『スイドラ』第5巻、次巻の完結へ向けて色々なものが急転していく。とらちゃんのライバル・のぶ子との対決を前に、のぶ子の弱さが突然決壊･･･天才ピアニスト・シマさんは、想いを寄せるオダジに心の秘密をさらけ出す。
とにかく鉄砲玉のような少女・とらちゃんのアグレッシブすぎる行動力で、あれよあれよと言う間に物語が展開し、果たしてあと一巻で完結するのか？ と心配になってしまうが、堂々たる大団円が待っている。NEXT第6巻に、乞うご期待！
ところで、本書は第74回ちばてつや賞入選作「しろい花」を巻末に掲載している。本作の絵と比べて、つげ義春の影響が大で、とにかく描き込みが凄まじいが、この何とも言えないウェットな絵は'50～'70年代の日本映画を観ているようで個人的には好きだ。このタッチを連載用にもっと洗練させていったのが本作の絵柄なんだと思う。たった一作でこうした表現を自家薬籠中のものにしてしまう才能には脱帽だ。
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