新たな強敵のブギーとネオの過去が描かれる第二巻です。ただし冒頭の第一話だけ、ジェボーダンとの宿命的な出会い、前哨戦が描かれています。
私はジェボーダンが登場した時、この漫画の生き残りを確信しました。戦いの物語は魅力的な悪の存在によってこそ盛り上がるので、魅力的な絶対悪であるジェヴォーダンが登場するこの漫画は、絶対に生き残れると思っていた。
私の予想は、大外れでしたが。
ネオとジェヴォーダンとの前哨戦は、面白かった。お互いに真意は最後まで隠しながら、腹の探り合いをする。そういうクレバーでスリリングな頭脳戦が、丸々一話を費やして描かれています。
相手の知力と腹の底を読み合い、嘘やハッタリを交えて出し抜こうとする。しかし決して情報を小出しにしないところが、一筋縄ではいかない知恵者同士の戦いで、ワクワクしました。
次から始まったブギーとのレース・バトルも、面白かった。ジェヴォーダンほどのスリリングさはなかったけど、デジタルの知恵とアナログの技術を上手く組み合わさった内容で、読み応えがありました。
深みはないけど、『ゆで理論』的な理屈が入れられているので、読んでいると夢中に慣れました。エンタメとは読者を騙すことだと私は思うのですが、この漫画は騙しのテクニックに長けています。
悪役のブギーも、悪党だけど気持ちの良い性格の、良いキャラです。悪党だけど吹っ切れていて、自分の衝動を自覚して人生を楽しんでいる、真のリア充です。
後半は、ネオの過去が描かれています。ネオの子供じみた性格は喪失感を抱えながら生きていたからで、その喪失感の源が描かれています。今までとは全く逆の、情緒的なエピソードです。
過去編の結末は、私が推測していた通りでした。ほとんどの人も、同じような結末を予測していたと思います。今のネオの性格を考えると、喪失感を抱えて生きていたことは、容易に推測できますから。
過去編のエピソードはネットの感想では、アンチにも評判は良かったようです。もし第一巻を買ってつまらないと感じた人も、このエピソードは読んで欲しい気がします。
後、二巻は書き下ろしのページも多くて、かなりサービス精神が旺盛です。キャラのプロフィールにオマケ漫画が二つ載せられています。巻末にはネオと帳の爽やかなエピソードが、カバーをめくると表紙にはター坊の下ネタギャグが。
そして話の間の空白ページの挿絵で、ネオにイタズラをする帳が可愛いです。
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ne0;lation 2 (ジャンプコミックスDIGITAL) Kindle版
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魔法使い(ウィザード)級のハッキング能力で悪党を征する天才少年「ne0」。突然現れたジェヴォーダンと名乗る謎の男に狙われプライドを傷つけられたne0は、敵の存在を暴くため片っ端から悪党を潰していこうと決意。そこに峠で賭けレースをする男の存在が浮上して…!? 規格外れの破天荒サイバー・バイオレンス第2巻!
- 言語日本語
- 出版社集英社
- 発売日2019/6/4
- ファイルサイズ47.3 MB
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- ASIN : B07QTFT4RQ
- 出版社 : 集英社 (2019/6/4)
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上位レビュー、対象国: 日本
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- 2019年6月30日に日本でレビュー済み『ネオレイション』は、WJ2019No.22・23ですでに打ち切りになっており、全3巻での完結が決まっています。
私は、本誌でネオレイションを第1話から読んでいましたが、正直色々と惜しかった作品だというのが正直な感想です。
ライバルが登場してからの展開は非常に興味深いものがあり、ライバルとのハッタリを効かしたやりとりは読んでいてワクワクしました。
個人的には、峠のレースの話が丸々いらなかったかなという印象を持っています。
逆に言えば、打ち切りが決まったからこそ出し惜しみなくライバルキャラを出すことが出来たのかもしれません。だからこそ、あのような印象深い展開を描くことが可能だったというのは皮肉というしかありません。
とはいえ、最終話までを総括してキラリと光るものもあった作品だったと思います。
作者の次回作に期待しています!
第3巻は7月4日発売!最終巻にもこうご期待!
(2019.6.30記)