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一言で言うと、とても良かった。前巻に引き続き、結末にもその後の展開にもいずれも満足です。王道ストーリーですが、大団円のその後について丁寧に描かれていて、過去のストーリーが全て解き明かされ、また過去のわだかまりが一変にほぐされていく展開には満足感も高く、その点は申し分ないです。願ったことが全て叶う、そんな優しい漫画で好きです。
まだお話が続くところの仕掛けも良い感じで、何があるのかなと期待を持たせて終わるところも良かった。過去と現在のお話の配分(バランス)も良く、かつ、モノローグと実際のセリフのバランスも良くまとまっていて簡単に見えますが上手です。
また意外なことに、これまでの清くてコミカルなこの漫画には思いがけず、男女間の描写もすごく良い!「狼陛下」のサッパリご無沙汰な夫婦関係に比べ、こちらは正しい展開でしかも官能美を飛ばさずに上手に表現した。エライ!。耽美な描写が綺麗だけど生々しさもあり人間らしくて良かった。「花とゆめ」にしては突っ込んだ描写で新しい。良くこれ通ったと思った。
クリスの(人間を代表しての)レオンへの深い愛や吸血鬼の王としての深い愛、ギルモア公爵のアーサーへの複雑な想いをたったひとコマで表現した描写、メグへの恋愛感情を表す表情、エスターに対する親子愛、アーサーのギルモア公爵への敬愛や理想との乖離による裏切り(彼にとってはギルモア公爵こそが彼を裏切ったと感じたはずでそれも複雑な彼の敬愛/信頼の中での変わり身でその展開も泣ける)、ユアンの身を尽くすほどの王様への深い真心や忠誠心(愛)、などなど、言葉は最低限にしつつ、それぞれの個性に合わせて表情や態度で自分たちの想い(特に深い愛情)が描かれていて、どのタイプにも素直な感情表現が描かれていて良かったです。皆がそれぞれに小さい時に拾われてたり、懐いたり、感情があるからこそいろんな葛藤があって、というのが分かりやすくて、深い愛情にとても共感しました。もちろん、レオンとエスターが深く愛し合ってることから来る阿吽の呼吸で、「言う前に相手が察知してこちらの欲しい言葉をくれる」と言うのも心がお互い通じ合っているからこそ、と分かります。もしこの二人が固い絆で結ばれていなかったら、こんななんでも教科書通りな展開にはならないでしょう。もちろんそれがベースで心地よく展開しました。
その中でも特にギルモア公爵は不器用ながら心から人が好きな気持ちに気づいた時の描写が普段のムスっとした感情ゼロの時と比較してより一途で健気に見えるので、前巻に引き続きグッと来ます(特に、個人的にエスターとの「クッキー」の流れが好きです。準備した側とされた側の受け止め方のギャップとか、気づかない感じとかも、実際「あるある」で、そこもなんか余計分かって、喜んでるギルモア公爵が可愛く、そしてまた切ない、という笑)。メグとギルモア公爵のお話も良かったのですが、個人的にあの猫が大きくなってベッドサイドに居るのがひとコマ描かれていて時間の経過も分かり、かつ、大きくなって懐いて二人のところにいるんだ(笑)という細かい設定もニクいです。可愛いよ、猫…。
あとは、エスターの、全てを受け入れ、真心と誠実さで愛を表現しているマリア像のような純真さと気高さがこの漫画なら可能なのですが、そこがまた良かった。とっぽい振りして実は幾つも気がついていて知らないように振る舞う気高い感じがより女性を美しく見せます。頭の良い控えめで愛情が深い可愛い女性と、恋が実る実らない以前に素敵な人物だと思います。
今回は父娘愛、同士愛、師弟愛、夫婦愛、とそれぞれの立場で、理由なども明かされ、感情も表情で描いているので分かりやすかったです。目で見て分かることはなるべくセリフを減らして表現した方が伝わるし、態度やイメージの方が深く分かるところが漫画ならではと思います。
それがこの作者の漫画には意外に多くあるので、王道少女漫画とは言え、心理描写や関係に関していい加減な描き方はしてないところが一番評価出来ます。それがこの作者さんの好きなところの一つです。
登場人物が皆愛情深く、それぞれが辛い過去を乗り越えつつ、周りの人と協力しながら新しい未来が見えつつある展開となりました。
まだエスター以外の人で見え隠れする登場人物をこの後は描いてくれるみたいなので楽しみです。誰に関してかは読むと分かると思うので割愛します。
一つだけ難点を言えば、表紙のエスターの目の位置?とか描き方のバランスが悪くいびつで「はた」としてしまった。9巻のエスターの顔も良くなかったので、表紙で損しています。時々顔の描き方のバランスがおかしいので勿体無いです…。
今回は幸福感満載で、深く共鳴してしまい、休みながら読みました。スコットランドやロンドンとか、深くこの世界が好きで楽しみにしていますが期待を上手く越えてくれました。嬉しいです。結末で転ぶ漫画も多くあるのでこちらは王道漫画を美しくまとめるうまい作者さんです。
王道漫画は楽しく簡単にまとめるのは簡単なのですが、そこを深く絡めて「情」をきちんと描写してくれる数少ない方だと思いますが、とてもいい感じに上手くまとまっていました。
まあ、そこが良い点であり、弱い点と言えばそうなのですが、幾分アッサリし過ぎていると言えばそうなりますので、もう少し伸ばすと深みが増すのでそれでもいーかな、と少々物足りなさもあります。つまり、ダウントンアビーのようなここまでなら引っ張っても「見応え」として受け止められる程度の問題の分からなさがないので、アッサリし過ぎてはいます。ただ、この辺りを突っ込むと余裕であと2〜5巻増えてしまうので、まあ、泥沼はなんか最近流行らないので、最近の若い人の漫画としてはこれならこれで!と思います。つまり、まとまりすぎ、スムーズに行き過ぎ、めっちゃ仲よすぎ!と言う意味です。
あとは今から読むなら9〜10巻を通しで読んだ方が内容が途切れずに良いです。
ちなみにおまけの巻末漫画もまたいつも通り面白いです(笑)。レオンが好きです!今回はあまり出番なかったけど(いや、前巻もだけど)。もう少しレオンの活躍があるといーな。いや、次巻は他の人の話か。過去の吸血鬼の話も入ると思うのでまだまだ違う展開が期待出来ます。
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黒伯爵は星を愛でる 10 (花とゆめCOMICS) コミック – 2018/1/19
音久無
(著)
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「私は生来 情というものを持ち合わせていなかった」 叛逆の吸血鬼・アーサー、今際の果てに明かされるその本懐とは──? そしてすべてが終わり、穏やかな日々を取り戻すエスターとレオン。幸せの一方で、エスターはとある葛藤を胸に秘めていた…。「あなたはこのスコットランドで父君と過ごしたらいい」 レオンが告げた言葉の意味とは!? あの日の少女は、淑女となって 今宵、伯爵の隣へ── ハーフ吸血鬼(ダンピール)のシンデレラストーリー、第10巻★
2018年1月刊。
2018年1月刊。
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社白泉社
- 発売日2018/1/19
- ISBN-104592215907
- ISBN-13978-4592215905
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登録情報
- 出版社 : 白泉社 (2018/1/19)
- 発売日 : 2018/1/19
- 言語 : 日本語
- コミック : 192ページ
- ISBN-10 : 4592215907
- ISBN-13 : 978-4592215905
- Amazon 売れ筋ランキング: - 62,126位コミック
- カスタマーレビュー:
著者について
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2018年1月20日に日本でレビュー済みAmazonで購入
- 2018年3月13日に日本でレビュー済みAmazonで購入良かったです。感動的で親子の絆が出ていて、楽しく読ませてもらいました。
- 2018年1月30日に日本でレビュー済み話しはすごくいいです!本当に!
絵が昔に比べ下手くそに…
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