首斬り朝

首斬り朝

公儀御様役として、試刀と罪人の斬首を担う、三代目山田朝右衛門。さまざまな人間ドラマと事件に出会いながら、自らを律し、己の生き方を貫いていく。原作小池一雄。

正式名称
首斬り朝
ふりがな
くびきりのあさ
原作
作画
ジャンル
時代劇
関連商品
Amazon 楽天

概要・あらすじ

徳川幕府より公儀御様役に任ぜられ、試刀と死罪人の斬首を生業とする山田家。その三代目を継いだ山田朝右衛門は、庶民から首斬り朝と呼ばれ、怖れられていた。しかし、自らを律して、厳しい生き方を貫く朝右衛門の心の奥には、情味豊かな人間性がある。北町奉行所の定廻り同心坂根傘次郎を始め、そのことを理解し、朝右衛門を慕う人も少なくない。

権力の理不尽から、市井のささやかな騒動まで、さまざまな人間ドラマにかかわりながら、朝右衛門は己の人生を歩んでいく。

登場人物・キャラクター

山田 朝右衛門吉継 (やまだ あさえもんよしつぐ)

刀の切れ味を試す試刀と、罪人の斬首を担う、山田家の三代目。父親を斬り、山田流試刀術の印可を受けて、跡目を相続した。また、三代目になってから始めての首打ちで、自分の初めての女の命を絶った。それらの行いから、庶民に「首切り朝」と呼ばれ、怖れられる。しかし自分を律する心の奥には、情味豊かな人間性を持っていた。 自らの職掌を鑑み、妻子を持とうとしない。実在した山田浅右衛門吉継がモデル。

坂根 傘次郎 (さかね かさじろう)

北町奉行所の定廻り同心。亡き父親より、庶民の暮らしを守る傘になるようにと願い傘次郎と名付けられた。浪人の人質になった夜鷹が殺された事件にショックを受け、尊敬する山田朝右衛門にアドバイスを貰って、鉤縄術を会得した。斬首になる父親を救おうとした河童の新子に十手を盗まれるが、これが縁になり夫婦になる。 後に、夫婦で捕物に当たるようになった。

河童の新子 (かっぱのしんこ)

抜け荷買いの首魁出島の弥兵次の娘。斬首になる父親を救うための取引材料にしようと、坂根傘次郎を皮切りに、北町奉行や牢奉行など、六人の十手を盗む。しかし、この件が縁になり、傘次郎と夫婦になった。背中に大きな河童の刺青がある。後に十手を受け取り、傘次郎と共に捕物に当たるようになった。

山田 浅右衛門 (やまだ あさえもん)

公儀御様役を担う山田家の二代目であり、息子の朝右衛門を幼少時より厳しく指導する。陰腹を切った自分を、朝右衛門に斬らせることで、山田流試刀術の印可を授け、息絶えた。実在した山田浅右衛門吉時がモデル。

夜嵐お仙 (よあらしおせん)

七人の男を殺した毒婦。かつて蝦蟇釣りに来ていた山田朝右衛門を誘惑して、男女の仲になった。朝右衛門の初めての女。土壇場で醜態を晒すが、朝右衛門に斬首された。

雨女 (あめ)

葛西の肥汲みを束ねる百尻組の元締めで、江戸の市井に隠然たる勢力を持つお留めの娘。死罪の決まった兄を助けようと山田朝右衛門の前に立ち塞がるが、その気迫に打たれて惚れ込む。一連の騒動を収めるため、朝右衛門に嫁いだ。しかし妻子を持つつもりのない朝右衛門によって、すぐに離縁され、以後は心の妻となった。

石出 帯刀 (いしで たてわき)

江戸にある伝馬町牢屋敷を支配する牢奉行。役目柄、なにかと山田朝右衛門と顔を合わせる。実在した石出帯刀がモデルと思われる。また、この名は石出家のうち、牢奉行を務める者の世襲名である。

弥吉 (やきち)

坂根傘次郎の手下。人間の心理に精通した老爺。傘次郎と河童の新子が喧嘩をしたとき、新子の心を見抜き、丸く収めた。

村上 (むらかみ)

北町奉行所の筆頭与力。坂根傘次郎の成長を、温かく見守る。河童の新子に十手を盗られたことがある。

場所

伝馬町牢屋敷 (でんまちょうろうやしき)

江戸に設置された、罪人を収容するための牢を備えた屋敷。石出帯刀が当主を世襲した。屋敷の中には土壇場があり、山田朝右衛門の手になる罪人の打斬首は、ここで行われている。

山田朝右衛門の屋敷 (やまだあさえもんのやしき)

山田朝右衛門の暮らす屋敷。いろいろな騒動が持ち込まれる。朝右衛門が斬首した者の位牌を置き、冥福を祈る部屋がある。

その他キーワード

鬼庖丁 (おにぼうちょう)

山田朝右衛門の愛刀。父親の山田浅右衛門より託される。

山田流試刀術 (やまだりゅうしとうじゅつ)

『首斬り朝』に登場する必殺技。山田朝右衛門の家に伝わる剣術。刀の切れ味を確かめる、眉間たて割りや二つ胴といった、独自の技を持つ。

畳捕り (たたみどり)

『首斬り朝』に登場する必殺技。浪人の人質になった夜鷹を救えなかったことを悔やむ坂根傘次郎が、山田朝右衛門のアドバイスを受けて完成させた鉤縄術。鉤縄を、畳や机など、身近なものに引っかけ、自らの身体を飛ばす。

SHARE
EC
Amazon
logo