概要・あらすじ
家計の危機に瀕した雨森家を救うため、雨森還のおとうさんとおかあさんは、科学者だった曽祖父が作った冷凍保存庫の扉をあけた。その中にあったのは、大量のサツマイモと戦災孤児の少女おたまだった。冷凍睡眠状態から目覚めたおたまは、世の中の何もかもが豊かになった現代に驚きながらも、闇市を生き抜いたたくましさを発揮して周囲を振り回していく。
登場人物・キャラクター
雨森 還 (あまもり かえる)
中学1年生の男子。13歳。メガネをかけた大人しい気質の少年。冷凍睡眠から目覚めたおたまを妹として迎え、面倒を見る。佐渡金山日出邦とおたまが実の兄妹ではないかと気づくが、なかなか言い出せない。幼い頃に出あった少女イライザを、初恋の思い出として忘れられずにいる。
雨森 お給 (あまもり おたま)
14歳の少女。戦災孤児として、兄と二人で戦後の闇市をたくましく生きていた。誤って雨森家の曽祖父が作った冷凍保存庫に入ってしまい、そのまま冷凍睡眠状態になる。雨森還を、姿の変わってしまった兄だと思い込み、雨森家の養女となる。
佐渡金山 もり子 (さどかねやま もりこ)
中学1年生の女子。カネタマ財閥総帥佐渡金山日出邦の孫娘。「～ざます」と語尾につけて喋り、常に高飛車な態度を取っている。しかしそれは佐渡金山の跡取りとして舐められないよう、日出邦に命令されて行っている演技。孤児だったのを引き取られたため、日出邦と血のつながりはない。雨森還に片思いをしている。
佐渡金山 日出邦 (さどかねやま ひでくに)
カネタマ財閥の総帥。世界を買占めることができるほどの大金持ち。戦後の闇市からのし上がり、人を人とも思わぬ荒んだ心の持ち主に成り果ててしまった。唯一生き別れた妹のことを悔やんでいる。おたまを妹本人だとは思わず、妹によく似た面差しの他人と思いつつも、おたまのわがままだけは聞いてしまう。孫娘の佐渡金山もり子は孤児を引き取って養女にしたもので、血はつながっていない。
貞吉 (さだきち)
カネタマ財閥総帥・佐渡金山日出邦とその孫娘佐渡金山もり子に仕える謎の青年。特に理由なく女装とストリップをすることが多い。やや人格破綻の気があるが、信頼はされているようで、日出邦ともり子の秘密を知っている。
おとうさん
雨森還の父親。いわゆるマッドサイエンティスト。謎の科学研究を行っており、働いてはいなかった。しかし、家計のため雨森還たちの通う中学校の科学教師に就職する。
おかあさん
雨森還の母親。変わり者のおとうさんやおたまをあるがままに受け入れて愛する心の持ち主。
マダム・ビザール美藻座 (まだむびざーるみもざ)
「最高級おふらんす料理マダム・ビザール」店主の女性。間違って大量注文してしまった雨森家の借金の形(かた)に、雨森還を1年ほどただでこき使おうとする。
こいはん
カネタマ財閥の総帥・佐渡金山日出邦に会社を潰されてしまった女社長。復讐のため佐渡金山もり子を誘拐しようとするが、間違えておたまを攫(さら)ってしまう。
こいはんの部下 (こいはんのぶか)
こいはんの部下らしい青年。会社を潰されてから性格が変わってしまったこいはんを心配しつつも、その犯行に付き合っている。何かと言うと、世界の偉人を思い出して反省する癖がある。
ドビン
産油国アラビンの王子。佐渡金山日出邦によって、佐渡金山もり子と政略結婚をさせられそうになるが、それも国のためと耐えようとする、けなげな心の持ち主。
曽祖父 (そうそふ)
雨森還の曽祖父。戦時中はナチスの原爆研究所からお呼びがかかるほどの科学者だった。家の地下に冷凍保存庫を作り、そこに大量のサツマイモを保存して子孫に財産として残した。しかしその冷凍保存庫におたまがアクシデントで入ってしまい、冷凍睡眠状態になってしまった。
- SHARE
-
-
- EC
-
