怪盗アマリリス

怪盗アマリリス

和田慎二が短編『快盗アマリリス』を連載作品としてリメイクしたアクションコメディ。序盤はアマリリスが知恵と技術を駆使して盗みを行う物語だったが、中盤は芸能界を舞台にしたアイドル作品になる。終盤では再び話が一転。巨大組織の黒いオークションとの戦いが展開される。他の和田慎二作品のキャラがスターシステムで登場するほか、劇中劇として『超少女明日香』をセルフリメイク。番外編『アルカディア作戦』にはムウ・ミサや忍者飛翔が登場し、ファンサービス豊かな作品になっている。

正式名称
怪盗アマリリス
ふりがな
かいとうあまりりす
作者
ジャンル
怪盗・泥棒
 
アイドル
 
俳優・女優
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概要・あらすじ

優等生として女子高生生活を楽しむ椎崎奈々。夜になると怪盗アマリリスとなり、いかなる物でも盗みだし、依頼を達成する怪盗として大活躍中。それだけでも忙しいのに、スカウトされてフラワー・ドリーム・ナナとして、アイドルデビューまでするハメに。映画の自主製作にまで手を付け、忙しくも楽しい毎日を過ごす中、彼女の周りに黒いオークションという謎の組織の影がちらつき始める。

アマリリスという称号、奈々の母親の雪乃の過去、そして敵の首領である船乗りシンドバットの正体――様々な因縁や謎を解くために、怪盗アマリリスは黒のオークションに挑戦する。

登場人物・キャラクター

椎崎 奈々 (しいざき なな)

昼は亜麻色長髪のかつらを被り椎崎奈々として私立皆星女子高等学校に通い、夜は黒のショートカットの地毛でピンクのコスチュームを纏った怪盗アマリリスとして美術品を狙う。基本的に男には興味が無く、母親の椎崎雪乃を嘆かせている。オカルト関係の出来事にめっぽう弱い。

フラワー・ドリーム・ナナ (ふらわーどりーむなな)

『怪盗アマリリス』の主人公である椎崎奈々が芸能界デビューした時の芸名。デビュー予定の黒沢ゆかりが失踪したことから、1日だけの代役を引き受けたが、何故かそのまま芸能界活動するハメに。盗賊稼業で鍛えた体術と明るい性格で、トップアイドルとなる。映画制作関係者のいい加減な態度に憤慨し、自らが出資して映画『超少女明日香』を製作する。

椎崎 雪乃 (しいざき ゆきの)

椎崎奈々の母親で、かつては花蓮に所属する怪盗白水仙だった。おっとりとした性格で、右目下には泣きぼくろがある。奈々の男嫌いを心配しており、お隣さんになった森村海を焚き付けては不祥事を起こそうと企む。

谷村 スガ (たにむら すが)

椎崎家に住み込みで働くお手伝いさん。チビで、巨大な眼鏡と長いポニーテールがチャームポイント。家事、料理共にプロ級の腕前で、さらにアマリリスの使う各種メカや小道具の製作まで行う。他の和田慎二作品でもレギュラー格で出演しており、本作内でも漫画家岩田慎二やムウ=ミサと知り合いである。

森村 海 (もりむら かい)

皆星女子校の近くにあるある男子校、津雲高校に通う青年。天文部の所属だが運動神経はよく、指でコインをはじく「つぶて」を武器として使う。叔父の転兵介警部と共に椎崎家の隣に転居、最初は椎崎奈々とは犬猿の仲だったが、怪盗アマリリスを追う中でフラワー・ドリーム・ナナとの活動を通じて相思相愛の仲になっていく。

黒沢 ゆかり (くろさわ ゆかり)

マナベプロからデビューした、フラワー・ドリーム・ナナのライバルとなるアイドル。気が強く高飛車。ナナが呑気なところに腹を立てる場面が多い。ナナのマネージャー、江の木の高校時代の後輩で、彼に好意を寄せている。勘違いから忍者の戸沢白雲に弟子入りし、必殺技の声斬波(ミラクル=ボイス)を身に着ける。

戸川 城太郎 (とがわ じょうたろう)

幻の作曲家とも呼ばれる老人。彼に曲を作ってもらった歌手は大スターになるというジンクスがある。ただし山中のあばら家に住み、白いひげに目を隠した長髪という風貌で、見た目は仙人か世捨て人のようにしか見えない。フラワー・ドリーム・ナナとアマリリス騎士団に、忍者の修行のようなトレーニングを課した。 戸沢白雲とは同じ山に住む親友である。

戸沢 白雲 (とざわ はくうん)

物静かな紳士という風貌をし、山奥の洋館でピアノを弾き続けている。まるで作曲家のようだが、その正体は戸沢流忍家17代目の忍者。黒沢ゆかりは、彼を幻の作曲家である戸川城太郎と勘違い。曲をもらうために弟子入りしてしまう。ゆかりの素質を見抜いた白雲は、彼女に過酷な特訓を施し、声斬波(ミラクル=ボイス)を伝授している。

船乗りシンドバッド (きゃぷてんしんどばっと)

黒いオークションの現在のリーダーにして、椎崎奈々の実父。変質してしまった組織を憂い、自分の代で終わらせるべく各国の政府に情報をリークし、アトラクシアを空爆させた。再会した奈々に残された美術品を託し、崩壊するアトラクシアと運命を共にしている。

九鬼 麗子 (くき れいこ)

黒いオークションのリーダー、船乗りシンドバッドの腹心という女幹部。かつては花蓮に所属していた泥棒で初代アマリリスを名乗り、白水仙こと椎崎雪乃とはライバル関係にあった。一時は普通の家庭を持とうとしたが、安逸な生活に埋もれることができないことを自覚。家族を捨てて、黒いオークションへと戻った。 黒狼は彼女が捨てた息子だった。

黒狼 (くろおおかみ)

金髪にパンク風の黒いレザースーツを着た荒々しい気性の盗賊。本名は九鬼秀臣といい、表の顔として九鬼調査事務所を営んでいる。戦地で死んだニュースカメラマンの兄、貴之の婚約者有希子の手術費を稼ぐため、危険な盗賊稼業を行っている。また、自分たち家族を捨てた母親を憎み、その消息を探している。

集団・組織

アマリリス騎士団 (あまりりすきしだん)

『怪盗アマリリス』に登場する、森村海をはじめとする中学時代からの友人5人が、怪盗アマリリスの颯爽とした姿に惚れて作った私設応援団。後にフラワー・ドリーム・ナナのバックコーラスとして、海たち5人が抜擢された折にそのグループ名としても使用された。後に強制的に戸川城太郎の下に弟子入りさせられ、忍者としての体術を身に着けることになった。

黒いオークション (くろいおーくしょん)

『怪盗アマリリス』に登場する組織。他の国とは没交渉の小国アトラクシアを本拠地に、暗躍する美術品専門の窃盗組織。秘密裏に政財界相手に希少な美術品を媒介することで、影響力を持っていた。本来は、戦争などで散逸した美術品の保護、回収が目的の組織だったが、近年大きな戦争が無かったことで一部の幹部が暴走。犯罪組織になってしまった。

イベント・出来事

アルカディア作戦 (あるかでぃあさくせん)

『怪盗アマリリス』の番外編で大富豪の本条亜里沙が立案した、信楽老の手からサイラス=フランケンシュタインを救出する作戦の名称。怪盗アマリリスをはじめ、忍者飛翔、探偵ムウ=ミサを招聘して実行に移された。信楽老には逃げられたものの作戦は成功、サイラスは本条亜里沙とアマリリスが見送る中、海へと消え去った。

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