まめコーデ

まめコーデ

鳥取の田舎から上京して来た20歳の姫川まめは人気モデルを目指していたが、職業意識が今一つ低い。そんなまめと、彼女の素質を見出してマネージャーとなった如月瓜の、モデル業界を舞台にしたサクセスストーリー。なお、主人公のまめが鳥取県出身という設定は、作者の宮部サチの両親が鳥取県の出身という事に由来する。

正式名称
まめコーデ
ふりがな
まめこーで
作者
ジャンル
モデル
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あらすじ

第1巻

20歳の姫川まめは、上京してモデルにスカウトされたものの、オーディションで不合格の日々が続いていた。ついに担当マネージャーの嵯峨森に見放されたまめは、新担当としてやって来た事務所の新入社員、如月瓜に、モデルとしての意識を持つよう厳しく言われる。親身に接してくれる瓜を味方だと悟ったまめは、大好きな肉料理を我慢して瓜の特訓を受け、誰もがあこがれるモデルになる事を決意する。宣材写真から撮り直す事になったまめは、瓜に連れられて街へショッピングに出掛ける。瓜は、まめの清廉潔白さをアピールするために、全身白一色に統一したコーディネートを選択する。次に実家の弁当屋「きさらぎ」へまめを連れていき、メイクをし、髪をセットして、かわいく変身させてまめに自信を持たせる事に成功する。スタジオで、いざ写真を撮ろうとすると、緊張で固まってしまうまめの警戒心を解くために、瓜はまめの大好物の唐揚げ弁当をちらつかせ、なんとか最高の笑顔を引き出す。まめの自然な笑顔は、事務所内でもかわいいと評判になるが、それに嫉妬したまめの元マネージャーの嵯峨森が、勝手にまめのイメージに似合わない大手ファッションブランドのオーディションに応募する。ところが、まめは一次選考を通過して二次選考のウォーキングに向けて、瓜の猛特訓を受ける。まめは羞恥心を捨てるために、公園で子供達に見守られながら歩く練習を重ねていた。人気ブランドの洋服を着ている事から少女達に羨望の眼差しを向けられ、モデルの醍醐味を知ったまめは、応援してくれている瓜のためにも、オーディションでの成功を誓う。

第2巻

如月瓜如月凪の熱烈な応援を受けながらオーディション会場に到着した姫川まめは、美しいモデル達の中でもひときわ美しく輝くノエルを前にして圧倒される。ノエルは人柄もよく、自分に勝てる要素がない事に焦るまめ。さらにとどめに、まめはオーディションでノエルと並んでウォーキングしなければならない事になってしまう。ノエルに圧倒されながらのウォーキングを終えたまめは、奇跡的に最終選考に残る。最終オーディションに臨んだまめは、最高の笑顔で審査員達をとりこにするものの、健闘むなしくノエルに敗北を喫する。そんな中、落ち込むまめのもとに、オーディションの様子を覗き見ていたインディーズブランドのポンポロポンポンの代表デザイナー、桃田すあまから、仕事の依頼が舞い込む。ポンポロポンポンの仕事を受ける許しを得るため、瓜はシャインプロダクションの上司に頭を下げ、ファッションフェスタに出場する資格を得るために2週間で売り上げ50万円達成を条件に、仕事の許可を得るのだった。

ポンポロポンポンの事務所を訪れたまめと瓜は、民家の庭のプレハブ小屋で出迎えてくれた高校1年生のすあまに驚愕する。中学生の時から服作りが好きだったすあまは、ポンポロポンポンを起業し、ほとんどすべての商品を手作りしているのだ。1点1点が高額な商品のため売り上げは伸び悩むものの、ポンポロポンポンの衣装を身にまとったまめが必死に宣伝をする事で、売上額は目標の50万円を突破。まめ達はファッションフェスタへの出場枠を勝ち取る事に成功する。

第3巻

いよいよファッションフェスタ当日。出展者として参加する姫川まめ如月瓜桃田すあまは、上位入賞し、メジャーシーンへの足掛かりをつかもうと意気込んでいた。2日間のフリーマーケットの売上金額に加え、審査員と来場者の投票により入賞が決まるため、まめと瓜はさっそく接客に勤しみ、あまは二人に促されて他店を視察して、視野を広げるのだった。2日間に及ぶファッションフェスタが閉幕し、2位に入賞したまめ達は、雑誌掲載権を獲得。喜ぶまめと瓜を前に、すあまは自身の実力不足を痛感した事を打ち明け、今後さらなる精進を誓うのだった。

雑誌の仕事を順調にこなしたまめは、瓜の売り込みのおかげでフリーペーパーやヘアサロンのイメージキャラクターに抜擢され、一躍人気モデルの仲間入りを果たした。一方その頃、No.1モデルのノエルは、その知名度を活かしてタレントとしても活動の場を広げるように嵯峨森から指示され、不満を募らせていた。そんな中、まめとノエルが雑誌の特集で共演する事になる。雑誌撮影に訪れたまめは、オーディション以来の顔合わせとなるノエルの迫力に緊張するが、ノエルはまめに優しく接してくれる。ノエルの心遣いに感動するまめは、撮影後にノエルに食事に誘われて歓喜する。そこで、モデルにもかかわらず好きなものを好きなだけ食べるまめに、ノエルは戸惑いながらも、同時に今後のモデル人生で彼女がライバルになる事を予感するのだった。そんなある日、瓜はまめの担当マネージャーを外れ、ノエルの担当マネージャーに抜擢される。

第4巻

如月瓜ノエルの担当マネージャーとなった事で、姫川まめの担当は再びやる気のない嵯峨森になった。テレビCMのような大きい仕事にばかり執着する嵯峨森はモデルの仕事を軽視。インディーズブランドであるポンポロポンポンを見下し、撮影会場でまめを罵倒したりと、非協力的な姿勢でまめのモデル活動を邪魔していた。やがて瓜が手配してくれた仕事はすべて終え、仕事がなくなったまめは、途方に暮れて故郷の鳥取に戻り、今後の在り方を模索する。そして改めてモデル業を続けていく事を決意したまめは東京に戻り、やる気のない嵯峨森を一喝して、自分で仕事を取るために奔走し始めた。やがて、日本で一番大きなファッションショーである東京ガールズモードへの出場権を勝ち取ったまめは、久しぶりにノエルと同じ舞台に立つ事に武者震いし、ノエルもまた、成長したまめと並んで歩く事を喜ぶのだった。

そして迎えたショーの当日。ノエルに伴われて会場にやって来た瓜と久しぶりに再会し、発破をかけられたまめは、ノエルに負けないくらいの笑顔でウォーキングして観客達の心を摑む。そしてまめは、自らのモデルとしての才能を引き出してくれた瓜と、目標になって成長させてくれたノエルに心から感謝するのだった。そして2年後の春、東京ガールズモードで念願のMVPに輝いたノエルは、瓜と共に渡仏して活躍の場を世界に広げる。高校を卒業した桃田すあまは自身の服作りをさらに進化させるべく、服飾系の専門学校へ進学を決める。まめはモデルを続ける傍ら、タレントとしてテレビ出演もこなすようになり、四人はそれぞれの目標に向かって新たな道を進んでいくのだった。

単行本の装丁

コミックス各巻の本体表紙には、本作『まめコーデ』にかかわるさまざまな情報が描き下ろされている。その内容は、第1巻が姫川まめノエルのファッションのヒミツについて記載されており、雑誌の特集然とした雰囲気で、二人の好物やハマっているもの、好みの洋服などの情報が紹介されている。第2巻は、「まめちゃんのコーデDays」と題され、まめの日常が7日間紹介されている。こちらも雑誌然とした雰囲気で、ストレッチの様子や、その日着用した洋服情報が紹介されており、如月瓜との信頼関係がうかがえる内容となっている。第3巻では、SNSデビューしたまめが、SNSにアップしたという設定で4枚のイラストが紹介されている。同時にSNS慣れしているノエルがSNSにアップした設定で4枚のイラストが紹介されており、内容はそれぞれまめの載せたSNS情報とリンクしている。第4巻では、「みんなのサイン帳」と題され、まめと瓜、ノエルと桃田すあまの詳細プロフィールが記載されている。また、第4巻購入特典として、あとがきに作者の宮部サチの公式ホームページ内のURLが記載され、作者ホームページ内にあるスペシャルおまけ漫画を見るためのパスワードが、四人のプロフィールに隠されている。

登場人物・キャラクター

姫川 まめ (ひめかわ まめ)

モデルを目指している女性。年齢は20歳。鳥取県出身で、身長165センチ。誕生日は5月8日のおうし座で、血液型はO型。地方なまりが抜けず、泡盛が好きな酒豪である。趣味は寝る事と食べる事で、一番好きな食べ物は唐揚げ。食べても太らない体質だと言って、好物の肉料理ばかりを食べようとする。上京したその日にスカウトされて、モデル事務所のシャインプロダクションに所属するようになった。 しかし、オーディションで不合格が続いた事で自信喪失。事務所を首になる寸前のところを、新マネージャーの如月瓜に指導され、モデルとして厳しい食事制限等にも耐える決意を固める。上京して来たばかりのため、お金がなく、普段は実家から送られてきたワカメとあごちくわばかり食べている。 する事がないため、夜10時には就寝する事でお肌のゴールデンタイムに十分肌を休ませ、また、アパートの雨漏り対策で洗面器を周りにおいて眠る事で加湿され、自然と美肌が保たれている。島根の伝統踊りである安来節が得意で、ヒールを履いていても踊る事ができる。モデルになってから初めてもらった給料でスマホデビューし、SNSデビューを果たした。

如月 瓜 (きさらぎ うり)

モデル事務所のシャインプロダクションに新卒入社した女性。誕生日は7月12日の蟹座で、血液型はA型。好きな食べ物はフルーツタルト。姫川まめの担当マネージャーで、まめが初めての専属担当モデルになる。美少女が好きで、まめをショッピングに連れ出し、洋服を着せ替えたり、メイクをしたり髪をセットして遊ぶのが好き。まめが仕事をするうえでの一番の理解者で、完璧なモデルになれると太鼓判を押している。 如月瓜は、自分を投影できるあこがれの存在になり得る点が、まめの最大の魅力であると語り、宣材写真用の洋服は白一色で統一し、まじりっけのない清廉潔白さをイメージして選んだ。マネージャーとして非常に優秀で、まめのモデルとしての能力を開花させた功績を認められ、入社1年目にして若手No.1モデルのノエルの担当マネージャーに抜擢された。 その際、かわいい系路線で活動していたノエルに、クールでかっこいい雰囲気のアパレル仕事を持ってくるなど、ノエルの活躍の場を広げるのに一役買った。実家は弁当屋「きさらぎ」を営んでおり、まめの空き時間にアルバイトさせている。洋服を選ぶ時間が至福の時間であり、メイク用品もかわいいパッケージのものを多く集めている。 クールな雰囲気と物言いに反して、内面は非常に乙女である。2歳上の姉がおり、自分と同じく美少女好きの姉の如月凪と、よくまめの取り合いをしている。SNSアカウントを所有しており、フォロワー3万人に支持されている人気ファッショニスタとしての一面も持つ。 顔出しせずにひたすら自らの考えたコーディネートをアップしていくSNSは大人気で、桃田すあまもフォローしていたほど。

如月 凪 (きさらぎ なぎ)

デザイン事務所で、広告系のデザイナーをしている女性。如月瓜の2歳上の姉で、瓜同様に美少女好きな一面を持つ。着飾らせた姫川まめのネイルをいじらせてもらう事と引き換えに、事務所のスタジオを借りてまめの宣材写真を撮る瓜に協力した。非常に商才に長けており、実家の弁当屋「きさらぎ」の唐揚げ弁当を頰張るまめの映った写真を、ちゃっかり「きさらぎ」宣伝ポスターに起用し、売上げに貢献した。

ノエル

若手No.1モデルの少女。シャインプロダクション所属の17歳。誕生日は12月25日のやぎ座で、血液型はA型。好きな食べ物はクロワッサンで、趣味は動物の動画を見る事。ウォーキングが得意。金髪のハーフで、非常に透明感のある美しい容姿をしている。恵まれた容姿のため、小さい頃から周囲から勝手なレッテルを貼られてきたが、その容姿を活かして周囲の嫉妬から身を守る事を思いつき、モデルになる事を決めた。 自分の魅力を最大限引き出す事が洋服に対する敬意であるとし、オーディション前にはデトックスジュースしか口にしないストイックな性格。普段からサラダ中心のカロリー控えめな食生活をしているが、姫川まめに感化されて、肉類や揚げ物も時々口にするようになった。 カメラに囲まれる恐怖から逃れるための独自のおまじない法を持っている。それはカメラの中には草原があり、小さな家があり、その家の中に住んでいる小人を笑わせてあげると泣きやむから、カメラに笑顔を向けているというもの。まめのモデル業界でのあこがれの人であり、目標であった。東京ガールズモードでMVPを獲得したあとは、モデル業のほかに日本の文化をフランスに伝える仕事にも興味を持ち、如月瓜を伴って渡仏する。

桃田 すあま (ももた すあま)

高校1年生の女子。インディーズブランドのポンポロポンポンの代表取締役兼デザイナーを務める。誕生日は2月13日のみずがめ座で、血液型はB型。好きな食べ物はクルトンで、服作りが3度の飯より好き。ポンポロポンポンは実店舗を持たず、インターネット通販でのみ流通しているブランドであるため、昼間は学校へ行き、放課後などに服作りをして商品点数を増やしている。 ポンポロポンポンの事務所は、実家の庭に建てられたプレハブ小屋である。商品は、基本1点1点手作りしているが、たまに祖母に手伝ってもらう事もある。桃田すあまがデザイナーを志したのは、子供の頃に祖母が手作りしてくれた世界に一つしかない服が、魔法のかかったドレスのように思え、それを着たドキドキ感を人に与えたいと思ったからである。 なお、ポンポロポンポンは10代から20代前半をターゲットにしており、知名度は高くないが、一部に熱狂的ファンが存在している。1点1点が高価なため、若い客層が手を出しにくい事はすあま自身も自覚しており、それを補うべく小物グッズの取り扱いも充実させている。学生だがプロ意識が高く、自らの目で見て、姫川まめをイメージモデルに抜擢した。 如月瓜とまめの二人を「うりまめコンビ」と呼ぶ。

嵯峨森 (さがもり)

シャインプロダクションに勤める男性。モデルにスカウトされてシャインプロダクションに所属した姫川まめの、最初の担当マネージャーを務めた。いつもガムを嚙み、サングラスをかけた、非常に横柄な態度の人物。オーディションにことごとく落ち続けるまめに嫌気がさし、辛辣な対応をしていたところで、如月瓜にまめの担当マネージャーを引き継いだ。 まめの担当を外れたあとは、ノエルの担当マネージャーになったが、テレビ出演などの仕事を好むため、モデル業を極めたいノエルの心中を察する事なく、モデルとしての仕事をどんどん減らしていった。それに危機感を覚えた上役により、ノエルの担当マネージャーが瓜に変更させられる。再びまめの担当マネージャーとなるが、仕事に非協力的な態度を取り、まめを大いに困惑させた。 おとなしいまめを軽んじて、撮影会場で大声で罵倒するなど粗野な態度が目立つ。原点である鳥取から自分の意思で戻って来たまめが、本気でモデルの仕事に熱意を傾けるようになると、一目置くようになった。まめが東京ガールズモードに出演したあとは、タレント部に異動になり、まめの担当マネージャーから外れた。

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