Y氏の隣人

Y氏の隣人

さまざまな悩みを持つ人々のもとに、謎のセールスマンや伝道師が現れ、怪しげなアイテムなどを使って悩みを解決していく様子をオムニバス形式で描く。風刺要素も強く、皮肉な結末で物語が終わることも多い。作者にとっては、本作が初の連載作品。続編として『Y氏の隣人R』がある。

正式名称
Y氏の隣人
ふりがな
わいしのりんじん
作者
ジャンル
ブラックコメディ
関連商品
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概要・あらすじ

受験や恋愛、仕事などさまざまな悩みを抱える人々の前に、幸福の伝道師ザビエールや薬屋トヤマ、さらには天使や死神など怪しげな人物たちが現れ、その悩みを解決していく。しかし、その解決法は必ずしも幸せをもたらすとは限らず、本人がのぞまない結末を迎えることも多い。

登場人物・キャラクター

ザビエール

宣教師フランシスコ・ザビエルにそっくりな見た目をしている。悩みを抱える人々のもとを訪れ、幸せになれると謳って、幸福の踏絵やラッキーデイスペンサーなど怪しげなアイテムを勧める。本人曰く、「目的は相手を幸福にすること」らしいが、アイテムを使った人間が必ずしも幸せになるわけではない。

トヤマ

仕事は薬の訪問販売。普通の薬だけでなく、スープに煎じて飲むと性格が変わるキノコや、体に未来を予言する人面疽が現れる薬など怪しげアイテムも扱う。

クロサワ

平凡な人生をドラマチックに演出するライフディレクター。「現実はドラマのようにはいかない」と達観する高校生の前に現れ、その平凡な人生をドラマチックなものに変えていく。

阿多福カメ子

阿多福保険のセールスレディ。運のなさに悩む受験生住友小吉のもとを訪れ、幸運を保険料代わりに収める阿多福保険を勧める。

イチロー

善良な人々に幸運を授けることを業務とするエンゼル社に務める天使。上司のケルビムに命じられ、不良中学生の沢木健を更正させようとする。会社の幹部がある子供の命を救うために沢木健を犠牲にしようとしていると知り、天使としての身分と引き替えに彼を助ける。

集団・組織

夢銀行 (ゆめぎんこう)

『Y氏の隣人』に登場する銀行。業務内容は、将来の夢を預かること。プロ野球選手になることを夢見ていた小学生竹久夢一は、その夢を夢銀行に奪われ、平凡な会社員としての人生を送る。なお、預かった夢は、預け主が老人になった際に返却される。

善行銀行 (ぜんこうぎんこう)

『Y氏の隣人』に登場する銀行。他人に施した善行を、貯金のように預けることができ、払い戻しを行えば貯めた善行の量に応じて幸運が舞い込む。高校生花田安男は、祖母が生前貯めていた善行を使いって幸運な生活を満喫するが、すぐに善行を使い切ってしまう。困った花田安男は幸運のローンを申し込むが、返済を怠って運の強制執行にあい、事故で命を落とす。

場所

レンタル・ビデオ ライフ

『Y氏の隣人』に登場する店。死神が店長を務めるレンタルビデオショップで、今際の際に見せる走馬燈をピデオにして貸し出している。客が望めば、他人の人生をコピーするサービスも行ってくれる。このサービスを受けると、コピー元の人物と同じ人生を送ることができる。

その他キーワード

幸福の踏絵 (こうふくのふみえ)

就職が上手くいかずに悩んでいた大学生安田が、幸福の伝道師ザビエールからもらった。これを踏むと、絵に描かれている人物に不幸が起こり、持ち主は小さな優越感にひたることができる。

地獄耳 (じこくみみ)

騙されやすい性格に悩んでいた中学生川原真一路が幸福の伝道師ザビエールからもらった。これを持っていると、相手の心の声を聞くことができる。

予知虫 (よちちゅう)

『Y氏の隣人』に登場する生物。神経質な高校生小室の右腕に出現した寄生生物。近い未来に起こる出来事を次々と予言し、的中率は100パーセントを誇る。小室が薬屋トヤマからもらった謎の薬の正体が、この予知虫の卵だった。

ライフアルバム

他人の思い出を自分のものにできる不思議なアルバム。謎の男から思い出の売買を持ちかけられた大学生は、報酬に目がくらみ、このアルバムを使って自分の思い出を次々と売り渡してしまう。

夢人形

モテない高校生青木が、行きつけのビオショップの店長からもらった人形。人形の中に写真を入れ、枕の下に置いて寝ると、自分が見たのと同じ夢を写真の人物に見せることができる。クラスの委員長に片思いをしていた青木は、この人形を使って委員長に自分が活躍している夢を見せ、気を引こうとする。

懺悔鏡

就職活動で苦労していた大学生寺島正直が、介抱したホームレスからもらった。万華鏡のような形をしており、筒の中に写真を入れてのぞくと、写真に写った人物の秘密が聞ける。

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