概要・あらすじ
ある日、男子高校生・沖大樹の隣の家に、新たに羽月家が引っ越して来た。ひょんなことから彼らと交流を持つことになった大樹は、やがて羽月家に伝わるアトランティスの丸薬による騒動へと巻き込まれていく。その過程において羽月よし乃や、彼女の許嫁であるR・A・香藤と知り合った大樹は、成り行きからよし乃の偽の許嫁を演じ、それに嫉妬した香藤から嫌がらせを受ける羽目になってしまう。
登場人物・キャラクター
沖 大樹 (おき だいじゅ)
高校1年生で黒い短髪の男子。学校では歴史研究会に所属している。父親と二人暮らしのため家事を一手に引き受けており、特に料理の腕前はピカ一。もともと、人の住んでいなかった隣家の庭を無断で家庭菜園として利用していたことを羽月よし乃にとがめられ、それらを許す条件として羽月家の家事を引き受けることとなる。羽月家と付き合っていく内に、だんだんとよし乃の魅力に惹かれていく。
羽月 葵 (うづき あおい)
高校1年生の男子で、沖大樹のクラスに転入して来た。中性的な美形で、大樹には「女みたいにきれいなヤツ」と評されていた。転入してからは大樹といつも一緒にいる。代々女性しか生まれない羽月家の中で突然変異的に生まれた男子ということもあり、親戚の間では不幸の前触れではないかと厄介者扱いされて育ってきたため、自分の存在に少なからず負い目を感じている。 その美しい顔立ちから羽月よし乃に着せ替え人形替わりとして遊ばれており、家では女物の服を着せられている。
羽月 よし乃 (うづき よしの)
羽月家の当主である女性で、薬師を務めている。黒髪のロングヘアで、凛とした佇まいをしている。初対面の沖大樹を家政婦替わりにこき使うなど横暴な性格だが、親しくなった大樹には優しい言葉をかけたり、弟の羽月葵が親戚や安志などに馬鹿にされた際は怒りを露わにするなど身内には優しい。実は古代文明「アトランティス」の民の血族で、アトランティスの丸薬を所持している。 元許嫁のR・A・香藤とは確執のある間柄。
R・A・香藤 (れいにーあだむかとう)
大樹の父親と同じ大学で、西洋古代史の講師を務めている男性。長い金髪で、美しい顔立ちをしている。羽月家の親族で、羽月よし乃の元許嫁。古代文明「アトランティス」について調べており、著書として「アトランティスを継ぐ」という本を刊行している。「アトランティス」に執着しており、羽月家に近づいたのもアトランティスの丸薬を手に入れるためであった。 よし乃の許嫁を名乗る沖大樹に対して嫉妬し、数々の嫌がらせを試みる。
大樹の父親 (だいじゅのちちおや)
沖大樹の父親。短髪で眼鏡をかけた優しそうな男性。大学で助教授を務めており、研究に夢中になると他のことが何にも目に入らなくなってしまう。男手一つで大樹を育ててているが、家事の多くは大樹に頼りっぱなしである。
麻矢 (まや)
沖大樹の先輩の女子で、高校では歴史研究会に所属している。大樹に想いを寄せられており、彼の想いには薄々だが気づいていた。大樹に告白された際には「後輩としか思えない」という理由で交際の申し出を断ったが、告白されてからだんだんと彼に惹かれている自分に気づく。
安志 (やすし)
羽月家の親戚から紹介された、羽月よし乃の婿候補。金髪で自信家の男性。羽月葵を馬鹿にしたことにより怒った羽月よし乃にアトランティスの丸薬を飲まされる。闇の色の丸薬を呑んだ際は「羽月家の邸宅を潰してマンションを建てたい」など胸に隠していた汚い欲望を暴露させられ、やがてよし乃の婿候補としての体裁が保てなくなり、身を引くこととなった。
アライグマ
沖大樹が歴史研究会の合宿で山奥を訪れた際に出会ったアライグマ。アトランティスの丸薬を飲み、人間の姿に変わった。人間の姿になった際はタヌキの被り物を着た少年のような見た目で、お尻から尻尾が生えている。のちに丸薬の効力が切れて普通のアライグマへと戻るが、R・A・香藤の策略によって怪我をしてしまった大樹を介抱したという経緯もあり、大樹のもとで飼われることとなる。
その他キーワード
アトランティスの丸薬 (あとらんてぃすのがんやく)
超古代文明「アトランティス」に伝わる不思議な効力を持った丸薬。色によってもたらす効力が違っており、自分の心に正直になれる薬や、動物から人になれる薬などが存在する。現在は羽月よし乃のもとで管理されている。
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