ダメな私に恋してくださいR

ダメな私に恋してくださいR

中原アヤの『ダメな私に恋してください』の続編。前作で晴れて恋人同士になった柴田ミチコと黒沢歩は、結婚を意識し始めていた。恋と仕事に奮闘する社会人男女の日常を描いたラブストーリー。

正式名称
ダメな私に恋してくださいR
ふりがな
だめなわたしにこいしてくださいりたーんず
作者
ジャンル
ラブコメ
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あらすじ

第1巻

喫茶店「ひまわり」に居候中の柴田ミチコは、交際している喫茶店マスターの黒沢歩に太ったと言われて落ち込んでいた。いつか二人で温泉旅行に行く日のため、ダイエットを決意したミチコは、朝のウォーキング中に美容系サプリメントなどを開発・販売する取引先企業の社長、南雲誠一郎に遭遇する。職業柄女性の扱いに慣れている事から、南雲に対して女にだらしない印象を抱いていたミチコは警戒するが、一方の南雲は素直な性格のミチコを気に入っており、ミチコについて「ひまわり」まで来てしまう。そこで歩は、かつて猛烈に惹かれていた初恋の女性、黒沢春子の心をあっという間に奪っていった兄の存在を思い出す。そして、南雲の人たらしな雰囲気が兄のそれと似ている事を敏感に察知し、不機嫌になるのだった。そんな歩の様子に、ミチコは南雲との接点を極力なくそうと考えるものの、南雲は新規展開するカフェプロジェクトにミチコを指名。歩の事を気にしつつも、ミチコは初めて任された大仕事に張り切り始める。そんなある日、仕事とプライベートは分ける主義だ、という南雲の言葉を信じたミチコは、競合カフェの視察と称し、南雲と二人で夕食を取る事になった。誤解を受けないよう、ミチコは歩に対し、後輩の青年、最上大地と三人で食事すると噓の連絡を入れるが、事情を知らない最上が「ひまわり」を訪れた事で、噓がバレてしまう。謝り倒すミチコに、歩は意地を張って冷たい態度を取るが、交際を始める以前から二人を温かく見守っていたのとりなしで、歩はミチコを迎えに行くのだった。

第2巻

柴田ミチコ黒沢歩は、念願の温泉旅行を満喫。これからもずっと自然体で心地よい関係を築いていけると確信した歩は、温泉からの帰り道でミチコにプロポーズする。普段から気持ちを言葉にする事の少ない歩のプロポーズは、ミチコを心の底から喜ばせるのだった。それ以来、ミチコは結婚を意識して浮かれていたが、宿泊先で偶然再会した元同僚の香月が「ひまわり」を訪れたのをきっかけに、歩に対して疑心暗鬼に陥ってしまう。元同僚達のあいだで「魔性の女」と呼ばれていた香月は、かつて歩と男女の関係にあるという噂が流れた事があったのだ。ミチコは、歩に香月との関係を問いただすが、歩は何もないと突っぱねる。ミチコはそんな歩を前に、聞かなければ何も話してくれない彼の事を、自分はどれだけ知った気になったつもりでいたのだろうかと落ち込む。そんなある日、南雲誠一郎が過労で倒れたとの連絡が入る。彼を見舞ったミチコは、母親が再婚した事により、ずっと母子での生活を成り立たせる事に心を砕いてきた自分が、生きる道を見失ってしまったのだ、と嘆く南雲に激しく共感する。ある日突然、歩を誰かに奪われてしまったら、自分も立ち上がれないほど打ちのめされるに違いない。歩のかけがえのなさを嚙みしめるミチコの前に、今まさに「ひまわり」から出てきた香月が声を掛ける。歩の昔の女である事を匂わせるような発言をする香月に、ミチコは憤慨するのだった。

第3巻

黒沢歩香月に、男女の関係があるのではないかと疑い出した柴田ミチコは、いてもたってもいられずに歩本人を問いただす。口をつぐむ歩だが、ミチコが婚約を解消すると怒ると、ようやく重い口を開く。ミチコを外へ連れ出した歩の向かった先は、なんと香月の自宅だった。香月家へ招かれたミチコは、そこで香月が歩に半裸のデッサンモデルを依頼していた事を知る。モデルになっていた事を恥ずかしくて言い出せなかった歩に、香月は、紛らわしい言い方をしてミチコを惑わしたのは、幸せそうな二人に嫉妬していたからだと頭を下げる。コンクールに出展するための作品が思うように仕上がらず、また普段付き合ってくれる夫も不在のため、弱気になって歩に頼ってしまったと語る香月の姿を、ミチコは母親の再婚で寂しさに打ちひしがれている南雲誠一郎と重ね、胸を痛めるのだった。 こうして歩と香月の疑惑は晴れ、ミチコは安堵する事になったが、今度は南雲が歩の許可を得てミチコをデートに誘い出す事となった。婚約をしている状態だというのに、南雲に自分を貸し出す歩の真意がわからず、不機嫌になるミチコ。だが、まるで自分をお姫様のように大事に扱ってくれる南雲とのデートにときめいたミチコは、やがて、なぜ自分の相手は南雲ではなく、歩なのかと考えるようになっていく。そしてデートの終わりに、南雲はミチコに告白する。そんな彼の申し出を丁重に断ったミチコは、そこで歩が南雲に対し、ミチコをあきらめるためのデートは許すが、ミチコは渡さないと宣言していた事を明かされる。歩の真意を知ったミチコは、あらためて歩といっしょに生きていく将来を思い描くのだった。後日、ミチコが掛け替えのない存在だと改めて確信した歩は、ミチコに婚約指輪を贈る。

第4巻

柴田ミチコ黒沢歩が両親への結婚報告を考えていたある日、歩の母親が家出をした事で、歩の父親が意気消沈する事件が発生。家出の理由は、歩の父親に結婚記念日を忘れられていた事に加え、スイーツ店を経営している歩の父親が、店を繁盛させる事ばかりに夢中で、母親との生活をないがしろにしたからだという。それを知った歩の父親は心から反省。新婚当初に金がなく、結婚記念日を近所のラーメン屋で済ませた事を気に病んでいた事、そして二度とそんな思いをさせたくないとがんばって来たが、それにより歩の母親が寂しい思いをしていたのであれば、本末転倒だったと素直に謝る。この事件を通して、ミチコは自分達もこんな仲のいい夫婦になりたいとあこがれ、歩と相談して、自分達の結婚記念日を11月22日、すなわち「いい夫婦の日」にしようと決めるのだった。 そんなある日、南雲誠一郎との新規カフェオープンの仕事をひと段落させたミチコは、南雲から新たな仕事の依頼を受ける事となった。海外のエステ企業の日本進出の手助けを依頼されたミチコは、取引先の責任者、ミセス・テイラーの部下兼通訳である高村と意気投合。自分の夢をひたむきに追っている高村を見て、ミチコは自分もより一層がんばろうと決意を新たにする。だが両親の家出騒ぎを経て、ミチコに何不自由ない生活を保障する覚悟を示そうと考えた歩は、仕事に走り回るミチコに、仕事が大変ならば家庭に入ってもいいと告げる。歩は、自分の夢であるカフェ「ひまわり」をオープンさせており、ミチコの夢は、大好きな歩を支える事である。改めてその事を認識したミチコは、会社を辞めて「ひまわり」を手伝いながら、歩のそばにいるという人生の選択肢がある事に気づく。そしてミチコは、今後の方針を決めかね、幸福の中、思い悩むのだった。

登場人物・キャラクター

柴田 ミチコ (しばた みちこ)

黒沢歩の婚約者の女性。12月25日生まれで、年齢は30歳。明るく素直な性格で、非常に前向きだが、男を見る目がなく、歩を好きになる前は大学生に貢がされたり、戦隊ヒーローのおっかけをするなど、実らない恋ばかりに夢中になっていた。それに伴う貢ぎ癖で生活苦に陥り、住居をなくしたところを黒沢歩に拾われ、以来、喫茶店「ひまわり」に居候している。 肉好きで、多少の困難は肉を与えられれば乗り越えられる性質。

黒沢 歩 (くろさわ あゆむ)

喫茶店「ひまわり」のマスターを務める男性。柴田ミチコの婚約者。料理上手で、一番の得意料理はオムライス。かつてミチコと同じ職場で働いており、当時は主任だったため、退職後、交際を開始してからも、ミチコには「主任」と呼ばれ続けている。また、店の常連客達やスタッフには「マスター」と呼ばれる。基本的に物静かだが、かつての部下という事もあり、ミチコに対してはドSな発言を繰り返す。 兄の恋人である黒沢春子にずっと片思いをしていた過去があり、恋に翻弄される苦痛を避けたいという思いから、恋愛には消極的。ランニングやボウリングを始める際には、最初に服一式を揃えるなど、形から入るタイプ。

最上 大地 (もがみ だいち)

晶の年下の彼氏。柴田ミチコと同じ会社に勤めており、子犬系男子として女性社員に非常に人気が高い。しっかりした女性が好みで、姉御肌の晶に猛烈なアプローチを繰り返し、恋人関係になった。のちに晶が妊娠した事に伴い、入籍して結婚する。

(あきら)

最上大地の彼女。黒沢歩の昔の彼女でもある。黒沢春子を思い、煮え切らない態度の歩に見切りをつけたあとに最上と出会い、大恋愛の末に妊娠し、結婚した。下着メーカーに勤めており、歩の好みの下着を柴田ミチコにレクチャーする。酒に強い姉御肌で、恋愛経験の乏しいミチコの恋愛相談に乗る事も多い。

南雲 誠一郎 (なぐも せいいちろう)

NAGUMOグループ取締役社長を務める青年。若く、整った容姿のため、女性に非常にモテる。ダイエットサプリメントなどの美容系事業を幅広く手掛けており、女性心理に詳しく、女性の扱いにも長けている。早くに父親を亡くし、女手一つで自分を育ててくれた母親に孝行するため、一代で築いた企業を急成長させた努力の人。だが母親の存在が大きすぎて、母親が再婚する事になった際には、生きる意味を見失うほど動揺し、意気消沈してしまった。 明るく素直でポジティブな柴田ミチコに惹かれて告白したが、ミチコの黒沢歩への思いの前に玉砕。それでも、ミチコの歩との幸福な人生を心から願う好人物である。

門真 (かどま)

柴田ミチコと同じ会社に勤める女性。仕事においては非常に優秀で、周囲のみなに一目置かれている。他社からの転職組で、立場的にはミチコの後輩だが、ミチコの要領の悪さに容赦なくダメ出しをするなど、仕事に関しては妥協を許さない。

黒沢 春子 (くろさわ はるこ)

黒沢歩の義理の姉。歩の初恋の女性だが、歩の兄と互いに惹かれ合い、結婚した。現在第一子を妊娠中。おっとりとした優しい雰囲気を漂わせるが、姉御肌な一面もある。歩にプロポーズされて以来、黒沢家に嫁ぐ事にプレッシャーを感じている柴田ミチコにとっては、よき相談役でもある。

香月 (かづき)

柴田ミチコと黒沢歩のかつての同僚。経理課に所属していた女性。左目の下に泣きぼくろのある、しっとりした雰囲気の美人。ミチコの同僚だった頃、男性社員達に「魔性の女」と評され、狙われたら逃れられないと、非常に恐れられていた。だが、その実態はただの荒れた芸術家。コンクールに出展する絵画が仕上がらず、同業の夫が不在にしている寂しさと焦りから歩を呼び出し、酔って絡んだ末に、半裸でデッサンモデルになるよう強要した。 情緒不安定からミチコと歩の仲に嫉妬したりもしたが、基本的にはかつての同僚である二人の交際を応援し、暖かく見守るスタンスである。

テリー

喫茶「ひまわり」の従業員の男性。黒沢歩がヤンキーだった頃の舎弟の一人で、舎弟の中では歩の一番の理解者。目つきが悪く、ヤンキー時代の荒れた言葉遣いはそのままだが、歩の教育を受け、礼儀正しいカフェスタッフらしき振る舞いを身につけている。柴田ミチコと歩の仲を応援しており、女心のわからない歩を叱咤できる唯一の存在。

ミセス・テイラー (みせすていらー)

実業家の外国人女性。毛皮のコートを羽織るなど、つねにセレブリティな出で立ちをしている。日本にエステ店の展開を考えており、南雲誠一郎の紹介で柴田ミチコを取り引き相手に指名した。日本語はまったく話せないため、つねに営業兼通訳係の高村と行動している。

集団・組織

高村 (たかむら)

ミセス・テイラーの部下兼通訳を務める女性。アメリカ人の母親と日本人の父親とのあいだに生まれたハーフで、出身はハワイ。父親と離れて暮らしていたため、日本語は不得手だと語っているが、通訳としての腕前は確かなもの。戦隊ヒーローのイシャグリーンが大好きで、同じ嗜好の柴田ミチコと意気投合した。将来の夢はイシャグリーンのような素敵な人と結婚する事。

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