天才バカボン

天才バカボン

常識や理屈がまったく通用しないバカボンのパパが、周囲の個性的なキャラクターたちとメチャクチャなやりとりを繰り広げる。シュールで無意味なギャグ漫画の金字塔。赤塚不二夫の代表作の一つ。第18回文藝春秋漫画賞受賞。

正式名称
天才バカボン
ふりがな
てんさいばかぼん
作者
ジャンル
ギャグ・コメディ
 
その他ギャグ・コメディ
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概要・あらすじ

バカボンバカボンのパパは、もうすぐ生まれてくる赤ちゃんの事で頭がいっぱい。待ちに待った日が訪れ、病院でカウントダウンを始めたバカボンのパパは、数え終わったと同時に「バンザーイ!」の叫び声。あまりの大声にビックリした赤ちゃんは、なんとママのお腹に引っこんでしまった。その1週間後、再びママのいる病院を訪れた2人だが、またしてもバカボンのパパのイタズラで今度は院長先生が悲鳴をあげてしまう。

その声に驚いた赤ちゃんはまたまた引っこんでしまうのだが、二人は一週間後のその時を心待ちに、ウキウキしながら家路につくのであった。

登場人物・キャラクター

バカボンのパパ

バカボン一家の主。常識や理屈が一切通用しない破天荒な性格で、周囲の人間をハチャメチャな騒動に巻き込んでいく。ギャグやダジャレ、イタズラが大好き。バカ田大学を首席で卒業。学生時代にモテモテなママのハートを見事に射抜き、結婚してバカボンと天才児ハジメの2人の息子をもうけた。 「これでいいのだ」「コニャニャチハ」などが口癖で、語尾に「~なのだ」をつける。実はかなりの天才児だったという過去を持ち、生まれてすぐに歩きだし、キリストやお釈迦様の言葉を口にしたかと思うと、生後2か月目には既に家庭教師をしていた。しかし、ある日くしゃみによって身体の部品が飛んでしまい、現在のようなトンチンカンになってしまった。

バカボン

バカボン家の長男。純粋すぎるあまりよく人に騙されてしまう。パパと一緒になってよくバカバカしい行動を取っている。天才児のハジメにも一切嫉妬せず可愛がる、弟思いの優しい兄。のんびりしていて人よりワンテンポずれているが、頑固で自分を通す一面も持ち合わしている。暴走するパパからイヌや豚など弱い動物を守ってあげるなど正義感もかなり強い。 連載当時は主人公だったが、パパの強烈な個性でその座を奪われてしまった。

ママ

バカボン家のお母さん。美人でしっかり者。奇天烈な夫とのんびり屋の息子に振り回されながらも、大きな愛で家族を守っている。女子大生時代かなりモテていたにも関わらず、パパの変わったアプローチを面白がりデートの誘いを受け、初デートでそのまま逆プロポーズした。普段からパパやバカボンが巻き起こす騒動にも穏やかに対応しているが、イタズラが過ぎるとかなり怖くなる。

ハジメちゃん

主人公バカボンのパパの息子でバカボンの弟。生まれようとする度にパパが病院で騒動を起こし、ビックリしてなかなかお腹から出てこなかった。予定日を5週間過ぎた頃無事に生まれ、バカボン家の一員となる。生まれてすぐに言葉を話し、ピタゴラスの定義やケプラーの法則をスラスラ解説する天才赤ちゃん。 英語や計算は言うまでもなく、タイムマシンやロボットの発明も簡単にやってのける。絵を描くなどの芸術的才能にも溢れている。パパやバカボンが大好きで、メチャクチャな2人を影ながらフォローしている。将来は2人に変わって家族を支えていかなきゃと赤ちゃんながら思っている。

目ん玉つながりのおまわりさん (めんたまつながりのおまわりさん)

主人公バカボンのパパに振り回される町の警官。左右の目がつながっており、下の歯が出っ歯なのが特徴。「日本一ピストルを撃つおまわりさん」の異名を持つ。事件の時だけなく、バカにされたり興奮してしまった時でもとにかくピストルを撃ちまくる過激な性格。バカボンのパパとは幼馴染。小さい頃は、将来大泥棒になると言われていたほど悪ガキだった。 一見真面目に勤務しているように見えるが、女好きで酒好き、おまけに金に目がくらむと何でもするというメチャクチャな警察。何かのキッカケでオカマに変貌することがよくある。

レレレのおじさん

主人公バカボンのパパがお出かけの度にすれ違うおじさん。着流しに下駄というお決まりの格好に、ほうきを持って通りを掃除している。バカボンやパパに会うと、「お出かけですか?レレレのレ」と必ず尋ねてくる。意外におしゃべりで、バカボンたちのちょっとした質問に豊富な知識で返してくる。 普段からよく歌を口ずさんでいる。パパからはいつも理不尽に殴られたり騙されたりと、可愛そうな目にあっている。自分と瓜二つの息子がいる。

ウナギイヌ

犬の父親とウナギの母親から生まれた珍生物。ウナギ特有の黒く長い身体に4本足がついており、「ワンワン」と鳴く。初登場ではバカボン一家に蒲焼にされ食べられてしまったが、読者の人気によりレギュラーとして復活した。登場する度に「ウナギイヌです」と丁寧に挨拶し、誰にでも敬語を使う。きわどい質問もさりげなく受け流し、危険な場面に遭遇してもニョロリと身をかわして切り抜けてしまう。

バカ塚不二夫 (ばかつかふじお)

「少年バカジン」の人気漫画家。連載当初はつぎはぎだらけの服を着た売れない漫画家で、連載を打ち切られないよう編集者に異常に気を遣っていた。普段はいい加減で漫画を描くのも面倒くさがるが、作品の女性人気が話題に上がると、急にやる気を出す。元アシスタントの嫁との間に息子がいる。彼が主役の話は、作者の実体験を描いたノンフィクション物が多い。

カメラ小僧 (かめらこぞう)

本名篠山紀信。大写真家篠山紀信の名前を拝借したと思われる。常に鼻水をたらし、つむじ風とともに片足でクルクル回転しながらやって来る。連載当初は自称「事件写真専門」の社会派カメラマンだったが、徐々にグラビア専門になっていった。現在は「少年バカジン」の表紙を担当する売れっ子カメラマン。 見た目は子供だが、実はジューン・アダムスという妻がおり、純子(じゅんこ)と紀生子(きおこ)という、自分に瓜二つの子供たちがいる。

夜のイヌ (よるのいぬ)

各ストーリーの、最後の大ゴマや場面転換時などに登場するイヌ。リアルなタッチの夜景をバックに、なにかしらのポーズを決めている。世界中の夜の町に出かけていっては、ただポーズを決めて帰ってくる。得意なポーズは逆立ち。

天地無用ノ介 (てんちむようのすけ)

主人公バカボンのパパのバカ田大学時代のクラスメート。夢で見たお告げに従い、宗教団体サカサマ会を結成。自らを神と名乗り、バカボンのパパを会長にした。会に入ったメンバーには、一生逆立で過ごさなければいけないという謎のルールが課せられた。

ノンちゃん

ママの学生時代のクラスメイト。太ってメガネをかけている。外国かぶれの嫌味な社長婦人。外車を乗り回し、洋服やライター、愛犬に至るまで外国製であると自慢する嫌味な性格。バカボン家で散々偉そうに振舞った後、バカボンのパパとバカボンによって愛車を粉々にされてしまった。

小倉さん (おぐらさん)

主人公バカボンのパパのバカ田大学時代の同級生。田中さんちの地下に住んでいる。人ごみや税務署を嫌い地下で生活している。モグラの国の王様になるため巨大地下菜園を作っていたが、地下を掘りすぎたために落盤に遭い住処を失った。地下での暮らしを諦め、バカボン家の天井裏でネズミの国の王様を目指す事にした。

ガンちゃん

主人公バカボンのパパの小学校の同級生。手のひらに乗るほど小さい。子供時代はバカボンのパパに消しゴム代わりに使われたり、息を吹きかけられ飛ばされたりとひどい目に遭ってきた。最終的に土に埋められてしまい、そのままアリの嫁をもらい幸せに暮らしていた。それでもバカボンのパパに対する恨みは消えず、復讐心を燃やしてバカボン家を訪ねてくるが、結局イジメられ風船で空に飛ばされてしまった。

アホ子

主人公バカボンのパパに惚れた女子大生。バカ田大学に通う秀才。メガネと出っ歯が特徴。自分の教養の深さをひけらかそうと諺や俳句を得意げに述べてくるが、どれも激しく言い間違えている。ヌケ作という恋人がいたが、バカボンのパパに心変わりして別れを告げた。

カオルちゃん

バカボンのパパに想いを寄せるオカマ。顔も身体もかなりゴツイが、身体のクネクネしたしぐさは誰よりも少女らしい。実は奥さんがいるが、手当たり次第に男を口説く癖がある。

署長 (しょちょう)

目ん玉つながりのおまわりさんの直属の上司。欲望のまま酒を飲んだり反抗したりする部下にいつも腹を立て、何度も「クビ」を言い渡す。いつも起こっているので頭から煙が出ている。

源五郎 (げんごろう)

料理上手なオカマ。弟長十郎もオカマで、雑誌に引っ張りだこの売れっ子イラストレーター。働く弟の側で身の回りの世話をしている。弟と仲が良すぎるあまり、結婚するのも恋人を作るのも抜け駆けなしと約束している。しかし実は奥さんと子供がおり、バカボンのパパにその事をばらされてしまった。

長十郎 (ちょうじゅうろう)

オカマの売れっ子イラストレーター。「週刊ヤンヤン」「月刊キャンパス」などをメインに活躍中。同じくオカマの兄源五郎と暮らしており、食事の世話をしてもらっている。とても仲の良い兄弟で、結婚するのも恋人を作るのも同じタイミングでと約束しているが、実はイラストレーターの北条ロペとこっそり付き合っている。 一人称は「ボクチン」。

ウメボシ仮面 (うめぼしかめん)

話の途中で突然現れる、ラクガキタッチの謎のキャラクター。とにかく用もないのにコマに現れストーリーが展開するのをさえぎってしまうため、他のキャラクターからも常に邪魔者扱いを受ける。バカボンのパパの子供時代にも表れ、バカボンのパパや目ん玉つながりおまわりさんに将来の行く末を教えるなど余計な事をしている。

ノラウマ

飼い主のいない野良ウマ。以前はサラリーマンとして一般企業に勤めており、周りからは「中山君」と呼ばれていた。優秀な社員だったが、競馬で稼ぐようになると一切働かなくなり、クビを言い渡される。競馬で食べていこうとするも、あまりに当ててしまうという理由で競馬会場からも立ち入り禁止を食らってしまう。 そのまま職につかず、のんびり自由に生活している。

鈴木 一郎 (すずき いちろう)

バカで天才な10才の子供。ひらがなの読み書きが出来なかったり、1+1の簡単な問題も解けないバカだが、サルトルの実存主義や政治経済について熱く語れる天才児でもある。母親と父親の事は「鈴木さん」「鈴木くん」と呼んでおり、自分の両親であるという事は理解できていない。ブラックホールのような瞳をしている。

豊臣 利息守

バカボン一家に突如やってきたお客さん。殿様の姿をしており、バカボン家で見慣れない庶民の暮らしぶりに大はしゃぎして帰っていった。実は百菱銀行(ひゃくびしぎんこう)の会長で、城で贅沢な暮らしをする男だった。銀行のお金は自分に献上されたものだと思い込みすべて使い切ってしまったため銀行は破綻した。

アホツカ・アホオ

「少年バカジン」で連載を持つ漫画家。書く漫画すべてが盗作で、編集部の間では次に誰の作品を真似するかと賭けまで行われている。編集者を装い他の漫画家に電話してはさりげなくアイディアを聞いたり、作家希望の若者にストーリーを作らせるなど最低な行為を行う。

竜之進 (りゅうのしん)

見た目はカメラ小僧に瓜二つな、知りたがりの子供。疑問に思った事をなんでもかんでも質問する病的な知りたがり。ひとつの事を考えだすと答えが見つかるまでしつこく考え続ける。あまりの質問の嵐に疲れきった両親は、ジグソーパズルを与えて黙らせようとする。パズルは一向に進まず、1つのピースをがどこの部分なのかをしつこく考え続け、わかったときには50年が経過していた。 その間に両親は亡くなり第3次世界大戦が起こっていたことにも気づかなかった。

バカ田.大学の校長

主人公バカボンのパパの恩師。大学の校長にも関わらず、生徒からバカ扱いされている。それは、なめられるなんてものではなく、文字通り生徒からベロで舐められる日々を送っていた。尊敬されたいと悩んだ結果、河童の友達がいると生徒たちに嘘をついてしまう。バカボンのパパに河童の役を演じてもらったところ、生徒たちはすぐに信じ一躍ヒーローになった。

大工のクマさん

バカボン一家の近所に住む大工のおじさん。頭にいつもハチマキを巻いている。数少ないまとまなキャラクター。理解不能なバカボンのパパの行動を冷静に眺め、その度に「ねじが1本抜けてやがる」と発言する。

盆田さん (ぼんたさん)

正月にバカボン一家を訪ねてくる人物。酒を飲むと自分をめちゃくちゃにしたい衝動が働き、壁に体当たりしたりバカボンのパパに殴ってもらったりと、あらゆる方法で自分を痛めつける。

日本バカたれ族の男 (にほんばかたれぞくのおとこ)

主人公のバカボンのパパとバカボンが、タイムマシンで訪れた100年前の世界で出会った人物。親子のバカげた言動に感動し、人々に「バカの神様」であると紹介した。

バカボンの先生 (ばかぼんのせんせい)

普段から「ウーイ」と言いながら千鳥足で歩き、まるで酔っぱらっていように見える。酒を飲み、実際に酔っ払うとしゃきっと背筋を伸ばし、教師らしい言動になる。

弘田 (ひろた)

主人公バカボンのパパが入院した際の担当看護婦。医者の前では完璧なナースを演じているが、患者の前だと鬼のように変貌し、暴言を吐き虐待を行う。お金を払う患者にだけはまともに接するので、バカボンのパパや他の患者たちがこぞって賄賂を贈るという事態に陥った。実は整形費用を稼ぐために病院で嫌々働いており、退院したバカボンのパパが町で再会した時には醜い顔の跡形はどこにもなく、キレイな女性に変貌を遂げていた。

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