ID:INVADED #BRAKE-BROKEN

ID:INVADED #BRAKE-BROKEN

TVアニメ『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』の続編。殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を使って事件を捜査する警察組織「蔵」は、新たな連続殺人鬼、Sの足跡を追っていたが、捜査を進めるうちに事件は二転三転し、大きな陰謀の絡む大事件へと発展していく。異常犯罪者たちの世界観を独自の手法で描く、クライムサスペンス。TVアニメ版では未出の設定が盛り込まれ、より世界観を楽しめる内容となっている。「ヤングエース」2019年11月号から2020年12月号まで掲載された作品。

正式名称
ID:INVADED #BRAKE-BROKEN
ふりがな
いどいんゔぇいでっど ぶれーきぶろーくん
原作者
舞城 王太郎
漫画
ジャンル
警察官・刑事・検察官
 
サスペンス
レーベル
角川コミックス・エース(KADOKAWA)
巻数
既刊2巻
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

入口

警察組織「」に所属する外務分析官である本堂町小春は、新人の福千を迎えにいき、仕事の説明をしながら行動を共にする。しかしその最中、福千のワクムスビが強制起動。本堂町は何者かが殺人事件を引き起こしていることに気づく。本堂町は犯人を仮称「S」と名づけ、ワクムスビを使ってSを追い始める。一方、蔵は本堂町から報告を受け取り、捜査を開始。その痕跡からSは、車の事故に見せかけた無理心中を何度も引き起こしている連続殺人鬼であることをつき止める。採集した思念粒子を使い、蔵はイドの世界を作り出し、鳴瓢秋人を名探偵、酒井戸としてイドの世界に放り込むも、過酷なイドの世界で酒井戸は何度も死に、情報は思うように集まらなかった。一方、本堂町たちは現場の捜査員たちの協力を得て、少しずつSの包囲網を完成させる。犯人の居場所をつき止め、乗り込む本堂町だったが、実はワクムスビの情報を得ていたSは本堂町たちの裏をかき、姿をくらましていた。そしてSは、本堂町をサポートしていた福千の車にひそかに乗車し、福千を道連れにした新たな無理心中事故を引き起こすのだった。

争奪戦

本堂町小春は目の前で起きた事件にショックを受けつつ、福千の救助と犯人の確保に動く。犯人の鶴見真名は重傷を負っていたものの、辛うじて生きており、その身柄を確保することに成功する。これで事件は解決に向かうと思われたが、鶴見は本人すら気づかぬうちに信奉者を作っており、実は事件が複数犯によるものであることが判明。また、事件現場から福千が所持していたはずのワクムスビが消失していたことがわかり、事件は一気に複雑さを増していくこととなる。機密情報の塊であるワクムスビを取り戻すため、警察組織「」はそれに注力することとなるが、突如、奪われたワクムスビから新たな殺意が検知され、それによって酒井戸は過去のトラウマをえぐられてしまう。ワクムスビを奪った犯人は、鳴瓢秋人の過去を知る者であるという新たな謎を抱える。そして鳴瓢は膠着した状況を打破すべく、危険な賭けに打って出る。一方、拘束されていた鶴見だったが、彼女は信奉者たちの手によって救出され、再び姿をくらますのだった。

真相

ワクムスビの強奪や鶴見真名の奪取と、大がかりな犯行に警察組織「」の面々は後手に回ってしまう。そして一連の事件は、「大蛇(オロチ)」という組織が鶴見の犯行を隠れ蓑に、ミヅハノメの機密を狙っていることをつき止める。鳴瓢秋人本堂町小春はミヅハノメでイドの世界に潜り、真相を探ろうとするも、本堂町は聖井戸御代の死を体験して、心が折れてしまう。蔵は急遽、井波七星をミヅハノメに投入するも、井波は真相をつかみはしたものの、黙してそれを語ろうとはしなかった。しかし、井波の様子と本堂町の持ち帰った情報をつなぎ合わせることで、鳴瓢が事件の全貌と殺意の世界の真相に気づく。そして鳴瓢は、イドの世界の法則そのものを利用して、真実を暴き立てようとするが、それは蔵の面々すら予想がつかなかったミヅハノメの大いなる可能性を証明するのだった。

関連作品

TVアニメ

本作『ID:INVADED #BRAKE-BROKEN』はTVアニメ『ID:INVADED イド:インヴェイデッド』の続編となっている。TVアニメ版は、2020年1月から3月にかけて、TOKYO MX、AT-X、インターネット配信ほかで放映された。アニメ制作はNAZが担当している。キャストは、鳴瓢秋人を津田健次郎、本堂町小春をM・A・Oが演じている。TVアニメ版は、殺意を感知するシステム「ミヅハノメ」を使って事件を捜査する警察組織「」が、連続殺人鬼メイカー「ジョンウォーカー」の謎を追うクライムサスペンスで、シリーズ構成と脚本はミステリー作家の舞城王太郎が、キャラクター原案は本作の作画も担当する小玉有起が担当し、舞城王太郎は本作の原作も担当している。これにより、本作の制作はTVアニメ版が放送される前に発表されたが、物語はTVアニメ版のラストからそのままつながる構成となっている。

登場人物・キャラクター

鳴瓢 秋人 (なりひさご あきひと)

現在は殺人鬼として捕まっている元刑事の中年男性。気だるげな雰囲気を漂わせ、ミヅハノメのパイロットとして捜査に協力している。イドの世界では名探偵、酒井戸となる。酒井戸の死を体験し、そのことに強い違和感を感じているが、酒井戸は限りなく近い他人と思うことで、それを乗り越えている。かつて娘を殺人鬼に殺され、妻もあとを追って自殺。その復讐をしたことで、殺人犯として逮捕された過去がある。連続殺人鬼、Sのイドの世界に潜り込み、殺人事件の捜査を行う。しかし、盗まれたワクムスビによって作られた世界で過去の惨劇を目撃。トラウマを強く刺激されたことで、事件の全貌を暴くことに強い決意を抱くようになる。ふだんは冷静だが、その実、人情厚く激情家な一面がある。目的を果たすためならあらゆるものを犠牲にする強い意思を持ち、その無謀な行動を周囲からよく窘(たしな)められている。鶴見真名が自らと面会したいという事実を利用し、護送中に脱走。膠着したイドの世界を打破すべく、入院した福千の病室に忍び込み、彼を襲うふりをして、福千に反撃させることでその殺意を回収。新たなイドの世界を作り出す。

酒井戸 (さかいど)

鳴瓢秋人のイドの中での姿。名探偵で、下の名前は本人もわからない。鳴瓢を若干若くし、黄色のマフラーを羽織った姿をしている。鳴瓢の性格を強く反映し、人情家で特に女性に優しい性格をしている。正義感も強く、人のピンチを見捨てられず、体を張って人助けをしている。行動派な分、周囲の状況に流されやすく、人助けに奔走するあまり肝心の推理がなかなか進まないでいる。こんなところが、同じ名探偵である聖井戸御代との明確な推理スタンスとの違いとなっている。ただ、合理的で慎重な聖井戸と違い、行動的である分、視野が広く、状況を打破する能力に長ける。酒井戸自身も名探偵であること以外は記憶喪失状態となっており、鳴瓢が酒井戸となってイドの世界に入ると、必ずカエルが死体となって現れる。「カエルちゃんの死」を解き明かすことを自らの使命と考えており、それがイドの世界の謎を解き明かすカギとなっている。

本堂町 小春 (ほんどうまち こはる)

警察組織「蔵」に所属する「外務分析官」の女性。年齢は23歳。研修を終えて間もない新人で、年齢の割に小柄で子供っぽい体型をしている。黒い髪をショートカットに整え、花型のヘアピンを付けている。「墓掘り」事件捜査中に犯人を殺したため、それが原因で名探偵の素質を得た過去がある。ミヅハノメのパイロットでもあり、イドの世界では名探偵、聖井戸御代となる。福千という後輩を得て先輩面しようとするも、初対面でうっかり福千を車で轢いてしまう。そのため、福千からは「優秀だけどどこか抜けた人」と思われている。鶴見真名の逮捕後、行方不明となったワクムスビ捜索のためイドの世界に潜ることとなる。しかし、そこで聖井戸が死亡。実はイドの中での死を体験することは初めてだったため、心身共に強く消耗し、大きなトラウマを負う。一時期は再起不能状態になりかけるも、鳴瓢秋人との対話を経て、聖井戸は自分とは他人であると思うことで乗り越える。

聖井戸 御代 (ひじりいど みよ)

本堂町小春のイドの中での姿。名探偵の中では、唯一フルネームが判明している。ディアストーカーハットをかぶり、インバネスコートを羽織ったホームズスタイルの格好をしている。感情豊かだが、根っこの部分は冷静沈着な性格で合理的な考え方の持ち主。目の前の事件を解くためテキパキと動くが、慎重なため得られる情報に限りがあり、視野が限定されがち。また事件の解決を第一と考えているため、時には冷淡とも思える選択をし、目の前に困った人がいても最低限の手助けしかしない。この点が酒井戸との明確な名探偵のスタンスの違いとなっている。

井波 七星 (いなみ なほし)

殺人事件を引き起こし逮捕された女性。年齢は27歳。一見するとどこにでもいるふつうの女性だが、人が傷ついたり、死んだりする様を何より好む異常性癖を持つ。「墓掘り」事件を引き起こした殺人犯の片割れで、実行犯の数田遥と共にいくつもの殺人事件を引き起こしていた。数田は本堂町小春に襲い掛かるも、反撃されて死亡し、自分も逮捕される。現在はミヅハノメのパイロット候補として扱われているものの、無気力でなされるがままとなっている。イドの世界での姿は墓井戸だが、イドの世界では人格分裂が起こり、少年姿の数田といっしょに現れる。

墓井戸 (はかいど)

井波七星のイドの中での姿。名探偵で、下の名前は本人もわからない。井波とほぼ同じ姿をしているが、赤い布で目隠しをし、白い着物のようなものを羽織っている。イドの世界では人格分裂を引き起こし、数田遥の少年時代の姿の人物と必ずセットで現れるのが特徴。名探偵の役割を持つが、基本的にあまり動かずに目隠しをしたまま推理する。ほとんど動かずに真相にまで至る異次元の推理力を持つが、事件を解決するつもりはさらさらなく、真相も語ろうとはしない。墓井戸の行動を監視している警察組織「蔵」の面々からも扱いが難しいと思われているが、時おり気まぐれに助言をしてくることもある。

百貴 船太郎 (ももき ふねたろう)

警察組織「蔵」に所属する「井戸端」の室長を務める男性。精悍な顔立ちをしている。鳴瓢秋人とは警察官時代からの顔なじみ。井戸端の指揮を執り、連続殺人鬼、Sの捜査を行っていたが、ワクムスビが盗まれたことで、最優先でその奪取に動くこととなる。合理的な性格をしており、ミヅハノメのパイロットに無理を強いたり、井波七星をパイロットとして投入したりと、目的を果たすためなら手段を選ばないドライな一面がある。一方で鳴瓢に対してはその過去を気遣っており、根は情が深いところも覗かせている。

東郷 紗利奈 (とうごう さりな)

警察組織「蔵」に所属する「井戸端」の女性。百貴船太郎の補佐を務め、ミヅハノメをオペレーションしてイドの世界を分析する。ふだんは冷静沈着だが、仲間思いな一面があり、百貴が本堂町小春に無理をさせようとした際にはそのフォローを全力で行った。

国府 司郎 (こくふ しろう)

警察組織「蔵」の局長代理を務める男性。童顔で、髪を短く刈り整えている。外部との折衝を担当しており、間接的に「井戸端」をサポートしている。また、機密情報であるミヅハノメの運用に関しても一任されており、ワクムスビが盗まれた際には蔵の全力をもってその捜索に当たらせている。ミヅハノメを狙う「大蛇」や、ミヅハノメの可能性について危惧している。

松岡 黒龍 (まつおか こくりゅう)

警察組織「蔵」に所属する「外務分析官」の老齢な男性。白髪交じりの髪をオールバックにしている。元ベテランの刑事で、刑事時代は鳴瓢秋人たちと同僚だった。正義感が非常に強いため、現在の鳴瓢には思うところがある。また一時期、先輩として本堂町小春の面倒を見ていたことがあり、本堂町の名探偵の素質を見抜いたあと、彼女を守るためコンビを解消して、あえてミヅハノメのパイロットとして「井戸端」に送っている。そのためワクムスビ捜索の際には、本堂町を酷使しようとする百貴船太郎に対して激昂している。

若鹿 一雄 (わかしか かずお)

警察組織「蔵」に所属する「井戸端」の青年。ヘアバンドをしたお調子者で、ミヅハノメをオペレーションしてイドの世界の情報を整理する役割を持つ。頭の回転が異様に速く、数学的知識に精通している。酒井戸の行動と、それで得られた情報の分析を行っているが、それだけに酒井戸がミヅハノメを使って何をしようとしているのかに思い至り、ミヅハノメの可能性に大きく動揺した。

福千 (ふくせん)

警察組織「蔵」に所属する「外務分析官」の青年。蔵に配属されたばかりの新人で、目が細く、穏やかな顔つきをしている。本堂町小春の後輩で、彼女とコンビを組んで、連続殺人鬼、Sの捜査に当たる。本堂町のうっかりで初対面の際に車で轢かれる。幸いケガはなかったが、その経緯から彼女を「優秀だけど抜けている」「ムチャをする人」と思っている。捜査を進め本堂町が鶴見真名を犯人だとつき止め、追い詰める。しかし、ワクムスビの仕組みを理解していた鶴見に裏をかかれ、知らないうちに自分の車に忍び込まれ、彼女の無理心中に巻き込まれる。車が大破する状況に巻き込まれたが、辛うじて命はつなぎ、生き残ることに成功する。所持していたワクムスビを何者かに奪われたため、重傷を負うものの、渦中の人物となってしまう。無意識下で、ワクムスビを盗んだ犯人の情報を得て、それを推察した鳴瓢秋人に襲われ反撃する。その際の殺意を松岡黒龍のワクムスビによって回収され、事件解決に大きく貢献した。事故に遭った際、生死の境をさまよった際に謎の女の子の幻を見ており、その姿から彼女をカエルだと推測する。

北野 (きたの)

神奈川県警の高速道路交通警察隊の隊長を務める男性。厳(いか)つい顔つきをしている。警察組織「蔵」の協力要請により、連続殺人鬼、Sの事件捜査に協力するものの、福千が重傷を負ったことに責任を感じている。

畠山 きらら (はたけやま きらら)

神奈川県警高速道路交通警察隊に所属する女性。童顔で、眼鏡をかけている。長く伸ばした髪をポニーテールにしている。北野と共に、「蔵」の進める連続殺人鬼、Sの事件捜査に協力する。

鶴見 真名 (つるみ まな)

連続殺人事件を引き起こしている女性。黒い髪をベリーショートに整え、鋭い目つきをしている。出会ったばかりのドライバーの車に同乗し、ドライバーに睡眠薬を盛ることで無理心中を装った殺人事件をすでに2件引き起こしている。その言動には謎が多く、死んでもおかしくない状況の中、生きている自分の生には何か意味があると考え、事件を起こし続けている。過去に起こした事件で左足を失っているが、それでも事件を引き起こし続ける狂人。本堂町小春からは仮の呼称「S」が付けられ、その存在を追われている。Sの由来は「殺意」「疾走」「殺人」から。事件捜査をしていた本堂町たちの裏をかき、福千の車に同乗し、3件目の事件を引き起こす。この際に右腕が千切れ、失っている。その後、駆け付けた本堂町に捕まり、治療を受けたことで九死に一生を得る。実は鶴見真名の行動に魅せられ、その信奉者となった者たちが存在する。便宜上「騎士団」と呼ばれる信奉者たちによって、解放される。騎士団の存在は鶴見にとっても意図していなかった存在であるため、騎士団の行動は鶴見すらあずかり知らず、事件は騎士団の存在によってさらに複雑さを増していく。

ティナ

Sのイド世界にいた若い女性。髪をセミロングにセットし、暴走車に乗っている。死にかけていたところを、酒井戸に助けられ、ケニーの運転するトラックに避難する。イドの世界をやり直すたびに、酒井戸に助けられる。マイケルという名の青年といっしょに助けられることが多い。

カエル

イドの世界で必ず死体として現れる少女。黒のロングヘアで、白いワンピースを着ている。正体不明の存在で、カエルの死を読み解くことが、そのイド世界を読み解く重要なカギとなっている。そのため名探偵である酒井戸は記憶喪失となっても、カエルの死の真相をつき止めるのを第一の目的としている。本来であればイドの世界にしか現れないはずだが、福千と鶴見真名は死の間近、カエルにそっくりな女の子の夢を見ている。Sのイドの世界では、酒井戸の乗っている車のトランクに死体として同乗している。カエルの胸の部分に損傷があり血まみれとなっており、酒井戸の背中も血まみれとなっているため、第三者視点では酒井戸が殺したような状況となっている。

女の子 (おんなのこ)

不気味なカエルのマスクをかぶった女の子。正体不明の謎の存在で、素顔も名前もすべてがいっさい不明。福千と鶴見真名が死にかけた際に、その夢に現れた。福千はその風体から鳴瓢秋人たちが知るカエルと思ったが、鳴瓢は「偽物」と呼んでいる。カエルとの最大の違いは、生きた状態で現れ、会話が可能という点。会話の合間に「ゲロゲロ」と鳴く口調が特徴。鶴見に鳴瓢と会うように指示したり、謎の行動を取っている。

集団・組織

(くら)

ミヅハノメを利用した捜査を目的とする警察機関。ミヅハノメを用いて犯罪を捜査する「井戸端」と、ワクムスビを使って犯人の殺意を採取する「外務分析官」の仕事が存在する。ミヅハノメが非常に機密性の高い機器であるため、その詳細は外部にはほとんど公開していない。しかし職務の性質上、現場レベルでは協力を願う場合が多いため、その存在は公然の秘密扱いされ、その機密内容も噂レベルでは存在している。

その他キーワード

ミヅハノメ

殺意を感知する特殊なシステム。犯人の思念粒子を採集し、その粒子をもとに犯人の深層心理が具現化した世界「イド」を生み出すことができる。イドの世界は、転じて「井戸」とも表記され、警察組織「蔵」ではそれを分析するチームを「井戸端」と呼んでいる。パイロットが巨大なリング状のコクピットに搭乗することで、イドの世界に入り込むことができる。ただしイドの世界に入り込めるのは、殺意の思念粒子によってイドを形成したことがある者のみで、必然的に「殺人犯」しかイドの世界には入れない。また殺人犯の中でも適性が高い者は「名探偵」となり、イドの中で謎を解く資質を得られるとされる。イドの世界は犯人の無意識が生んだ世界であるため、非常に特殊な環境下で、出会った人やシチュエーションなどが、現実の世界の犯罪を解くヒントとなっている。また名探偵がイドの世界に入ると、必ずカエルが死体として現れ、彼女の死の謎を解くことが、事件の全貌を明らかにするカギとなっている。

ワクムスビ

ミヅハノメの小型端末。片手で持つことができる携帯端末で、思念粒子の検知や採集に使うことができる。「蔵」の「外務分析官」はこれを用いて犯人の捜索や、殺意の採集を行っており、殺意を特定することで犯人の追跡に使うこともできる。ミヅハノメと同じく存在そのものが機密の塊で、その詳細は蔵の人間以外には秘密となっている。しかしその職務上の性質から、噂レベルではその存在が知られている。

思念粒子 (しねんりゅうし)

人間の感情が粒子となったもの。現在感知できる思念粒子は「殺意」のみで、それ以外は感知することはできない。思念粒子は感情の強さに比例して存在期間が長くなるため、過去の合戦場や有名な事件が起きた場所には未だに色濃く思念粒子が残っている。物質であるため風で流されたりするが、薄い地面やコンクリート程度なら透過する性質を持つ。

クレジット

原作

舞城 王太郎

書誌情報

ID:INVADED #BRAKE-BROKEN 2巻 KADOKAWA〈角川コミックス・エース〉

第2巻

(2020-07-03発行、 978-4041097465)

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