BOY

BOY

夢は世界征服、無敵を自称する日々野晴矢が、卑劣な不良や暴走族たちと戦う不良バトル漫画。エピソードの一つに、晴矢がロックバンドのボーカルになるものがあるなど、ロックの要素が色濃く盛り込まれている。

正式名称
BOY
ふりがな
ぼーい
作者
ジャンル
バトル
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あらすじ

プロローグ(第1巻)

夜間の工事現場で日雇いのアルバイトをしていた岡本清志朗は、不良達にカツアゲをされていた。その現場近くを偶然通りかかった日々野晴矢は、助けに入り、不良達をあっという間に倒してしまう。喧嘩は弱いが根性のある岡本を気に入った晴矢は、その日以来、岡本のアルバイト先に顔を出しては友情を育んでいた。そんな中、岡本を襲った不良達は晴矢に対して復讐をしようと画策していた。

世界征服の野望(第1巻)

日々野晴矢岡本清志朗は、私立楽園高校でも同じクラスという事もあり、行動を共にしていた。晴矢は入学初日から喧嘩沙汰を起こし、校内の不良達のあいだでは名の知れた存在になっていた。そんな中、晴矢は私立楽園高校の番長、揉山正象からタイマン勝負を持ち掛けられる。一方、岡本は正象が一対一で戦う気はなく、不良達を集めて集団で晴矢を襲おうとしている事を知ってしまう。その事を正象に抗議した岡本はボロボロになるまで殴られ、その姿を見た晴矢は激怒する。

ドリーマー清志郎(第1巻)

岡本清志朗は、トイレで不良からカツアゲされていた男子生徒の助けに入る。不良達は岡本のバックに日々野晴矢がいる事から手を出せず、男子生徒は無事に解放される。一方、不良達のあいだでは、岡本自身は喧嘩が弱いくせに、晴矢と友達だという事で調子に乗っていると不満が高まっていた。そしてついに岡本が、美術室で絵を描いている最中に奇襲攻撃を受ける。

みちるとの出会いとVSキラー(第1巻)

ある日、日々野晴矢岡本清志朗は路上で銀細工を販売していた山奈みちると出会う。みちるが二人に対して銀細工への思いを語っている中、窃盗グループ「キラー」の構成員によって銀細工の一部が盗まれてしまう。その中にはみちるの亡き兄の形見であるシルバーバックルもあった。晴矢と岡本は「キラー」の構成員が集う場所を突き止め、シルバーバックルを取り返しに向かう。

一条との出会いとVS神崎(第1巻~第2巻)

ある時、日々野晴矢は突然飛んできた瓶で顔面を強打する。その瓶は一条誠を威嚇するために投げられたもので、一条はとばっちりを食った晴矢に詫びを入れるが、そりの合わない二人は喧嘩に発展。その後、一条から自身がボーカルを務めるロックバンド「ファイヤー・ガンズ」のチケットをもらった晴矢と岡本清志朗は、さっそくライブハウスへと向かう。そこでステージ上の一条は、中学生相手に薬物を売りさばく神崎狂の手下グループを発見。すぐにその場で止めに入った一条の様子を見ていた晴矢と岡本は、一条と神崎とのあいだに因縁がある事を知る。一条は神崎と話をつけるため、一人で神崎ら不良グループが集うアジトへと向かうが、晴矢と岡本はそんな一条のあとをこっそりつけて行く。

ラブコメX(第2巻)

山奈みちるに一目惚れした揉山正象は、岡本清志朗に仲介役になってほしいと協力を依頼する。岡本は快くその申し出を受け入れ、みちるは岡本の同行を条件に正象とドライブデートをする事になる。実は当日、みちるは岡本を美術展デートに誘うつもりだった事もあり、素直になれなかった自分を後悔していた。そんなみちるの心中も知らず、正象は無茶な運転を繰り返す。さらに知り合いの不良に依頼し、不良に絡まれたみちるを助ける計画まで立てていた。岡本は、みちるを乗せているにもかかわわらず荒い運転をする正象に対して激怒し、無謀にも拳を振るってしまう。

転校生丸鬼戸と強敵・豪田との戦い(第3巻~第4巻)

私立楽園高校丸鬼戸零二が転校して来た。同じクラスになった日々野晴矢岡本清志朗は友好的に接するが、丸鬼戸はまったく二人を相手にせず、一目惚れをした山奈みちるを口説いていた。自分になびかないみちるを、強引な手段で自分の女にしようと画策した丸鬼戸は彼女を自宅に拉致。晴矢、岡本、一条誠はみちるを助けるために丸鬼戸の家へ乗り込むが、途中でさまざまなトラップが隠されていた。最後の部屋には地下ボクシング界で名を知られた凶悪ボクサーの豪田が待ち構えており、晴矢と豪田のすさまじい戦いが始まる。

Born to be マイルド(第4巻~第5巻)

一条誠率いるロックバンド「ファイヤー・ガンズ」は人気を誇っており、DALIの店長の伝もあり、今度のライブに大手レコード会社のスカウトマンが観覧しに来る事になっていた。その話を偶然耳にしたロックバンド「マッドサタン」のメンバーは当日、ステージを乗っ取る計画を立てる。

肩繰高校・氷堂と因縁の野球対決(第5巻~第6巻)

ある日、日々野晴矢私立楽園高校野球部が放ったボールが直撃する。怒った晴矢は野球部部長の本城勇一に抗議するが、喧嘩にバットを使うような奴に謝る筋合いはないと、一触即発の状況に陥る。その後、私立楽園高校野球部の部員が次々と晴矢、一条誠と名乗る二人組に襲われる事件が発生。本城は逆恨みをした晴矢の犯行だと抗議するが、のちに実は過去に因縁のある肩繰高校野球部部長の氷堂が画策した事件だと判明する。その後、肩繰高校野球部は喧嘩ではなく、野球で勝負をつけようと提案してくる。私立楽園高校野球部には晴矢、岡本清志朗、一条、揉山正象が加わり、肩繰高校野球部との野球試合が始まるが、肩繰高校側のラフプレイに私立楽園高校野球部の部員達は次々と倒れていく。そんな中、晴矢は氷堂に対し、挑発的な態度を繰り返す。

岡本と北原、運命の出会い(第7巻)

画家になるためにフランス留学を夢見ている岡本清志朗は、元画家の北原俊太郎と出会う。日々野晴矢一条誠も交えて四人でおでん屋台で話し込んでいると、北原は自身が画家だった頃の話を語り始める。そして帰り際に絵画「未完の情景」を岡本に託す。その日別れた直後、北原は戯堂高校の不良らに襲われ、「未完の情景」を渡すよう迫られて暴力を受ける。

カクテルパーティー(第7巻)

揉山正象は、未だに山奈みちるを自分の彼女にしたいと画策していた。そこで正象は私立楽園高校の近くにある、二人で飲むと両想いになれると噂されている喫茶店で「初恋フィズ」を飲むために、岡本清志朗の名でみちるを呼び出す。

ミリオンVS晴矢・一条(第7巻~第10巻)

すっかりバイクが気に入った日々野晴矢は、一条誠を足代わりに使っていた。そんな時、一条が中学時代に所属していた暴走族「ニトロブラッズ」のメンバーに絡まれる。一条は懐かしさのあまりヘッドの風間憂作の名前を出したところ、突然「ニトロブラッズ」の構成員に暴力を振るわれそうになる。偶然通りかかった君島祥子の助けもあり、難を逃れた晴矢と一条は、祥子から武闘派チーム「ミリオン」により「ニトロブラッズ」は壊滅状態になったと聞かされる。さらに「ミリオン」によって風間は脚にケガを負わされ、現在入院中だと知り、一条は怒りを覚える。晴矢と一条は「ミリオン」を潰すために行動を開始し、さまざまな格闘スタイルを持った構成員を相手に死闘を繰り広げていく。

ドラゴンジャケットを巡る争い(第10巻~第11巻)

ある日、山奈みちる黒咲仁に追われる赤川順平を目撃。その際に順平が着ていたドラゴンの刺繡が入ったジャケットを気に入ったみちるは、岡本清志朗にプレゼントしようと同じものを探す。すると偶然入った古着屋で同じものを見つけて即購入。しかし、それは順平が一時的に隠したものだった。みちるはジャケットを狙う黒咲ら不良グループから奇襲を受けて、入院してしまう。憤りを覚える日々野晴矢、岡本、一条誠の前に順平が現われ、ジャケットの中には実兄が1000万円を隠した場所のヒントが隠されており、それを黒咲らに狙われている事を伝える。その秘密を守ってくれれば分け前を渡すと提案され、三人は黒咲を倒すために紫恩高校へ向かう。

神崎狂・再び(第11巻~第12巻)

かつて日々野晴矢に敗れた神崎狂は、警察に捕まる事もなく行方不明になっていた。ある時、一条誠は街で神崎らしき人物を目撃する。同時期に街で神崎に暴力を振るわれたと証言する不良も現われ、一条は「神崎は晴矢を探して街を徘徊している」という情報を得る。薬物でさらに凶暴化が増した神崎が相手では、さすがの晴矢も勝てないと踏んだ一条は、喧嘩が始まる前に二人を止めようとする。しかしその制止も聞かず、二人の戦いは開始される。新たな薬物を手に入れた神崎は、己の限界を超えるまで飲み続け、人間離れした圧倒的なパワーで晴矢に襲いかかる。

マジョガクVS晴矢・一条(第13巻~第14巻)

山奈みちるは原付免許を取得し、日々野晴矢岡本清志朗一条誠に兄の形見の「ベスパ」を自慢していた。しかし、少し目を離したスキに「ベスパ」が盗まれ、犯人はみちるの中学時代の後輩、愛原だと判明する。みちるはなぜ窃盗をしたのか聞き出すと、愛原摩天学院高校の不良グループに所属する伊部麗子らに裸の写真を撮影され、脅されての犯行だと語り出す。晴矢、一条は愛原の写真を取り戻すために、摩天学院高校がアジトにしているクラブに向う。そこでトリカブトの毒を仕込んだダーツや指輪をあやつる麗子や、さらに現番長の天草鬼朗も現われ、二人と壮絶な死闘が繰り広げられる。

R&R スピリット(第14巻)

岡本清志朗のアルバイト先の工事現場に、中学生の雨宮拓矢が入って来る。ギターを買うためにアルバイトに励む雨宮は、ついに目標額を達成し、目当てのギターを手に入れた。そんな中、不良達に追われる森下由紀と遭遇した雨宮は、買ったばかりのギターを武器に喧嘩を始める。

新生ファイヤー・ガンズの初ライブ(第14巻~第16巻)

一条誠は、雨宮拓矢から知り合いの青木が経営するライブハウス「エデン」で、ロックバンド「ファイヤー・ガンズ」のライブをしてほしいと依頼される。現在の「エデン」は「葦怒高校」の鮫島らを出入り禁止にした事を逆恨みされ、休業状態にあるという。一条は、神崎狂絡みの事件で「ファイヤー・ガンズ」は解散したも同然だと考えており、一旦は断るものの、雨宮からの強い願いでプレイする事を決める。一条、雨宮、そして雨宮からの紹介を受けてやって来た椎名幹日々野晴矢を加え、「新生ファイヤー・ガンズ」のライブ開催が決定。岡本清志朗はポスターを描き、山奈みちるは街に貼るなどライブを成功させようと奮闘する。しかし、「葦怒高校」の鮫島らはその動きを察知し、ライブを潰そうと目論む。そしてライブ当日、鮫島らは会場に乗り込むが、そこには戦闘態勢の晴矢だけでなく、「ファイヤー・ガンズ」のファンやこれまで晴矢と一条がかかわってきた仲間達が集まっていた。

「未完の情景」を守れ(第16巻~第18巻)

ロックバンド「ファイヤー・ガンズ」のライブ打ち上げに参加していた北原俊太郎は突然倒れ、付き添った岡本清志朗山奈みちるは、搬送先の病院で心臓の病だと告げられる。治すためには手術が必要で、そのために岡本は自身が貯めてきた留学資金を使う事を提案。岡本の夢を自分のために潰したくないと考える北原は、絵画「未完の情景」を売りに出す事を決意。影野道行は取引に応じるが、影野は北原に金を渡すつもりはなく、不良達を集めて北原といっしょにいる日々野晴矢一条誠に奇襲攻撃を仕掛ける。一方、「未完の情景」を隠し持っている岡本は影野に追い込まれてしまう。

静花を魔の手から救え(第18巻~第19巻)

日々野晴矢一条誠は、揉山正象から「夢殿学院高校」で行われる学園祭に潜入し、妹の揉山静花を護衛してほしいと依頼される。今年から一般公開になった夢殿学院高校の学園祭のチケットはプレミア価格がつくほどの人気ぶりで、妹の静花に悪い虫がつくのではないかと心配した正象からの依頼を、二人は快く受け入れる。学園祭当日、自身の歪んだ欲望を解消するための生贄となる女性を探しに来ていた魅上明は、静花をターゲットに定めて接近する。

太郎のバトルゲーム(第19巻~第21巻)

街を歩いていた日々野晴矢太郎とぶつかり、道端で揉めていた。挑発しつつ逃げる太郎を晴矢、岡本清志朗一条誠山奈みちるが追っていくと、そこには伊部麗子がいた。麗子から「太郎のバトルゲーム」に参加していると聞いた一条は、すぐに止めるように伝え、麗子はそれに従う。それを面白くないとふてくされる太郎のもとを、戯堂高校荊木が「自分の学校の生徒を嵌(は)めたのではないか」と詰問する。絶体絶命の太郎は、一か八か、荊木を「太郎のバトルゲーム」にと誘う。荊木は面白そうだと話に乗り、知り合いのナオミシンジも参加する。一方、太郎が荊木に連れて行かれるのを目撃した「太郎のバトルゲーム」の観戦客の小学生は晴矢らに助けを求める。結局は新たに荊木らと組んで「太郎のバトルゲーム」を再開したと聞いた晴矢らは、このまま問題が起これば、太郎の身に危害が加わるのではないかと危機感を抱く。そこで晴矢、一条、麗子は自ら「太郎のバトルゲーム」に参加し、荊木ナオミシンジを倒すべく立ち向かう。

春香とヘルタースケルターズ(第21巻~第24巻)

私立楽園高校の養護教諭として山ノ上春香が赴任して来た。揉山正象からの告げ口もあり、春香は日々野晴矢を素行の悪い人物だと判断し、更生させようとする。調子の狂う晴矢であったが、ある時、春香が転んだ際に不良グループ「ヘルタースケルターズ」にバッグを奪われてしまう。すぐに晴矢が取り返したものの、晴矢は「ヘルタースケルターズ」の構成員の恨みを買ってしまう。構成員達から報告を受けたヘッドのシュウは以前から晴矢の噂を聞き、気に入らないと感じていた。シュウは晴矢をおびき寄せるため、春香と偶然いっしょにいたみちるを拉致。さらに岡本清志朗は一方的に激しい暴力を受け、病院送りにされてしまう。シュウは春香とみちるをアダルトビデオに出演させると言って晴矢を挑発し、晴矢と一条誠は二人の救出へと向かう。

雨宮の恋(第24巻~第26巻)

雨宮拓矢は、森下由紀から椎名幹との仲介役になってほしいと頼まれる。密かに由紀に好意を抱いていた雨宮だったが、由紀の幸せのためであれば仕方がないと協力するものの、デートの日はつい尾行をしてしまう。すると椎名と由紀は街でジョーに絡まれ、由紀のお金とファーストキスを奪われてしまう。キスを奪ったジョーに対し雨宮は怒りを覚え、一人でジョー達がたむろしているバー「STYX」に乗り込む。その場面を偶然目撃した岡本清志朗は、日々野晴矢一条誠伊部麗子にその顛末を報告し、「STYX」へと急ぐ。潜入早々、麗子は外国人ストリッパーの女性と喧嘩になる。そんな中、雨宮はジョーと対峙。ジョーは雨宮の助けに入った晴矢に銃を向ける。

静花からのお礼(第26巻)

揉山正象の妹、揉山静花は以前、自身が通う夢殿学院高校の学園祭でトラブルに巻き込まれた際、助けてくれた日々野晴矢にお礼を言うため、私立楽園高校に行きたいと言い出す。晴矢とのあいだに万が一にも恋愛感情が芽生えたら困ると、正象は二人が顔を合わせないように妨害を始める。

鬼頭と暗黒メニュー(第26巻~第30巻)

ある朝、日々野晴矢の実家、「山の上教会」に赤ちゃんが捨てられており、日々野晴霽が世話をしていた。赤ちゃんは急に発熱し、晴矢は病院に連れて行くつもりが、ついいつものように登校してしまう。山ノ上春香の協力を受け、一度「山の上教会」に戻ったところ、母親と名乗る姫ノ木彩が現われ、子供の名前は姫ノ木ユウキだと語る。ユウキの父親は「鬼門高校」の理事長を務める鬼頭烈で、「暗黒メニュー」を食すためにユウキの命を狙っていると訴える。そんな中、鬼頭の放った部下によってユウキは連れ去られてしまう。晴矢、岡本清志朗一条誠、彩、春香は揉山正象を運転手にして、ユウキがいると思われる鬼門高校へと向かう。そこには鬼頭から侵入者排除を命じられた不良達や、不気味な雰囲気の料理人、リョウキが待ち構えていた。

岡本のフランス留学と最後の修学旅行(第30巻~第33巻)

そろそろ進級の季節となり、岡本清志朗はフランスに留学するため、私立楽園高校を退学するとみんなに告白する。日々野晴矢一条誠山奈みちるは寂しさを覚えつつも笑顔で送り出す事を決意。そこで、みちるは最後の思い出づくりに四人で京都旅行に行こうと提案する。四人で京都の楽しい時間を過ごしていたところ、みちるのデジタルカメラを不良グループ「三つ目」に奪われてしまう。晴矢と一条が取り戻そうと喧嘩を挑んだところ、警察に見つかってしまい、勝負は流れる。その事件で、晴矢達に興味を抱いた「三つ目」は深夜の旅館に侵入し、みちるを拉致。三人はみちるを助けるべく、激しい戦いに身を投じる事となる。

それぞれのこれから(第33巻)

岡本清志朗はフランス留学へと旅立ち、日々野晴矢一条誠山奈みちる私立楽園高校の2年生へと進級した。揉山正象は留年でもう一度3年生になり、摩天学院高校を卒業した伊部麗子は渋谷のSMクラブで働き始めるなど、それぞれが変化の時を迎える。そんな中、雨宮拓矢椎名幹は「私立楽園高校」に入学。二人は一条にロックバンド「ファイヤー・ガンズ」の正式メンバーにしてほしいと直訴する。そして一条は雨宮と椎名だけでなく、晴矢を正式なボーカルとしてバンドに加入させ、初ライブの計画を立てる。

登場人物・キャラクター

日々野 晴矢 (ひびの はれるや)

実家は教会。野望は世界征服で、無敵を公言する傲岸不遜な高校生。実際にケンカの強さはかなりのもので、地下プロレスラーにも勝利してみせた。背中からはバットやフライパンなどを取り出すことができ、それらをケンカの道具として使う。マイクを使わなくても周囲に声が響き渡るほどの声量を持っており、一条誠からファイヤー・ガンズのボーカルに指名された。 普段は努力する姿など見せないが、この時ばかりは1人でカラオケ店で密かに練習を重ねる姿を見せている。入学式の日に先輩を病院送りにして、いきなり3か月の停学をくらったため、岡本清志朗には当初、同じクラスながら存在を知られていなかった。

岡本 清志朗 (おかもと きよしろう)

不良に絡まれていたところを日々野晴矢に助けられ、以降行動をともにする。夢はフランスで絵の勉強をし、画家になること。留学の資金を貯めるべく、放課後には工事現場のアルバイトで汗を流している。山奈みちるとは相思相愛。ケンカは決して強くないが正義感のかたまりで、みちるを連れ去った御曹司と単身で対決したり、ボブじいさんの描いた未完の情景を守るため、1人で画商と戦う場面などもあった。

一条 誠 (いちじょう まこと)

中学時代は神崎狂と組んで、不良の中でも恐れられる存在として知られていた。しかしその後はツッパルところをステージの上だけと決め、ロックに打ち込んでいる。日々野晴矢とはささいなことでよくケンカするが、その強さは認めておりパートナーとして共闘することも多い。特技はピック投げで、スチール製の下駄箱に刺さるほどの威力がある。 中学時代に結成しボーカルとギターを担当したロックバンド・ファイヤー・ガンズは一度解散したが、晴矢・雨宮拓矢・椎名幹を迎えて再結成。新生ファイヤー・ガンズではギタリストとして活動する。

揉山 正象 (もみやま しょうぞう)

楽高の番長だったが、日々野晴矢に敗れてその座を追われた。山奈みちるに一目ぼれするなど、女性に惚れこみやすいタイプ。タイマンで戦うと言っておきながら晴矢を手下たちが待つ場所へ送り込むなど初期は卑劣な行動が目立った。しかし根は悪人ではなく、まったく顔が似ていない妹を溺愛し、悪い虫がつかないよう晴矢や一条に妹のボディーガードをするよう依頼するなど家族思いな一面もある。 自動車免許を持っており、愛車はシボレー・インパラ。中学時代は野球部で捕手を務めていた。

山奈 みちる (やまなみちる)

路上で自作の銀細工を販売している際に、日々野晴矢や岡本清志朗と知り合った。夢を追いかける清志朗に惹かれ、やがて相思相愛になる。夢はジュエリーデザイナー。銀細工を教えてくれた兄はインディアンの部族と一緒に生活してインディアンジュエリーの技術を学んだが、交通事故で死亡した。兄の形見だったバックルを不良に奪われたり、原付免許を取って乗り始めたばかりのベスパを盗難されたりと、なにかとトラブルに巻き込まれやすい。

北原 俊太郎 (きたはら しゅんたろう)

似顔絵描きを生業とするレゲエ風のホームレスの老人だが、かつてはフランスで過ごしていた高名な画家だった。妻のために描いた作品・未完の情景を亡くなった妻の墓に埋めたが、墓が暴かれ作品が盗まれた際、取り戻そうとして他人に重傷を負わせてしまう。未完の情景を手に日本へ戻ったのちも、絵の価値を知る画商からつけ狙われている。 作品の真価を見抜いた岡本清志朗と出会ったことで、清志朗とは絵を教える師弟関係に。人の危機を知らせる猫を飼っている。

雨宮 拓矢 (あまみや たくや)

ファイヤー・ガンズのライブを見たことで音楽に目覚め、椎名幹たちとバンドを結成。街中で一条と知り合い、新生ファイヤー・ガンズのメンバーに志願する。自称ロッケンローラーで、自己紹介時は天井に頭をぶつけるほどのハイジャンプを見せる。お調子者だが熱いロック魂の持ち主。ギターを買うため清志朗と同じバイト先で働いていたが、購入したギターは不良に絡まれていた女の子を救うため、その日のうちに壊してしまった。 ファイヤー・ガンズ加入後は一条にベースの適性を見抜かれ、ベーシストに転向する。

森下 由紀 (もりした ゆき)

雨宮拓矢、椎名幹と同じ中学校に通う2年生の女子。ツインテールの髪型で、かわいらしい雰囲気の持ち主。以前不良に絡まれていたところを雨宮に助けられ、知り合いになった。その後、雨宮といっしょに歩いているところを目撃した椎名に一目惚れ。雨宮に仲介を依頼し、椎名とデートをしていたところを不良グループに絡まれ、ファーストキスを奪われてしまった。

椎名 幹 (しいな まさし)

新生ファイヤー・ガンズのオーディション時に雨宮が連れてきたドラマー。もともと雨宮とはバンドを組んでいた。ジョン・ボーナムを神と崇めており、素手でドラムを叩くテクニックを持っている。髪で表情が見えず、無口なため何を考えているか分かりづらいが、自分に惚れた女の子よりも雨宮拓矢のピンチに駆けつけることを選ぶなど、内面は仲間思いで熱い。

神崎 狂 (かんざき きょう)

中学時代は一条誠と並び、誰もが恐れる不良として知られていた。戯堂高校を取り仕切っており、ドラッグを売りさばいている。ドラッグで痛覚を感じない状態となって日々野晴矢とバトルを行うが敗北。その後は晴矢に勝てるドラッグの組み合わせを自らの体で試し、再戦に挑む。しかし実際の晴矢との再戦では、一度は飲もうとしたドラッグを吐き出し、自分の力のみでバトルに臨んだ。 2度目の敗北後は、自ら警察へ出頭する。

伊部 麗子 (いぶ れいこ)

トリカブトの毒を仕込んだダーツや指輪を武器とするが、格闘能力自体も非常に高く、元女子プロレスラーとも対等に渡り合うスケバン。巨乳であり、胸の谷間から携帯電話やチケットなどを出すこともある。当初は日々野晴矢や一条誠たちと敵対していたが、一条に惚れこみ熱烈なアタックをかけるように。

丸鬼戸 零二 (まるきど れいじ)

私立楽園高校に転校して来た男子高校生。日々野晴矢、岡本清志朗と同じクラスになる。実家は「丸鬼戸グループ」を経営する資産家で、丸鬼戸零二は後継ぎとして育てられてきた。過剰に甘やかされてきたため、非常にわがままな性格に育つ。何でも自分の思い通りに事が運ぶと思っており、そのためには手段を選ばない。大の女好きで、新しいターゲットを見つけるために転校を繰り返している。 「私立楽園高校」では山奈みちるに一目惚れしたが拒否され、自宅に拉致した。父親の権力を笠に着るタイプで、丸鬼戸零二本人は喧嘩が強いわけではない。

豪田 (ごうだ)

丸鬼戸零二の護衛をしている屈強な肉体を持つ大柄な男性。昔はプロボクサーとして将来を有望視されていたが、試合中に挑戦者を殺してしまった事から、「戦いは命を賭けてこそ成り立つもの」という考え方に変わった。それからは、違法で行われているルール無用の地下ボクシング界で有名な存在になっていく。見た目は厳つく高圧的ではあるものの、拉致された山奈みちるを気づかったり、日々野晴矢、岡本清志朗、一条誠に対して容赦ない攻撃を仕掛ける丸鬼戸に対して制止したりするなど、常識的な一面もある。 晴矢に敗れるが、その際にはまた対戦したいと吹っ切れた表情を見せた。

DALIの店長 (だりのてんちょう)

ライブハウス「DALI(だり)」を経営する初老の男性。一条誠率いるロックバンド「ファイヤー・ガンズ」の才能を高く評価しており、知り合いの大手レコード会社のスカウトマンをライブに呼ぶなど、音楽業界で大成する事を願っている。

本城 勇一 (ほんじょう ゆういち)

私立楽園高校3年生の男子で、野球部の部長を務めている。強打者として地域では有名な存在。昨年、甲子園出場への出場権を掴みかけたところで他校との喧嘩沙汰で野球部は謹慎となり、夢が叶わなかった。まじめでまっすぐな性格の持ち主で、不良の類いは大嫌い。そのため、出会った当初は日々野晴矢、一条誠に対してはいい印象を抱いていなかったものの、共に肩繰高校を相手にプレイしていくうちに友情が芽生えた。

氷堂 (ひどう)

肩繰高校野球部部長を務める高校3年生の男子。金髪に日焼けした褐色の肌をしている。ポジションはピッチャー。素行は悪く、非常に好戦的な性格の持ち主。わざとデッドボールを投げ、相手にケガをさせる事を目的とした「ファックボール」を必殺技としている。今は暴力的な野球しかしていないが、もともとは野球のセンスがあり、本城勇一からも実力を認められている。

宮村 (みやむら)

肩繰高校野球部に所属する高校3年生の男子。小柄な体格をしており、足が速い。スパイクを研いで塁にわざと滑り込み、相手にケガを負わせる「デス・スライディング」を得意としている。

風間 憂作 (かざま ゆうさく)

一条誠と同じ中学出身の青年で、暴走族「ニトロブラッズ」の元ヘッドを務めていた。中学時代の一条とはよくつるんでいた。君島祥子が彼女で、祥子が武闘派チーム「ミリオン」の構成員に絡まれた際に蛇沼と対決した。蛇沼の目元に傷を負わせた事で恨みを買い、命を狙われるようになってしまう。

ナンバーゼロ

武闘派チーム「ミリオン」のNo.0で、実質トップを務める男性で蛇沼の兄。屈強な身体と高い身体能力を誇り、カリスマ的な存在でもある。普段は表には出ないため、末端の構成員は蛇沼が「ミリオン」のトップだと勘違いしている者も多い。日々野晴矢との戦いの中でアキレス腱を切られ敗れる。しかし圧倒的な晴矢の力を前に、晴れやかな顔で警察に連行された。

蛇沼 (へびぬま)

武闘派チーム「ミリオン」のNo.1の男性。喧嘩が強い訳ではなく、ナンバーゼロの実弟という理由だけでその地位に就いている。そのため、「ミリオン」内でも蛇沼を認めていない者は多い。嘘をついたり、人を陥れたりする行為を何とも思っていない卑怯な性格の持ち主。「ミリオン」構成員の前で風間憂作に殴られ目元に傷を負わされた過去があり、その仕返しをしようと風間を探している。

ナンバー2 (なんばーつー)

武闘派チーム「ミリオン」のNo.2で、頭脳派の男性。相手の動きを予測する事に長けているため、これまで一度も負けた経験がなかった。しかし、日々野晴矢の予測不能な戦闘スタイルに圧倒され、自分を見失い敗れる。

ナンバーⅢ (なんばーすりー)

武闘派チーム「ミリオン」のNo.3で、生粋のストリートファイターの男性。拳で殴りかかるシンプルな喧嘩スタイルだが、圧倒的なパワーを誇る。一条誠を相手に優位な戦いを見せたが、ニットキャップに付けていた銀細工のバックルを蹴られ敗れた。

ナンバー4 (なんばーふぉー)

武闘派チーム「ミリオン」のNo.4の男性メンバで、鞭使いのエキスパートの男性。ナンバー5のオーナーでもある。小柄で細身の体格で、素早く動き回る。戦いの最中は挑発的な態度を取り、相手を威嚇するのが得意。非常にひねくれた性格の持ち主で、「ミリオン」の構成員からも嫌われている。

ナンバー5 (なんばーふぁいぶ)

武闘派チーム「ミリオン」のNo.5で、元サーカス団に所属していた熊。凶暴な気性のため、処分されそうになっていたところをナンバー4に救われた。以来、ナンバー4の命令を忠実に従っている。必殺技は車など物を横転させる大技「パトカー・キラー」。

ナンバー10 (なんばーてん)

武闘派チーム「ミリオン」のNo.10で、火炎瓶など火を用いた道具をあやつる男性。風間憂作の病室にも現われたが、日々野晴矢に倒される。晴矢と一条誠が「ミリオン」のアジトに入り込むきっかけを作ってしまった。

君島 祥子 (きみしま しょうこ)

一条誠と同じ中学出身の女性で、風間憂作の彼女。スカートが長く、見た目はいわゆる不良ではあるものの、特に素行が悪い訳ではない。気合いの入ったロングのヘアスタイルで、大人びた容姿をした美女。日々野晴矢は初対面時に「キャバいネーチャン」と評した。一本筋の通った性格の持ち主で、晴矢やヤクザを相手にしても怯まない。 一条から好意を寄せられていた事は最後まで気づかなかった。

黒咲 仁 (くろさき じん)

「紫恩高校」に通う高校1年生の男子で番長を務めている。赤川順平が持っているドラゴンの刺繍が入ったジャケットに1000万円の在り処を示すヒントがあると知り、順平を拉致しようと目論む。腕にギプスを嵌めているがケガをしているわけではなく、相手を油断させるための手段として使っている。ギプスにはBB弾を発射する装置が隠されている。

赤川 順平 (あかがわ じゅんぺい)

「紫恩高校」に通う高校1年生の男子。実兄がギャンブラーで父親の金を持ち出し、失踪してしまう。のちに手紙と共にドラゴンの刺繍が入ったジャケットを受け取るが、その中にはギャンブルで勝った1000万円の在り処のヒントが記載されていた。その事実を知った黒咲仁ら不良グループに目をつけられ、追われていた。私立楽園高校の日々野晴矢と一条誠の噂を聞き、自分を黒咲らから守ってくれたら分け前を与えると取引を持ち掛ける。

愛原 (あいはら)

山奈みちるの出身中学に通っている女子中学生。みちるとは顔見知りで親しい間柄だったが、卒業後は連絡を取り合っていなかった。そのあいだに母親が入院し、父親は仕事で忙しく金銭だけを渡される不安な日々を過ごしていた。その心の隙間に摩天学院高校の伊部麗子ら不良グループに付け込まれてしまう。裸の写真を世間にばら撒くと脅され窃盗を繰り返していたものの、みちる、日々野晴矢、岡本清志朗、一条誠によって助けられる。

天草 鬼朗 (あまくさ きろう)

摩天学院高校に通う高校1年生の男子。今年度から男子新入生を受け入れるようになり、入学して来た男子のうちの一人。ほとんどの男子生徒は番長・伊部麗子らの凶悪な不良グループからの嫌がらせで退学し、唯一残ったのが天草鬼朗だった。以降、番長として「摩天学院高校」を統率していた。好戦的な性格の持ち主で、実際に喧嘩も強い。 しかし、日々野晴矢に完全敗北して麗子からも見放され、失脚している。

青木 (あおき)

ライブハウス「エデン」を経営する青年。ロック好きで雨宮拓矢にアンプを貸すなどしてなかよくなった。「エデン」は父親が経営しており、死去したあとを継いでいる。しかし、「葦怒高校」の鮫島らを出入り禁止にしたところ逆恨みされ、「エデン」の出演者も客も危害を与えられるようになり、休業に追い込まれた。雨宮を介して日々野晴矢、岡本清志朗、一条誠と出会い、ロックバンド「ファイヤー・ガンズ」の再結成ライブを開催し、再スタートを切る。

鮫島 (さめじま)

「葦怒高校」に通うリーダー格の男子高校生。冷静な思考で物事を見極めるタイプだが、自分の主張を守るためには暴力も厭わない。バンドとして活動しているが演奏がしたいという訳ではなく、仲間と騒ぎたいだけであり、ライブハウス「エデン」の青木から出入り禁止にされてしまう。その事を逆恨みし、「エデン」で乱闘騒ぎを起こし休業に追い込んだ。 喧嘩の際には複数の鍵をメリケンサック状にして戦う。

影野 道行 (かげの みちゆき)

画商を営む男性で戯堂高校に通う息子がいる。表向きは紳士的で愛想のいい人物ではあるが、北原俊太郎の絵画「未完の情景」を狙っている。できるだけ安く手に入れるために不良達を利用するなど、裏の顔を持つ。一度は日々野晴矢、岡本清志朗、一条誠らによって「未完の情景」は破壊され、この世にないと思い込んでいた。 しかし、岡本が「未完の情景」を持っている事を知り、再び「未完の情景」を手に入れようと狙っている。あくどい事ばかりをしているが、絵画の価値を見極める目は確かで、岡本の才能も認めている。

揉山 静花 (もみやま しずか)

夢殿学院高校に通う女子高生。清楚な黒髪美人で学校内でも目立った存在として知られる。実兄の揉山正象に、溺愛されている。表向きはそんな揉山の事を避けているが、実際は自分を思ってくれる兄が大好きなブラコン。好きな男性のタイプは「オジサン」。

魅上 明 (みかみ あきら)

名門・上流大学の医学部に通う男子大学生。裕福な家庭に育ち、見た目も整っている事から、何もしなくても女性から言い寄られるほどモテる。小さい頃から医者になる事を求められている事から、抑圧された感情が猟奇的な願望となって現われ、品行方正な揉山静花の身体を生贄として解体したい欲望に駆られてしまう。日々野晴矢の拳によって目が覚め、医師ではなく猟奇殺人をテーマにした小説家として大成する。

太郎 (たろう)

ゲーム好きの男子小学生。ゲームセンターで男相手に格闘していた伊部麗子に興味を持ち、「太郎のバトルゲーム」を思いつく。太郎のバトルゲームから麗子が抜けてからは戯堂高校の荊木らと組む。尚、荊木の仲間のナオミに対しては密かに恋心を抱いていた。大人びた言動が多いものの、日々野晴矢と一条誠のやり取りを見て大笑いするなど、子供らしい一面も持っている。

荊木 (ばらき)

戯堂高校に通う男子高校生で、長身に金髪のアフロヘアが特徴。仲間が太郎に誘われた先で、伊部麗子との喧嘩に敗れる事件が多発し、太郎を追っていた。太郎から「太郎のバトルゲーム」のプレイヤーにならないかと話を持ち掛けられ、ナオミを勧誘した。プロレス系の技を繰り出し喧嘩は非常に強いが、子供達からの人気は低い。

ナオミ

ギャル風の女子高生。見た目はかわいらしいが、性格と言葉づかいは非常に悪い。ブランド物とお金が好きで、援助交際する事にも抵抗がない。自分の身は自分で守る主義なため、非常に喧嘩が強い。荊木から勧誘を受け、「太郎のバトルゲーム」に参加。喧嘩は何でもありのアルティメット系のスタイルで反撃を喰らうシーンも多いが、「太郎のバトルゲーム」内では圧倒的な人気を誇る。

シンジ

ナオミから誘われて「太郎のバトルゲーム」に参加した青年。渋谷を中心に活動している。軟派な性格をしており、ナオミに身体の関係を迫るなど素行は悪い。普段は温厚だが、サングラスをかけると凶暴になる。喧嘩は空手系の打撃を得意としており、ナオミの次に人気を博していた。

シュウ

不良グループ「ヘルタースケルターズ」のヘッドを務める青年。スキンヘッドにタトゥーを入れている。「ヘルタースケルターズ」に窃盗などの指示を出しているだけでなく、自身は誘拐した女性を無理矢理アダルトビデオに出演させるなど、さらに非道の限りを尽くしている。日々野晴矢の噂は耳にしており、山ノ上春香と山奈みちるを使って晴矢をおびき出した。 さまざまな不良を知っているみちるも、思わず背筋が寒くなるような不気味な目つきをしている。

ジョー

バー「STYX」に出入りしている屈強な外国人男性。仲間達と街の治安を乱しており、映画館に突然爆竹を投げ入れるなど面白半分で迷惑行為を繰り返している。椎名幹と森下由紀がデートをしているところに絡み、由紀から財布とファーストキスを奪う。喧嘩も強いが、何のためらいもなく銃を人に向ける危険人物。

日々野 晴霽 (ひびの はればれ)

日々野晴矢の父親で「山の上教会」の神父を務めている。禿頭に豊かな白髭を蓄えた老人で、普段は温厚な性格な事もあり、街の人からの信頼も厚い。ただし怒ると晴矢以上の強さを発揮し、街の不良程度であれば束になっても敵わない強靭さを誇る。沢村ナオキを薬物中毒状態から救うなど、特殊な知識と能力を持っている。

沢村 ナオキ (さわむら なおき)

一条誠率いるロックバンド「ファイヤー・ガンズ」の大ファンの男子中学生。一条にあこがれており、ライブが行われると欠かさず観戦している。一時は神崎狂の手下から「一条もやっているから」と言われ違法薬物に手を出したが、日々野晴霽により中毒から脱した。その後も一条を慕い、日々野晴矢、岡本清志朗とも交流を持つ。

山ノ上 春香 (やまのうえ はるか)

私立楽園高校に赴任して来た養護教諭の女性。かわいらしい容姿に強い正義感を抱いた人物で、男性生徒を中心に人気が高い。日々野晴矢を素行の悪い生徒だとターゲットにしており、更生させようと諭すなど行動力も高い。清廉潔白な性格の持ち主で、晴矢からは苦手だと避けられている。教師の父親、保健師の母親、警察官の兄がいたが、事故で全員を失った過去がある。

姫ノ木 彩 (ひめのぎ あや)

「花魁高校」に通う3年生の女子。見た目はギャルそのもので派手な容姿をしている。渋谷をフラフラしていたところを鬼頭烈から声を掛けられ、1回50万円で「暗黒メニュー」の再現に手を貸していた。鬼頭とかかわっていくうちに恋心を抱き、妊娠してしまう。姫ノ木ユウキを出産したが、鬼頭は子供に興味がないだけでなく、赤子の血を使った「暗黒メニュー」のために使う事が判明し、ユウキと共に逃げ出す。 たまたま日々野晴矢の実家「山の上教会」が目に入り、一時的にユウキを託した。その後、晴矢らの協力を得て、鬼頭のもとにユウキを取り返しに向かった。普段は一般的な女子高生らしい言動をするが、一児の母だけあり大胆な行動を取る事も多い。晴矢からは「ヤンママ」と呼ばれる。

姫ノ木 ユウキ (ひめのぎ ゆうき)

姫ノ木彩の子供で乳児の男の子。人懐っこい性格をしており、日々野晴矢の実家「山の上教会」に一時的に置き去りにされた際も、すぐに日々野晴霽に懐いた。一方、晴矢には乱暴な扱いをされるために触られただけで泣き出し、優しい山ノ上春香には笑顔を見せる。父親は鬼頭烈で、赤子の血を使った「暗黒メニュー」に利用されようとしている。

鬼頭 烈 (きとう れつ)

鬼門高校の理事長を務める男性。権力者達を集めた「闇の美食倶楽部」を主宰し、リョウキに「暗黒メニュー」を作らせている。姫ノ木彩が自分に好意を抱いている事を利用して妊娠させ、姫ノ木ユウキを出産させる。しかし、ユウキへの愛情はなく、赤子の血を使った「暗黒メニュー」に利用しようと計画していた。「暗黒メニュー」を実現させるためには、どんな犠牲も厭わない歪んだ性格の持ち主。

リョウキ

鬼頭烈に「暗黒メニュー」を再現させるために雇われている料理人の男性。大柄でいっさいの表情はなく、不気味な雰囲気を漂わせている。中華全般を得意とし、包丁を使わずに手刀で食材を調理する。手刀の切れ味は鋭く、一人で生きたサメのフカヒレ部分を切り取る事ができるほど。以前は父親が経営していた高級料理店を継いでいたものの、父親の味と違うと罵倒される日々を過ごしていた。 そんな時、鬼頭だけがリョウキの腕を認めてくれた事から、以降鬼頭に忠実な部下となった。姫ノ木ユウキに対しても鬼頭が望むならばと、調理をする様子を見せていたが、実行するつもりはなかった。

集団・組織

ファイヤー・ガンズ

『BOY』に登場するロックバンド。一条誠が中学時代に結成したバンドで、当初は一条がボーカルとギターを担当、他にベースとドラムで構成される3ピースバンドだった。神崎狂に一条以外のメンバーが脅され解散状態となるが、ギターのみ担当とした一条が、ボーカルに日々野晴矢、ベースに雨宮拓矢、ドラムに椎名幹を迎えて復活させる。

キラー

悪名高い肩繰高校を退学になったタチの悪い不良達が結成した窃盗グループ。元アイスホッケー部に所属していた部員らで構成されており、ローラーブレードを履いて犯罪を行っている。盗んだ現金はグループのメンバーで山分けし、クレジットカード類は神崎狂が買い取って闇のルートに流していた。街で一大勢力を誇っていたが、日々野晴矢に壊滅させられる。

マッドサタン

四人組の男性ロックバンド。メンバーだけでなくファンの素行も悪く、ライブでもただ暴れているだけの事もあり、近隣のライブハウスからは出入り禁止になっている。一条誠率いるロックバンド「ファイヤー・ガンズ」のライブに大手レコード会社のスカウトマンが来ると知り、ステージを乗っ取ろうと画策する。

ニトロブラッズ

風間憂作がヘッドを務めていた暴走族で、バイク好きの風間と一条誠が立ち上げた。暴走行為はするものの一般人に手を出すわけではなく、バイクで走る事が好きな少年達が集うグループ。武闘派チーム「ミリオン」に敗れ、乗っ取られてしまった。

ミリオン

不良少年達が結成したグループで、金品の強奪や喧嘩などやりたい放題している集団。自分達のシマ付近で活動していた暴走族「ニトロブラッズ」を潰して乗っ取った。構成員のそれぞれに番号が与えられており、番号が若くなるほど喧嘩が強い。それぞれ得意な喧嘩スタイルを持っている事から、周囲からは「武闘派チーム」として知られている。 トップはナンバーゼロだがあまり表には出ないため、末端の構成員の中には組織No.1の蛇沼がトップだと誤解している者も多い。番号を所持しているのは人間だけでなく、ナンバー5は元サーカス団の熊。

ヘルタースケルターズ

スケートボーダーの不良少年達が結成したグループで、ヘッドはシュウが務めている。窃盗や喧嘩などを繰り返しており、その際にはスケボーを使用する。また、シュウは定期的に若い女性をさらっており、無理矢理アダルトビデオに出演させるなど、グループ内でもさらにアウトローな一面を持つ。

三つ目 (みつめ)

窃盗や暴力、強姦目的の誘拐など悪事の限りを尽くす男性三人組の不良グループ。一つの地域に留まらずさまざまな場所を移動しているため、警察も手を焼いており好き勝手に行動している。構成員がそれぞれ一つ、目玉をモチーフにしたアクセサリーを身に付けている事から、「三つ目」と呼ばれているが、自分達が名乗っている訳ではない。悪事を働くのも金銭や権力自体が目的ではなく、「純粋な悪を求めての行動」という独自の理念を掲げている。

場所

私立楽園高校 (しりつらくえんこうこう)

『BOY』に登場する高校。日々野晴矢、岡本清志朗、一条誠、山奈みちる、揉山正象が通う高校。食堂のミソラーメンは絶品で、晴矢や清志朗はよく食べている。創立記念日は7月2日。

戯堂高校 (げどうこうこう)

『BOY』に登場する高校。神崎狂が通う高校で、未完の情景を狙う画商の息子なども通っている。肩繰高校と並ぶ不良たちの巣窟として知られている。

肩繰高校 (かたくりこうこう)

『BOY』に登場する高校。戯堂高校と並び、悪名高い不良高校として周辺では知られている。不良校正のためにスポーツ活動に力を入れており、校内にはアイスホッケーのリンクまで設置されている。特に野球部は強豪として知られていたが、野球賭博に関与していたことから現在は廃部になっている。

摩天学院高校 (まてんがくいんこうこう)

通称「マジョガク」と呼ばれる高等学校。1年前までは「摩天女学院高校」という女子校だったが、今年度から共学となった。数名の男子がハーレムを夢見て入学したものの、番長・伊部麗子らの凶悪な不良グループからの攻撃に耐えきれず退学者が続出。唯一残った天草鬼朗が番長となったが、日々野晴矢、岡本清志朗、一条誠によって倒されてしまった。 以降、再び麗子が番長を務めているが、以前ほどの凶悪さはなくなっている。

夢殿学院高校 (ゆめどのがくいんこうこう)

揉山正象の妹・揉山静花が通っている高等学校。地域からは名門のお嬢様学校として知られる女子校で、生徒も品行方正な女子ばかりだが、女の子らしく恋愛にはあこがれを持っている。学園祭はこれまで一般公開されていなかったが今年からチケット制になり、生徒達は素敵な恋人ができるのではないかと期待していた。文化祭のチケットはプレミア価格となって市場に出回っており、一部では偽造チケットが流通しているほどの人気ぶり。

鬼門高校 (きもんこうこう)

素行の悪い不良達が多い事で有名な高等学校。ほかの学校とは異なり、理事長を務める鬼頭烈も暴力行為を容認するなど、実質生徒達は野放し状態になっている。

エデン

青木が経営するライブハウスで、ロックを中心にライブが開催されている。父親の代からの経営で、青木が二代目。「葦怒高校」の鮫島らが大暴れし、出入り禁止となった。その事を逆恨みした鮫島らによって出演者や客に嫌がらせをされ、休業に追い込まれる事となった。しかし、ロックバンド「ファイヤー・ガンズ」の再結成ライブをきっかけに、再び営業を開始した。

STYX (すてゅくす)

海岸北通りにあるバー。主にバイカー達が集っており、バイク乗りでないと入店できない。また客層は外国人が大多数で、そのほかにはアウトローな日本人が集う。暴力と薬物が蔓延しており、伊部麗子ですら危険だと感じている。

その他キーワード

未完の情景 (みかんのじょうけい)

『BOY』に登場する絵画。北原俊太郎が病に倒れた妻のため、病床から見える風景を描いた作品で、制作途中で妻が亡くなったため彩色は完成していないが、その状態で完成とされている。数億円の価値があり、一度は北原の手によって妻の墓に埋められたが、墓を暴いて取りだすものまで現れた。作品を持って日本に戻った北原は、いつかフランスに行った際に妻の墓へ埋め直してほしいと清志朗にこの絵を託している。

太郎のバトルゲーム (たろうのばとるげーむ)

太郎がゲームセンターで、男相手に喧嘩をしていた伊部麗子を目撃して思いついた遊び。太郎が指令役となり、プレイヤーにイヤーマイクを装着する。太郎の言葉通りにプレイヤーは動き、敵と勝負をするといったリアル版格闘ゲーム。初期のプレイヤーは麗子だけだったが、一条誠の介入により離脱。以降荊木、ナオミ、シンジが加わった。 対戦相手となる人物は太郎が街で見つけ、挑発して対戦場所となる地点までおびき出す。主に素行の悪そうな不良がターゲットにされていた。小学生を中心に観戦客を募っており、観戦料を山分けする事で利益を出している。ちなみに麗子は分け前は受け取らず、そのまま太郎に返していた。

暗黒メニュー (あんこくめにゅー)

清朝最後の権力者・西太后が不老不死を得るために食していたとされるメニュー。鬼頭烈が主催する権力者達を集めた「闇の美食倶楽部」でリョウキに再現させていた。若い女性を特別な薬草の風呂に入浴させ、裸体に食べ物を盛り付けたメニューなど悪趣味なものが多い。以前は姫ノ木彩も手伝っていたが、真の目的が姫ノ木ユウキにあると知りかかわわり合いを断った。

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