おざなり君

おざなり君

(株)村上商事に勤めているおざなりけんいちとやぶさかとしはるを中心に、ギャグを織り交ぜつつも、サラリーマンの苦悩やバンドマンの成功と挫折を描くヒューマンドラマ。「Cut」2008年6月号から2011年5月号まで連載された作品に、単行本化にあたり60ページの描き下ろしが加えられている。

正式名称
おざなり君
ふりがな
おざなりくん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

自由奔放でやりたい放題のおざなりけんいちに振り回されながらも、上司のやぶさかとしはるは大きな寛容さでけんいちを包み込む。時には笑ってふざけあい、時には互いを傷つけ合いながらも絆を深めていく2人の友情物語。

登場人物・キャラクター

おざなり けんいち

「(株)村上商事」に勤める青年。スーツを着用しており、焦点の合っていないまん丸な目と、突き出た口が特徴。小学生の頃は乱暴者で、野球のバットを街中で振り回しては母親に怒られていた。中学に上がると暴走族に入り、その暴力的な性格がよりエスカレートしていったが、同じ暴力団の鬼瓦先輩に聞かせてもらったロックバンド「ペリー浦賀とリトルヒバゴンズ」のCDに感銘を受け、その後は暴力団を辞めて音楽一辺倒の生活を送る。 二浪して入った大学でも軽音楽部に所属していたが、卒業後は「(株)村上商事」に入社し、やぶさかとしはる(やぶさか部長)の部下として販売促進部で働いている。暴力的な性格は未だ健在で、やぶさか部長に対して暴力やいたずらをしては、迷惑をかけている。

やぶさか としはる

「(株)村上商事」に勤務している販売促進部部長の中年男性で、福岡県北九州市出身。普段はダブルのスーツを着用し、お尻のような顔の形で鼻毛が飛び出しているのが特徴。若い頃は幼稚園時代からの幼なじみであるペリー浦賀と共にロックバンド「ペリー浦賀とリトルヒバゴンズ」のドラマーとして活躍していたが、ペリー浦賀が亡くなったことで解散した。 その後は「(株)村上商事」に入社し、部下のおざなりけんいち(おざなり君)と共に販売促進部で仕事をしている。離婚経験があり、元妻との間には娘の「樹里亜」がいる。温和な性格で、おざなり君が時折仕掛けてくる暴力やいたずらにも、頭に血を上らせることなく、寛容に接している。

ペリー浦賀 (ぺりーうらが)

ロックバンド「ペリー浦賀とリトルヒバゴンズ」のリーダーで、ボーカルを務めていた青年。長髪でスラっとした体型で、エルビス・プレスリー風の衣装を着用している。幼稚園時代からの幼なじみだった「YABU」ことやぶさかとしはると共にペリー浦賀とリトルヒバゴンズを結成し、作詞とボーカルを担当して活躍していたが、睡眠薬の過剰摂取により死亡した。 生前はバンドの象徴的存在として圧倒的な人気を誇っていた。下戸で酒は苦手だが、ジンは大好き。彼の墓は海の見渡せる崖に立っている。

常務取締役 (じょうむとりしまりやく)

「(株)村上商事」に勤める中年男性で、やぶさかとしはる(やぶさか部長)の上司。ダブルのスーツに蝶ネクタイで、顔色が悪く、いつも扇子をあおいでいる。会社の再編に伴い、やぶさか部長をリストラの執行委員に指名した。

集団・組織

(株)村上商事 (かぶしきがいしゃむらかみしょうじ)

創立者である村上孫六が、闇市時代から一代で築き上げた巨大企業。現在は世界25ヵ国でマイクロチップからブランド地蔵まで、多岐に渡る商品を買い付ける卸売り販売をしている。しかし、近年業績が右肩下がりで会社の懐事情は逼迫しており、来期から海外某社のJ・スットコビッチ氏がCEOとして迎え入れられ、大幅な会社の経営見直しが行われることが予定されている。

ペリー浦賀とリトルヒバゴンズ (ぺりーうらがとりとるひばごんず)

ペリー浦賀を中心に結成されたロックバンド。現在は解散している。ペリーが幼稚園の頃からの幼なじみだった「YABU」ことやぶさかとしはるに声を掛け、2人を中心に結成された。ボーカルのペリーとドラムのYABU、そしてギターの南風吹いた、ベースのK・J(小宮山純一)の4人のメンバーからなる。全盛期はCDがミリオンセラーを達成し、アジアツアーも決まっていた。 人気絶頂のなかで突然の解散宣言、そしてペリーの睡眠薬の過剰摂取による死亡で、バンドは自然消滅した。解散してから10年以上経った今も熱狂的なファンは多く、再結成を待望する声も少なくない。

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