8月の長い夜

8月の長い夜

有名な進学校だが、実績がふるわなくなってきた高校で、数人の生徒が姿を消す。それは、いつまでも続く図書館の地下の工事と関係があるらしい。人間の脳神経に直接作用する機械をめぐり、その秘密をあばこうと高校生が潜入する、学園もののSFサスペンス作品。1988年(昭和63年)『LaLa SUMMER CLUB』号誌上に掲載された。

正式名称
8月の長い夜
ふりがな
はちがつのながいる
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

女子高生の杞久子は、付き合っていた大沼にふられる。原因は、成瀬鳴海にあるという。成瀬がどんな人間か見極めるべく、後をつける杞久子。人目を避けて、工事中の図書館の地下に潜る成瀬を追いかけたところで、2人は捕まる。そこに広がっていたのは、一面の受験対策用コンピューターだった。人間の脳神経に直接、働きかけて、学習能力を飛躍的に向上させる機械だが、副作用も大きいという。

オリの中には、実験体となったかつての高校生達がいた。成瀬は、8年前にその機械の初期実験をした時の生き残りだという。なんとか実験を阻止したいと願う成瀬。だが、再度、実験台に乗せられる。

登場人物・キャラクター

富井 杞久子 (とみい きくこ)

女子高生。3年間も片思いをしていた相手・大沼とやっと付き合ったが、高校2年の夏休みにあっさり振られ、その原因となった成瀬鳴海の事を知ろうと追いかける。学校の成績は悪いが、直情径行型で、行動力に優れている女の子。

成瀬 鳴海 (なるせ なるみ)

高校2年生。元華族のボンボンで、親の金で遊びまわる放蕩息子のはずだが、図書館の地下では、8年前の人体実験の生き残りだと言い、大立ち回りを見せる。実は本物の成瀬は遊び回っていて、地下にいた成瀬は、夏期講習の代返を頼んだだけの他人だという。その本名などは不明。

大沼 (おおぬま)

杞久子と同じ高校の生徒で、元カレ。杞久子と付き合っていたが、高校2年に進級して、同じクラスになった成瀬鳴海のことが気になりだし、仲良くなったが振られる。

横田 勇 (よこた いさむ)

杞久子と同じ高校の生徒。受験対策用コンピューターの実験体になり、廃人同様になる。知能は限りなく低いと思われているため、施設の中を動き回ることを許されている。社会では、行方不明者として扱われている。成瀬鳴海が落とした圧縮純粋ナトリウムを拾い、水に落として爆死する。

所長 (しょちょう)

受験対策用コンピューターモデル4NBSIを開発、実験を繰り返しているマッドサイエンティスト。廃人となったヨーヘイを可愛がり、親子のように睦まじいといった一面もある。

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