7SEEDS

7SEEDS

巨大隕石の衝突によって天変地異が起こった後の世界で、冷凍睡眠から目覚めた少年少女たちが、人類の存亡をかけて生き延びていく姿を描く。「別冊少女コミック」(小学館刊)2001年11月号より連載開始し、「月刊フラワーズ」(小学館刊)2002年6月号に移籍して連載された。2019年6月ネット配信アニメ化、2020年1月にはテレビアニメとしても放映された。

正式名称
7SEEDS
ふりがな
せぶんしーず
作者
ジャンル
サバイバル
レーベル
フラワーコミックス(小学館)
巻数
既刊35巻
関連商品
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あらすじ

概要

地球に巨大隕石が衝突し、人類が全滅してしまうことが予測された。種としての人類を存続すべく全世界は協力し、子孫を残すために選ばれた若者を、隕石の衝突による被害が回復するまで冷凍睡眠させるという計画を立案した。1チームは若者7名とガイド役の大人1名の8名で構成され、四季にちなんだ名称の計5チームが編成された。人類の未来は彼らに託されることとなった。

島の章

夏のBチームの物語。普通の高校生活を送っていた高校生の岩清水ナツは、あるとき目を覚ますとなぜか荒れ狂う海の上を漂流していた。彼女は同じ場所にいた早乙女牡丹青田嵐麻井蝉丸とともに4人で救命ボートで脱出した。やがて彼女たちはある島にたどり着く。なぜここにいるのか、どうして連れて来られたのか、家族はどこにいるのか、何もかもわからないまま4人はサバイバル生活を余儀なくされる。見たこともない凶暴化した昆虫や小動物など、次々と襲い掛かる困難に立ち向かうナツたち。

高い丘から周りを見渡すことで、島の全容を調べようとしていた道中、ワニのような生物に襲われていた天道まつり守宮ちまき草刈螢と遭遇する。彼らを助けようとした牡丹が負傷したとき、謎の男・百舌戸要が手助けしてくれる。その後、政府から任命されたガイド役だという牡丹から、「7SEEDS」計画という衝撃の事実が明かされる。一同は驚愕しつつも、希望を求めて島からの脱出を試みるのだった。

早春の章

春のチームの物語。魚のいない海に囲まれた島で、末黒野花角又万作甘茶藤子雪間ハル野火桃太郎鯛網ちさ、ガイド役の柳踏青、目覚めない少女・新草ひばりは、水と食料を求めて過酷な生活を強いられていた。しかし少年少女たちの間では、ガイド役の柳への不満が高まっていた。ある日を境に柳の様子がおかしくなっていき、ついに人食い虫の穴に一同を連れ込んだ柳には、もはや人間としての精神はほとんど残っていなかった。だが柳はわずかな理性を取り戻し、「7つの富士を目指せ」という言葉を最後に自らを犠牲にして花たちを助ける。そうしてたった一人の大人である柳を失った花たちは、新天地を目指して海へと旅立っていくのだった。

立夏の章

夏のBチームの物語。なんとかたどり着いた場所が長崎だったことを知ったナツたちは、牡丹の情報を頼りに救援物資が蓄えられているという「七富士」の1つを目指す。なんとか救援物資にたどり着いた一同だったが、ちまきが故郷の熊本の様子が見たいと言い出し、ナツと嵐らもそれに同行する。しかし、熊本は海に沈んでいた。そこで、故郷の東京の様子が知りたい嵐と、埼玉の様子が知りたいナツは東へ向けて旅立つことにする。

東風の章

春のチームの物語。いかだで島を出た花たちは、ようやく陸地にたどり着く。そこは破壊された横浜だった。故郷の東京の様子を見たい花とハル、茨城の様子を見たい藤子とそこに同行した桃太郎、そしてその場に残った角又、ちさ、ひばりの3班に分かれることになる。しかし、東京はほとんど水没しており、謎のトカゲのような生き物がはびこっていた。再び合流した7人は富士山を目指して移動を開始するが、何者かが残した登山用の目印に導かれ、救援物資が蓄えられていたシェルターにたどり着く。そこには夏のBチームの手紙が残されていた。

冬の章

冬のチームの物語。北海道で冷凍睡眠から目覚めた新巻鷹弘鮫島吹雪神楽坂美鶴枯園睦月、ガイド役の熊川冴は、他のメンバー3人が解凍に失敗して死亡していることに衝撃を受けていた。全国的に有名な高校野球選手である新巻とそれをライバル視していた吹雪、そして日本舞踊界のホープである美鶴は気が合い、チームの中心的な存在としてサバイバル生活を行っていた。しかしある日、虎のような肉食動物の襲撃に遭い、熊川と睦月は死亡してしまう。

その場に留まるのは危険だと思った3人は流浪の旅に出るが、その虎はひっそりと後をつけていたのだった。そしてある日、突然の襲撃を受けて吹雪が死亡し、荒巻と一緒に逃げた美鶴も、最後の舞を舞ったまま凍死してしまう。その後、偶然起こった山火事によって現れた山裾にシェルターを見つけた新巻は、たった一人でも生きていく決意をするのだった。

芒種の章

夏のBチーム秋のチームと出会う物語。関東を目指して旅をしていたナツと嵐の元へ、自分の生まれ故郷である浜松が気になっていた蝉丸が追いついてきた。そして偶然、秋のチームのガイド役だという十六夜良夜と出会う。その後合流した秋のチームは、稲架秋ヲ猪垣蘭が支配する村を形成していた。自分たちの食料を奪いに来たのかと警戒する秋のチームに対し、ナツたちは警戒心を強める。

価値観の違いをまざまざと見せられた夏のBチームは、東京を目指して旅を続けることにする。そして水没した新宿で、冬のチームの生き残り・新巻と遭遇することになる。

雨水の章

夏のBチームと別れた新巻は、その後偶然にも春のチームに出会う。春のチームは家を建て、畑を耕し、たくましく生活していた。新巻もそこに快く招かれ、束の間の安息を得る。しかしある日、青紫の謎の液体に触れてしまった花の体調に異変が起こる。湿疹はどんどん広がり、それを気に病んだ花は一人旅立ってしまう。

花を追って荒巻とハルも旅立ち、花とともにボートに乗って、夏のBチームが最初に上陸した島にたどり着く。そこで偶然、嵐が岩に掘ったメッセージを見つけ、花は病を治療して生きていく決意をする。一方、夏のBチームは仙台のシェルターにたどり着き、そこで帆船を見つけるのだった。

穀雨の章

夏のAチームの物語。時は隕石が衝突する前の日本。隔離された施設の中で、サバイバルの知識やそれに耐えられる体力を身につけさせられている少年少女たちがいた。17歳になる日まで、最も優秀な7人が選ばれるという前提で、彼らは日々訓練に明け暮れる毎日を送っていた。そこは、政府の「7SEEDS」計画のための選別の施設であり、優秀な7人に選ばれなかった者は処分されるという非情な計画であった。

最終的に生き残った安居あゆ源五郎虹子小瑠璃ら7人は、多くの仲間を失った絶望感の中、そのまま冷凍睡眠に入る。そして目覚めた後、自分たちの運命を弄んだガイド役の卯浪を殺害し、旅立っていくのだった。

灰の章

島から旅立った花と新巻とハルは、以前夏のBチームがいた九州のシェルターにたどり着いた。しかしそこは火山が噴火したため、人の姿はなかった。残されていた手紙には、牡丹たちが神戸に向かったことが記されていた。その後に立ち寄った秋のチームがあった村も、火山の噴火によって焼け焦げており、人の気配は感じられなかった。そのまま旅を続けていると地下への入口があり、そこには地下鉄のホームが広がっていた。中は、2つに分裂した秋のチームが生活している空間で、鹿野くるみ荻原流星の子どもを身ごもっていた。

花と新巻とハルらは、この施設の奥を調べるために地下へと進入し、そこで腹話術芸人・ピート兄弟の茨木真亜久の日記を見つける。その内容から、ここが隕石衝突の災害から免れるために作られた巨大シェルター「龍宮」であることを知る。しかし「龍宮」は老朽化していたために崩落が起こり、花たちと秋のチームは命からがら脱出した。そこへ夏のAチームが現れ、安居が十六夜を銃殺して去っていく。

夏至の章

帆船で海を旅していたナツと嵐と蝉丸は、海面に浮かんでいた少女・新草ひばりを発見し救助する。目を覚ましたひばりは、夏のBチームにいた螢の命が危ないとつぶやく。ひばりに導かれるまま陸地に上陸したナツたちは、再び秋のチームがいた村にたどり着く。そこには花が嵐に宛てて残した手紙が置いてあった。その後、まつりと百舌とも合流し、洞窟の中で樹脂のようなものに捕われていた牡丹とちまきと螢を救出する。その後、ひばりは一同の下を離れ、道で偶然会った角又とともに別の地を求めて旅立っていった。

一方、居住区を完成させた夏のAチームのところに、偶然、春のチームの桃太郎が流れてきた。この時代の植物の効能がわからないあゆは桃太郎を実験台にし、安居は肉食動物をおびき寄せる囮として扱った。桃太郎の靴を偶然見つけた花たちは、桃太郎が捕らえられていることを知り、救出に向かう。その後、白い蝙蝠の襲撃に遭うなどした結果、花たちと秋のチームは、夏のAチームと共同で住むことになる。しかし、水源を調べに行った花を見捨てたことと、花を暴行しようとしたことが引き金となり、安居は村を追い出されることになる。そして涼もそれに付き添って村を出て行った。あゆと新巻も村を出て、花を探しながら植物の研究をする旅に出ることにする。

小暑の章

村を追い出された夏のAチームの安居と涼は、夏のBチームに偶然出会う。危機管理も生き残る能力も持たない能天気な夏のBチームに呆れるが、教官として彼らを指導していこうと思い始める。そんな中、大型のタンカーを見つけて中を探索する一同だったが、タンカーが垂直に立ち、それが数十時間後には日本へ向けて核ミサイルを発射するものだということを知る。なんとかミサイルの発射を止めようと奮闘するも、端末の故障により失敗。異常繁殖したバクテリアの浸食によりシステムそのものが破壊され、奇跡的にミサイルの発射は停止されたのだった。

啓蟄の章

奇跡的に生きていた春のチームの花は、一人でサバイバル生活を始め、偶然同じチームの藤子とちさに再会した。そして近くに人工的な貯蔵庫があることを発見し、そこを開けたことで森中にキノコが大繁殖してしまう。そんな中、新巻とあゆとも再会を果たすが、落雷によって生じた炎とキノコの繁殖を阻止しようとした犬たちによって、大規模な山火事が起きてしまう。その山火事が向かっていく先は、夏のAチームたちの村だった。そこに突然、百舌が現れて、避難するよう促さた一同は、干潮で地続きになっている島へと逃げ込んだ。一方、花たちは山火事を避けて移動する途中、馬のような生き物に乗った角又とひばりとも再会していた。

海の章

夏のAチームの村から逃れた一同が逃げ込んだ島は巨大な蟻の巣だった。偶然一人だけ難を逃れた虹子は、みんなを救出しようと調査するが、決定的な方法に欠けていた。狼煙を上げて助けを求めたところ、それに応じたのは帆船に乗った夏のBチームと安居と涼だった。彼らは協力して巣の中に入っていった者たちを救出しようとする。

山の章

花たちは佐渡島に向けて出発した。しかし佐渡は分断されており、ところどころに大規模な地殻変動の跡が見られた。島を探索していた花たちは、どこからか蝉丸が奏でたゲーム音楽の旋律を聞く。その後、掃除用ロボットが動き出し、それによってナツと通信することができ、お互いが近くにいることが判明した。巣の中での一進一退の中、ついに花は通信で嵐と言葉を交わすことができた。残っていた設備とそれぞれの能力を最大限に発揮して、彼らは皆で脱出を試みる。その過程で、佐渡島が、かつて夏のAチームが訓練されていた施設があった場所だと知ることになる。

空の章

佐渡島地下に作られた施設の中で、近くにはいるが未だに花と嵐は巡り会えずにいた。数々の危険にさらされる中、それぞれの人物は個々の能力を発揮し、また足りないところを互いに補いつつ、協力して脱出を試みようと奮闘する。そして脱出と並行して、「方舟」と呼ばれる施設で冷凍睡眠させられている105人の子どもたちを救う行動も進めていく。

最終章

崩壊が始まった佐渡島の地下にいた面々は、あらゆる手段を使って地上への脱出を試みていた。「方舟」にたどり着いたナツや蝉丸たちは、隔壁から脱出した花と合流。船を浮上させて地上を目指すことに。そんな中、救助を待っていた妊婦・くるみが突然産気付いてしまう。父親の流星とふたりきり、崩落のタイムリミットが迫る佐渡島で命がけの出産が始まる。 

メディア化

ネット配信アニメ

第1期 2019年6月より配信、第2期 2020年3月より配信

STAFF

監 督:高橋幸雄、助監督:相浦和也、シリーズ構成:待田堂子、脚本:待田堂子、森田繁、朱白あおい

アニメーション制作:GONZO/スタジオKAI

CAST

岩清水ナツ:東山奈央、青田嵐:福山潤、麻井蟬丸:小西克幸、早乙女牡丹:沢海陽子、天道まつり:阿澄佳奈、守宮ちまき:石田彰、草刈螢:悠木碧、百舌:井上和彦、末黒野花:日笠陽子、雪間ハル:野島裕史、角又万作:置鮎龍太郎、新草ひばり:喜多村英梨、鯛網ちさ:能登麻美子、野火桃太郎:広橋涼、甘茶藤子:伊藤静、柳踏青:江川央生、猪垣蘭:浅野まゆみ、稲架秋ヲ:三宅健太、鹿野くるみ:加隈亜衣、荻原流星:石川界人、梨本茜:小松未可子、八巻朔也:阪口大助、刈田葉月:星野貴紀、十六夜良夜:津田健次郎、新巻鷹弘:佐々木望、鮫島吹雪:野島健児、神楽坂美鶴:桑島法子、安居:小野賢章、涼:櫻井孝宏、小瑠璃:千菅春香、あゆ:嶋村侑、鷭:寺島拓篤、源五郎:佐藤拓也、虹子:皆川純子、卯浪:菅原正志、貴士:速水奨、茨木真亜久:興津和幸、神酒マリア:寿美菜子

登場人物・キャラクター

岩清水 ナツ (いわしみず なつ)

高校1年生で16歳の少女。埼玉県さいたま市出身。「7SEEDS」計画で夏のBチームに選ばれ、事情を聞かされないうちに荒廃した未来世界で目覚める。内気な性格で自分の意見を表明するのが苦手だったが、サバイバル生活を続ける中でたくましさを身につけ始める。青田嵐に好意を抱いているが、嵐の恋人・末黒野花が春のチームのメンバーとして生存していることを知って複雑な感情を持つ。

末黒野 花 (すぐろの はな)

高校2年生で17歳の少女。自立心が強く、行動力にあふれる性格の持ち主。父親からサバイバル技術を教えられて育ち、危険を顧みずに春のチームを牽引する存在だが、その性格が災いしてピンチに陥ることも多い。自分たち以外の人類が滅亡してしまったことを知った後にも、恋人の青田嵐と再会することを生きる希望にしている。

新巻 鷹弘 (あらまき たかひろ)

「50年に一度のピッチャー」と称された高校球児だったが、甲子園の出場中に「7SEEDS」計画に選ばれた少年。冷凍睡眠から目覚めてまもなく、冬のチームのメンバーを次々と失い、チームで唯一の生存者になる。その後、野犬たちを飼いならして15年間生き延び、春のチームと合流するが、他のチームと比べて冷凍睡眠から早く目覚めたため、本来は同世代だった末黒野花たちとは年齢差が生じている。

安居 (あんご)

社会から隔絶された施設で、未来の世界で生存するための英才教育を受けて育てられた少年。夏のAチームのメンバー。「7SEEDS」計画のメンバーに選ばれるため、過酷な選抜試験を突破するが、その過程で多くの仲間を失ったことを気に病んでいる。他のチームのメンバーを一般人と呼び蔑んでおり、そのためにトラブルになることが多い。

青田 嵐 (あおた あらし)

高校2年生で17歳の少年。東京都杉並区出身。夏のBチームのメンバー。末黒野花とは恋人同士で、花と再会することを望んでいる。正義感が強く気のやさしい性格で、麻井蝉丸からからかわれがちな岩清水ナツをかばう。学校では水泳部で、泳ぎが得意。虫が大の苦手。

麻井 蝉丸 (あさい せみまる)

静岡県浜松市出身の18歳の少年。夏のBチームのメンバー。母子家庭に育った不良少年で、口が悪い。岩清水ナツのことをたびたびからかって遊んでいるが、次第にナツに対して好意を抱き始める。火をおこすことと料理が得意で、いつもチャラチャラしているが時々的を射たような発言もする。

早乙女 牡丹 (さおとめ ぼたん)

元警官で夏のBチームのガイドを務める女性。豊富なサバイバルの知識と高い決断力を持っているが、天道まつりらと無邪気にはしゃぐような一面も。年長者でもあることから、常にチームの人間のリーダーであろうとする責任感の強い女性。

天道 まつり (てんどう まつり)

夏のBチームのメンバーで16歳の少女。プチ家出中だったところを、「7SEEDS」計画に選ばれた。実家は農家を営んでいるため、農業の知識を持っている。人に合わせて生きてきたため、周囲の空気を読むことに長けている。サバイバルを通して、石清水ナツとは心から許し合える仲になっていく。

守宮 ちまき (やもり ちまき)

夏のBチームのメンバーで、美術大学の1年生の少年。熊本出身だが金沢の大学に通っていた。絵を描くのが得意で、暇があれば絵を絵を描いている。野草や木の実を見つけると、絵の具の代わりになるのではないかと模索する。体を動かすのは苦手。

草刈 螢 (くさかり ほたる)

夏のBチームのメンバーで12歳の少女。妙に勘が働き、明日の天気も言い当てるほど。春のチームのメンバー・新草ひばりとはいとこ同士で、お互いの状況を感知することが可能。新草家が本家で、草刈家は分家という間柄だが、どちらも日本の政治家などから崇拝される草家の一族で、「7SEEDS」計画にも深く関わっている。

百舌戸 要 (もずのと かなめ)

夏のBチームのメンバーの男性。サバイバル技術に長け、他のメンバーには素性を話したがらない。メンバーの中では唯一名前に夏の季語が入らない。実は、夏のAチームを育てた施設の教官のひとりであり、各地に散らばったチームを観察する任務を帯びている。

角又 万作 (つのまた まんさく)

春のチームのメンバーで18歳の少年。実家は関西地方で寺を営んでおり、その家の四男。常に冷静でそれなりに力も持っているが、体を動かすことには積極的ではない。漢詩が好きで、特に杜甫の詩を好んでいる。弓道二段の腕前で、流鏑馬も経験したことがあるため、馬の扱いにも長けている。

甘茶 藤子 (あまちゃ ふじこ)

春のチームのメンバーで17歳の少女。茨城県出身。過去にボランティアで海外協力に行った経験から、本格的に医者を目指していた。春のチームから末黒野花たちが分かれた後、行方が分からなくなっていたが、鯛網ちさとともに生活していた。

柳 踏青 (やなぎ とうせい)

春のチームのガイドで元自衛隊員の男性。春のチームのリーダーとしてメンバーを統制・管理しようとするあまり、傲慢な言動が目立つ。人食い虫に寄生されて人間としての理性を失っていき、メンバーを巣へと連れ込むが、末黒野花たちに励まされてわずかばかりの人間性を取り戻す。そして、自らの体に火をつけて、メンバーを逃して最期を迎えた。 死の間際に花たちに向けて、「7つの富士を目指せ」という言葉を残している。

雪間 ハル (ゆきま はる)

春のチームのメンバーで16歳の少年。実家は音楽一家。ピアノとバイオリンを習っており、特にピアノが得意。ピアニストとして成果を上げられない自分に嫌気がさしていたが、ピアノのために手を大切にする習慣は根強く残っている。力仕事は苦手で、逆に女だてらに無茶をする末黒野花のことを気遣う。夏のAチームと合流した際に小瑠璃と出会い、心惹かれるようになる。

野火 桃太郎 (のび ももたろう)

春のチームのメンバーで12歳の少年。本名を略して「のび太」というあだ名をつけられていた。記憶力が良く、図鑑に載っている動物や虫のことをよく覚えている。宮城県出身だが東京の学校に寮から通っていた。春のチームが横浜で3方向に分かれた後、水に流されていたが、夏のAチームのあゆに救出される。その後、植物の効能の実験台や肉食動物への囮として扱われていたが、春のチームによって助け出される。

鯛網 ちさ (たいあみ ちさ)

春のチームのメンバーで18歳の少女。石川県金沢市出身で、大物政治家を何人も輩出している名家・鯛網家に生まれた。鯛網家は新草ひばりと草刈螢の実家である草家と同様に、「7SEEDS」計画に深く関わっている。過去に薙刀を習った経験がある。春のチームが横浜で3方向に分かれた後、甘茶藤子と再会して共同生活を送っていた。

新草 ひばり (にいぐさ ひばり)

春のチームのメンバーで12歳の少女。メンバーの中で一人だけ眠ったままであったため、移動の際には主に角又万作が背負っていた。春のチームが横浜で3方向に分かれた後、水に流されていたが、海を漂っているところを石清水ナツに発見されて救出される。夏のBチームの草刈螢とはいとこ同士で、お互いの状況を感知することが可能。 新草家が本家で、草刈家は分家という間柄だが、どちらも日本の政治家などから崇拝される草家の一族で、「7SEEDS」計画にも深く関わっている。そんな名家のお嬢様だったためか、目覚めたあとは高飛車な態度を取る。

鮫島 吹雪 (さめじま ふぶき)

冬のチームのメンバーで高校2年生の少年。広島の野球部で、今世紀最高のショートと呼ばれていた。「50年に一度のピッチャー」と呼ばれる新巻鷹弘をライバル視しており、いつか甲子園で戦いたいと思っていた。サバイバル生活の中に野球を取り入れ、ムードメーカーとしても活躍する。神楽坂美鶴に好意を持ち、虎に襲われた際に、新巻と美鶴を助けるために死亡する。

神楽坂 美鶴 (かぐらざか みつる)

冬のチームのメンバーで高校二年生。日本舞踊界のホープと称されている。容姿端麗なためクールな印象だが、実は高校野球の大ファンで、新巻鷹弘や鮫島吹雪のことは以前から知っていた。「夕鶴」の舞を舞うための気持ちを理解しきれなくて悩んでいたが、吹雪を失ったことで、舞うことができる形となる。その際、衣服のほとんどを新巻に渡したため凍死する。

熊川 冴 (くまかわ さゆる)

冬のチームのガイドの男性。スキンヘッドで筋肉質なため、頼りがいのある印象を持たれる。冷凍睡眠から目覚めた際、3人が干からびた状態で死亡していたが、そのことを冷静に他のメンバーに告げる。比較的メンバー間での争いごともなく順調にサバイバル生活をこなしていたが、突然襲撃してきた虎のような肉食獣によって命を奪われる。

枯園 睦月 (かれぞの むつき)

冬のチームのメンバーで大学1年生の少年。旅をしていた経験から北海道地方の地理に詳しい。比較的メンバー間での争いごともなく順調にサバイバル生活をこなしていたが、突然襲撃してきた虎のような肉食獣によって命を奪われる。

柴漬 アラレ (ふしづけ あられ)

冬のチームのメンバー。他のメンバーが冷凍睡眠から目覚めたときには、綾取風花と室咲冬至と同様に既に干からびた状態で死亡していた。ガイドの熊川冴によると解凍に失敗したとのことだった。

綾取 風花 (あやとり ふうか)

冬のチームのメンバー。他のメンバーが冷凍睡眠から目覚めたときには、柴漬アラレと室咲冬至と同様に既に干からびた状態で死亡していた。ガイドの熊川冴によると解凍に失敗したとのことだった。

室咲 冬至 (むろざき とうじ)

冬のチームのメンバー。他のメンバーが冷凍睡眠から目覚めたときには、柴漬アラレと綾取風花と同様に既に干からびた状態で死亡していた。ガイドの熊川冴によると解凍に失敗したとのことだった。

十六夜 良夜 (いざよい りょうや)

秋のチームのガイド役を務める、元消防士の男性。しかし、優柔不断で気の弱い性格から、メンバーの稲架秋ヲと猪垣蘭にチームは掌握されていた。世界に絶望したメンバーを見て、チーム全員を毒殺することを考えるが、東京を目指していた夏のBチームの青田嵐たちに出会い、止められる。その後は前向きに生きることができたが、夏のAチームの安居に銃で撃たれて死亡する。

末黒野 貴士 (すぐろの たかし)

「7SEEDS」計画に深く携わる政府関係者で、夏のAチームを育てた施設で子どもたちを指導していた人物。自分の娘である末黒野花にサバイバル技術を教えて春のチームに選抜した後には、「龍宮」という避難用の地下シェルタープロジェクトに参加する。

稲架 秋ヲ (はざ あきを)

秋のチームのメンバーの男性。有名ベンチャー企業の社長だった。冷凍睡眠から目覚めたあと、猪垣蘭とともにチームの実権を握り、他のメンバーを力で制圧していた。しかし完全な暴君というわけではなく、他のメンバーも怯えながらもそのリーダーシップには従っていた。火山の噴火で自分たちの村を脱出した後は徐々に冷静さが増し、状況分析や心理分析にも長けるようになっていく。

猪垣 蘭 (ししがき らん)

秋のチームのメンバーの女性。建築学科に在籍していた学生で、土木工事や建築についてかなりの知識を有する。冷凍睡眠から目覚めたあと、稲架秋ヲとともにチームの実権を握り、他のメンバーを力で制圧していた。人や物をよく観察しているため、末黒野花が末黒野貴士の娘であることにも最初に気付いた。

苅田 葉月 (かりた はづき)

秋のチームのメンバーの男性。柔道が得意な肉体派の男。普段は大人しいが、争いごとの際には稲架秋ヲの命令で動く。武闘派に見られがちだが、基本的に誠実で約束は守る。

鹿野 くるみ (しかの くるみ)

秋のチームのメンバーの女性。おとなしい性格のため、稲架秋ヲと猪垣蘭の支配下にあったときには目立たなかった。荻原流星の子どもを身籠もってからは、母親になるということを自覚して芯の強さを見せるようになる。出産に不安を感じていたが、夏のAチームの鷭の医学知識に助けられ、産む決心が固まる。

荻原 流星 (おぎわら りゅうせい)

秋のチームのメンバーの男性。軽薄な性格で、稲架秋ヲと猪垣蘭の支配下にあったときには従順な態度だった。しかし鹿野くるみが自分の子どもを身籠もってからは、彼女のことを守ろうという気になり、秋ヲや蘭と対立するようになる。

梨本 茜 (なしもと あかね)

秋のチームのメンバーの女性。三重県出身の海女。霊感を持っており、勘もよく働く。海女であるため素潜りが得意で、水場ではその能力をフルに発揮する。夏のAチームと合流したあとは、生き物に詳しい源五郎に心惹かれるようになる。

八巻 朔也 (やまき さくや)

秋のチームのメンバーの男性。何でも瞬時に記憶する能力があるため、チーム内では重宝されている。他のチームと合流した際にもその能力は評価され、様々な場面で活躍する。空間認識能力にも長けているため、地下施設などでは優秀なナビゲーターとしても実力を発揮する。

(りょう)

夏のAチームのメンバーの少年。子どもの頃から安居とはライバルだった。常に異端の立ち位置にいたが、それは、教師側の出方を探っていたためである。冷静さを失わず、注意深く物事を観察しているため、慌てることなく対処することができる。いつからか虹子とともに行動するようになり、冷凍睡眠から目覚めた後もそれは継続された。 だが、夏のAチームと春のチーム・秋のチームとの共同生活から安居が追い出された際、涼も同行したが虹子はそれを拒んだため、コンビは解消された。

あゆ

夏のAチームのメンバーの少女。成長するに従って美貌が増し、男子からは「マドンナ」と称されるようになった。植物に関しての知識は誰よりも豊富で、冷凍睡眠前の時代ではどんな植物にどんな効能があるかを熟知していた。しかし冷凍睡眠から目覚めたあとの世界では植物そのものが変異していたため、自分の知識が役に立たず、愕然とする。 しかし、15年も前からたった一人で生き延びてきた新巻鷹弘の植物知識に惹かれ、やがて恋心を覚えるようになる。

(ばん)

夏のAチームのメンバーの少年。医療に関する知識が豊富で、性格も穏やか。人を治すことを使命としており、自ら争いごとを起こすことはない。生まれ育った施設での最終試験でも、負傷した仲間たちを助けるために奔走していた。夏のAチームが春のチーム・秋のチームと合流した際、鹿野くるみの出産を手助けするために、心と身体のケアをする。

源五郎 (げんごろう)

夏のAチームのメンバーの少年。動物を育てることに喜びを感じ、施設でも数多くの動物の世話をしていた。施設での最終試験時に、狂犬病に感染していた虎の命を奪ったことがトラウマになっていたが、新巻鷹弘に出会って彼の考えを聞き、気持ちの落ち着きどころを見つける。秋のチームの梨本茜とは、生き物が好きな者同士として意気投合していく。

虹子 (にじこ)

夏のAチームのメンバーの少女。常に冷静沈着で、感情をほとんど表に出さない。施設では涼とコンビを組んでおり、先々を読んで二人で行動していた。夏のAチームが春のチーム・秋のチームと合流した際は、猪垣蘭と対立しつつも建築学や土木学について意見を交わし合い、共感するところも多い。

小瑠璃 (こるり)

夏のAチームのメンバーの少女。ハンググライダーで空を飛ぶことを得意とし、風や湿度を読むことにも長けている。施設で親友たちを失ったことがトラウマになっていたが、春のチームの雪間ハルの人柄と音楽に出会ったことから、それも徐々に氷解していく。元々は安居に惹かれていたが、ハルと出会ってからは徐々にハルに恋するようになっていった。

卯浪 (うなみ)

夏のAチームのガイドの男性。施設では教師の立場だったが、ガイドに選出されて、安居たちとともに冷凍睡眠に入った。教師ではあったが施設時代は粗暴で思いやりもなく、私利私欲のために行動する面もあったため、生徒たちから憎悪されていた。そのため、冷凍睡眠から目覚めた後、安居や涼らによって射殺されてしまう。

集団・組織

夏のBチーム (なつのびーちーむ)

名前に夏の季語が入る人物が選ばれている。長崎県の近海に収容されていた。「7SEEDS」計画に選抜された優秀な人材たちは生存本能が弱いのではないか、と危惧した政府によって作られた、予備的なチーム。そのため、落ちこぼれや性格に問題のあるメンバーで構成されている。

春のチーム (はるのちーむ)

名前に春の季語が入る人物が選ばれている。関東地方付近の太平洋上に収容されていた。メンバー全員が冷凍睡眠から目覚めるが、人食い虫に襲われて、ガイド役の柳踏青が死亡。残るメンバーで旅を始めるが、次第にメンバーは離れ離れになっていく。

冬のチーム (ふゆのちーむ)

名前に冬の季語が入る人物が選ばれている。北海道南部の海岸線に収容されていた。半数近くのメンバーを冷凍睡眠からの解凍の失敗によって失い、残ったメンバーも虎のような動物に襲われ、新巻鷹弘以外は全員死亡してしまう。

秋のチーム (あきのちーむ)

名前に秋の季語が入る人物が選ばれている。夏のBチームよりも3年早く冷凍睡眠から目覚め、神戸付近に定住していた。メンバーの稲架秋ヲと猪垣蘭が実権を握り、他のメンバーを統率している。しかし、鹿野くるみの妊娠を機にチームは2つに分裂する。

夏のAチーム (なつのえーちーむ)

「7SEEDS」計画の中では最初に組織化が決定された。優れた遺伝子を持ち、社会から隔絶された施設で育てられた子どもたちの中から選抜されたメンバーで構成されている。そのため、能力的には「7SEEDS」計画の中でもっとも優秀な人材が揃っている。

その他キーワード

「7SEEDS」計画 (せぶんしーずぷろじぇくと)

地球に巨大な隕石が落ちることを各国の科学者が予測し、その対策として立てられた計画。まず、コンピュータが選んだ若者を冷凍睡眠状態にして保存する。地球が隕石によって壊滅的なダメージを負った後、「衝突の冬」と呼ばれる氷河期に突入するが、ふたたび人類が生活できるレベルに地球が回復したとコンピュータが判断した時点で、冷凍睡眠に入っていた若者たちを目覚めさせ、人類を存続させる「種」として生き延びさせる、というもの。 冷凍睡眠させる人選は、個々の能力をコンピュータが判断して行ったが、それでは絞りきれなかったため、最終的に名前に季語が入っている者たちが選出された。季語に応じて、春のチーム、夏のAチーム、夏のBチーム、秋のチーム、冬のチームの5つに分けられている。 「7SEEDS」という名前の通り、1チームの構成は7人で、さらにガイド役の大人が1人付き添う。

関連

7SEEDS 外伝 (せぶんしーず がいでん)

長編SF作品『7SEEDS』の外伝に当たる作品。人類が滅亡したのち、シェルターでの冷凍睡眠から目覚めてサバイバル生活を送るようになった若者達を描く。本編が完結した後の、後日談にあたる内容になっている。... 関連ページ:7SEEDS 外伝

書誌情報

7SEEDS 35巻 小学館〈フラワーコミックス〉

第1巻

(2002-03-26発行、 978-4091380135)

第2巻

(2002-09-26発行、 978-4091380142)

第3巻

(2003-03-26発行、 978-4091380159)

第4巻

(2004-01-26発行、 978-4091380166)

第5巻

(2004-08-26発行、 978-4091380173)

第6巻

(2005-05-26発行、 978-4091380180)

第7巻

(2005-11-25発行、 978-4091380197)

第8巻

(2006-04-26発行、 978-4091304254)

第9巻

(2006-09-26発行、 978-4091305992)

第10巻

(2007-03-26発行、 978-4091310033)

第11巻

(2007-08-24発行、 978-4091311931)

第12巻

(2008-01-25発行、 978-4091314772)

第13巻

(2008-07-10発行、 978-4091316905)

第14巻

(2009-01-09発行、 978-4091322500)

第15巻

(2009-04-10発行、 978-4091325167)

第16巻

(2009-09-10発行、 978-4091326287)

第17巻

(2010-02-10発行、 978-4091330994)

第18巻

(2010-08-10発行、 978-4091333162)

第19巻

(2011-02-10発行、 978-4091336491)

第20巻

(2011-07-08発行、 978-4091340184)

第21巻

(2011-12-09発行、 978-4091341181)

第22巻

(2012-06-08発行、 978-4091344700)

第23巻

(2012-11-09発行、 978-4091347923)

第24巻

(2013-03-08発行、 978-4091350732)

第25巻

(2013-07-10発行、 978-4091354648)

第26巻

(2014-01-10発行、 978-4091355805)

第27巻

(2014-07-10発行、 978-4091362391)

第28巻

(2014-12-10発行、 978-4091364197)

第29巻

(2015-05-08発行、 978-4091372994)

第30巻

(2015-10-09発行、 978-4091377685)

第31巻

(2016-03-10発行、 978-4091382375)

第32巻

(2016-08-10発行、 978-4091386298)

第33巻

(2017-01-10発行、 978-4091388940)

第34巻

(2017-06-09発行、 978-4091393081)

第35巻

(2017-08-10発行、 978-4091394248)

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