五十嵐大介氏の作品と作風は、
漫画というエンタメとは明らかに一線を超えて、
宮崎駿監督や、個人的にブレンパワード以降の富野由悠季監督のアニメーションのような
非常に作品的なものであり、折口信夫にも通じるような有機質な自然哲学が非常に滲み出ていて、
なんか、すごいものを触っている感覚がする。
あくまでこれって個人的な感想なんだが…
ディザインズ 三巻
「魔女」からの今までの五十嵐作品に比して、
説明的な言葉も少なく、特にこの巻から圧倒的なスピードと暴力と、人間の狂気が凄まじい。
それでいて、大きな自然環のなかにある、心地よさが存在している。
テーマの根底にあるユクスキュルの「ウムベルト」という古典自然科学を
五十嵐氏独自の解釈と拡大によって、動物が見ている(感じている)世界を絵で再現するという
とてつもない画力と表現力と、五十嵐氏の自然世界への視線があってこそ。
人間のどうしようもない状況による偏執的な集団心理のなかに発生する狂気が、今回は優しい一貫的な人間としての個人を無造作に蹂躙し、人間によってデザインされたキイが狂い、人間性に近づくことで人間を描き出します。集団狂気は五十嵐作品のなかに度々と出てきましたが、今回はストレートな描写です。狂気に殺されるのは個人というより、個体としての母ですから。
次巻が楽しみです。

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ディザインズ(3) (アフタヌーンKC) コミック – 2018/1/23
五十嵐 大介
(著)
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自然界を超越した異形の生物、HA(ヒューマナイズド・アニマル)。それは遺伝子を”設計”された、ヒトと動物とのハイブリッド。HAが備える驚異的な身体能力は、野心を抱く人々の策略によって殺りくの現場へと投入され、その真価を発揮していく。ヒトは何のためにこの異形をデザインしたのか…その背景には、人類の未来へとつながる壮大な計画が横たわっていた! 生物の”感情”という不安定な機能が衝撃的展開を招く第3巻!
- 本の長さ223ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2018/1/23
- 寸法13 x 1.4 x 18.3 cm
- ISBN-104065107768
- ISBN-13978-4065107768
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商品の説明
著者について
2002年12月から2005年7月にかけて『リトル・フォレスト』を連載(全2巻)。
2014年8月、実写映画として『リトル・フォレスト』公開。
2014年8月、実写映画として『リトル・フォレスト』公開。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2018/1/23)
- 発売日 : 2018/1/23
- 言語 : 日本語
- コミック : 223ページ
- ISBN-10 : 4065107768
- ISBN-13 : 978-4065107768
- 寸法 : 13 x 1.4 x 18.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 58,910位コミック
- カスタマーレビュー:
カスタマーレビュー
星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
168グローバルレーティング
- 星5つ星4つ星3つ星2つ星1つ星5つ80%13%7%0%0%80%
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2018年1月25日に日本でレビュー済みAmazonで購入雑誌での連載を追っていたので、待望の単行本化です。
雑誌掲載時の原稿に書き下ろしのページが加わっていたり、
完全に描き直されている部分などもあって、
二度楽しめるのがいつも嬉しいです。
今回多くを占めているキイ視点のエピソードは、
淡々と語られるぶん辛さが増しますね…
ショーンの残酷さが静かに表れている場面も印象的でした。
オクダもますます狂気じみてきてます。
あとは象(の亡霊?)のイメージ映像が圧巻。
夢に出てきそうなくらい…
1巻での陸の生物、2巻での海の生物に続いて、3巻での鳥類の表紙も魅力的。
本棚に並べると背がカッコイイ。
この作品を連載で追えるのがとても幸せです。
気がはやいですが、4巻が楽しみ。
- 2021年2月2日に日本でレビュー済みAmazonで購入とはいえ時間がなかったのだろうか?このあと4巻5巻は悲しいほどの絵が目立つようになる。単行本の際の書き直しを期待していたのだが、心より残念。
- 2018年3月22日に日本でレビュー済みAmazonで購入正直、キメラのキャラクターについて、絵柄的は苦手な部類になるのですが、科学の力があれば何でも出来るというニンゲンの思い上がった雰囲気がよく描かれていて、自然に話に引き込まれてしまいました。
テクノロジーによって、生命すらもてあそぶ事が可能になった人類にとって、そこに利己主義的な企業利益の論理や人の意志が絡んでくると、空恐ろしいことになりかねない怖さがあります。かなり次巻も楽しみです。
- 2018年2月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入登場人物たちの感情がつかめない。作者も意図的に作品のテーマと到着点を隠していると思う。最後の「見るのは飽きた」がこれからのキーワードのような気がする。とても気になる作品。
- 2023年5月1日に日本でレビュー済み海獣の子供の終わりは、風呂敷を広げ過ぎた感が否めなかったが、本作はこの巻まで期待を上回る出来。若干アクション系の割合が高めな点が気がかりも、この先も十分期待を持たせる。
完結から何年過ぎたかも忘れてしまったが、購入後この先をまだ読めていない、怖くて。
5巻で終わってしまったところはなんだか不安だけど、なんとか読み進めよう。
- 2018年6月27日に日本でレビュー済み人間て何てばかなんだ… てのを言葉じゃなく絵とかキャラのリアクションだけで伝えられればいいのにって思う。いやコミックなんだから言葉に頼ってもいいじゃんて意見も言えるんですが。この人の今までの作品の根底にあったテーマって言語化不可能な感情とか生物の動き なんかだったと思うんですが。あと「見るのにはもう飽きたよ」とかも。あ、はい…て感じ。まあ今回はエンタメ路線に移行したんですかね、表紙が綺麗です次巻も買います。
- 2018年2月3日に日本でレビュー済みこういう展開になるとは思わなかった。五十嵐さんの作品て、天才ばっかりで選民意識くさいキャラが多いから(難しい言葉使えば頭いい的な中二思想)読むの止めようかと思ってたんだけど、今までと違う流れになってきてる。
主人公のクーベルチュールは活躍はするが、狂言回し的な扱いで、五十嵐さんはきっともっとスケールの大きな話が描きたいんだと、この刊を読んでわかった。
何回も優しい人が死ぬ話が続いてかなり辛いけど、読むのやめなくて良かった。期待大!