巻も8を重ね、どんどん各国間の利害や状況が変わります。
7巻で内乱を収めたマフムートがすぐに将軍に復帰したのは、実を言うと少し驚きでした。もしかしてもうしばらくは身軽な立場で動くのかなと思っていたので。
でも、これまでで十分物語の種は撒かれてきましたから、マフが思うように「政治に関われる地位にいる必要」というのは十分な納得材料。
「ディワーンでやりたいことがある」これたぶん、以前カリルに「あの時も僕は将軍だったんだよ」と言われたシーンや、ザガノスが目と耳の組織を作り上げていたことへの衝撃のシーンなどを受けてるんではないでしょうか。少なくとも私はあれらのシーンが浮かびました。
こういうところでさらりと時流を超えるセリフが入ったりするのも、このお話の魅力の一つだと思います。
そして今回は頭脳戦。
経済力を基軸に、これまでとは違った方面から状況を変えようという試みがなされていきます。経済を大きく動かすことで結果的に攻撃に変えるあたりは、マフ持ち前の頭脳だけでなく、これまでマフが周辺国を見て回ったことで知った、「トルキエの外の世界」が反映されていて興味深いです。確かにこういう策は、トルキエ国内しかしらない時には思いつかなかったでしょう。なぜその品物なのか。まさか、その品物というよりも品物に添えられているものが目的だったとは。ヴェネディックの元首がどこまでマフに賭けてくれるか、この先が見ものです。
ちなみに、おなじみになってきた女装は今回意外なメンバーにも飛び火します(笑)
細かく隅をつつけばツッコミ所が多いのはともかく、読んでいる間はツッコミ所を忘れさせるパワーがこのお話にはあると思います。
未読の方はぜひ。