SILENT KNIGHT翔

SILENT KNIGHT翔

自らを「神人類」と呼ぶ謎の集団・ネオ・ソサエティによる地球の支配を食い止めるため、シスターに育てられた神人類の少年・翔が、彼らに立ち向かう姿を描いたバトル漫画。「週刊少年ジャンプ」1992年35号から48号にかけて掲載された。

正式名称
SILENT KNIGHT翔
ふりがな
さいれんと ないとしょう
作者
ジャンル
バトル
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概要・あらすじ

教会で育った孤児の少年・は、ある日、学校で自分を呼ぶ謎の声に導かれて校庭へと向かい、そこで巨大な恐竜・チラノザウルスを目撃。さらに、チラノザウルスに追われていた、傷ついた妖精を発見する。翔を探していたという妖精は、先ほどのチラノザウルスが「神人類」と呼ばれる特殊な人間が「エボリューション」という変身を遂げたものであることを告げ、翔もまた神人類であることを伝えるのだった。

妖精はチラノザウルスに対抗するために、翔に対してもエボリューションを要求するが、翔は状況に困惑するばかりで変身することができなかった。しかし、愛鳥のピイたんがチラノザウルスの攻撃によって瀕死の重傷を負ったため、翔の怒りが爆発。エボリューションを成功させて、ファルコンの「サイレントナイト」に変身した翔は、圧倒的な力を発揮してチラノザウルスを撃破。

この戦いで自身のルーツを覚醒させた翔は、人類抹殺を狙う強大な組織・ネオ・ソサエティとの戦いへと巻き込まれていくのだった。

登場人物・キャラクター

(しょう)

孤児院で育った13歳の少年。近隣ではケンカ空手の達人として有名で、チンピラを多数相手にしても軽く叩きのめせるほどの腕前の持ち主。実は「神人類」と呼ばれる、祖先の動物に変身できる特殊な人間で、地球の支配を目論む神人類の組織・ネオ・ソサエティに対抗するため、孤児院のシスターが育てた正義のナイトでもある。学校で会った妖精の紫鈴を助けた際に、神人類のチラノザウルスに襲われ、絶対絶命の危機に陥る。 しかし、愛鳥・ピイたんの命を賭けた攻撃のおかげで、エボリューションすることに成功。高速の動きを身上とするファルコンの「サイレントナイト」となり、ネオ・ソサエティの野望に対抗する存在となった。正義感の強い熱血漢で、他者の命を何よりも大事にする。 たとえ先ほどまで自分を殺そうとしていた敵であっても、瀕死の状態であれば、なんとかして救おうとするほど優しい性格。自分のルーツに覚醒したばかりでまだまだ戦闘力は低いが、その潜在能力は無限大。数々の死闘を経て、上位の戦士である「ミッドナイト」をも上回る戦闘力を獲得した。得意技は空手技を応用した連続パンチを叩き込む「ファルコン爆裂拳(バースト)」。

紫鈴 (しーりん)

ルーツに妖精を持つ神人類の美少女。もともとはシスターに見出され、ネオ・ソサエティに対抗するための存在として、組織内で育てられていた正義のナイトだった。しかし、シスターの叛乱計画が露呈したため、裏切り者としてネオ・ソサエティから追われる身となる。シスターの隠れ家である教会に向かうため、日本へとやって来ていた。 エボリューションすると身体が小さな妖精の姿になり、自由自在に飛翔することができるようになる。得意技は、新体操のように華麗な動きからリボンやクラブによる強烈な攻撃を繰り出す「レインボーリオン」と「サーパントホップ」。シスターから翔のことを聞いており、彼に神人類やエボリューションについて教えていた。

ピイたん

翔の飼っている隼。3年前にシスターにもらった卵から翔が孵(かえ)した。孤児である翔の家族であり、友人ともいえる存在。非常に頭が良く、翔とは簡単な意思の疎通もはかれるほどだった。神人類であるチラノザウルスの襲撃の際に翔を守ろうとして、致命傷を追ってしまう。最期の瞬間に「翔くんとピイはずっと一緒だよ」という心の声を残し、この世を去る。

アーサー

ネオ・ソサエティに所属している「ミッドナイト」の男性。戦闘力は3400に達する。眼鏡をかけた端整な顔立ちをした神人類。7歳の頃に自分のルーツに目覚め、両親と姉を殺害してネオ・ソサエティの一員となった。人間の価値を能力のみで計る冷酷な性格。地球を愛する心と、地球の環境を破壊し続けている人類への憎しみが強く、世界を守るために人類を滅ぼそうしていた。 ネオ・ソサエティへの叛乱を企てていたシスターと翔を誅殺するため、日本を訪れる。戦闘力が100にも満たない翔を見下していたが、戦いを通じて大きくパワーアップしていく翔に対し、脅威を感じ始めていた。

クルーガー

ネオ・ソサエティに所属している「サイレントナイト」の男性。戦闘力2040を誇る、巨漢の神人類。シスターと翔を誅殺するために日本を訪れ、圧倒的な戦闘力で翔を叩きのめした。翔を取り逃がしたうえに顔に傷つけられたため、独断で翔を討ち取りにいくが、戦いの中で戦闘力を増していく翔に圧倒されてしまう。必殺技はバッファローの頭突きを彷彿させる「バッファローレイジングドーム」。

アルファロメオ

ネオ・ソサエティに所属している「ビショップ」の男性。シスターがいた教会から巨大な生命のオーラが上がったとの報告を受けた際、それほどのオーラを発揮できるのは神人類の矢しかないと考え、その所在を確かめるためにルックのもとを訪れていた。ネオ・ソサエティに対する忠誠心が非常に強い。

ルック

ネオ・ソサエティに所属している男性。人間の生血と生肉を大好物にしている巨人のような体格をした神人類。非常に残虐な性格。巨大な塔のような城に住んでおり、城の中でネオ・ソサエティ最大の宝である神人類の矢を護持している。神人類の矢を何者かに奪われたことに気付き、アルファロメオが自分の首を取りにくるのではないかと怯えていた。

皇虎 (おうこ)

シスターに育成された「サイレントナイト」の神人類。タイガーをルーツとしているクールな少年。ジャコビニらに追い詰められた翔を、涼とのコンビで救出する。あらゆるものを断ち斬る「七星剣」を武器として使っているが、人の心だけは切れないとつぶやいていた。

(りょう)

シスターに育成された「サイレントナイト」の神人類。ピーコック(孔雀)をルーツとしている、もの静かな少年。おとなしそうな見た目とは裏腹に、若干毒舌を吐く。ジャコビニらに追い詰められた翔を、皇虎とのコンビで救出する。「生命のタクト」を振り、大地の息吹をすべて名曲に作り変える能力の持ち主。その曲を聴いた者は、自分でも気が付かないまま死へと誘われる。

シスター

日本のとある教会で翔を育てていた聖職者の女性。実はネオ・ソサエティに所属する神人類の1人。世界の各地で神人類の資質がある人材を見出し、能力を引き出してネオ・ソサエティの忠実な戦士にすることを任務としていた。しかし、それは組織内での表向きの姿であり、彼女の本当の目的は、育てた人材でネオ・ソサエティに対抗し、最終的には打ち倒すことにあった。

ジャコビニ

ネオ・ソサエティに所属している「ミッドナイト」の男性。ブラック・ホークをルーツとしている神人類。ネオ・ソサエティきっての殺戮集団の1人。ルックの命を受け、アーサーを討ち果たそうとしていた。翔の「ファルコンバースト」をその身に受けても、まるで動じないほどの強さを誇る。

ネーク

ネオ・ソサエティに所属している「ミッドナイト」の男性。ラミアをルーツとしている神人類。黒髪の長髪で、女性のような言葉遣いをするのが特徴。ネオ・ソサエティきっての殺戮集団の1人。得意技は敵を破滅へと誘う死の舞踊「デッド・テール・ロンド」。

タラン

ネオ・ソサエティに所属している「ミッドナイト」の男性。スパイダーをルーツとしている神人類。ネオ・ソサエティきっての殺戮集団の1人。「スパイダースレッド」という強力なクモの糸を張り巡らし、かかった敵にトドメを刺す攻撃を得意としている。

バット

ネオ・ソサエティに所属している「ポーン」の小男。コウモリをルーツとしている神人類。ルックに仕えており、来客の報告などの雑務をこなしている。神人類の矢をなくしたルックの失態を目撃してしまい、殺害された。

チラノザウルス

ネオ・ソサエティに所属している「ポーン」の男性。チラノザウルスをルーツとしている神人類。巨大な肉食恐竜の姿をしている。ネオ・ソサエティを逃げ出した紫鈴を負って日本へとやって来た。エボリューションを果たした翔に敗北する。

集団・組織

ネオ・ソサエティ (ねおそさえてぃ)

神人類が作り出した巨大な組織。地球が死滅するまでの期間をあと40年と見ており、環境破壊を続ける旧人類を滅ぼすための活動を続けている。組織内は役割ごとに階級化されており、「ルック(城主)」、「ビショップ(神官)」、「シスター(ナイト指導者)」、「ホーリーナイト(上級ナイト)」、「ミッドナイト(中級ナイト)」、「サイレントナイト(下級ナイト)」、「ポーン(兵士)」という、チェスを模した階級が存在している。

その他キーワード

神人類 (しんじんるい)

虎や蜘蛛といった、自分の祖先(ルーツ)となる生物に変身(エボリューション)することが可能な特殊な人類。神人類の組織であるネオ・ソサエティは、普通の人間を地球の環境を破壊する「旧人類」と位置づけ、粛清の対象としていた。

エボリューション

神人類が自分の祖先(ルーツ)となる生物に変身すること。変身後は身を防護するシェルターをまとったうえ、旧人類を遥かに上回る強大な戦闘力を得られる。潜在能力が高ければ高いほど、戦いを経ることによって、より強力に進化していく。

フィール

神人類の気配や生命力、存在感を表した概念。フィールを探ることにより、離れている場所からでも、対象となる神人類の強さや位置などを、ある程度推測することができる。

シェルター

エボリューション時に肉体の内側から生み出される生命のプロテクター。危機によって目覚めた究極の防衛本能によって作られている。非常に強固だが、基本的には爪や髪の毛と同じで、危機が去ると肉体から脱皮し、わずかな負荷で壊せるほどもろくなる。

神人類の矢 (しんじんるいのや)

ネオ・ソサエティの最大の宝とされる矢。強大な力を宿しており、敵の手に渡れば、ネオ・ソサエティそのものが崩壊しかねないといわれる恐るべき宝具。ルックが管理していたが、何者かの手によって盗まれてしまう。

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