な理論を形成、奇抜なストーリー展開と独特の世界観を構築している。

正式名称
ゴッドサイダーセカンド
ふりがな
ごっどさいだーせかんど
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
ダークファンタジー
 
バトル
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概要・あらすじ

神と悪魔、両方の血を持つ鬼哭一族の末裔・鬼哭霊輝は人間として平凡な生活を送っていたが、妻の鬼哭智子が魔界へ連れ去られたことで己の忌まわしき本性と宿命を悟り、ゴッドサイダーとして目覚める。そして、愛する妻を取り戻すため、父である魔王の復活を阻止するため、仲間と協力して魔界のモンスターたちを次々に倒していく。

しかし、邪神ロキとの闘いのさなかにサタンが復活したことで、ゴッドサイダーとデビルサイダー闘いは最終局面・黙示録戦争(ハルマゲドン)へと発展してしまうのだった。

登場人物・キャラクター

鬼哭 霊輝 (きこく れいき)

父は天界を追放された元ルシファーにして現在の魔界の王である魔王、母は魔界の王女・魔妃。神と悪魔の間の子と表現される。誠実で、正義感が強く不正や悪事を見逃せない純情タイプ。それゆえに刑事となったが、自分が普通の人間ではなく、神と悪魔の血を持つ数奇な運命を持っている事実に気付き、ゴッドサイダーとして悪魔たちとの闘いに挑む。 十天闘神の1人で、守護神は太陽神であり、最高神でもある昆盧遮那(バイローチャナ)。妻である鬼哭智子を深く愛している。智子を魔界へと連れ去られたことに激しい憤りを覚えており、デビルサイダーと闘うモチベーションは奪われた智子を自分の手中に連れ戻したいという一点に尽きる。それほど智子への想いは純粋で、彼女のことになると頭に血が上って冷静さを失う場面も多々見受けられる。

鬼哭 霊麒 (きこく れいき)

鬼哭霊輝と鬼哭智子の間にできた子。魔王を祖父に持つ。実の父母の存在は知らぬまま、悪魔界の副王ベルゼバブに育てられる。同級生を目の前で殺され、怒りの中で破壊と殺戮に目覚めるが、神の血が騒いで悪魔としての復活を抑える、という具合に彼の中では常に神と悪魔の血がせめぎ合い、葛藤する。勇敢で好戦的、善悪の基準より自分の信じた道を突き進む直情径行タイプ。 気性は荒々しいが、弱者に寄り添うなど心優しい一面もある。味方にすればこれほど強く、頼もしい男はいないが、粗雑で短絡的なところが弱点ともいえる。母・智子の愛情に飢えているが、育ての母であるベルゼバブに対しても一定の義理と愛着を感じている。

鬼哭 智子 (きこく ともこ)

鬼哭霊輝の妻で、鬼哭霊麒の母。幼少より霊輝と一緒に高野山弥勒寺の孤児院で育てられる。尊越の指令を受け、霊輝が悪魔側の人間として目覚めないように監視する役割を密かに帯びる。大人になって霊輝と結婚、本気で愛し合う間柄となっても、霊輝を監視する任務を続行していた。魔界へ連れ去られ、悪魔の皇帝ベリアルの妃として迎えられる。 智子本人もゴッドサイダーであり、十天闘神の1人。守護神は弥勒菩薩。幼い時期はいじめっ子から体を張って霊輝を守るほど気が強くしっかり者だった。悪魔に目覚める時は霊輝を殺すという非情な使命をも帯びていたが、日常生活においては耐え難い苦悩と幸せの間で優しく霊輝に寄り添い、献身的に支える妻を演じる。

厘 利盈 (りー りえい)

チベットから来た留学僧。ゴッドサイダーで、十天闘神の1人。守護神は帝釈天。二刀流から高速で剣を振りかざして相手を切り刻む「千手剣舞」「万手剣舞」を必殺技に持つ。幼い頃、軍隊の弾圧によって親兄弟を殺され、孤児となって以来、あらゆる欲望と喜怒哀楽を抑え、仏門の修行に没頭する。鬼哭霊輝と知り合った当初は、彼を仲間として認めていいのか迷うところがあったが、鬼哭智子への激愛と自分の信じる道を突き進む純真な姿勢に魅かれ、仏陀を信じる如く霊輝を信じるようになる。 やや感情的な鬼哭親子とは対照的に、冷静沈着、的確な状況分析と判断力で仲間を引っ張る。弥勒寺の孤児院がテロリストの巣窟と見なされて自衛隊の攻撃を受けた際、身を挺して子供たちを銃弾の雨から救った。

大楠 有光 (おおくす ありみつ)

防衛庁長官として自衛隊組織の指揮権を司る。がっちりとした体躯と精悍な顔つきが印象的な愛国者。情に厚く、惚れた相手が国であっても女であってもとことん尽くすことを信条としている。悪魔に操られていた沙霊央を救うため、命がけでデビルサイダーと戦う。十天闘神の1人で、守護神は伐虎羅天(ばこらてん)。全身から放たれる助福光はあらゆる汚れや傷を浄化する働きを持つ。

沙霊央 (さりお)

ゴッドサイダーで、十天闘神の1人。元妖精サリオル。大楠有光の恋人。「ソロモンの鍵」の力によりベルゼバブに操られていたが、有光の愛の力によって悪の心を克服し、ゴッドサイダーとして生まれ変わる。守護神は両杜羅天(りょうとらてん)。

ロクサーヌ

ハイチ島の平和と安寧を祈るヴードゥー教の司祭。まだ十代ながら、最高神「グランメット」の聖杯を管理する司祭としての役目を遂行しつつ、足の不自由な母の看病も務める。愛する母の命を救うため、神や精霊を操れるというハイチの万能神「グランメット」の聖杯を持ち出すが、それはパラケルススの罠だった。悪魔の攻撃を受けて重傷を負うも、その血がホムンクルス溶液と混ざってグランメットを復活させる。 ゴッドサイダーで十天闘神の1人。守護神は迷低羅天。

尊越 (そんえつ)

弥勒寺孤児院の院長を務め、鬼哭霊輝や鬼哭智子はじめたくさんの子供たちの面倒を見、育て上げてきた。しかしそれは仮の姿で、デビルサイダーの動きを監視し、十天闘神のゴッドサイダーを集める任務を負っている。デビルサイダーと激闘を繰り広げる霊輝たちを陰で支える精神的支柱でもあるが、その正体は不明。穏やかで物柔らかな佇まいには不思議なオーラがある。 背中に浮かび上がる模様は曼荼羅の図で、すべての守護神が描かれた時、この世を悪魔から救う十天闘神のゴッドサイダーが集結したことを意味する。

魔王 (さたん)

地中深くに眠る魔界の王。超巨人の体躯を持つ。鬼哭霊輝の父で、鬼哭霊麒の祖父にあたる。前身は神の世界に住む天使ルシファー。魔界の女王であった魔妃との恋仲を神々に認められず、反乱を起こして追放の身となり、堕天使として魔界に落ちた。第一次ハルマゲドンで封印され、亡骸だけが地中深くに眠るが、邪神ロキとの闘いで完全復活。 さらなる進化を遂げるため、息子である霊輝を吸収して超魔王となり、神々への復讐を目論む。

魔妃 (りりす)

魔界の女王。魔王と契りを結び、鬼哭霊輝をもうける。その前には、北欧神話の巨人神ユミールと結び、ロキを生んだ。愛する夫である魔王が地獄の淵から甦ることを心から望んでいるが、復活のためなら手段を選ばないベルゼバブと違い、真の魔王としてふさわしいかたちで生き返ることを願う。また、夫の魔王と実子であるロキの死闘を目の当たりにして心を痛めるなど、魔女らしからぬ一面も覗かせる。

ベルゼバブ

魔界の副王で、「蠅の王」ともいわれる。悪魔界では魔王に次ぐ実力の持ち主。異名の通り、繰り出す技は蠅の持つ特殊な機能と性質を活かしたおぞましいものが多い。両性具有の悪魔だが、風貌、体の作り、言葉遣いはどれも女性仕様で、恋愛感情を抱く相手も男性が多い。魔王の復活を目論み、ありとあらゆる策を弄して鬼哭霊輝たちを苦しめる。 後編では鬼哭霊麒の養母となり、デビルサイダーとして目覚めるように教育するが失敗。意に反してゴッドサイダーとなった義理の息子を自らの手で葬り去ろうとするが、我が子同然にその身を案ずるなど母親としての複雑な心境も垣間見せる。

ベリアル

副王ベルゼバブと並び称されるほどの実力者。「悪魔の皇帝」の異名を持つ。ベルゼバブに殺される予定だった鬼哭智子に一目惚れし、妻として迎える。炎を吐く巨大な竜を操りながらの攻撃は圧巻。ハイチの上空で鬼哭霊輝と激突、北米大陸に災害をもたらすほどの死闘を展開。後編では正義の心に目覚め、ゴッドサイダーとして鬼哭霊麒らとともに悪の世界と対峙する。 十天闘神の1人で、守護神は緊迦羅天。

パラケルスス

死んだ生物を甦らせるホムンクルス溶液の製造を研究する悪魔の科学者。顔は人間で、体は巨大ムカデの形をしている。あらゆる生き物を生物実験のために使う道具としか見なしていない。鬼哭智子の細胞も実験道具として用い、べリアルの怒りを買って実験機材を壊された。神や精霊を操れるというハイチの万能神「グランメット」復活を狙い、ロクサーヌを罠にかける。

オーディン

北欧の最高神オーディンの血を引くゴッドサイダー。北欧のスカンジナビア半島を統治する将軍でもある。デビルサイダーに父母を殺された恨みから、悪魔の血を継ぐオッド族のせん滅を図る。しかし、その残虐な心は本心ではなく、執事に化けたデビルサイダーによって野獣の肉を10年に渡って与えられたことで悪魔のような精神になっていたからであった。 鬼哭霊輝たちとの闘い後は本来のゴッドサイダーとして目覚める。十天闘神の1人で、守護神は珊羯羅天。

ヴァルキューレン

オーディンの妹。悪魔の血を持つというだけで罪のないオッド族を虐殺する兄を悲痛な眼差しで見つめる。オーディンと同じく、グラシアボラスに神々を食らった野獣の肉を与えられ続けたが、肉が食えない体質で毎日吐き出していた。そのため、オーディンと違い清く優しい心を維持。グラシアボラスの攻撃で窮地に追い込まれるが、厘利盈に救われ、十天闘神のゴッドサイダーとして目覚める。 守護神は頞折羅天。

グラシアボラス

オーディン家の執事。正体は悪魔で、オーディンを殺害した北欧の神ロキを復活させるためオーディン家に身分を偽って潜伏している。謎に包まれた素顔を隠すため、さまざまな仮面を持つ。呪術を用いて大楠有光と沙霊央から若さを奪った。

シグルド

北欧神話では神の側につき、ロキと戦ったとされるジークフリードの血を継ぐ戦士。竜退治(ドラゴンスレイヤー)のプロとして知られる。邪神軍と悪魔軍、ゴッドサイダーとの三つ巴で行われたハルマゲドンではロキに忠誠を誓い、参謀として活躍。ロキと兄弟である鬼哭霊輝の息子・鬼哭霊麒に親近感を覚え、彼の闘いを背後から優しく見守り、時にアドバイスを送る。 冥界で死神となったカローンを愛している。

ロキ

北欧神話に出てくる半神半魔の神。母親は魔界の王女である魔妃で、鬼哭霊輝とは異父兄弟の関係。死に絶えた物を蘇生させる再生魔血(オールマイティブラッド)の力を持つ。その実力は魔王にも匹敵するといわれる。邪神として目覚め、1000を超える配下を擁して魔王もろとも悪魔の滅亡を目論んでいる。武器はグングニールの槍。 双槍で、巨大な刃が特徴。巨人に体を食わせて自ら巨人化することも可能である。霊輝、ルキフグス、サタンと死闘を演じる。

ルキフグス

ベルゼバブと並ぶ悪魔界の副王。邪神のロキ軍と悪魔の魔王軍が激突する直前に復活。サタンと同じく超巨体の体躯を持ち、腹部には不気味な悪魔の相貌を持つ。核ミサイルのパワーを吸収して魔改造に成功し、ロキと渡り合う。

竜子 (りゅうこ)

ムルキベル学園に通う鬼哭霊麒の幼馴染で、ムルキベル校長の娘でもある。悪魔サイドに立つ父の命令を受け、神の側に転ぶかもしれない霊麒を監視する。竜族(ドラゴニアン)の血を継ぐ。地獄のマラソン大会で霊麒と共に参加中、デビルサイダーの攻撃を受けて重傷を負うが、地下からオーラを送った鬼哭智子に救われる。腕白な霊麒の影響か素行の悪さが目立っていたが、ゴッドサイダーとなってからは鬼神の如く闘う霊麒を支える存在に。 十天闘神の1人で、守護神は吉祥天。

ムルキベル

鬼哭霊麒や竜子らが通う学校の校長。竜子の父親でもある。ゴッドサイダーだがベルゼバブに操られ、生徒の大量殺戮計画に加担するなど悪魔サイドに立って行動する。竜族(ドラゴニアン)の末裔であり、地獄世界につながる万魔殿(パンディモニウム)建設に従事。霊麒らとの闘い後、ゴッドサイダーとして目覚める。

ラウルレシア

鬼哭霊麒らが通う学校の教師で、女の姿をしたデビルサイダー。妖艶な美貌と危険な香りで生徒たちを惑わす。霊麒の悪魔としての能力を引き出すため、残酷な生徒指導を行う地下室に霊麒や竜子を監禁する。ベルゼバブの部下として霊麒の動向を監視する役目も担う。

ガアプ

悪魔科学技術相と呼ばれる。ラウルレシアの恋人。神話では魔王と共に天界から落とされた堕天使とも言われ、秘密の地下室でゴッドサイダーの体を使った生物実験を行っている。蘇生術の実験中に死んだ鬼哭智子の体を使ったことが皮肉にも鬼哭霊麒を助け、母の存在を気付かせることになった。ヴァイオリンの音色を使って遠隔操作ができる。

ハーデース

死者の国である冥界の王。地獄に送り込まれたあらゆる亡者たちの裁きを下す立場にある。すべての死者の罪を記録する「審判の書」に記載されれば、たとえ神でも彼の支配下に置かれる。天界では孤立しており、神でありながら冥界に送られるという境遇を快く思っていない。表情は常にニヒルで、喜怒哀楽を表すことはほとんどない。どんな生物も一瞬にして無の存在に帰す「生再無帰」は数百匹の悪魔を瞬時に消し去るほどの威力。

ペルセポネー

ハーデースの妻。傍らに魔王の亡骸を置いて美酒をたしなむハーデースの存在を、愛しつつも物悲しく見つめる。冥界の絶対的な王でありながら、天界の神という座を追われた夫が不憫でならない。番犬「ケルベロス」をかわいがるなど、風変りな一面も。

カローン

三途の川の渡し守。死者を地獄へ輸送する役目を負う。鬼哭霊麒との闘いに敗れるが、命を救われたことを恩に感じ冥界の案内役を買って出る。霊麒の優しさに惚れ、愛されたい欲望を必死に抑える。実はシグルドの幼馴染で、エルドナという人間名を持つ。

シミチン

鬼哭霊麒の同級生。地獄のマラソン大会の途中、ゴッドサイダーとデビルサイダーの抗争によって起きた動乱で三途の川に落とされ、カローンに殺されそうになったところを霊麒に救われる。不思議な魅力を持つ石山さおりに心を寄せている。

石山 さおり (いしやま さおり)

シミチンと同じく鬼哭霊麒の同級生。シミチンと行動を共にし、三途の川で霊麒に助けられる。見た目はどこにでもいる普通の少女だが、小動物悪魔に心を開き、友達になるなど奇妙な性質を持っている。飄々としながらも度胸があり、並みの素質ではないことが伺える。

フローズン・クレセンツ (ふろーずんくれせんつ)

ギリシャ神話に登場する蛇の頭を持つ神、メドューサの血を継ぐデビルサイダー。冥界で鬼哭霊麒を待ちかまえ、共闘してハーデースを倒そうと持ちかける。魔王復活のため、死者の記録である「審判の書」から魔王の罪を削除しようと画策する。滅ぼされても冥界の番人や番犬ケルベロスらに乗り移るかたちで甦り、何度も霊麒らを苦しめる。

その他キーワード

五大元素聖剣 (ふぁいぶあとみっくそーど)

鬼哭霊輝が操る伝説の剣。赤・青・黄・緑・白の5色の光のパワーを宿す。創世記時代、神が地球上に巻き起こる災害封じのために作り出したといわれている。霊輝が一振りしただけで数百ものデビルサイダーがなぎ倒されたほどの破壊力と殺傷能力を秘める。

十天闘神 (じってんとうしん)

108人のゴッドサイダーのうち、最高の実力を持つ選ばれし十傑。仏教界最高位の神々を守護神に持ち、あらゆる魔力と邪心を払いのける力を持つ。『ゴッドサイダーセカンド』では、鬼哭霊輝及び鬼哭霊麒、鬼哭智子、厘利盈、大楠有光、沙霊央、ロクサーヌ、オーディン、ヴァルキューレン、べリアル、竜子が十天闘神である。

目覚めし人 (ぶらふまん)

宇宙の真理を悟った仏陀がたどり着いた境地。その浄化光は正しき者の傷を癒し、あらゆる災いを浄化する力も持つ。目覚めし人となったゴッドサイダーは、十天闘神すべての力を受け継ぎ、絶大なパワーを発揮する。

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