この巻から的場一門の当主である的場静司が登場しています。彼は夏目貴志君の所謂「妖」に寄り添いその痛みや苦しみを理解しようとする姿勢とは対照的に、「妖」を的場一門にとって使える奴か否かといった価値観で、徹底的に便利な道具として利用しようとします。
これまでの物語では、困った時のねこまんじゅう……もとい「ニャンコ先生」頼みで数々のピンチを切り抜けてきた夏目君でしたが、的場一門という人間の組織が彼の目の前に立ちはだかる結果となったことで、単純に「妖」が心配だからという理由のみで後先のことを深く考慮せずに、何でもすぐに首を突っ込んで毎回そうそう「ニャンコ先生」さえいれば大丈夫とはならない……かも知れないという怖さを彼も読者である私達も知るのです。