符法師マンダラ伝 カラス

符法師マンダラ伝 カラス

符力をあやつる風の符法師・烏京一郎が、東京中の高校を支配下に置く咒鬼王師連合に反逆。京一郎が転入した最弱高校・甲参学園の校内抗争に留まらず、関東全土を巻き込む戦いを描いたバトルアクション。「週刊少年サンデー増刊号」昭和63年3月号から平成元年7月号にかけて連載された作品。コミックス第3巻の巻末には、本作『符法師マンダラ伝 カラス』の前身であり、「週刊少年サンデー増刊号」昭和62年11月号に掲載された『邪使ガイキ異聞』も収録されている。

正式名称
符法師マンダラ伝 カラス
ふりがな
ふほうしまんだらでん からす
作者
ジャンル
アクション
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あらすじ

第1巻

東京は咒鬼王師連合の支配下に置かれ、東西南北の4つの陣に分けられていた。その陣のうちの一つ・南陣に位置する甲参学園は、領分を一つも持っていない弱小校であった。だがそこに、謎の技「符力」をあやつる転入生・烏京一郎が現れる。京一郎は手始めに、上納金を取りに来た南陣の準幹部高校の使者・鎌田に歯向かい、甲参学園で生徒会長を務める鷹柳光に、関東をかけた陣取りゲームを始めると宣言する。だが、強力な刺客アガタを倒したものの、その直後に南陣頭である朱雀志乃との連戦を強いられた京一郎は敗北。符力を駆使して戦うためのエネルギー「」を使い果たした京一郎は回復のため、甲参学園内で3日間眠り続ける事となった。そこに、単独での全関東支配を目論む北陣の頭・白鬼から、京一郎を味方に引き入れようと、三面六臂の化け物が差し向けられる。だがもともと朱雀は、白鬼が当初掲げていた「乱れた秩序の回復」は詭弁であり、彼の真の目的は符力を己一人に集める東京マンダラ計画の遂行ではないかと疑っていた。朱雀は今回の白鬼の行動によりそれを確信し、甲参学園は南陣のシマであり、敗れた京一郎は自分の配下だと主張して北陣を撃退する。だがこの戦いの混乱の中で、鷹柳が北陣にさらわれてしまう。こうして京一郎と朱雀は、鷹柳を救うため共同戦線を張る事となった。朱雀と京一郎は西陣首領の阿燕麗子にも白鬼の東京マンダラ計画のたくらみを伝え、共に戦おうと呼びかけるが、阿燕は今は静観すると答えるのだった。

第2巻

白鬼は「天風火地水」の五大符形の力をすべて掌握するため、東京の五方位に朱雀志乃阿燕麗子隼人健烏京一郎らの持つ符力を封じるマンダラ図を仕掛けるという、東京マンダラ計画を推し進める。そんな中、京一郎たちを大黒天が襲撃。阿燕はちょうど朱雀を呼び出し、白鬼との戦いに協力してもいいとの話し合いが決定したところだった。助けにやって来た朱雀と阿燕、それに隼人の助力もあって京一郎は大黒天を倒すが、東の獣座が出現。これは、東京マンダラ計画が一段階進行した明かしでもあった。その後、さらに佐賀の手により南の獣座も出現してしまう。みんなが戦いに赴いているあいだに鷹柳光は、自身の双子の弟である白鬼の計画を止めようと単身戦いを挑むが、敗れて死亡。以後、白鬼は鷹柳に成りすまし、甲参学園へ疑われる事なく潜入を果たす。そして白鬼は、東京マンダラ計画の全貌をつかみつつあった高蔵先生を殺害し、陰で烏達の妨害を進めていく。

第3巻

白鬼鷹柳光に成り代わり、疑われる事なく着々と東京マンダラ計画を進行させていく。だがある時、白鬼は朱雀志乃に正体を見破られてしまい、計画に徐々に狂いが生じ始める。一方で、白鬼の事を鷹柳と信じる烏京一郎は親友として彼と接し、白鬼もそんな京一郎に次第に親しみを抱くようになっていく。そして白鬼は自ら正体を明かし、京一郎に共に関東制覇をしようと誘う。だが兄・烏蒼一郎の仇で、親友の鷹柳を殺した白鬼を京一郎は許す事はできなかった。姿形は似ているのに、兄と違ってまったく愛されない孤独な境遇を嘆いた白鬼は、すべてを断ち切ろうと東京マンダラ計画を発動させる。

登場人物・キャラクター

烏 京一郎 (からす きょういちろう)

甲参学園に転校して来た男子高校生。烏蒼一郎の双子の弟で、顔立ちも体格も蒼一郎と見分けがつかないほど似ている。現在は公的には留学中という事になっているが、実は数年前に蒼一郎が白鬼に殺されて以降は「蒼一郎」を名乗り、彼に成り代わって暮らしている。蒼一郎が殺され、烏京一郎自身が兄に成り代わる事を決めた時に、風の符力界の力を持つ符法師として目覚めた。 以降、敵対する者に対しては「符法師カラス」と名乗っている。また強力な気の力も持ち、それらを駆使して兄の敵である白鬼を倒し、兄の悲願だった関東制覇を果たすことを目指している。甲参学園に転入したのも、その拠点とするためである。そこで生徒会長の鷹柳光と知り合い、親友として交友を深めていく。 実は蒼一郎の恋人の雅美に密かに好意を寄せていたが、兄の死を知らせる事なくずっと蒼一郎を演じ続け、雅美を看取った。

烏 蒼一郎 (からす そういちろう)

暴走グループ「美愚・蛮」のボスを務めていた男子高校生で、烏京一郎の双子の兄。雅美という恋人がいるが、雅美ですらも見分けがつかないほど、京一郎とよく似ている。当時まだ結成したてだった咒鬼王師連合との抗争の末に敗れて殺された。以降、その遺志を継いだ京一郎が烏蒼一郎として成り代わっている。

鷹柳 光 (たかやなぎ ひかる)

甲参学園に通う男子高校生。生徒会長を務めており、学内の生徒からも信頼されている。転校して来た烏京一郎と知り合い、親友となる。実は白鬼の双子の兄で、関東統一を目論む白鬼を止めたいと思っているが、不遇な幼少期を過ごした彼に同情もしており、表立った対立を避けていた。のちに白鬼に捕らわれ、暗孔屍符を貼られて配下に降るよう迫られたが、最後までそれを拒んで命を落とす。

白鬼 (びゃっき)

咒鬼王師連合に所属している男子高校生。北陣の頭(ヘッド)を務めており、「北陣頭白鬼」と呼ばれる事もある。鷹柳光の双子の弟で、見分けがつかないほどよく似ているが、普段は仮面で顔を隠しているため、朱雀志乃や阿燕麗子など、同じ咒鬼王師連合の幹部メンバーですらその素性を知らなかった。東京マンダラ計画を遂行するため兄の鷹柳を殺し、彼に成りすまして甲参学園に潜入して、鷹柳と同様に烏京一郎と交友を深めていく。 鷹柳家の跡取りである兄の光とは対照的に、使用人のような扱いを受け続けてきたため、光の事を妬み憎んでおり、彼の持つすべてを奪ってやりたいと思っている。

朱雀 志乃 (すざく しの)

咒鬼王師連合に所属している男子高校生。南陣の頭(ヘッド)を務めており、「南陣頭赤法師・朱雀」と呼ばれる事もある。長髪で、額にサークレットのようなものを巻いている。かつては陸上部に所属しており、佐賀とはライバル関係にあった。咒鬼王師連合の発足者にして北陣の頭を務める白鬼の真の目的が、白鬼一人が力を独占するための東京マンダラ計画にある事を知ってからは、咒鬼王師連合から離反。 以降、烏京一郎たちと共闘体制を築く。戦いにおいて見物客が多いほど燃えると語るなど、芝居がかった台詞を好むキザな性格。火の符力界の力を持ち、火焔を放射する「転法輪火炎(てんぽうりんかえん)」や、炎を剣状にして放つ斬撃「月孤炎烈剣(げっこえんれつけん)」という技を使う。

阿燕 麗子 (あえん れいこ)

咒鬼王師連合に所属している女子高校生。西陣の頭(ヘッド)を務めており、「西陣頭・アエン」と呼ばれる事もある。ボリュームのある黒髪をランダムにはねさせた髪型をしている。元全関東スケ番連総長で、当時敵対していたカミソリのお蘭と戦い、顔に傷をつけた事で恨みを買っている。隼人健に好意を寄せられている事を自覚してはいるが、信頼しているものの恋愛感情までは抱いていない。 秩序を乱すものを嫌う性格で、水の符力界の力を持つ事もあり、対極の火の符力界の力を持ちスタンドプレーが目立つ朱雀志乃とは折り合いが悪い。符力の真の存在意義を知りたいという知識欲から咒鬼王師連合に所属していたが、のちに離反し烏京一郎たちと共闘体制を築く。 氷の刃を投擲する「胎蔵氷流波(たいぞうひょうりゅうは)」という技を使う。

隼人 健 (はやと たける)

咒鬼王師連合に所属している男子高校生。東陣の頭(ヘッド)を務めており、「東陣頭ハヤト」と呼ばれる事もある。黒いロングヘアをオールバックにして後ろに流し、額を出した髪型をしている。がっしりとした体格をしており、寡黙で言葉数が少ない。白鬼が密かに進めていた東京マンダラ計画に薄々勘づいていながらも、当初は静観するつもりでいた。 だが、思いを寄せる阿燕麗子が危機に晒されるのを見捨てておけず、咒鬼王師連合から離反して烏京一郎たちと共闘体制を築くようになる。土の符力界の力を持ち、地中から光線を発し敵を分断する「放射斬土紋(ほうしゃざんどもん)」や、砂嵐を巻き起こして攻撃する「龍霊嵐砂(りゅうれいらんさ)」という技を使う。

大田 (おおた)

甲参学園の総番を務める男子高校生で、黒髪をリーゼントにしている。生徒会長の鷹柳光や副会長の中松と親しく朝の挨拶を交わすなど、親しみやすい性格の不良。総番の座に就いたのも、じゃんけんで決めたものである。

小山 (こやま)

甲参学園の副番を務める男子高校生。坊主頭で一見迫力があるが、実は喧嘩は弱い。副番の座に就いたのも、じゃんけんで決めたものである。総番の大田とよくいっしょに行動している。

中松 (なかまつ)

甲参学園に通う女子高校生で、生徒会副会長を務めている。当初は背の中ほどまであるストレートロングヘアだったが、その後肩上のボブヘアで、左耳の上あたりにシンプルな髪飾りをつけたヘアスタイルに変わっている。総番の大田や副番の小山とも明るく朝の挨拶を交わす、親しみやすい性格。

鎌田 (かまた)

咒鬼王師連合に所属する男子高校生で、南陣における準幹部校の大将を務めている。面長で、がっしりした体格をしている。上納金をおさめさせようと、50人ほどの手下を率いて甲参学園にやって来た。腕力に自信があり、自らを「不動の鎌田」と名乗っている。

アガタ

咒鬼王師連合に所属する男子高校生で、南陣における幹部校に通っている。がっしりした体格で、おかっぱ頭の頭頂部に蓋のようなものを乗せ、大数珠のようなものを首に巻いている。朱雀志乃の命を受け、咒鬼王師連合に反逆の意志を見せた烏京一郎を倒すため、符咒破りの砲魔刀を携えて甲参学園を襲撃した。

高蔵先生 (たかくらせんせい)

甲参学園の教師を務めている、眼鏡をかけた壮年の男性。鷹柳光が指南役として、その知識を頼りにしている存在。だが、白鬼が密かに遂行していた東京マンダラ計画の詳細を知ってしまったため、鷹柳に成り代わっていた白鬼に殺されてしまう。

指徳 (しとく)

咒鬼王師連合の北陣に所属する男子高校生。短髪でがっしりとした体格の男性で、学ランにマント、その上に胸当てと一体化した肩あてを身にまとっている。白鬼の命を受け、三面六臂の化け物を引き連れて、烏京一郎の身柄を奪おうと甲参学園を襲撃した。

大黒天 (だいこくてん)

白鬼の下僕。普段はストレートのおかっぱ頭にベレー帽のような帽子をかぶり、ひげを生やした初老の男性のような姿をしている。戦闘時には背中に複数の蛇を背負い、平屋の建物よりも大きな三つ目の怪人に変化する。遊園地にラーメン屋の宣伝に偽装した符力を封じるポスターを貼ったうえで鷹柳光と烏京一郎を襲撃し、三鈷杵を使った戦法で追い詰めた。 破壊神シヴァの力を持つ忿怒神であり、「偉大なる暗黒」の意味を持つヒンドゥー教の神「マハーカラ」その者である。

歓喜天 (かんぎてん)

白鬼の下僕。普段は体格のいいモヒカン頭の男性の姿をしているが、戦闘時には三つの伸縮自在の鼻を持つ、象に似た顔に変化する。インド神の「ガネーシャ」その者である。烏京一郎の両手を封じ、風の符力界を出現させる事を妨害しながら戦いを仕掛けた。

雅美 (まさみ)

烏蒼一郎の恋人の若い女性。蒼一郎が立ち上げた暴走グループ「美愚・蛮」と白鬼率いる咒鬼王師連合の抗争に巻き込まれて負傷。それが原因で市村総合病院に入院したが、余命はわずかであった。蒼一郎が死んだと知らされておらず、最期まで彼の弟の烏京一郎を蒼一郎と信じていた。かつて蒼一郎に「強い男が好き」と言った事があり、これが蒼一郎が「美愚・蛮」を結成するきっかけとなった。

佐賀 (さが)

咒鬼王師連合の北陣における幹部校に所属している男子高校生。長髪を後ろに流し、鉢巻のようなものを額に巻いている。白鬼から摩利支天(まりしてん)の力を授かった。摩利支天とは梵名で光を示す「マリーチ」、つまり陽光や蜃気楼の意味もあり、その名称の通りに陽炎の力を駆使し分身する戦法を得意としている。もともと朱雀志乃と同じ陸上部に所属し、ライバル関係にあった。 南の獣座が出現した八皇子神社を守っていたが、朱雀との戦いの末に敗れる。

カミソリのお蘭 (かみそりのおらん)

白鬼の手先である女子高校生。淡い髪色のロングヘアをオールバックにしている。かつて阿燕麗子と戦って敗れ、顔に傷を負った。阿燕を守護する隼人健に密かに思いを寄せており、何かと隼人と接点のある阿燕に対しては、顔を傷つけられた恨みと共に嫉妬心も抱いている。白鬼に与えられた吉祥天(きっしょうてん)の如意宝珠を持ち、その力で表面が油で覆われている怪物「慧光(えこう)」を呼び出して阿燕にけしかけた。 阿燕の水の符力界の弱点を突いて追い詰めるものの、隼人が阿燕に加勢した事で形勢逆転し敗北する。その後は白鬼の東京マンダラ計画のため、己の身を犠牲にして北の獣座を出現させた。

韋駄天 (いだてん)

白鬼の手先。甲冑を身にまとった禿頭の中年の男性のような外観をしている。白鬼が刺客として烏京一郎に差し向けた者。動きの素早さに自信を持っており、京一郎との戦いにおいても霊符を貼られる事はないと慢心していたが、風の符力界を展開した京一郎に素早さで上をいかれて敗北する。

鳩摩羅天 (くまらてん)

白鬼の手先。甲冑を身にまとったおさげ髪の男性の姿をしている。東京マンダラ計画の西の獣座を守護し、朱雀志乃と戦った。炎をあやつる力を持ち、火焔を対象に向けて放射する「阿祇尼火炎(あぎにかえん)」という技を使う。白鬼の助力を得て朱雀を追い詰めるが、加勢にやって来た阿燕麗子に敗れる。

焔摩天 (えんまてん)

白鬼の手先。天部十二尊の内の一人で、東京マンダラ計画において獣座を守護する任に就いている。甲冑を身にまとった長髪の若い男性の姿をしている。口の部分から火を吐く杖のような武器「人頭幢(にんとうどう)」を使って戦う。

鷹柳光と白鬼の父 (たかやなぎひかるとびゃっきのちち)

鷹柳光と白鬼の父親で、政界や経済界に大きなコネクションを持つ人物。子供に恵まれなかったが、鷹柳光と白鬼の母が不義の子をもうけたため、妻に対して激怒しどちらか一方しか子供として受け入れないと言い放った。その後は双子の兄である鷹柳だけを正式な跡継ぎとして認める一方で、白鬼は家族として認めず、使用人のようにこき使った。 最後には、鷹柳が白鬼に成り代わられていると気づかないまま、白鬼に対するひどい仕打ちを懺悔し、病没する。

鷹柳光と白鬼の母 (たかやなぎひかるとびゃっきのはは)

鷹柳光と白鬼の母親。鷹柳光と白鬼の父との結婚後は子供に恵まれず、別の男と不義の子を成した。生まれた双子のうち一人だけは跡取りとして認めると条件を課せられ、兄の鷹柳光は息子として扱われ、弟の白鬼は使用人のような立場におかれる事となった。その後まもなく亡くなったが、母亡きあとの白鬼の境遇は、ますます辛いものとなった。

集団・組織

咒鬼王師連合 (じゅきおうしれんごう)

白鬼が立ち上げた組織。東京を東西南北の四つに分割し、それぞれ「東陣」「西陣」「南陣」「北陣」と名づけ、強い符力を持つ者を頭(ヘッド)として配した。東陣は隼人健、西陣は阿燕麗子、南陣は朱雀志乃、北陣は設立者の白鬼がそれぞれ頭を務めている。組織全体で何千人もの兵隊を擁しており、略称として「師連合」と呼ばれる事もある。 もともとは「乱れた秩序の回復」を謳って結成された組織だったが、その真の目的は白鬼単独での全関東支配であり、白鬼に仇を成す風・水・火・土の「四大」がそろわないよう、手元において管理するためのものでもあった。

美愚・蛮 (びっぐばん)

烏蒼一郎が結成した、関東一の暴走グループ。結成したてだった咒鬼王師連合との抗争に敗れ、蒼一郎は死亡、「美愚・蛮」も壊滅する事となった。

天部十二尊 (てんぶじゅうにそん)

白鬼の最終にして最強の下僕集団で、東京マンダラ計画の獣座を守護する者たち。「十二天」とも呼ばれる。焔魔天ら12人で構成され、自らを「守護神」と評し人間を下等なものと見下している。

場所

甲参学園 (こうざんがくえん)

烏京一郎が咒鬼王師連合との戦いの拠点とするため、転校して来た高校。咒鬼王師連合の南陣の支配下にある。自他共に認める最弱高校で、領分を一つも持っていない。そのため、大田と小山がそれぞれ総番と副番を名乗っているが、喧嘩とは無縁の穏やかで平和な日常を送っていた。男子の制服は学ランで、女子の制服はセーラー服。

獣座 (じゅうざ)

大きな円柱のような建造物で、高さは成人二人分を優に超えるほど。遠隔結界が施されており、一度出現すると符力で破壊する事はできない。東西南北にある四つの獣座が出現する事で、東京マンダラ計画は発動する。

その他キーワード

肉体文字 (からだもじ)

己の肉体を一枚の紙片になぞらえ、符形をその身体で表す技術。表す文字の画数一画ごとに動きがあり、順番を守りポーズを作る事で、烏京一郎は風の符力界、朱雀志乃は火の符力界、阿燕麗子は水の符力界、隼人健は土の符力界を出現させる事ができる。

符力界 (ふりょくかい)

肉体文字を使って符形を表す事で発生させるフィールド。烏京一郎は風の符力界、朱雀志乃は火の符力界、阿燕麗子は水の符力界、隼人健は土の符力界を出現させる事が可能。それぞれの符力界の中では、符法師の力は何倍にも増幅され、例えば京一郎の風の符力界では、かまいたちを発生させたりと、空気そのものを京一郎の意志であやつる事ができる。

符力 (ふりょく)

さまざまな効力を持つお札・霊符を駆使するための能力。符力を授かる者の姿は二つあり、柔和な正法輪身とおそろしい教令輪身に対応した双子としてこの世に現れる。双子はそれぞれ半分の符力しか使えないが、どちらか一方が死ぬと本来の姿、すなわち密教でいう「自性輪身」となるため、以後は本来の符力を発揮できるようになる。符力を扱う力を持つ者は「符法師」と呼ばれ、烏京一郎や白鬼、朱雀志乃などが該当する。

霊符 (れいふ)

万物を宿し、そしてあやつる符の総称。さまざまな種類があり、対象に貼る事で多彩な能力を発揮できる。烏京一郎が大田や小山に分け与えた攻撃用の被雷符のように、一般人に使えるものもある。

(き)

符力を駆使する源となるエネルギー。「プラーナ」とも呼ばれる。気を使い果たした「符法師」は、3日間は補充のために眠ってしまう事となる。体を休めるほか、精神的に満たされる事でも補充できる。

東京マンダラ計画

東京の東西南北と中央の五方位に符力を封じるマンダラ図を仕掛け、その力を自分一人に集結させようと白鬼が仕組んだ計画。その実行のためには、東西南北の四つの獣座を出現させる必要がある。この計画が完成すれば、白鬼は「自性輪身」に満たない半人前の状態でも、風・水・火・土四つの符力すべてを手に入れる事が可能になる。

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