いなかっぺ大将

いなかっぺ大将

青森から大志を抱いて上京してきた少年・風大左エ門が巻き起こす珍騒動を描くドタバタ・ギャグコメディ。また、亡父の親友に導かれ、一流の柔道家を目指すスポーツ漫画の側面もある。川崎のぼるの代表作。第14回小学館漫画賞受賞(昭和43年度)。

正式名称
いなかっぺ大将
ふりがな
いなかっぺたいしょう
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
柔道
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概要・あらすじ

青森に住む風大左エ門は暴れん坊の熊をも素手で投げ飛ばす村一番の力持ち。動物たちに囲まれ平和に暮らしていた大左エ門のもとに、ある日突然、亡父・陣左エ門の親友・大柿矢五郎が訪ねてくる。陣左エ門との約束を果たすためだといい、大左エ門に東京に来るよう話すが、村を愛する大左エ門は東京行きを拒む。

村で一番強く、誰にも負けたことが無いという大左エ門に矢五郎は勝負を挑む。柔道技で大左エ門をあっさり投げ飛ばした矢五郎は、村一番をハナにかける大左エ門を井の中の蛙だと言い放ち、世の中に出てもっと色々な体験をするように勧める。矢五郎の言葉に感銘を受けた大左エ門は大物になることを誓い、東京行きを決心するのだった。

登場人物・キャラクター

風 大左エ門 (かぜ だいざえもん)

小学四年生(のちに五年生に進級)。柔道着に袴、下駄とふんどしを愛用する。青森で動物達に囲まれて生活していたが、一流の柔道家になるために上京することを決意する。勉強は不得意だが体育は優秀。動物語を話すことができる。音楽を聴くと恍惚状態になり無意識に踊りだしてしまう癖がある。猫のニャンコ先生と巡り合い、キャット空中三回転という必殺技を修得する。

大柿 矢五郎 (おおがき やごろう)

風 大左エ門の亡父・陣左エ門の親友。キク子の父親。柔道家で大柿道場を経営する。陣左エ門との約束で、大左エ門を青森から自分の道場に招く。柔道を通じて技と心を磨くように大左エ門を指導する。

大柿 キク子 (おおがき きくこ)

大左エ門の下宿先に住むおさげ髪の美少女。矢五郎の娘で家事全般を行う。大左エ門が好意を寄せる。またキクもまんざらでもない。柔道をたしなみ、上京直後の大左エ門を練習で投げ飛ばした。

花子

大左エ門の幼馴染。大左エ門に想いを寄せており大柿キク子とは恋敵の関係。大左エ門に会うために時々上京してくる。

吾作 (ごさく)

青森で風大左エ門とともに暮らしていた老人。大左エ門の親代わりで「じい」と呼ばれる。大柿矢五郎とも顔見知りで、大左エ門を迎えに来ることを承知していた。

白雪ケメ子 (しらゆきけめこ)

聖カトリック白ばら学園の女性教師。風大左エ門の担任。清楚で美しく、全校生徒のあこがれの的。物語途中で浅見勇という名の好青年と結婚する。

黒部先生 (くろべせんせい)

聖カトリック白ばら学園の男性教師で体育担当。柔道部顧問でもあり、大左エ門を猛練習でしごく。がっしりした体格で豪快な性格。

車 陣八郎 (くるま じんぱちろう)

とても強いがどこかズッコケたところのある柔道の達人。黒部先生の大学時代の先輩で、白ばら学園柔道部にちょくちょく顔を出し、大左エ門にアドバイスを与える。また、日本柔道協会の重鎮で、大左エ門が初段に認定されたことを伝え、黒帯を渡しにくる。

西 一 (にし はじめ)

大左エ門や大柿キク子の同級生。大阪弁を話す。メガネをかけ全身黒い服を着ている。大左エ門を目の仇にしている。嫌味やいやがらせもするが、柔道大会に遅れる大左エ門を心配したりと仲の良い喧嘩友だちである。西二(にしふたつ)という弟がいる。

ニャンコ先生 (にゃんこせんせい)

『いなかっぺ大将』に登場するトラ猫。四国出身で方言でしゃべる。風大左エ門の師匠。必殺技キャット空中三回転を教える。八百屋で飼われており、そこの子供たちにおもちゃにされるなど、乱暴な扱いを受けていたが、後に大左エ門のところに移り住む。西一の飼い猫、美人猫のチーコちゃんに一目惚れ、結婚して11匹の子供を授かる。 ほとんどがニャンコ先生そっくりのトラ猫だが、1匹はチーコに似ている。また、なぜか恋敵であったクロに似た黒猫が一匹混じっている。

綱山 健二 (つなやま けんじ)

東日本小学生柔道大会での風大左エ門の決勝戦の相手。2歳の時に親に捨てられ施設で育つが、柔道大会で勝ち進んだことにより、母親と再会する。決勝戦で大左エ門に敗れるが清々しく祝福の言葉を述べる。

クロ

『いなかっぺ大将』に登場する黒猫。西一の隣家で飼われている。美人猫・チーコの婚約者だったが、野良犬に囲まれたときにチーコを見捨てて逃げるなどの行動で嫌われる。

川崎 のぼる (かわさき のぼる)

『いなかっぺ大将』の登場人物で作者自身。風大左エ門が動物語を話すときの解説役で出てくるほか、フーテン姿で物語に登場することもある。

教頭先生 (きょうとうせんせい)

聖カトリック白ばら学園の教頭先生。頭部がハゲており、生徒たちにつるっぱげ、はげちゃびんなどと呼ばれる。厳しい面もあるが、人数が足りない子どもたちの学芸会に参加してやるなど人の良い先生。

陳 ハタリ (ちん はたり)

中国人とアフリカ人のハーフ。風大左エ門の同級生。中国帽をかぶっており、脱ぐと凶暴な性格になる。「キッチョンパー」「~あるね」など独特の言葉を話す。奇術と空手が得意。

チーコ

『いなかっぺ大将』に登場する猫。西一の飼っていた美人猫。ニャンコ先生に一目惚れされる。野良犬に絡まれたときに身を捨てて助けるなど、ニャンコ先生の強い愛に打たれて結婚を決意。西一の家を飛び出し、大左エ門のところへ転がり込む。ニャンコ先生との間に11匹の子供をもうける。ほとんどがニャンコ先生そっくりのトラ猫だが、1匹はチーコに似ている。 また、なぜかクロに似た黒猫が一匹混じっている。

小左エ門 (しょうざえもん)

『いなかっぺ大将』に登場する犬。ニャンコ先生がチーコちゃんにフラフラとついていってしまい、裏切られたと思った風大左エ門が、ペットショップで買った大型犬。血統書付だが、秋田犬とのら犬のハーフで900円という格安価格。趣味は昼寝と食べる事という無芸大食だが、闘犬大会の強豪を破るほど強く、いざという時には頼りになる。

ゲバクロ

『いなかっぺ大将』に登場する黒猫。ニャンコ先生とチーコちゃんの間に生まれた11匹の猫のうちの一匹。両親のどちらにも似ておらず、ニャンコ先生の恋敵であったクロにそっくりである。好奇心旺盛で残酷なことを平気でする悪戯好きな仔猫。

集団・組織

聖カトリック白ばら学園 (せいかとりっくしろばらがくえん)

風大左エ門や大柿キク子が通うクリスチャンの学校。男子と女子の比率が1対10で女子が圧倒的に多い。

その他キーワード

キャット空中三回転 (きゃっとくうちゅうさんかいてん)

『いなかっぺ大将』に登場する風大左エ門の必殺技。柔道で投げられても空中で三回転し、着地する技。塀から飛び降りたニャンコ先生を見て、その教えを乞い、猛特訓の末会得した。

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