チャンプ

チャンプ

山に住む少年がボクシングに魅了され、プロのボクサーになるべく奮起するボクシング漫画。上京してボクシングの厳しさを実感しつつも、やがて大成していく姿を描く。「月刊少年ジャンプ」で、1984年に連載された。原案は七三太朗。

正式名称
チャンプ
ふりがな
ちゃんぷ
作者
ジャンル
ボクシング
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概要・あらすじ

ある日八津田太一が暮らす山小屋に、3人のボクサーがトレーニングの合宿のために訪れた。太一は練習を見るうちにすっかりボクシングに魅了されてしまい、コーチである丸山にボクサーになりたいと申し出る。しかし丸山はこれを本気であると考えずに、毎日トレーニングを続ければ、寿ボクシングジムに入門させると言い残し、山を下りてしまう。

これを機に太一は猛特訓を開始。身体を鍛え上げ、プロボクサーを目指して上京することを決意する。

登場人物・キャラクター

八津田 太一 (やつだ たいち)

高山の中腹に構えている小屋で、祖父のじっちゃんとともに暮らしている少年。ほぼ毎日、重い荷物を背負って険しい山を昇り降りしているため、小柄ながらも強靭なスタミナを秘めている。合宿のため山に訪れた、丸山たち寿ボクシングジムの選手たちの練習を見てボクサーに憧れ、プロのボクサーを志して上京する。プロになる厳しさを思い知らされながらも、強い意志と持ち前のボクシングセンスが丸山や本間会長に認められ、晴れて寿ボクシングジム所属のプロボクサーとなる。

桜庭 稔 (さくらば みのる)

寿ボクシングジムに所属しているプロボクサーの少年。高校2年生の時に全国チャンピオンの座に就いたが、その後傷害事件を起こしてしまい、鑑別所に入れられていた。負けず嫌いで、格上の相手にも臆せず挑みかかり、ダメージをものともせずに立ち上がる、不屈の精神力を持っている。一方、ボクシング以外のことにはまったく無関心で、副業であるラジエーター工場での仕事もまったくやる気がない。 八津田太一の資質を早々に看破しており、お互いに憎まれ口をたたきあいながらも、戦友として認め合っている。

じっちゃん

八津田太一の祖父。太一とともに山小屋で生活をしている老年の男性。両親のいない太一の保護者となっており、非常に仲がいい。老いながらも高山における厳しい生活に慣れているため、丈夫な身体を持っている。太一がプロボクサーを目指して上京してからは、彼から届く手紙を心待ちにしている。

丸山 (まるやま)

コーチとして寿ボクシングジムに所属している男性。関根、島貫とともに、八津田太一の住む山小屋へ、トレーニングに訪れる。トレーナーとしては有能だが、後先を考えないという短所を持つ。ボクサーになりたいと申し出た太一に、「トレーニングを欠かさず行えば、いずれ寿ボクシングジムで迎えてもいい」と、安易に口約束を交わしてしまう。 これを真に受けて、上京して来た太一を見た時は、驚きを隠せなかった。のちに太一が正式に入門した時は、熱心に指導を行っている。

島貫 (しまぬき)

寿ボクシングジムに所属するプロボクサーの青年。寿ジムではトップランカーとして名を馳せており、それにふさわしい実力を持っている。丸山、関根とともに、八津田太一の住む山小屋へ、トレーニングに訪れる。強さを鼻にかけることがない、気さくな人物。合宿では、太一が初めて見るヘッドフォンに興味を示すと、それを貸し与えたり、トレーニングにつき合わせたりしている。

関根 (せきね)

寿ボクシングジムに所属するプロボクサーの青年。丸山、島貫とともに、八津田太一の住む山小屋へ、トレーニングに訪れる。トレーニングではキレのいいパンチを披露し、見学していた太一を唸らせた。しかし、山を下りた後に行ったメキシコでの遠征試合で負傷し、網膜剥離を患ってボクサーとしての道を絶たれてしまう。 現在は新たな人生を歩むべく、職業訓練所に通っている。

ロベルト・デュラン (ろべるとでゅらん)

パナマ出身のプロボクサーの男性。3階級制覇を成し遂げ、そのファイトマネーで豪邸を購入している。寿ボクシングジムでは、半ば伝説的に語られている名選手。八津田太一は、丸山らからロベルト・デュランの話を聞いて強い憧れを募らせ、将来はロベルトのようなボクサーになりたいと決意した。

先生 (せんせい)

八津田太一が通う中学校で、国語の教師を務めている男性。ロベルト・デュランに詳しく、授業中でありながらデュランの特集記事を見ていた太一を叱る。しかし、彼がボクシングに興味を示していることを、それとなく察する様子を見せた。

本間会長 (ほんまかいちょう)

寿ボクシングジムの会長を務める女性。ボクサーとして大成することが、いかに難しいかを熟知しているリアリスト。ジムを訪れた八津田太一に対して、プロになることの困難さと危険性を説く。一方で、ボクサーたちの強い精神力も十分に理解しており、太一に秘められた非凡な才能を見抜くと、彼を寿ジム所属のプロとして迎えることを決める。

小林 (こばやし)

寿ボクシングジムに所属しているプロボクサーの青年。八津田太一が寿ボクシングジムへの入門を希望した際に、入門テストのスパーリングの相手を務めた。自分からは手を出さないと、太一に告げて安心させる。しかし、太一の猛攻に遭った結果、一度だけ反射的に拳を当ててしまう。

山下社長 (やましたしゃちょう)

山下自動車の社長を務める男性。寿ボクシングジムの副業である寿ラジエーター工場と提携しており、選手たちとも顔見知り。八津田太一が、非常に重いラジエーターを軽々と3つ運ぶ姿に、初めは面食らっていた。

米田 (よねだ)

寿ボクシングジムに所属しているプロボクサーの青年。小林を圧倒した桜庭稔の挑戦を受け、彼のスパーリングの相手としてリングに立つ。ひょろりとした見た目に反して、パワー、フットワークともに抜きんでており、左手から放たれたジャブの威力は桜庭をも驚愕させるほど。米田自身も、幾度ダウンさせても立ち上がる桜庭の精神力に、敬意を表している。

坂田 二郎 (さかた じろう)

プロテストにおける実技テストの初戦で、馬場正人と対戦した青年。体格に優れており、初戦のプレッシャーにもかかわらず、平常心を失わない精神力を持つ。ボクサーとしての能力も高く、序盤こそ拮抗していたものの徐々に調子を上げていき、最終的には馬場に対して有利に立ち回った。

馬場 正人 (ばば まさと)

プロテストにおける実技テストで、坂田二郎と対戦した青年。対戦相手に決まった坂田に対してにこやかに挨拶を交わすフェアな選手。テスト開始直後は、坂田のジャブにもまったくひるまず、互角に打ち合った。しかし次第に防戦一方となり、審査員から手厳しい言葉をかけられる。

林 健二 (はやし けんじ)

プロテストにおける実技テストで、八津田太一と対戦した青年。優しそうな顔をしているため、桜庭稔から弱そうな相手と思われる。極度の緊張に上がってしまった太一に同情しつつも、これをチャンスとして猛攻を仕掛けようとする。しかし太一のカウンターが炸裂し、あっさりとマットに沈んでしまう。

白井 義男 (しらい よしお)

かつて日本初のボクシング世界チャンピオンの座に就いた老年の男性。ボクシングは相手をマットに沈めることだけを考えるべきだ、と主張する桜庭稔に対して、そういったケンカじみた考えでは、成長が止まってしまう、と厳しい見解を述べた。これに対して桜庭も、トップの余裕から出た考えに過ぎないと、厳しい意見をぶつける。実在の人物、白井義男がモデル。

ブル・黒石 (ぶるくろいし)

寿ボクシングジムのライバル・「東邦ジム」に所属するプロボクサーの青年。八津田太一のデビュー戦の対戦相手。プライドが高く、相手にプレッシャーをかけて試合を有利に運ぼうとする策士でもある。太一の人柄や資質には好感を抱いているものの、リングの上では決して容赦せず、全力で潰そうと向かってくる。

場所

寿ボクシングジム (ことぶきぼくしんぐじむ)

八津田太一が所属することになるボクシングジム。東京都内の大型ビルを貸し切っているほどの規模を誇り、桜庭稔や島貫などの日本有数なボクサーを輩出している。そのためボクシング業界からは一目置かれている。ジムと提携している「寿ラジエーター工場」があり、選手たちは副業として、ここの仕事を請け負っている。

山下自動車 (やましたじどうしゃ)

東京都にある自動車工場。寿ボクシングジムと親交があり、寿ラジエーター工場で生産されるラジエーターを定期的に受注している。八津田太一が、3つのラジエーターを軽々と運ぶその姿を、工場の人々が驚きの目で見ていた。

イベント・出来事

プロテスト

プロボクサーになるための試験。ボクサーとしての基礎知識を問うペーパーテストと、身体検査、そしてもっとも重要となる実技テストの3項目で構成されている。実技テストとなるスパーリングは、後楽園ホールのリングで行われる。そのため、極度の緊張を強いられる選手も多く、技術のみならず、強靭な精神力も求められている。

クレジット

原案

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