赤き血のしるし

赤き血のしるし

人間関係になじめない林遼子と、両親に理解されず不良になった相原隆が恋に落ち、周囲からのいじめのような扱いを乗り越えようとする物語。

正式名称
赤き血のしるし
ふりがな
あかきちのしるし
作者
ジャンル
学園
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概要・あらすじ

林遼子は中学卒業後三田部品計器工場に就職して新潟から上京、定時制高校に通うようになったばかりの高校1年生。引っ込み思案で友人がなく、職場でも学校でも居場所がなかった。同じ机を使う昼間部の生徒宛てに手紙を書き、相原隆と知り合って付き合いだす。相原の不良行為を「友達だから悪いことには反対する」と咎めたことから、相原が遼子への気持ちを自覚。

謝りに訪れた相原に驚き、遼子が慌てて怪我をしたところ、流れる血に相原も自ら怪我をして血を流し、その血を合わせて「2人は裏切らない」誓いとした。相原は無医村で医者をしたいという夢を告げ、2人の仲はさらに深まる。だが、相原の不良仲間がケンカに相原を利用するため遼子を人質にとり、そこで相原が相手に怪我をさせてしまう。

遼子が3日間部屋に閉じこもった後、会社ではこれまで以上に冷たい視線を向けられるようになった。さらに、相原の母がやってきて別れ話を持ち出す。相原の母が帰った後、ひとつになった血を別々にはできないと、遼子は手首を切る。

その直後、相原が相手が非を認め、学校の先生にも理解を得たことで処分が軽く済まされてことを報告に訪れた。相原の輸血を受け、遼子と相原は、これまで以上にひとつになるのだった。

登場人物・キャラクター

林 遼子 (はやし りょうこ)

新潟出身。両親はすでになく、天涯孤独で叔母の家でやっかい者扱いされていた。中学卒業後、三田部品計器工場に就職して上京し、定時制高校に通うようになったばかりの少女。引っ込み思案で、挨拶程度しかしない。友人がなく職場でも黙々と仕事をするので上司の評判はよいが、同僚からは点数稼ぎと思われている。 つきあい始めた相原に「召使ではなく友達だから悪いことには反対する」と反論する純粋さがあるが、思い込みも激しく、相原と別れることはできない、ひとつになった血を別々にはできないと、手首を切ってしまう。

相原 隆 (あいはら たかし)

高校2年生の男の子。昼間部の2年B組の教室は定時制が1年A組として使用していて、その机の中に林遼子からの手紙が入っていた。女子の友人がないことから、友人としてつきあい始めた。不良行為を遼子から諫められ、反発して別れようとしたが、遼子のことが忘れられず謝罪。慌てた遼子が怪我をして血を流しているのを見て、自分も血を流して合わせ、「ふたりはひとつ」の誓いとした。 父は医大の教授、兄は医大生で、絶対服従を求める父に反発して中学で空手部に入ったが、勝手な部活動と反対されて家出をしたという。帰るとすでに不良扱いされ、高校で上級生に絡まれてケンカをしてから本当に不良になった。 ただ、医者になって無医村で働きたいという夢がある。遼子に自分が必要なように、自分には遼子が必要だと断言する。

大木 (おおき)

林遼子の定時制高校の担任教師。ごく普通の中年男性。昼間働いて疲れたまま学校に通う生徒の事情に理解があり、生徒からも評価は高い。遼子が相原とつきあっていることを知って、不良とのつきあいを再考するように注意する。その際「男友達が欲しいのもわかる」と遼子を傷つけた。 相原にも遼子のためにつきあいを考えるように注意したが、相原に遼子をひとりぼっちにさせるのかと反論され、相原の決意も聞かされる。傷害事件を起こした相原を擁護し、停学1週間の軽い処分に留まらせた。

野口 (のぐち)

林遼子の勤める三田部品計器工場の主任。まだ若い男性。おしゃべりで作業がはかどらない工員たちに、黙々と作業をする遼子を見習えと注意。遼子に恋人がいると聞いて、「自分が立候補しようと思ったのに」と冗談を言っていた。相原が事件を起こしたことから遼子について「意外とスレてる」などと噂する。

佐山 (さやま)

林遼子の勤める三田部品計器工場の経理担当の事務員。仕事中だけメガネをかける女性社員。女性社員たちのリーダー格で、遼子にも親しげに声をかける。野口が遼子に「恋人に立候補しようと思ったのに」と言った冗談が気に入らず、遼子に無理矢理、帳簿処理の残業を要求したり、学校の教科書を破いたりと嫌がらせを始める。

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