君たちはガラス

君たちはガラス

自分の姉の恋人を好きになってしまった少女と、妹の気持ちを知って恋人への独占欲を燃やす姉の心理を中心に、それぞれの登場人物の心を丁寧に描き出した作品。札幌を舞台に、美しくも壊れやすい恋心をテーマにしている。「別冊マーガレット」1987年2月号~7月号まで連載された。

正式名称
君たちはガラス
ふりがな
きみたちはがらす
作者
ジャンル
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概要・あらすじ

高校1年生の新崎さやかは、誰にも言えない恋をしていた。その相手は、姉の新崎みゆきの恋人である津島梗二。みゆきと梗二が同棲を始めると知り、さやかは心を痛める。一方、さやかのクラスメイトの柴田克巳は、さやかに想いを寄せ、ちょっかいをかけて接触を図ろうとするのだった。そして、ひょんなことからさやかの気持ちを知った克巳は、さりげない優しさで、さやかのことを支える。

そんななか、梗二に向けるさやかの気持ちを察していたみゆきは、次第に不安に駆られ、嫉妬心を燃やすようになっていく。

登場人物・キャラクター

新崎 さやか (しんざき さやか)

16歳の高校1年生の少女。おかっぱ頭がチャームポイントで、親友の夏原久代に「きんたろうヘア」と評されている。姉の新崎みゆきには「座敷わらし」のようだと言われている。みゆきの恋人である津島梗二のことをずっと想っており、誰にも言えない気持ちに苦しんでいる。みゆきと梗二が同棲を始めると聞いてショックを受けるが、自分の気持ちを抑えてみゆきを気遣う優しい性格。 人知れず心を痛める新崎さやかは、気が付けばいつもそばにいる、クラスメイトの柴田克巳の優しさに支えられることになる。

柴田 克巳 (しばた かつみ)

高校1年生の男子で、新崎さやかのクラスメイト。さやかとは仲が良く、何かとちょっかいをかけている。実はさやかのことが好きで、さやかが津島梗二に想いを寄せていることを知って、いらだちを見せる。しかし、心を痛めるさやかをさりげなく支え、さやかが梗二のことで奔走する時にも協力するなど、損な役回りを引き受けている。のちに、さやかが前向きになれるきっかけを作った人物。

津島 梗二 (つしま きょうじ)

新崎みゆきの恋人で21歳の男性。つい最近失業し、職なし状態である。普段は穏やかな性格で感情が見えにくいが、みゆきの前の恋人の写真を見つけると、勢いよく破り捨てるほど、みゆきを一途に想っている。みゆきと同棲することになり、仕事を探す。新しく始めたアルバイトがホストクラブであったため、みゆきの嫉妬心をあおることになる。

新崎 みゆき (しんざき みゆき)

新崎さやかの姉で21歳の会社員の女性。津島梗二の恋人で、情けない梗二に呆れながらも放っておけない。家族に内緒で梗二と同棲することを決めるが、さやかの梗二に対する気持ちを知り、嫉妬するようになる。梗二が始めたアルバイトがホストクラブであることを知り、客として店に潜り込み、天野から梗二についての話を聞き出す。

天野 (あまの)

津島梗二の高校時代の先輩の男性。職を失った梗二に、自らが働くホストクラブのアルバイトを紹介した。しかし、自分の客を梗二に取られたことでひがんでいる。ヤクザと関係がある客への対応に悩んでいたが、店を訪ねて来た新崎みゆきにたきつけられ、その客を梗二に押し付けて、ヤクザに梗二を殴らせるように仕向ける。

夏原 久代 (なつはら ひさよ)

新崎さやかのクラスメイトの女子高生。大学生の彼と付き合っているが、彼とケンカしたことを思い出して授業中に泣き出してしまうなど、うまくいっていない。実は二股をかけられており、その辛さをさやかに対してぶつけている。一方のさやかはそんな夏原久代を見て、自分だけが辛い思いをしているわけではないことを悟る。

さやかの母

新崎さやか、新崎みゆきの母親。津島梗二とケンカして帰宅し、コートのままこたつに入るみゆきに対し、ちゃんと着替えるよう口うるさく小言を言うこともある。みゆきが家を出ていくと言った時は、「なにも出ていくことはない」とみゆきを引き留める。

梗二の姉 (きょうじのあね)

津島梗二の姉。資産家である父親が亡くなり、そのニュースを新聞で知った梗二が、長く連絡を取っていなかった実家に電話をかけると、梗二の姉がすぐに帰って来るよう梗二に告げる。これにより、梗二は新崎みゆきのもとを去ることになる。

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