Kiss+πr2

Kiss+πr2

身寄りもツキもない男子高校生の雑賀喜由が、恋人や友人、またその家族とのふれあいを通じ、温かな感情に目覚めていく姿をリアルなタッチで描いた物語。「別冊マーガレット」昭和61年7月号から昭和62年1月号まで連載。コミックス1巻の冒頭には本作『Kiss+πr2』のエピローグとなる短編『たいへんおまたせしました』も収録されており、この物語が本作最終話の伏線にもなっている。

正式名称
Kiss+πr2
ふりがな
きすぷらすぱいあーるじじょう
作者
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概要・あらすじ

高校3年生に進級した雑賀喜由は、大学へ進学した星野葵との交際を続けているが、2人の関係はなかなか進展しないままだった。そんななか、雑賀は修学旅行をきっかけに、風変わりなクラスメイトの氷見覚や、自分に思いを寄せる阿保貴子と親しくなる。さらに、かつて気になる存在だった園田冬子が留学することを知り、葵に対する雑賀の気持ちはどんどん不安定になっていく。

登場人物・キャラクター

雑賀 喜由 (さいが きよし)

都立朝日高校の3年生男子。男を作った母親が家出し、その後は父親と祖母も亡くしたため、アルバイトをしながら高校へ通っている。何かと不運な人生だが、逆境にめげない精神的タフさが自分の強味だと考えている。その一方で、他人を素直に受け入れることができず、恋人の星野葵との関係もなかなか進展しない。洋楽ロックが好きで、将来は音楽関係のライターを目指している。

星野 葵 (ほしの あおい)

雑賀喜由の恋人で、J大学1年生の女性。無邪気で素直な性格だが、自分が雑賀より年上であることを気にしている。高校時代は男子バスケットボール部のマドンナだった。家庭教師のバイトをしている。

園田 冬子 (そのだ とうこ)

雑賀喜由が想いを寄せ、キスを交わす仲にまでなったクラスメイトの女子。女王様的なハッキリした性格で、雑賀とは音楽の趣味が合い、雑賀を「喜由」と呼び捨てにする。アメリカへの留学を前に星野葵に会いに行く。

青沼 文男 (あおぬま ふみお)

雑賀喜由の親友の高校3年生男子。2年生の時は雑賀と同じクラスだった。ゲーム好きで引っ込み思案だが、他人の陰口は言わないタイプ。星野葵にほのかな想いを寄せていたが、父親が脱サラしたので、浜松へ引っ越すことになる。

氷見 覚 (ひみ さとし)

雑賀喜由のクラスメイトの男子でホラー映画マニア。「ポパイ」というあだ名は、同名の雑誌のグラビア少年のような雰囲気を持つために付けられたという噂。常にクールな態度を崩さないが、星野葵との関係に悩む雑賀にさりげなく進展のきっかけを与える。

阿保 貴子 (あぼ たかこ)

雑賀喜由のクラスメイト。童顔の女子だが一人称は「オレ」を使う明るくにぎやかな性格。父親は小学校教師を務めている。雑賀に片思いしており、同じコンビニでアルバイトを始める。星野葵と直接の交流があるわけではないが、雑賀に恋人がいることはうっすら感じている。

集団・組織

氷見ファミリー (ひみふぁみりー)

氷見覚(ポパイ)の家族で豊島区在住。母親の恵美子、父親の瑛二、祖父の貫一、妹のかおるがいる。全員、顔はポパイにそっくり。テレビのクイズ番組に家族で出演することになった際、雑賀喜由がポパイの代役を務めた。

場所

都立朝日高校 (とりつあさひこうこう)

雑賀喜由たちが通う都立高校。制服はなく、校章や校歌とも無縁な学校。規律はゆるく、教師のほとんどは放任主義。5月に修学旅行、秋には学園祭が開催される。

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