今回は、肝っ玉かあさんみたいだけど独身で、
乳房を全摘したためにフられた過去を持つ女医・
大柴先生の「乳房再建」ストーリーが
柱のひとつで、
シナリオが最高におもしろい。
年下の主人公・真藤が
「大柴先生は僕の❝戦友❞でもあります。
何かお返しできたらと思っていて………
乳房再建手術をしませんか？」と誘う設定は
男女も年の差も超えた友情物語。
若くもセクシーでもない女性の
プロフィールや人間性が
コミックできちんと描かれ、
異性の「戦友」まで登場するなんて、画期的だ。
その大柴先生の乳房再建手術が、
腹部の皮膚や皮下脂肪の転用法、傷のみえない縫合法、
乳首・乳輪のつくりかたや「入れ墨」式の
彩色のことまで、いつもながら
実に緻密にていねいにわかりやすく描かれている。
元プロ野球ヒーローの
食道がんの手術、抗がん剤をめぐる
ストーリーも、身震いするほどリアル。
医者を信じきる怖さがよくわかる。
さらに陽子線治療の値段から
サラリーマンが
がんで休職するとどういう就労状況になり、
どのぐらい年収が減るかなど
お金の問題まで網羅されている。
作り手の誠意と熱意に打たれるシリーズ。
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