すごくいい巻でした!
恋愛における「運命」とは、結ばれる一人に対してだけでなく結ばれない人に対しても存在するかも、とこの巻で思いました。
鷹人との付き合いがあったから隼太との恋が始まり、隼太と育んだ恋で強くなったから、いま鷹人とのやり直しがうまくいっている。
そしてこの後もきっと鷹人とのやり直しができたからこそ、何かが動くんでしょう。隼太との何かが。
菜の花の「彼」はまさに二人、最初からずっと。
人にはそれぞれ意味があり、役割があり、誰かに影響を与えあっている。
円をかくように、渦を巻くように、あの時のあれや物事や人がつながっていく。
まあともかく、一言で言うとこの巻の後半はかけあい漫才です(笑)
鷹人がほんと可愛い。菜乃花との会話も楽しい。鷹人のターンと言ってもいいほどw
菜乃花と鷹人がもしうまくいっていたら、というのをしっかり見せてくれる展開となっていて、ニヤニヤしながら読んでしまいました。
それにしても「葛藤」をここまで物語テーマの中心に据えるのはある意味で冒険じゃないでしょうか。
ライバルの諦めも早く特に問題なく軽くがほとんどの昨今の少女漫画の中で、その逆をいくような内容なのに人気を得て長く続いている。
でも個人的には思うのです。ききわけよく軽くさらっと諦めてしまえるのは、本当の意味で”好き”という気持ちとは向き合わず戦ってもいないなと。
誰かに片思いをしたり何かに没頭して負けた経験があると、この抗えない葛藤する気持ちにこそ共感してしまう。
そういったものを本に求めた時に満たしてくれるのは、だいたいは小説が多く、漫画なら青年誌、少女漫画なら学園恋愛ものではなく部活ものやファンタジー設定の長編にたどり着いてしまうんですが
この漫画は珍しく学園恋愛という狭い中で「葛藤」を表現していて、なんだか小説を読んだ後のような充実感があるんです。
とはいえ烏丸という新キャラがあまりに普通の日常へいきなりおかれた特異なキャラで。
烏丸の問いは物語のテーマでもあるけど、ある意味それが概念的でそこに引きずられていく鷹人にも読者は置き去りにされた感は否めない。
たぶんファンタジーや非現実的な物語なら上手くすればこういうキャラが活きるのですが、この作品においては雰囲気を壊すという問題点が大きかったと思います。
せっかくリアルな恋愛ものとしてやってきたのに、急にサブカルになったような。
烏丸が現実的なキャラではなく、3人の中に流れる恋心をかきまわす抽象的存在だったから浮いてしまった。
しかし前巻のラストに大きなifの定義をおき、また3人の物語として戻ってきたこの巻は
非常に面白かったです。
最後は隼太と結ばれる事になるんだろうなと思わせるストーリー構成になっていますが
鷹人とのやりなおしは記憶が戻るまでの期間限定的なものだとしても、これが見れるのは楽しい。
もうそろそろ佳境の雰囲気ですが、隼太の記憶を取り戻す菜乃花をどう見せるのかな。
隼太とすれ違ったシーンで菜乃花が思い出さなかったのは、やはり隼太の「声」で聞いた言葉が恋の始まりだからでしょう。
でもそれは隼太の知るところではない。
菜乃花にしかわからない事です。
顔を見る前に恋をした菜乃花が、隼太の顔を見て思い出すわけがないのです。
この「声」が烏丸の最後の役割として伏線になっているのではないでしょうか。

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菜の花の彼―ナノカノカレ― 12 (マーガレットコミックス) コミック – 2017/2/24
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半年間の記憶を失った菜乃花。
菜乃花の中から消えてしまったのは自分だと会うことさえできないでいる隼太。一方、鷹人は、菜乃花とやり直そうと動き出します。隼太を思い出させるべきだと分かっていてもそうできない自分を下劣だと苦しみながら…
菜乃花の中から消えてしまったのは自分だと会うことさえできないでいる隼太。一方、鷹人は、菜乃花とやり直そうと動き出します。隼太を思い出させるべきだと分かっていてもそうできない自分を下劣だと苦しみながら…
- 本の長さ176ページ
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2017/2/24
- 寸法11.2 x 1.2 x 17.6 cm
- ISBN-104088457285
- ISBN-13978-4088457284
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登録情報
- 出版社 : 集英社 (2017/2/24)
- 発売日 : 2017/2/24
- 言語 : 日本語
- コミック : 176ページ
- ISBN-10 : 4088457285
- ISBN-13 : 978-4088457284
- 寸法 : 11.2 x 1.2 x 17.6 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 152,506位コミック
- カスタマーレビュー:
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カスタマーレビュー
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評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
上位レビュー、対象国: 日本
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- 2017年2月24日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2017年7月10日に日本でレビュー済みAmazonで購入隼太のターンを終え、いよいよ鷹人のターンがきました。
初期の頃のちょっと偉そうな彼からすると随分可愛らしくなりましたね。一部のころはあまりに報われなかったので鷹人には頑張って欲しいです。
- 2017年7月31日に日本でレビュー済みAmazonで購入まとめ買ったのに1冊づつのレビューは難しいですので大丈夫です。
- 2017年3月24日に日本でレビュー済みAmazonで購入あー、終始鷹人にときめく。
隼太好きな人はえーって感じ。やはり、隼太には共感出来ない。
結局綺麗事だよね。そんなのじゃ、何も手に入らない
鷹人は、自分が汚れても欲しいものは手に入れたい。 あー、当て馬臭プンプン!
- 2017年2月25日に日本でレビュー済みAmazonで購入本屋に行く時間がなく、こちらで予約購入しました。
発売日に着いたので大満足です。
- 2017年2月25日に日本でレビュー済み前巻の11巻を読んだ後は疲れというか、呆れというかとってもどんよりした覚えがあります。
記憶喪失とか、ほんとくさすぎる昼ドラや韓国ドラマみたいで、
あーもうこの巻で見るのやめよう。。
と心に決めていたけど、やっぱりこのままでおわらないよね?というか作者のかたはこれからどういう風に物語を持って行くんだろう?と逆に興味がわいて発売日に買いました。
感想は、やめなくてよかった!面白い!です。
私は完全にハヤタ派ですが、それでもめちゃ楽しめる鷹人のターン!
ハヤタとなのかがぶつかり合いながらも成長したからこそ、まだあの時のままあんまり成長してない鷹人ともうまくいくって少し皮肉だけど、でも鷹人も少しはいい思いができて良かった。。笑
もしも別れる事になっても彼もこれを機に少しは成長できると思う。
ハヤタの大人な決断にも心打たれました。
もはや出木杉くんです。
こんな中3男子には会った事ありません。。!
1番のレビューのかたも書いていた通り、記憶喪失のなのかがハヤタの顔見て思い出すわけない。
だって外見で好きになったわけじゃないんだもん!
巻末にも少しずつ垣間見えていたけど、
これから鷹人とつきあってくうちに現在忘れているハヤタとの過去とリンクするところがどんどん増えていき、違和感を感じ始めて思い出していくっていう感じかな?
てか、はやたの声を聴いて、はやたの手に触れて。。そしたらきっとズバッと思い出すわ〜!笑
でもそうは簡単にはいかないのが少女漫画。
ずっと前の巻でキスしたとかどーたらで話が伸びたりしたので今後も記憶が戻るまでまた、葛藤や疑いやさらには自分を責めたりして物語が滞りませんように。。
ウダウダした展開が嫌いな身としてはそこらへんが心配です。
とりあえず次巻楽しみです♡
- 2017年3月1日に日本でレビュー済みたかとくん派の方には嬉しい展開です。私はハヤタくんはですが、すれ違った際のハヤタくんの顔が切なくて、中3にしては、大人すぎる対応かと。頑張って走って追いかけてもよかったんじゃないかなと、諦めるなんてらしくないです。たかとくんにおいては、最初の真っ直ぐで不器用でクールで、でも不思議と魅力のあるキャラでしたが。病んだり時に厨二くさくて、あまり好きになれませんでした。15あたりでハヤタくんとくっついて完結してくれるとありがたいですね。
- 2017年3月26日に日本でレビュー済み最近話がつまらなくて、ここ3冊位は読んでいませんでしたが、久々にこの巻だけ読みました。
そうしたら、この巻は面白かったです。
鷹人派の私にとって、鷹人の一生懸命頑張る姿が可愛くて。
菜の花も前みたいに黙って勘違いするのではなく、鷹人にあれこれハッキリと言うので、通じあえる感じが見ていて気持ちが良かったです。
このまま鷹人と結ばれてほしいけど、しょせん少女マンガだからねぇ…結局は王子様みたいな方と結ばれちゃうんでしょうね。
あれこれあって、意表をついた方と結ばれる方が、読み手としては面白いんですけどね。
そういう意味ではさいもんふみ先生の作品などは、いつも意表をついていて、現実的な終わり方で面白いのですが。