Dr.キリコ~白い死神~

Dr.キリコ~白い死神~

手塚治虫の漫画『ブラック・ジャック』のスピンオフ作品。医者でありながら回復の見込みのない患者に対して安楽死を施す、「白い死神」ことドクター・キリコの活躍を、一話完結で描くサスペンス。

正式名称
Dr.キリコ~白い死神~
ふりがな
どくたー きりこ しろいしにがみ
原作者
手塚 治虫
漫画
ジャンル
医療
関連商品
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あらすじ

第1巻

渡瀬宙の母は、末期ガンで1年近く昏睡状態になっている義母・渡瀬宙の祖母の介護に疲れ果てていた。そのうえ延命治療の費用も底を尽き、心身ともに限界に達していた。そこで宙の母は、ドクター・キリコに宙の祖母を安楽死させてほしいと依頼する。ドクター・キリコへの報酬として500万円が用意されており、安楽死を請け負うための「回復の見込みがない」、「生きることが苦痛である」、「本人が死ぬことを望んでいる」という3つの条件も満たしていた。しかしドクター・キリコは、宙の母が病院側に延命治療を断ればいいだけだと、この仕事を断る。だが延命治療を断る事は、世間体が悪く、宙の祖母に懐いている渡瀬宙も嫌がっている。だからこそ自然死に見せかけてほしいというのが、宙の母の言い分だった。その数日後、ドクター・キリコが改めて家を訪れると、宙はおもちゃのナイフをドクター・キリコに突き付け、祖母を殺しに来たのかと迫る。一方その頃、宙の母は、自らの手で義母の延命治療のための機械の電源を切ろうとする。(エピソード「殺す医者」)

ドクター・キリコは笹倉信一から、自身の会社のCEOであり父親でもある笹倉剛三を安楽死させる依頼を受ける。剛三は末期の大腸癌と肝炎を患い、回復の見込みはないうえに苦しみ続けているため、すぐにでも施術は可能だった。しかし、信一は剛三が残した「口座にある財産2億円を愛人に譲る」と書かれた遺言状を訂正させるまでは生かし、これを遂行したあとに殺してほしいと改めて依頼する。2日後、剛三の遺言状が訂正されると、ドクター・キリコは安楽死の施術を行い、病院を離れる。だがドクター・キリコはそこで子供を連れた笹倉剛三の愛人に出会い、彼女が愛人ではなくただの友達である事や、剛三が遺書に「愛人に財産の2億円を譲る」と書いた理由を知る事となる。(エピソード「延ばされる命」)

ある晩、白河郁馬の父はひどく苦しむ白河郁馬を背負って、ドクター・キリコの自宅兼診療所の扉を叩いた。郁馬が虫垂炎と腹膜炎を併発させていると診断したドクター・キリコは、郁馬の父に保険を取り扱っている病院へ行くように勧める。しかし郁馬の父は、治療費と入院費を合わせて130万円もの大金がかかる事を知っても、ドクター・キリコに手術をしてほしいと依頼する。ドクター・キリコは渋々これを承諾し、郁馬に手術を施す。郁馬が入院しているあいだ、郁馬の父は日雇いのアルバイトで金を稼ぎ、1日1万円ずつドクター・キリコに支払う。30日が過ぎて郁馬は無事に退院する事となったが、それから1週間後、今度は郁馬の父が糖尿病腎炎を悪化させていたうえ、足の末端が壊死している事が発覚する。その後、大きな病院で手術をしたものの、郁馬の父は還らぬ人となる。そして、簡単な手術で患者を死なせたという風評被害を防ぐために、遺族の郁馬には病院側から3000万円が支払われる事となった。郁馬はその中から、自分自身の治療費の残り100万円をドクター・キリコに支払い、郁馬の父の安楽死をいくらで請け負ったのかと問い詰める。(エピソード「託される願い」)

ドクター・キリコは仕事の依頼で日本を離れ、雪が降り積もる某国の山間部にやって来た。依頼主の御者であるハンスの引く馬車に乗って案内されている途中、馬車は人狼の襲撃に遭い、ハンスは人狼に首を嚙み千切られて死亡。さらに馬が暴れだしたために、ドクター・キリコは馬車から振り落とされて遭難してしまうが、そこを村に住む老婆ゾフィーに助けられる。ゾフィーの村では、悪魔に取り憑かれた人間が人狼となって凶暴化し、人狼に嚙まれるとその人間も人狼となると信じられていたが、ドクター・キリコには、それが狂犬病の影響によるものだとわかっていた。それから間もなく、ハンスと共にいたドクター・キリコが人狼になる前に殺そうと、村の人間がゾフィーの家にやって来る。そこにハンスを襲った人狼が再び現れ、村の人間を襲い始める。(エピソード「死神と信仰」)

日本へ帰国しようしたドクター・キリコは、飛行機が欠航続きだった事から、陸路を選択する。これにより彼は、戦争真っ只中のX国に足を踏み入れてしまう。そしてドクター・キリコは、安楽死のための道具を持ち歩いていた事から抵抗軍のスパイの疑いをかけられ、軍に捕まってしまう。医者である主張すると、X国の指揮官の男はドクター・キリコを最前線の基地に連れて行き、拷問で苦しめた抵抗軍の捕虜マリウス・ドゥヴゼルを治療するよう脅される。ドクター・キリコの手術によってマリウスは一命を取り留め、やがて意識を取り戻す。そして、生き続けたいという思いと、拷問され続けるくらいならば死にたいという相反する思いを抱いて葛藤する。そこでドクター・キリコはX国の指揮官の男に対し、「安静にしないと死ぬ」と言ってマリウスの安全を確保したうえで、自身もX国から抜け出す隙を探すため、時間稼ぎを始めるのだった。(エピソード「救わざる神」)

施設を抜け出して来た白河郁馬は、ドクター・キリコの家で暮らしながらフリースクールに通う事になった。転入初日、クラスメイトと交流を深める中で、郁馬は「ゾンビ」というあだ名が付いた少女・存尾美亜には近づかないようにと忠告される。美亜は数か月前から腐臭がするようになり、死んだ猫やウサギを抱えて登下校する事から、生徒や先生から白い目で見られるようになっていた。しかし、郁馬はそんな美亜を放っておく事ができず、積極的に交流を深めていく。そんなある日、美亜は郁馬を自分の家に招き、母親に会わせたいと言い出す。美亜の母親はすでに亡くなっており、死体は腐敗したまま家の中に座っていた。だが、美亜は母親の死を頑として受け入れようとはしない。するとそこに、母親の診察に来たとドクター・キリコが姿を現す。(エピソード「生ける死体」)

第2巻

仕事の依頼を受けたドクター・キリコは、日本を離れる事となった。訪れた先はとある島で、依頼主はその島を仕切っているマフィアのボス・サンバルディであった。サンバルディは若い頃から数多くの修羅場を潜り抜けてきた男で、敵の銃弾に当たった事がないというところから、「死神泣かせ」と呼ばれていた。そのサンバルディの脳幹内に大きな動脈瘤が発見され、いつ破裂してもおかしくない状態にあった。これにおびえるサンバルディは、自分の伝説を無様に終わらせたくないと安楽死を望んでいたのである。見栄のために安楽死を望む事に対して怒りを露わにしたドクター・キリコは依頼を断ろうとするが、マフィアが仕切る島に足を踏み入れたため、仕事をせずに生きて島から出る事ができなくなってしまう。(エピソード「死神泣かせ」)

勝秀美香は、交通事故で脳死状態となり介護が必要となった父親(ろびたの旦那様)の面倒をどちらが見るかで口論をしていた。そこにドクター・キリコが訪ねて来る。依頼をしたのは勝秀でも美香でもなく、彼らの父親を「旦那様」と呼んで共に暮らしていた家庭用コンパニオンロボットのろびたであった。ロボットの勝手な行動に激昂した勝秀は、ろびたに部屋に入らないよう言いつけ、ドクター・キリコも追い返す。だが、ドクター・キリコのもとには、ろびたから幾度となく依頼の連絡が入る。もともとろびたの旦那様は、自分に何かあった場合は安楽死で息を引き取る事を望んでいた。しかし家庭用ロボットのろびたは、人間に危害を加えられないようプログラミングされているために、ろびたの旦那様の望みを叶える事ができない。これを聞いたドクター・キリコは再び家を訪問。部屋の中にある「あるもの」につながる紐をろびたに手渡し、その紐を引くか引かないかを選ばせる。(エピソード「ロボットと死」)

ドクター・キリコは依頼を受けて人里離れた山の上まで足を運んだ。そこに待っていたのは、サッカー選手の鷹沢駿介と、愛犬のバロン。足に骨肉腫ができた事で選手生命を絶たれた鷹沢は、ドクター・キリコに安楽死させてほしいと依頼するが、苦痛の程度が低いと依頼を断られてしまう。鷹沢は食い下がるが、仕舞にはドクター・キリコに「そんなに死にたければ自分で勝手に死んでくれ」とまで言われてしまう。その晩、鷹沢は崖から身を投げようとするが、バロンが吠えてドクター・キリコを起こし、自殺を止めさせようとする。(エピソード「死にたがりと犬」)

ある日、ドクター・キリコは、六道ファイナンスの社長である六道善優に呼ばれ、仕事のパートナーとして共にビジネスをしようと話を持ちかけられる。依頼人の紹介とお膳立てを六道が行い、ドクター・キリコが施術をするという話だったが、ドクター・キリコは六道を警戒し、その話を断る。翌日、ドクター・キリコはギャンブル依存症の男から安楽死を望む依頼を受けるが、彼は自身の保険金から報酬を支払うという。その陰に六道が関係している事に気づいたドクター・キリコは、保険金殺人の片棒を担ぐのはごめんだと依頼を断る。事が明るみに出て姿を現した六道は、ドクター・キリコに対し、「ギャンブル依存症という不治の病から救うのだから同じ事だ」と主張する。一方のギャンブル依存症の男は、ドクター・キリコに何度もすがるが聞き入れてもらえず、ついには白河郁馬を人質にとって安楽死の施術をするよう要求する。(エピソード「死神ビジネス」)

山奥の寒村にやって来たドクター・キリコは、肺癌を患った少女・近江詩織を安楽死させる依頼を受け、施術を完了させた。仕事を終えてすぐに帰ろうとするドクター・キリコであったが、天候の悪さと遺族からの勧めもあって村に一晩泊まり、詩織の通夜に参列する事にする。しかし村は通夜だというのに、異様な賑わいを見せ始める。この事態にドクター・キリコが違和感を覚えていると、詩織の家族は村に古くからある冥婚という風習に乗っ取り、詩織と結婚をしてほしいと言い出す。亡くなった娘を思っての事と、形だけでよければとドクター・キリコは承諾するが、飲んでいた酒には睡眠薬が混ぜられており、意識を失ってしまう。次に目を覚ました時、ドクター・キリコは死装束に身を包んで屍となった詩織のとなりに寝かされており、村人達の手によって生き埋めにされそうになっていた。(エピソード「寒村の弔い話」)

ある晩、ドクター・キリコは軍医をしていた頃の夢を見る。それは彼にとって悪夢ともいえるものであった。翌朝、白河郁馬を迎えに来た存尾美亜は、ポストにドクター・キリコ宛の手紙を見つけ、彼に手渡す。それは脅迫状だったが、仕事で恨みを買う事の多いドクター・キリコは、いちいち構っていられないと無視する。だが、夕方になって彼が仕事から帰っても、美亜と共に出掛けた郁馬は家に戻ってはいなかった。そこに、脅迫状を送って来たクリス・マカヴォイという男から電話が入る。クリスは戦争で右の手足を失い、半身も焼けてしまったが、軍医をしていたドクター・キリコに安楽死させてもらえず生かされた過去があった。これを深く恨んだクリスは、ドクター・キリコに復讐をするために郁馬と美亜を誘拐したのだと語る。クリスに言われた廃病院へ向かったドクター・キリコは、郁馬と美亜に危害が及んでいる事を匂わされ、毒薬を注射してクリスを死に追いやる。だが、病院の最上階にいた郁馬と美亜は一切危害を加えられておらず、ここに至ってドクター・キリコは、初めてクリスの本当の目的に気づく。(エピソード「死神の瑕」)

第3巻

仕事のために海外へと足を運んだドクター・キリコは、雨の中、背後から頭を殴られ気絶してしまう。犯人である地元の青年ミゲルは、ドクター・キリコが持っていたアタッシュケースを持って逃走。家には腎不全を患っている母親がおり、治療のために金を欲していたというのが、犯行の動機であった。しかしアタッシュケースには金は一銭も入っておらず、ドクター・キリコの商売道具である機器しかなかった。それから3日後、目撃証言をもとに、警察とドクター・キリコがミゲルの家にやって来る。ミゲルが知らないと一点張りをしている中、ドクター・キリコはミゲルが足にケガをしている事、そして呂律が回らなくなっている事から破傷風を疑い、数時間後に発症してしまう。さらに、彼の母親が進行した腎不全であると知ったドクター・キリコは、ミゲルにある取引を持ちかける。(エピソード「貧困と生と死」)

ドクター・キリコはある日、依頼主である北条時子安楽死を行うために、彼女の屋敷に呼ばれた。施術を行う前、顧問弁護士の黒田は時子の三人の息子の前で遺言状を公表をする。その中には、人事不省に陥った場合はドクター・キリコの手で安楽死する事、すべての遺産は飼い猫であるシュヴァルツグルーンに相続させ、後見人として家政婦の珠川美鳥を任命する事が書かれていた。これに納得のいかない息子達は、時子が命を引き取るよりも前に、遺産相続に指名されている二匹の猫を探し出して殺そうと目論む。(エピソード「相続忌憚」)

ドクター・キリコは、テロ集団の首謀者であるジャヌマヒン・グラディスから安楽死の依頼を受けた。80歳を過ぎ、いくつもの病を抱えて生きる事が苦しいと思うようになったジャヌマヒンは、同時に彼を師と慕うガヌメネが、聖戦だといって戦いを起こし続ける事に嫌気もさしていた。ジャヌマヒンは、戦いの象徴である自分が死ぬ事で、誰も血を流さずにすべてが平和におさまると考えたのだった。ドクター・キリコは、安楽死は自殺の代用品ではないと諭すが、ジャヌマヒンは、自身が逮捕されれば同胞が殺される事となり、また宗教家としては自殺する事はできないのだと語る。じきにジャヌマヒンのもとに警察も駆けつける事を知っていたドクター・キリコは、可能な範囲で人が死ぬ事なく事態をおさめる、最善の方法を考え始める。(エピソード「苦悶の聖者」)

ドクター・キリコは、宮古源一郎という青年から安楽死の依頼を受ける。宮古は一見普通の青年だが、実はアイドルユニット「ブーシュヤンスター」で一番人気のあるアイドル「みやん」でもあった。小さな頃から女子の服装や化粧にあこがれを抱いていた宮古は、人に隠れて女装をしており、軽い気持ちで受けたアイドルユニットのオーディションに合格した事で、自分が男である事を隠し続けていたのだった。そんな宮古が安楽死を望むのは、誰も知るはずがない宮古のプライベートなメールアドレスに「引退しなければすべてを公表する」と書かれた脅迫状が届いたため、自分を守りたいと考えたからであった。それを聞いたドクター・キリコは、施術をするための条件に当てはならないと依頼を断る。すると宮古は、睡眠薬を飲んで自殺を図る。(エピソード「偶像と虚像」)

極道一家を仕切っていた金重辰次は、妻を若年性認知症で亡くして以来、自身も認知症となっていた。金重から跡を継いだ衛藤は、金重が妻のもとに行きたがっていると判断し、六道善優を介してドクター・キリコに安楽死の依頼をする。しかし六道を疫病神扱いするドクター・キリコは、具体的な話も聞かずに門前払い。だが、次に六道と入れ違いにやって来た金重の妻の妹を名乗る人物に同じ依頼をされたドクター・キリコは、結局金重の病状を確認するため病院へ向かう。

安楽死の施術をするための条件のうちの2つはクリアしていたものの、ドクター・キリコの目には金重が本当に死を望んでいるようには見えず、この依頼を断ろうとする。すると翌日、金重の手に「死なせて」と書かれた手紙が1枚握られていた。偽造の証拠が見つからないため、ドクター・キリコは納得のいかないまま施術を開始。その後、六道の口から妻の家族構成を聞いたドクター・キリコは、彼に妹がいなかったという事実を知る。ドクター・キリコはその足で、金重が生前に妻と住んでいた家へと足を運ぶ。(エピソード「妄執の依頼」)

安楽死の依頼を受けた家に出向いたドクター・キリコは、施術のキャンセルを言い渡された。こんなケースが3回続いたあと、ドクター・キリコは、終末期緩和ケアを斡旋するホームドクターの存在に気づく。そのホームドクターとは、ドクター・キリコの実の妹ユリであった。ユリは兄であるドクター・キリコにこれ以上人殺しをさせたくないという一心で医者になっていたのである。そして遺族の気持ちを変え、ドクター・キリコの安楽死の仕事を阻止していたのである。(エピソード「死神を止める者」)

登場人物・キャラクター

ドクター・キリコ (どくたーきりこ)

面長な顔に銀色の長髪の壮年男性。左目がなく、黒い眼帯をしている。回復の見込みのない人間に対して、法に触れないように自然死に見せかけた安楽死の処置を施す活動を行っており、「死神キリコ」、「白い死神」とも呼ばれる。かつてゲリラ戦の最前線で、軍医として傷ついた兵士の手当てをしていた際、手や足をもがれ、胸や腹を潰されてなお死ねない兵士を目の当たりにしてきた。 そんな兵士に毒を注射すると感謝をしながら死んでいった事から、安楽死を施す事を生業とするようになった。ただし、安楽死の処置をする条件として「回復の見込みがない事」「生きているのが苦痛である事」「本人が死を望んでいる事」の3つをもうけており、このすべてを満たさない限りは断固として処置を断っている。 また人情味にもあふれており、相手が条件を満たして安楽死を望んでいたとしても、それに共感できなければ生きるよう諭したり、時には自らの信条に反して人を救うための施術をする事もある。また、依頼された患者が眠るように安らかに死ぬ事ができなかった場合には、報酬を一銭も受け取らない。

白河 郁馬 (しらかわ いくま)

小学生の男子。虫垂炎と腹膜炎を併発させた際に、ドクター・キリコに命を救われた。のちに白河郁馬の父が亡くなって天涯孤独の身となってからは、施設で暮らしていた。しかし環境に馴染めずに施設を飛び出し、それ以降はドクター・キリコの家に在住し、料理などの家事をしながらフリースクールに通う。糖尿病を患っていた父親のために栄養管理をしていた事から料理を得意としており、ドクター・キリコにもおいしい料理を振舞う。

存尾 美亜 (ありお みあ)

白河郁馬が転入したフリースクールに通っている少女。前髪で顔が見えず、人一倍暗い印象を与える事や、動物の死体を持って帰ったり腐臭をまとわせている事から、クラスメイトに「ゾンビ」というあだ名を付けられている。医者になって母親の病気を治すという夢を持っており、すでに死んで腐敗している母親の死を受け入れる事ができずにいた。 ドクター・キリコと出会い、母親の死を受け入れてからは暗い印象が少し払拭され、郁馬の一番の友達となる。

六道 善優 (りくどう ぜんゆう)

六道ファイナンスを経営する青年。髪は少し長めで、艶ぼくろが左側にある。六道画廊を経営しつつ金融屋として顧客に金を貸し、返済ができなければ保険金をかけさせて事故死に見せかけ殺す事で取り立てている。そのコスト削減のため、法に触れない方法で人を死なせる事ができるドクター・キリコに、ビジネスパートナーになる相談を持ちかける。 ヤクザの世界にも顔が利くが、かかわると危険な目に遭うと警戒したドクター・キリコには、接触を回避されている。

ユリ

ドクター・キリコの妹。ロングヘアで、細身の若い女性。安楽死とはいえ兄が人を殺す事を辞めさせるために、医師免許を取得した。その後は、回復の見込みのない患者やその家族に終末期緩和ケアを勧めるといった手段で、ドクター・キリコの仕事の邪魔をしている。

渡瀬 宙 (わたせ そら)

エピソード「殺す医者」に登場する。小学生の男子で、首からはいつもおもちゃの短剣をぶら下げている。渡瀬宙の祖母の事が大好きで、昏睡状態に陥った彼女にも頻繁に話しかけている。また、ドクター・キリコが自分の前に現れた時には、その風貌を見て渡瀬宙の祖母の命を狙う死神か悪魔と思い、彼女を守るためおもちゃの剣を突きつけて立ち向かう。

渡瀬宙の母 (わたせそらのはは)

エピソード「殺す医者」に登場する。渡瀬宙の母親。夫を亡くしたあとは渡瀬宙の祖母と衝突する事もあり、介護を含めいっしょにいる事が嫌になっていた。渡瀬宙の祖母が昏睡状態になってからは、延命治療の費用を一人でパートの仕事をしながら払い続けていたが、これも限界に達した事で、渡瀬宙の祖母を安楽死させてほしいとドクター・キリコに依頼をする。

渡瀬宙の祖母 (わたせそらのそぼ)

エピソード「殺す医者」に登場する。渡瀬宙の祖母で、宙から特に愛されているが、宙の父親である息子を亡くしてからは、息子の嫁の渡瀬宙の母と衝突するようになった。やがて末期ガンを患い、延命治療の機械を導入した状態で1年近く昏睡状態となっている。

笹倉 信一 (ささくら しんいち)

エピソード「延ばされる命」に登場する。父親である笹倉剛三がCEOを務める会社の、次期経営者と目される中年男性。剛三が亡くなった際には経営権や資産、土地などを相続する事が約束されていた。しかし、彼の口座にある2億円は遺言により笹倉剛三の愛人に譲るとされており、これを受け入れる事ができないでいた。結果、遺言状を訂正したあとに剛三に安楽死の施術をするようドクター・キリコに依頼する。

笹倉 剛三 (ささくら ごうぞう)

エピソード「延ばされる命」に登場する。末期の大腸癌と肝炎を患い、病院のベッドで病に苦しむ日々を送っている73歳の老人。CEOとして自身の会社を盛り立ててきたが、息子である笹倉信一とは親子の会話がなく、内心寂しい思いをしていた。その寂しさを笹倉剛三の愛人に埋めてもらっており、彼女からは「剛ちゃん」と呼ばれている。 そのお礼として、彼女に2億円の資産を譲ると遺言状を残す。

笹倉剛三の愛人 (ささくらごうぞうのあいじん)

エピソード「延ばされる命」に登場する。子持ちの若い女性。ウェーブがかった髪をポニーテールにし、ショートパンツとロングブーツを身につけたギャル風の格好をしている。笹倉剛三とは3年前に居酒屋で出会って以来親しく、彼の事を「剛ちゃん」と呼んでいる。実際は身の上話を親身に聞くだけの友人であり、愛人ではない。剛三には連れの息子の事を孫同様にかわいがってもらっており、ドクター・キリコに剛三の死を聞かされた際には号泣して悲しんだ。 実は入院中の剛三を見舞うために何度も病院へ足を運んでいたが、彼の息子である笹倉信一に阻まれて、会う事ができずにいた。

白河郁馬の父 (しらかわいくまのちち)

エピソード「託される願い」に登場する。四角い顔をした恰幅のいい壮年男性。妻を早くに亡くし、貧しいながらも息子の白河郁馬を一人で育ててきた。郁馬が虫垂炎と腹膜炎を併発させて痛みを訴えた際には、彼を背負って真夜中に病院を駆けずり回った。しかし、保険に入っていない事や、貧しい出で立ちから病院に治療を断られ続け、最終的にドクター・キリコの診療所へとたどり着く事となった。 以後は治療にかかった金を日雇いのアルバイトで稼ぎ、1日1万円ずつ返済していた。だが、30日が過ぎたあと、糖尿病性腎炎が悪化して入院。郁馬の負担にならないよう、ドクター・キリコに安楽死を依頼して亡くなる。

ハンス

エピソード「死神と信仰」に登場する。初老の男性で、顎と鼻の下にひげをたくわえている。ドクター・キリコを馬車に乗せ、目的地まで案内する役を担っていた。しかし道中、人狼と化したヨアンに襲われ、首を嚙みちぎられて命を落とす。

ゾフィー

エピソード「死神と信仰」に登場する。腰の曲がった老齢の女性。人狼となった息子ヨアンの被害に巻き込まれたドクター・キリコを助け、看病をした。ヨアンが村人に殺されたそうになった時、息子をかばってその身に銃弾を受け、死亡する。

ヨアン

エピソード「死神と信仰」に登場する。ゾフィーの息子。狂犬病によって人狼になってしまった青年で、ハンスの首を嚙みちぎるなど村人に襲い掛かっている。のちに、自分の家が村人に囲まれている事を知り、無差別に人を襲い始める。

マリウス・ドゥヴゼル (まりうすどぅゔぜる)

エピソード「救わざる神」に登場する。X国に対する抵抗軍の青年兵士。X国の捕虜となっているが、抵抗軍の情報を得るために生かされている。X国の指揮官の男の拷問により瀕死の重傷を負うが、ドクター・キリコの処置で一命を取り留める。拷問で一生を終える恐怖から逃れるために自ら死を選ぼうとしたが、ドクター・キリコに日本の話を聞いてからは、日本に行ってみたいと思うようになり、生きる事に前向きになる。

X国の指揮官の男

エピソード「救わざる神」に登場する。X国の兵士。がっしりとした体格で背の高い壮年男性。唇が厚く、まつ毛が長い。ドクター・キリコを抵抗軍のスパイと疑い、抵抗軍の兵士であるマリウス・ドゥヴゼルと共に得意の拷問で攻めたてる。

ザンバルディ

エピソード「死神泣かせ」に登場する。細面でひげを蓄え、車椅子に乗っている初老の男性。とある島を仕切るマフィアのボスで、若い頃から銃弾に当たった事がなく、「死神泣かせ」の異名を持つ。しかし老いにより脳幹内に動脈瘤が見つかり、いつ破裂してもおかしくない状態となった。自分の伝説を病によって無様に終わらせないために、ドクター・キリコに自分を安楽死させるよう依頼する。

ろびた

エピソード「ロボットと死」に登場する。家庭用コンパニオンロボットで、商品名は「ケッペル君」という。勝秀が妻を失った父親(ろびたの旦那様)に送ったもので、「ろびた」と名付けられた。5頭身のロボットで顔や腕もあり、胸にはモニターが付けられている。ろびたの旦那様がかねてより安楽死を望んでいた事を知っていたため、彼が脳死状態となった際には勝秀や美香の承諾もなく、ドクター・キリコに依頼の連絡をした。

ろびたの旦那様 (ろびたのだんなさま)

エピソード「ロボットと死」に登場する。眼鏡をかけた初老の男性。息子・勝秀と娘・美香はすでに家庭を持っており、妻が他界してからは独り身になっていたが、勝秀から送られたロボットに「ろびた」と名を付けて共に暮らしていた。交通事故で脳死状態となり、現在は昏睡状態にある。自分に何かあった場合には安楽死を選びたいと、かねてよりろびたに話をしていた。

勝秀 (かつひで)

エピソード「ロボットと死」に登場する。ろびたの旦那様の息子で、壮年の男性。ろびたの旦那様が妻と死別して独り身になってしまった時に、ろびたを買い与えた。妻と子供と共に生活しているが、父親であるろびたの旦那様が交通事故で脳死状態になってからは、父親の様子を見るため妻と共に彼の家に通っている。

美香 (みか)

エピソード「ロボットと死」に登場する。ろびたの旦那様の娘。ろびたの旦那様が独り身になっても、彼が交通事故で脳死して昏睡状態になってからも、自分の家庭を理由にめったに顔を出す事はなかった。

鷹沢 駿介 (たかさわ しゅんすけ)

エピソード「死にたがりと犬」に登場する。愛犬のバロンと共に人里離れた山の上に住む青年。もともとはサッカー選手で、チームのエースストライカーだったが、骨肉腫が見つかり、右脚を切除しなければ生きられないという状態にある。サッカーがすべてであった鷹沢駿介にとって、脚をなくすのは死ぬ事と同じだと考えており、ドクター・キリコに安楽死の施術を依頼する。

バロン

エピソード「死にたがりと犬」に登場する。鷹沢駿介の愛犬で、種類はヨークシャテリア。鷹沢が骨肉腫によってサッカーができなくなってからは、人里離れた山の上で共に暮らしている。鷹沢にとても懐いており、彼が自殺をするため崖に向かうと、何度も吠えてドクター・キリコに伝える。

ギャンブル依存症の男 (ぎゃんぶるいぞんしょうのおとこ)

エピソード「死神ビジネス」に登場する。無精ひげを生やした壮年男性。ギャンブル依存で借金を増やし、六道ファイナンスから金を借り続けている。六道善優に保険金をかけられ、彼からの指示により「安楽死」させてほしいとドクター・キリコに依頼する。

近江 詩織 (おうみ しおり)

エピソード「寒村の弔い話」に登場する。ロングヘアの女性。15歳という若さで肺癌を患っていた。癌が骨と脳にも転移しているために回復の見込みがなく、ドクター・キリコに依頼して安楽死した。亡くなる前よりドクター・キリコに好感を抱いており、家族の意向により死後、ドクター・キリコと冥婚をする事になる。

クリス・マカヴォイ (くりすまかゔぉい)

エピソード「死神の瑕」に登場する。右半身にひどい火傷を負い、義手と義足をつけている壮年男性。戦争で右全身に攻撃を受け、手足を吹き飛ばされ苦しみ続けていた時、軍医をしていたドクター・キリコに出会う。これでようやく死ぬ事ができると思いきや、内臓などのダメージが小さい事から安楽死の処置ではなく、生きるための手術を施された。 これにより一命は取り留めたものの、ボロボロになった体で仕事は見つからず、家族にも見放された。自分を生かす判断をしたドクター・キリコを恨み、彼を呼び出すため白河郁馬と存尾美亜を誘拐する。

ミゲル

エピソード「貧困と生と死」に登場する。色黒の青年で、腎不全を患っている母親の治療費を稼ぐため、強盗をしていた。ドクター・キリコを後ろから殴り、彼の仕事道具が入ったアタッシュケースを持って逃走した際に、足にガラスの破片が刺さり、細菌が入り込んで破傷風を患う。

北条 時子 (ほうじょう ときこ)

エピソード「相続忌憚」に登場する。年老いた女性。優しい性格の持ち主で、虐待されて保健所にいた猫のシュヴァルツとグルーンを引き取り、大事に育てていた。その後、衰弱し、珠川美鳥に介護をされながら暮らしていたが、ついに昏睡状態となった。衰弱してからも三人の息子達が一向に顔を見せに来る事もなかったため、遺産を二匹の猫に相続させ、最後はドクター・キリコの安楽死の施術によって息を引き取るという遺言を残した。

黒田 (くろだ)

エピソード「相続忌憚」に登場する。北条時子の顧問弁護士をしている壮年男性。時子の遺言に従ってドクター・キリコに安楽死の依頼をし、三人の息子の前で遺産相続を飼い猫のシュヴァルツとグルーンに与える事を公表。かねてより時子の優しさに触れてきており、彼女の望みを最大限に叶えるべく行動する。

珠川 美鳥 (たまがわ みどり)

エピソード「相続忌憚」に登場する。北条時子の家の家政婦をしている女性。時子が衰弱してからは介護も担うようになった。時子の人のよさを好ましく思い、業務とは関係なく心から時子に尽くしている。時子の遺言状により、遺産を相続するシュヴァルツとグルーンの後見人に任命される。

シュヴァルツ

エピソード「相続忌憚」に登場する。ふさふさとした黒い毛を持つ猫。虐待されて人におびえていたが、新しい飼い主である北条時子の優しさに触れる事で元気を取り戻した。時子が亡くなる際には、グルーンと共に彼女の遺産を相続する事になる。時子や家政婦の珠川美鳥、弁護士の黒川以外の人間が家にいる時には姿を隠す。

グルーン

エピソード「相続忌憚」に登場する。白と黒の毛が混ざった猫。虐待されて人におびえていたが、新しい飼い主である北条時子の優しさに触れる事で元気を取り戻した。時子が亡くなる際には、シュヴァルツと共に彼女の遺産を相続する事になる。時子や家政婦の珠川美鳥、弁護士の黒川以外の人間が家にいる時には姿を隠す。

ジャヌマヒン・グラディス (じゃぬまひんぐらでぃす)

エピソード「苦悶の聖者」に登場する。白いひげをたくわえた細身の男性で、車椅子に乗っている。年齢は80歳。体はさまざまな病に蝕まれ、まともに歩く事もできない状態にあるため、身の回りの世話をサンバルに頼んでいる。テロ集団の首謀者として世界的に報道をされている人物だが、戦いを続ける事を内心では拒んでいる。しかし、ジャヌマヒン・グラディスを師と崇めるガヌメネが、彼の言葉を偽り、聖戦だといって兵士を焚きつけるせいで、戦いを終える事ができずにいる。 争いを終わらせるためにも安楽死を選択する。

サンバル

エピソード「苦悶の聖者」に登場する。ひげを生やしていている青年。ジャヌマヒン・グラディスが率いるテロ集団の一人であるが、戦う事を望んでいないジャヌマヒンの言葉を受け止め、彼をサポートをし続けている。ジャヌマヒンが安楽死を望むと、ドクター・キリコに仕事を依頼する。

ガヌメネ

エピソード「苦悶の聖者」に登場する。恰幅のいい壮年男性。黒いひげをたくわえ、眼鏡をかけている。ジャヌマヒン・グラディスを師と崇め、聖戦の名のもとにテロを仕掛けている。ジャヌマヒンにはその行為を否定をされながらも受け入れず、自分の正義を貫くために戦いを続けようとする。

宮古 源一郎 (みやこ げんいちろう)

エピソード「偶像と虚像」に登場する。中肉中背の男子大学生だが、女装をすると見事に女性に化ける事ができる。軽い気持ちでアイドルユニットのオーディションを受けて合格し、「みやん」の芸名でアイドル活動をしている。両親をはじめ、周囲の誰にも自分がみやんである事を知らせておらず、引退しないとみやんの正体を公表するという謎の脅迫メールにおびえるようになる。

金重 辰次 (かねしげ たつじ)

エピソード「妄執の依頼」に登場する。老齢の男性で、ヤクザの組頭をしていた。5年前に認知症の妻を亡くして以来、金重辰次自身も認知症を患い、病状が悪化。現在は跡目を衛藤に譲って病院に入院し、ベッドの中で震え続けている。組長として力を振るっていた時には名の知られた極道者で、「鬼の辰次」の異名を取るほどに力を持っていた。

衛藤 (えとう)

エピソード「妄執の依頼」に登場する。がっしりとした体格の壮年男性で、5年前より金重辰次の跡を継いでヤクザの組頭となった。辰重が認知症を患い、病院のベッドの中で苦しみ続ける姿を見て、安楽死を望んでいると認識し、六道善優を介してドクター・キリコに依頼する。

場所

X国 (えっくすこく)

エピソード「救わざる神」に登場する。ドクター・キリコが日本へ帰国する途中、陸路を採った事で足を踏み入れた国。抵抗軍との戦争の最中で、ドクター・キリコが人を殺すための道具を持っていた事から、抵抗軍のスパイと疑われ捕えられる事となった。最前線の基地には負傷した多くの兵士と共に、マリウス・ドゥヴゼルが捕虜として捕らわれており、抵抗軍の情報を聞き出すために生かさず殺さず拷問され続けている。

六道ファイナンス (りくどうふぁいなんす)

エピソード「死神ビジネス」に登場する。六道善優が社長を務める金融会社で、ギャンブル依存症の男などに金を貸しつけている。回収できない負債者に対しては、事故死に見せかけて殺し、保険金で返済させる事もある。

寒村

エピソード「寒村の弔い話」に登場する。ドクター・キリコが近江詩織の安楽死の施術をするために訪れた山奥の田舎村。「冥婚」という古い風習が残っており、死んだ詩織と結ばれたドクター・キリコを生き埋めにして殺そうとする。

その他キーワード

安楽死 (あんらくし)

ドクター・キリコが依頼主や患者に施す処置であり、生業としている処方。「回復の見込みがない」、「生きる事が苦痛である」、「本人が死ぬ事を望んでいる」という3つの条件を満たした患者に対し、高額の報酬と引き換えに、薬物やドクター・キリコが独自に開発した機器を使い、非合法的に安らかな死を与える。

人狼 (ひとおおかみ)

エピソード「死神と信仰」に登場する。狼のように人に嚙みつき、殺すようになってしまった人間。地元では悪魔が取り憑いたものとされるが、実際は狂犬病に感染した人間である。

冥婚 (めいこん)

エピソード「寒村の弔い話」に登場する。寒村に古くから伝わる、死んだ者同士で婚礼させる風習。一般的には「死霊婚」と呼ばれる。ドクター・キリコは形だけという約束で、亡くなった近江詩織と冥婚をしたために、村人の手によって生き埋めにされそうになってしまう。

終末期緩和ケア (しゅうまつきかんわけあ)

エピソード「死神を止める者」に登場する。ユリが提供する処方で、回復の見込みのない患者に対してモルヒネなどの鎮痛剤を投与したり、カウンセリングなどで心理的苦痛を取り除き、安らかで自然な最期を迎える方法。費用としてはドクター・キリコが施す安楽死より安く、強制的に死を迎えさせる必要がない。

クレジット

原作

脚本

協力

手塚プロダクション

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