生き生きとしたキャラ達による、愛らしくも癖の強いやり取りが魅力の青春群像コメディ第4巻。
今巻は私の大好物であるラブコメ成分がかなり強めであり、前巻にも増して大満足の内容でした。
もちろん、いわゆるラブコメ作品(ジャンル特化型の作品)に比べれば恋愛絡みのエピソード量自体は少なく、また告白だ交際だと言ったあからさまなシーンもないのですが、まさに青春と言った感じの、絶妙に甘酸っぱいエピソードが的確にツボを突いて来ます。
以下、本編のネタバレを含みます。
・刀禰とバーグマン、縫部
バーグマンいわく、クラスメイトである水木と黒羽根は「"男"と"男"」とのことで、特段名前を覚える必要も無い相手ということのようです。そして恐らく、これは殆どの男子に対してそういう認識なのでしょう。
しかし、前巻の最終話でバーグマンは確かに刀禰のことを「刀禰くん」と呼びました。つまり少なくとも刀禰のことは明確に固体識別していることになります。(追記:この時点で刀禰側の認識は「喋ったことがない」とのことなので、直接の対話を通じて認識した訳ではないようです)
2人は同中の出身ではないはずなので、高校入学してからこれまでの間にバーグマンが刀禰の存在を記憶するような出来事があったのだろうと推測できます。一体どんな出来事があったのか?気になるところです。
一方で刀禰は今巻で縫部に対してかなりのイケメンムーブをかましており、こちらの関係も気になります。縫部が激しく勘違いしているのが不安ですが…。
ただ刀禰のこういった言動を見るに、彼の無意識に他者の哀しみを拭おうとする性格がバーグマンの印象に残ったのかもしれませんね。バーグマンは一種の求道者というか、無欲・善行といったものへの憧れがあることはこれまでに度々示唆されて来ましたし。あるいは、彼女が現状一番懐いている百々瀬と同じツッコミキャラというのが気になったのかも?
・右佐と虎美
1巻の初絡みからは想像できないくらい2人の距離が近付いていて嬉しい限りです。まさか、右佐のリストバンドがこのような使われ方をするとは…既存アイテムの有効活用だとしても、当初から想定していた展開だとしても、いずれにしても唸らされるエピソードでした。とにかく、虎美の驚いた顔がべらぼうに可愛かったです。
本作内の組み合わせの中でも、右佐・前島・柚下・虎美・犀賀・狐塚の組み合わせはそのまま右佐を主人公としたラブコメとしてパッケージングできそうなくらいクオリティが安定しており、今後も期待大です。
・黒羽根と枇杷谷
この組み合わせは完全に盲点でした。確かに読み返してみると、男子と殆どやり取りのない枇杷谷が何故か黒羽根には強めの口調で気安い感じに接していたり、意味深に黒羽根の方を見ているコマがあったりと、腑に落ちる部分が多くありました。また「AKIRAも知らない男とは話できないから」という台詞からも、AKIRAを知ってる黒羽根が枇杷谷にとって心理的距離の近い相手であることが伺えます。もしかすると、以前に柿境、柚下に付き合って告白の練習をさせられていた場面、あの時に想定告白相手として黒羽根を思い浮かべていた可能性も…(流石にこれは妄想が過ぎる?)。
両者の性格を考えるとそっち方面の進展は難しそうですが、意外なところにツンデレ幼馴染キャラがいたんだな、という感じで、今後の絡みに要注目です。
個人的嗜好からついついレビューの方向性が偏ってしまいましたが、もちろん純粋なコメディ要素、ギャグ要素も前巻に劣らず面白いです。またラブコメ方面に限らず、意外なところの繋がりが明らかになったり、思いがけず新たな繋がりが発生したりと話が進むことへのワクワク感があり、とにかく続きが待ち切れません。
[追記]
皆さん細かいところまで観察して考察されてて凄いな、と思いましたので、私もバーグマン関連でちょっとした気付きを。
今巻の第34話でバーグマンが百々瀬がいないことに気付かず叫び倒し恥ずかしがったあと、スッと冷静なバーグマンを取り戻したとき、この時に、彼女は『手を左頬に添える』という動作をとっています。ここでふと既視感を覚え読み返してみたところ、前巻のラスト第33話、「バス酔いするから」と一人徒歩で帰ろうとする刀禰に急に声をかけたときにも、彼女は同じように手を左頬に添えていました。
こうなるとちょっと気になって来まして、物語冒頭から一通り振り返ってみたところ、彼女が同様の所作を示した場面は以下の通りでした。
1巻 第05話 虎美に「すげえ美人」と言われて照れているとき
2巻 第17話 旅屋に議論で押されるも何とか負けずに反論を試みようとしているとき
3巻 第23話 百々瀬にメガネをかけられて喜んでる?とき
4巻 第41話 百々瀬に対し持論を努めて冷静に語っているとき
一貫性、と呼べるほどに決まった場面という訳ではありませんでしたが…ただ、照れたり喜んだり、あるいは冷静さを保とうとしたりと、何らかの『感情の昂ぶり』がトリガーとなり、意識的もしくは無意識的に手を左頬に持って行っているように思えます。
で、そうなってくると、第33話のことが気になってくる訳です。一見、刀禰に気まぐれに声をかけただけの、感情の昂ぶりとは無縁そうなあの場面で、何故同様の所作をしたのか?という。照れや喜びが関係する場面ではないので、冷静さを保とうとしたのでしょうか?だとしたら、それは何故?
ちなみに余談として、第33話、第43話でそれぞれバーグマンが刀禰から借りたタオルで顔を拭くシーンがあるのですが、いずれのシーンでも“左頬”ばかりを拭いています。特に後者は、もしかするとただ単に暑くて拭いた訳でなく…。
とまあ、何だか自分自身昂ぶり過ぎて考え過ぎちゃっている感が否めませんが。あくまで個人的な妄想あるいは希望的観測と言ったところで留めておいて頂ければ幸いです。
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潮が舞い子が舞い 4 (4) (少年チャンピオン・コミックス) コミック – 2020/10/8
阿部共実
(著)
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潮が舞い込む海辺の田舎町。高校2年生の男女が織りなす、あかんたれで愛しい日常。宝島社「このマンガがすごい!2015」オンナ編第1位の作家が放つ、唯一無二の言語センスが光る青春群像コメディ!!
- 本の長さ160ページ
- 言語日本語
- 出版社秋田書店
- 発売日2020/10/8
- 寸法12.8 x 1.2 x 18.2 cm
- ISBN-104253252435
- ISBN-13978-4253252430
新品まとめ買い 潮が舞い子が舞い
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登録情報
- 出版社 : 秋田書店 (2020/10/8)
- 発売日 : 2020/10/8
- 言語 : 日本語
- コミック : 160ページ
- ISBN-10 : 4253252435
- ISBN-13 : 978-4253252430
- 寸法 : 12.8 x 1.2 x 18.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 48,287位コミック
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カスタマーレビュー
星5つ中4.9つ
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評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中にエラーが発生しました。ページを再読み込みしてください。
- 2020年10月9日に日本でレビュー済みAmazonで購入(このレビューはネタバレを含みます)
どの話も大変おもしろいのですが、特に第43話の刀禰くんとバーグマンさんの話が印象に残りました。
第3巻で刀禰くんから借りたタオルを今度はバーグマンさんが返しに来る内容なのですが、心理描写がかなり細かく描かれています。なんの気になしに読めば、バーグマンさんを意識しまくりの刀禰くんが一人で気をもんでいるだけの話ですが、実際はバーグマンさんの気持ちが察せられるシーンが頻繁に出てきます。
この回の最初のページで、刀禰くんを意識することなく教室の後ろの席で百々瀬さんの髪を結ってもらうバーグマンさんが出てきますが、その手には刀禰くんから借りたタオルがしっかり握られています。その後もバーグマンさんがそのタオルをじっと見つめているシーンが出てきていますが、タオルを返すタイミングやどう会話するかを考えてのでしょう。その後に刀禰くんやその友達が美術部の手伝いを頼まれた時、バーグマンさんと目が合いますが、刀禰くんが一人になる瞬間をまって、ずっと注意を向け続けていた事も推測できます。
その後バーグマンさんは刀禰くんの方に移動するも一回素通りしましたが、それは百々瀬さんも一緒だったからで、一人だけで戻ってきてタオルを刀禰くんに返してきました。ただこれだけなら気のある訳でもない男子に返すのを見られたくない女子が、タオルを返す瞬間をクラスメートに見られない様、二人きりになれる瞬間を狙っただけに思えますが、恐らくそうではありません。返すためにわざわざタオルを洗濯していたのに、バーグマンさんはそれで自分の汗を拭いました。そしてそのタオルを刀禰くんに返した事で、ちょうど3巻の逆の状況になったのです。その前の途中のシーンで、タオルで顔を拭いて驚いた表情をする描写があったので、最初に拭いた時はうっかりだったのでしょう。しかし、3巻での状況を読んでいれば、2回目に刀禰くんの前で拭いたのは意図的ではなかったのかと考えさせれられます。
以上の様にバーグマンさんは実は刀禰くんをかなり意識して行動していると知った上で改めてこの回を読み直すと、さらにある推測が浮かんできます。珍しくバーグマンさんが半袖を着てきたことと、ポニーテールを百々瀬さんに結ってもらっていた理由です。半袖を着てきていた理由で考えられるものは3つ。
①本当にこの日の気温が特別に高かった。
②珍しくタオルを持っている事を指摘された時、暑いからだという事を裏付ける為。
③刀禰くんと話す事を意識して、緊張して熱くなりがちだった。
そして百々瀬さんがポニーテールを結ってくれたいたのは、半袖やタオルを持っている理由を聞かれたバーグマンさんが暑いからと答えた為に、髪を上げてくれたという話なのでしょう。刀禰くんが一人になった時にすぐに百々瀬さんと移動出来たのも、暑いから保健室にタオルを借りにいくという理由でしたが、「今日は暑くてたまらない」と会話の中で布石を打っていたからなのではないでしょうか?策士です。
とにかく3巻のタオルを借りる話もそうでしたが、表面的にわかりやすい行動をしていないだけで、バーグマンさんは刀禰くんをかなり意識しています。この後の二人の関係に変化がある事を期待してしまいます。
- 2020年10月8日に日本でレビュー済みAmazonで購入・セリフ量が多いキャラがいて読むのがしんどいと感じる
・ギャルっぽい女の子がちょっと小悪魔すぎへんかと感じる
・出てくる女の子みんな好きになっちゃっておかしいなと感じる
・何故自分の高校時代には犀賀ちゃんも旅屋ちゃんも狐塚ちゃんも柚下ちゃんもおらんかったんだろうかと感じる
・委員長可愛くしすぎでは?と感じる
・水木くんのイケメン度が登場する度に上がっていって少女マンガのヒーローかよこいつって感じる
・こんな高校生活は自分にはなかったのに何故かノスタルジーを感じる
上記のようなこともありますけど、雨窪ちゃんの仄かないい匂いがキンドルの画面から漂ってくる気がしたので全部ちゃらです。
多様性の時代にフィットした群像劇ラブコメの1つの完成形ではないかと思います。
- 2020年10月19日に日本でレビュー済みAmazonで購入相変わらず面白い。
キャラが多いにも関わらずとっちらかることなく、みんな魅力的に描かれてる。
とりあえず水木と百々瀬は付き合って結婚しろ
- 2020年10月9日に日本でレビュー済みディズニーランドのアトラクションは、お客さんの目の届かないところまで装飾を施すそうです。
見る人によれば、これは意味のない行為かもしれません。その気持ちは大変分かります。だってそもそも人に気づかれませんものね。でも、そういう誰も気づかないような細部にまで心を行き届かせてこそ、真に人に伝わる作品になるのだと私は思います。
本作においても、人に気づかれなさそうな細やかな描写が多数存在します。
右佐が虎美にリストバンドを貸し出すシーンの右手の動作、バードマンと会話する時に口に手を当てる回数が多い百々瀬。他にも趣向を凝らした描写が至る所で見受けられます。
その中でも、特に私が感動したのが最終話の枇杷谷の動作です。幼なじみの黒羽根がトイレに行っている間に読者も気づかないような、自然な流れで窓辺へ移動しています。窓辺に立つ彼女はまるで自身の身姿を改めるかのように髪を整えております。まるで恋する誰かと待ち合わせをする乙女のように。
長文失礼いたしました。
もしかすると、今まで述べたことは個人的な勘違いかもしれません。でもそういった想像を働かさせてくれるだけでも、この作品には感謝を述べたく思います。どうかこれからも、彼等彼女達の他愛のない日常を通して誰にも気づかれないような描写を沢山描いてください。
- 2022年2月20日に日本でレビュー済みAmazonで購入言の葉の宝庫!
百瀬システム発動と本場の真鈴
解像度がえらいことになってる
汚いものの甲子園
X作戦に参加するであります
海賊の親分の口上みたい
西ハラ編は勉強になりました(特にたこやき機)
びわたに食堂 いいな~
- 2020年11月5日に日本でレビュー済みAmazonで購入ここの生徒みんな楽しくて、勿体無いので一日一話のペースで読んでます。