この恋は深見くんのプランにはない。

この恋は深見くんのプランにはない。

生まじめで融通がきかない性格の優等生の深見一成と、つかみどころのないマイペースな性格の日暮秋桜が出会い、惹かれ合っていく姿を描いたラブコメディ。これまで自分で決めたルールだけを優先して生きてきた一成が、生まれて初めて他人に歩み寄ることで新たな自分を発見し、成長していく姿が丁寧に描かれている。「まんがタイムファミリー」2017年10月号から連載の作品。

正式名称
この恋は深見くんのプランにはない。
ふりがな
このこいはふかみくんのぷらんにはない
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

第1巻

自分の人生プランを立てた「人生手帳」を持ち歩いている深見一成は、日々の行動が計画どおりにいかないと気が済まない生まじめな性格だった。一成は初めての交際も人生プランの中に組み込んでいたが、ある日の帰宅途中に突然塀を乗り越えて飛び出してきた日暮秋桜と衝突し、勢いでキスをしてしまう。初めてのキスに大いに動揺する一成だったが、一方の秋桜は飼い猫のルウを追いかけていることもあり、あっさりと立ち去る。ずっとキスのことが頭から離れない一成は、秋桜にあの時のキスのことは忘れようと提案するものの、秋桜は犬に舐められたようなものだとまったく気にしていなかった。こうしてマイペースな秋桜と知り合った一成は、大いに振り回されるようになり、秋桜がアルバイトをしているアニマルカフェ「ペルシェ」で急きょ手伝いをするなど、人生プランに組み込んでいないことばかりが発生するようになる。想定外の事態が次々と起こる毎日の中で、一成は秋桜を異性として意識するようになる。そんな中、一成は次期生徒会長候補として風見薫子から話をしないかと呼び出される。一成と薫子が二人きりで話をしている場面を目撃した秋桜は、妙な胸のざわめきを覚える。

第2巻

深見一成風見薫子といっしょにいる場面を目撃した日暮秋桜は、一成に対して嫉妬心のようなものを感じていた。一方の一成は、秋桜が少なからず自分を異性として意識してくれているのではないかと期待するが、二人きりになっても以前と変わらない態度を見せるだけで、秋桜の気持ちがわからない。その後、一成と秋桜は周囲の協力を得て学校内に保護猫が暮らすスペースを作ったり、吉沢佐倉つむぎも交えてテスト勉強をしたりと、さまざまな出来事を通して距離を縮めていく。そんな日々の中、一成は深見二葉からリクエストされたクリスマスプレゼントを買いに行くことになり、秋桜も同行することになる。二人にとって初めてのデートのようなイベントに、一成ははりきって当日のプランを作成する。しかし、マイペースな秋桜がプランどおりに動くはずもなく、計画は大きく逸脱する。しかし、一成はそれでも楽しいと思っている自分に気づくのだった。

登場人物・キャラクター

深見 一成 (ふかみ いっせい)

高校1年生の男子で、生まじめで神経質な性格の持ち主。ピラミッドの謎を解き明かすと旅立ってから行方不明の父親をはじめ、母親の深見百合子、兄の深見零路、姉の深見二葉と家族全員が適当な性格の自由人であったため、幼い頃からみんなに振り回されてきたことがトラウマになっている。そのため、あらかじめ自分の人生プランを立てて「人生手帳」を持ち歩いており、計画どおりに物事がきっちり進まないと気が済まない。成績優秀で容姿も整っていることもあり、異性からはモテるが、深見一成自身の神経質さに圧倒され、正式な交際まで発展したことはない。料理のスキルが高く、毎日のお弁当を自作したり、夕食を作ったりと家族や友達にその腕を振るっている。下校途中に突然塀を乗り越えて飛び出してきた日暮秋桜と衝突し、勢いで初めてのキスをしてしまう。その事件がきっかけで秋桜と知り合い、マイペースな彼女に振り回されながらも恋心が芽生えていく。のちに秋桜と共にアニマルカフェ「ペルシェ」で、人手不足のときだけアルバイトを開始する。

日暮 秋桜 (ひぐらし あきお)

高校1年生の女子で、深見一成とは別のクラスに在籍している。つかみどころのないマイペースな性格の持ち主。大の動物好きで、自らのお弁当を近寄ってきた生き物に与えるため、空腹であることが多い。動物に対して愛情を注ぐ一方で、人間に対しての興味は非常に薄い。さらに幼い頃、母親が双子のきょうだいである日暮夏来と日暮立夏にかかりきりで放置されていたこともあり、人を頼ることが苦手。脱走中の飼い猫のルウを追いかけて、塀を乗り越えた際に一成と衝突し、勢いでキスをしてしまう。それがきっかけで一成と知り合うが、日暮秋桜自身はキスのことはまったく気にしておらず、犬に舐められた程度に考えている。以降、一成と親しくなってからもしばらくは異性として意識していなかったが、風見薫子の出現によって気になる存在へと変わっていく。将来の夢は獣医になることで、自宅から学校が離れているため、叔母の久保清良夫婦が経営するアニマルカフェ「ペルシェ」で、下宿兼アルバイトをしている。フランス人とのクォーターで生まれつき色素が薄い。

吉沢 (よしざわ)

深見一成と親しい高校1年生の男子。一成と同じクラスに在籍しており、教室でのとなりの席。明るく人当たりがいいため、生まじめで神経質な一成ともうまく付き合っている。一見チャラチャラとした軟派な性格に見えて、賢く機転がきくタイプ。一成が日暮秋桜に対して恋心を抱いていることにいち早く気づいており、陰ながら応援している。

佐倉 つむぎ (さくら つむぎ)

高校1年生の女子で、日暮秋桜と同じクラスに在籍している。人間の友達がほとんどいない秋桜にとって、学校内で唯一気軽に話ができる女友達でもある。正義感が強く、真っすぐな性格の持ち主。秋桜がアクシデントとはいえキスをしたと聞き、深見一成に対して激怒したことで、一成とかかわりを持つようになる。所属している部活動の先輩に恋心を抱いていたものの、失恋する。その時にそばにいてくれた吉沢のことが気になっている。

風見 薫子 (かざみ かおるこ)

深見一成と同じ高校の生徒会長を務める、2年生の女子。才色兼備で、実年齢よりも上に見える大人びた雰囲気を漂わせている。校内にファンが多く、歩いているだけで歓声が上がるほど。いつも上品な言葉づかいをしているが、幼なじみの円井とは軽口を叩き合う間柄。一成を次期生徒会長にしたいと目をつけて接近していく。

円井 (まるい)

深見一成と同じ高校の風紀委員長を務める、2年生の男子。まじめな性格で、同じく生まじめな一成に風紀委員長を引き継ぎたいと考えている。しかし、日暮秋桜の悪口とも取れる発言をしてしまい、一成の機嫌を損ねてしまう。秋桜に対してひそかに好意を寄せている。風見薫子とは幼なじみで、軽口を叩き合う間柄。

小野寺 (おのでら)

深見一成と吉沢のクラス担任を務める若い男性。授業時間内に授業を終わらせないと一成がプレッシャーをかけてくるため、胃が痛くなることが多い。生徒思いで穏やかな性格の持ち主。大の猫好きで、一成と日暮秋桜が学校内に保護猫が暮らすスペースを作ると聞き、積極的に協力をする。

ルウ

日暮秋桜と暮らしている白い毛並みの元捨て猫。好奇心旺盛な気質で、街中を走り回ったり、秋桜を追って学校を訪れたりと行動範囲が広い。元飼い主の複雑な事情から手放され、雨の日に学校裏に放置されていたところを秋桜に拾われる。

深見 百合子 (ふかみ ゆりこ)

深見一成と深見零路、深見二葉の母親で、細かいことは気にしないおおらかな性格をしている。いつも笑顔を絶やさず、子供たちのやることを否定しない。夫はピラミッドの謎を解き明かすために不在中ながら、生活費を送ってくれるのでまったく気にしていない。料理の腕は微妙で、とにかく豪快なメニューが多いため、代わりに一成がキッチンに立つことが多い。

深見 零路 (ふかみ ぜろ)

深見一成の兄で、妹に深見二葉を持つ青年。大の女好きで、より深く女心を知るためにと、効果的に口説く方法を求めてフランスへと旅立つ。まるでアイドルのようなキラキラとした容姿で、明るく社交的な性格の持ち主。日本に戻ってきてからも初対面の日暮秋桜を口説こうとするなど、自由に行動している。一成にとって二葉以上に不可解な言動が目立つことから、自由人を越えて宇宙人だと評されている。自分に懐こうとしないルウがお気に入り。

深見 二葉 (ふかみ ふたば)

深見一成の姉で、大学で准教授を務めている。兄に深見零路がいる。一成曰く大学で研究ばかりしている「研究バカ」。非常に学力が高いが、行き当たりばったりな性格で一般常識に欠けている。弟の一成を幼い頃から振り回しており、彼が生まじめで神経質な性格になった要因にもなっている。時折実家を訪れ、一成に料理を作らせている。

日暮 夏来 (ひぐらし なつき)

日暮秋桜の小学生の妹で、双子のきょうだいの日暮立夏がいる。フランス人とのクォーターで生まれつき色素が薄い。現在は元気いっぱいだが、幼い頃は体が弱く、立夏と共に母親を独占していた。明るく社交的な性格で、年相応の無邪気さを持つ。秋桜のことが大好きで、離れて暮らしている現状を寂しく感じており、もっと交流を持つことを望んでいる。秋桜と親しくしている深見一成を彼氏ではないかと疑っている。

日暮 立夏 (ひぐらし りつか)

日暮秋桜の小学生の弟で、双子のきょうだいの日暮夏来がいる。フランス人とのクォーターで生まれつき色素が薄い。現在は元気いっぱいだが、幼い頃は体が弱く、夏来と共に母親を独占していた。年相応の無邪気さを持つ夏来とは異なり、冷めた雰囲気のクールな性格の持ち主。感情のままに突き進む夏来をフォローする場面が多い。

久保 清良 (くぼ きよら)

獣医を務める女性。同じく獣医の夫と共にアニマルカフェ「ペルシェ」を経営している。日暮秋桜、日暮夏来、日暮立夏の叔母で、自宅で秋桜を預かって下宿させている。動物にしか興味のなかった秋桜が、深見一成と親しくなったことを嬉しく感じており、温かく見守っている。

場所

ペルシェ

獣医の久保清良とその夫が経営しているアニマルカフェ。鳥や猫と触れ合うことができる。日暮秋桜が下宿しながらアルバイトとして働いており、店が忙しいときには深見一成が接客スタッフとして入ることもある。店名の「ペルシェ」はフランス語で止まり木のこと。

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