女子妄想症候群

女子妄想症候群

幼馴染の中性的な美少年・炬烔至に対して異常なほどの妄想をしてしまう高身長の女子高校生・唯木滸が、炬烔至と恋人になり関係を深めていくラブ・コメディ。

正式名称
女子妄想症候群
ふりがな
ふぇろもまにあしんどろーむ
作者
ジャンル
ラブコメ
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概要・あらすじ

身長・体型ともに大柄でよく男性に間違えられる女子高校生・唯木滸は、隣に住む幼馴染の美少年・炬烔至と兄弟同然に育った。背が小さく泣き虫な烔至を守る「兄」のように接していただったが、幼い頃のあることをきっかけに、烔至に対して性的な妄想力を働かせ、鼻血を噴出させる奇妙な体質になっていく。

烔至に告白され付き合うことになるも、長らく幼馴染として過ごしていたせいか、は恋人らしく振る舞うことに一歩引いてしまい、周囲の反応ばかり気になってしまう。小学生の頃に越してしまったもう1人の幼馴染や、烔至の母の仕事仲間の出現により、烔至の家庭問題や2人の関係性の源流に関わる過去が明らかになっていく。

自らの本心すらわからないまま、烔至とどう向き合うべきか苦悶する。

登場人物・キャラクター

唯木 滸 (ゆぎ ほとり)

身長178センチの高身長な女子高校生。作中でさらに身長が伸び、高校2年生時の身体測定で179センチになった。金に近い色素の薄い髪をショートカットにしている。幼い頃は背にかかるほど髪を伸ばしていたが、あることをきっかけに髪を切り、それ以来ショートカットのまま。ニューヨークに単身赴任中の父がおり、現在は母と2人暮らし。 兄弟同然に育った幼馴染の炬烔至を庇護対象と見ながらも、異常に発達した想像力を駆使し、脳内でいかがわしい妄想を繰り広げては鼻血を噴出させる女子妄想症候群。脳内では烔至にあらぬ服装やプレイをさせている割に、実際にそのような雰囲気になるととたんに奥手になってしまい、恋人らしい行動をためらってしまう。 料理全般、特に製菓が得意。お人好しで人の意見に流されやすく、周囲からどう見られるかを常に気にしている節がある。根は真面目だが優等生というわけではないらしく、授業中はよく居眠りをしている。文系は得意だが理数系が苦手。

炬 烔至 (かがり けいし)

身長155センチ、端整な顔つきをした中性的な男子高校生。線が細く女性と間違えられるような容姿だったが、高校3年生時では男性的に成長している。黒髪を少し長めのショートカットにし、前髪はセンター分けにしている。父はニューヨークへ単身赴任、母は仕事で家に寄り付かず、ほとんど一人暮らし同然の生活を送っている。 食事などは隣家の唯木滸の家で一緒に食べている。計算高く、自身の容姿が美しいことを自覚しており、高い演技力を駆使して自分の都合のよいように相手を操る術に長けている。特に滸の前では猫を被り、より自身の容姿を引き立たせるようかわいらしく振る舞っている。見目に反して相当の暴君で、都合の悪い相手に対しては容赦ない暴力などで虐げる。 幼い頃から滸に思いを寄せているが、自分が弟のようにしか見られていないこともわかったうえで、滸をその気にさせようとしている。そのことも含めて、幼い頃より散々からかってくる保科大豈のことを毛嫌いしている。人気モデルであった母・炬烔來に連れられて、一時期モデルの仕事をしていたことがある。

柳峪 沙迦 (やなぎだに さなか)

目の上で切りそろえた前髪と、腰よりも長い髪が特徴の女子高校生。目が大きくすらりと伸びた美脚が自慢だが、胸がないことを気にしてる。唯木滸や炬烔至とは小学校5年生の頃からの付き合い。元々素養はあったとはいえ滸の女子妄想症候群発症のきっかけになり、その頃から烔至の本性を知る人物。 幼い頃より年上好きのませた子供で、小学校5年生の時は同校の6年生と付き合っていた。実家はブティックを経営しており、自身も将来は店を継ごうと思っている。わがままで子供っぽいが、明るく真っ直ぐに他人のことを想える性格。喜怒哀楽が激しく、思ったことを素直に口に出している。小学生のステファン・ツヴァイクと付き合い始めたことをきっかけに、自らの恋愛観について見直すようになる。

柰 ユナ (からなし ゆな)

グラマーな体型で大人びた性格の女子高校生。面倒見が良く、姉御肌。黒髪を細かい縦巻きのパーマにした髪型が特徴だが、中学生時代は校内サラヘアコンテストで優勝するほど美しいストレートヘアだった。唯木滸や炬烔至のクラスメイト。姉が化粧品会社に勤めていることもあり、化粧品や美容に興味がある。 読書を趣味とし、古事記などの渋い書物を好んで読んでいる。図書室によく足を運んでいたことから、図書委員である国灘木基と出会い、付き合うことになった。それまで恋愛は年下趣味で、「男を育てる」ことを楽しんでいた。喫茶店モーセでアルバイトをしている。

壱岐 (いき)

センターで分けた黒髪セミロングの男子高校生。炬烔至のクラスメイトで、よく八つ当たりの被害者になっている。お調子者で迂闊な発言が多いが、根は優しく友達思い。仁和、三登とよくつるんでいる。

仁和 (にわ)

色素の薄い短髪の、小柄な男子高校生。炬烔至のクラスメイトで、よく八つ当たりの被害者になっている。ぬいぐるみなどかわいいものが好きで、末っ子のためかマスコットのような存在。柳峪沙迦に思いを寄せる。壱岐、三登とよくつるんでいる。

三登 (みと)

色素の薄い短髪で、前髪はセンター分けにしている。唯木滸と並ぶ長身の男子高校生。炬烔至のクラスメイトで、よく八つ当たりの被害者になっている。よくつるんでいる壱岐、仁和の3人組の中では唯一の常識人といえる存在で、落ち着いた性格。滸に対し、ほのかな想いを抱いていた。

保科 大豈 (ほしな だいき)

黒髪の癖っ毛が特徴の背の高い男子高校生。高校2年生時に唯木滸らの高校に転入してきた転校生。唯木滸、炬烔至とは幼馴染だが、父の仕事の関係で引っ越しが多く、小学校4年生の時に転校し、それ以来の再会となる。母を病気で亡くし、現在父と双子である弟2人との男所帯で暮らす。 父が仕事で不在のことが多いため、弟2人の面倒を見る良き兄。子供好きで面倒見が良く、明るく人当たりもいい。幼い頃、滸に固執する烔至をからかっていたが、再会後も何かとちょっかいを出している。母の闘病生活をきっかけに、理学療法士を目指している。

国灘木 基 (くになだぎ もとい)

黒髪のショートカットに、眼鏡をかけた男子高校生。唯木滸の1つ上の先輩。図書委員をしており、委員会活動をきっかけに柰ユナと出会い、付き合うようになる。真面目でお人好し、面倒見が良い性格で、柔和な雰囲気の人物。しっかり者に見えて抜けたところがあり、よくドジを踏んでいる。成績は良く、卒業式では卒業生代表の答辞を務めた。 弁護士を目指しており、卒業後は法学部に進んでいる。

ステファン・ツヴァイク (すてふぁんつゔぁいく)

両親はドイツ人だが、日本生まれの日本育ち。美しい金髪に灰色がかった瞳の男の子。失恋して公園で荒れていた柳峪沙迦に遭遇し、その目まぐるしく変わる表情に惹かれて告白。5歳年下の恋人となる。沙迦から「つー」というあだ名をつけられた。年の割にしっかり者で、年上の沙迦に対してもしっかりと自身の意見を伝え、時には説教をすることもある。 作中で中学生になった。マリエという妹がいる。

秋山 峰行 (あきやま みねゆき)

色素の薄い髪を肩まで伸ばし、後ろで1つにくくっている男性。柰ユナがアルバイトをしている喫茶店モーセの店長兼パティシエ。暇さえあれば新作ケーキを作っている。妻の秋山ミホの妊娠後は妊婦向けのメニューを多量に考案したため、妊婦の客がよく訪れるようになった。店の片手間に胸パットの商品開発も行っている。 趣味に一直線で、周囲の目を気にしない単純な性格。好きなものに対する情熱がすさまじい。

炬 烔來 (かがり けいな)

長い黒髪のスレンダーな女性。炬烔至の母で、世界を股にかけるトップモデル。顔は烔至と瓜二つのため、親子と知らない人物に「女版烔至」と言われた。仕事に傾倒し、ほとんど家には帰っていない。夫である炬一至曰く、非常に不器用な性格をしている。「おばちゃん」と呼ばれるのを嫌がり、ことあるごとに唯木滸に「烔來ちゃん」と呼ぶよう強制している。

場所

Moses-Manna (もーせ-まな)

『女子妄想症候群』に登場する店。秋山峰行が店長を務める喫茶店。柰ユナのアルバイト先であり、唯木滸たちもよく立ち寄っている。

その他キーワード

女子妄想症 (ふぇろもまにあ)

『女子妄想症候群』の用語。作中冒頭の「女性の妄想度を測る心理テスト」にて登場、女性の性欲異常亢進症のことを指している。唯木滸はこのテストで女子妄想症患者に該当し、「好みの男性を前にすると思わずムラムラして我を忘れて手を出してしまう」「痴女にもなりかねないので要注意」「早めに出頭した方がいい」という診断を受けた。

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