声優かっ!

声優かっ!

声優を目指す少女がその声質を買われ、当初の目標とは異なる男性キャラクターの声優として活躍していく姿を描いた青春声優ストーリー。「花とゆめ」2009年14号から2013年5号にかけて連載された作品。構成協力は加藤陽一、鏡かおり、橋立鮎美、榛乃綾子、藤谷燈子。

正式名称
声優かっ!
ふりがな
せいゆうかっ
作者
ジャンル
声優
関連商品
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世界観

声優が題材。憧れのアニメキャラクターの声優になるべく、声優養成学校に入学した少女の木野姫が主人公。女性キャラクターの声優を希望する姫だったが、実際に向いていると判断されたのは男性キャラクター。そんな姫が悩みつつも目の前の仕事に打ち込み、成長していく姿が描かれる。男性キャラクターの声優として売り出されることになった姫は性別を偽り、男装して活動することになるため「男装少女もの」、「アイドルもの」としての側面もある。

作品誕生のいきさつ

南マキの前作『S・A』は、多数のメディアミックス展開が行われた。その際、南マキは声優の収録現場へ見学に出向き、声優業に強い関心を抱いたという。この経験が、本作『声優かっ!』執筆の大きなきっかけとなった。

あらすじ

高校1年生の木野姫は、子供の頃、憧れていた声優の青山さくらに勇気を与えられたのがきっかけで、女性キャラクターの声優を目指すようになった。しかし、意識して可愛いらしい声を出そうとすると、なぜか極度のダミ声になってしまうという問題を抱えていた。そんなある日、共演者の体調不良により、姫は急きょ男性キャラクターを演じることになる。その演技は大評判となり、姫の声質に目をつけた人気プロデューサーの山田遥は姫を男装させ、男性声優の「シロ」として売り出すことを考える。

劇中劇

四神戦隊ビーストレンジャイ

藤森徹が主演を務めた特撮ヒーロー番組。俳優として春山瑞希、声優として木野姫(シロ)も出演している。白虎、青龍、玄武、朱雀をモチーフにした4人のヒーローとヒロイン、4体の神獣が活躍するアクションストーリー。シロとなった姫の初出演作であり、シロは瑞希の演じるキャラクター「白神重人」に憑いている猫形神獣「」を演じた。

蒼の瞳 緋の涙

久遠千里が出演したボーイズラブドラマCD。原作は磯口ゆきの小説で、木野姫(シロ)も「ぶらんか」名義で端役として出演している。ボーイズラブという題材上、男性キャラクター同士のラブシーンがあり、千里の演じる「高遠」とシロの演じる「藤谷」のラブシーンもある。

犯虐のオクタリア

木野姫(シロ)と久遠千里が出演したアニメ作品。「阿木コウ」という作家の漫画が原作。さまざまな能力者が存在する未来の世界が舞台。瀕死の弟を救うため、ある人物に奪われた弟の能力を取り戻すために戦う少年が主人公。シロは孤高の始末屋である澁谷ユキル役、千里はユキルと因縁の深い情報屋の獅那川を演じた。

桜色の焔

木野姫(シロ)が主演を務め、久遠千里青山さくらとも共演した劇場アニメ映画作品。14歳の誕生日を境に、「1週間ごとに1歳年を取る呪い」をかけられた少年の駿と、同時に駿と真逆の「1週間ごとに1歳若返る呪い」をかけられた駿の母親の物語。駿をシロ、駿の母親をさくら、駿の親友を千里が演じた。

メディアミックス

本作『声優かっ!』は、掲載誌の「花とゆめ」の付録として2回、「花とゆめ」誌上の応募者全員サービスとして1回、ドラマCDが制作されている。このドラマCDでは、木野姫役を浅川悠、久遠千里役を杉田智和が演じた。

登場人物・キャラクター

木野 姫 (きの ひめ)

ヒイラギ学園高等学校の声優科に通う1年生の女子。前髪を目の上で切り、肩につくほどまで伸ばした茶髪セミロングヘアをしている。幼い頃、お気に入りのアニメ作品「魔法戦士ラブリー♡ブレザーズ」の主演声優青山さくらに、泣いているところを励まされたのがきっかけで、さくらに強く憧れ、自らも声優を目指すようになった。非常に明るく前向きな努力家で、いつか自分も「魔法戦士ラブリー♡ブレザーズ」シリーズの主演声優になるのが夢。 しかし意識して可愛いらしい声を出そうとすると、ひどいダミ声になってしまうことから、周囲からは「ゴリラのようなうめき声を発する」という意味で「ゴリ姫」と呼ばれている。しかし、ある時、急きょ男性キャラクターを演じたのがきかっけで、男性キャラクターであれば良い声質で演じられることが発覚。 人気プロデューサーの山田遥にその能力を買われ、男装して「GGCプロダクション」所属の男性声優「シロ」として活動することになる。

久遠 千里 (くどう せんり)

ヒイラギ学園高等学校の声優科に通う1年生の男子。人気女優兼声優の青山さくらの息子でもある。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につくほどの長さの黒髪を外にはねさせている。無愛想で口が悪いが、声優としての実力は本物。学生の身でありながら、すでに多数のアニメやボイスドラマに出演している。冷たく見えるが実際は心優しい性格で、特に捨て猫を見かけると放っておけず、必ず連れて帰ってきてしまうほどの猫好き。 しかし、幼い頃さくらから「日常生活においても、常に演技して過ごす」という特殊な教育を受けたため、周囲になじめず、悩む日々を送っている。そのためさくらとは折り合いが悪く、さくらに憧れる木野姫(シロ)に対しても見下した態度を取る。しかし、正体が姫と知らないまま「シロ」の姿の姫と親しくなっていく。

春山 瑞希 (はるやま みずき)

ヒイラギ学園高等学校の俳優科に通う2年生の男子。「GGCプロダクション」に所属する2人組アイドルユニット「AQUA」のメンバーでもある。前髪を目が隠れそうなほど伸ばして右寄りの位置で斜めに分け、後ろ髪を肩につかない長さまで伸ばし、眼鏡をかけている。俳優活動と並行して声優としても活躍。穏やかで落ち着いた性格と、相方の河合周麻との仲睦まじい様子も手伝って、女性に非常に人気がある。 しかし、器用に何でもこなせることから、仕事に情熱を持てずにいた。木野姫(シロ)とは、学校の先輩、後輩として知り合っていた。その後、自身のプロデューサーでもある山田遥から、姫が男装して男性声優「シロ」として活動することになったことを知る。そのため、事務所の先輩として、「シロ」として活動することになった姫のサポートを行うことになる。 やがて姫の情熱的で一生懸命なところに惹かれ、姫に想いを寄せるようになっていく。

等々力 月乃 (とどろき つきの)

ヒイラギ学園高等学校の声優科に通う1年生の女子。木野姫の友人。前髪を目の上で切りそろえ、腰まで伸ばした青髪ストレートロングヘアをしている。非常に可愛らしい容姿と声を持つが、自分に自信が持てず、声優志望にも関わらず極端に声が小さいため、落ちこぼれ状態にあった。同じく落ちこぼれだった姫や財前ミッチェル、高柳翔と知り合い、4人でボイスドラマを制作したことをきっかけに親しくなる。 物静かでおっとりとした性格だが、姫を熱心に慕っており、姫を困らせる存在には容赦しない。実家は代々伝わるまじない師の家系。呪術が得意だが、自分のためにまじなうことはできない。そのため、主に姫に関することでひそかにまじないを用いて姫を助けている。

財前 ミッチェル (ざいぜん みっちぇる)

ヒイラギ学園高等学校の声優科に通う1年生の男子。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につくほどまで伸ばした金髪ボブヘアに、碧眼の美しい容姿と美声の持ち主。日本人の父親とフランス人の母親を持ち、7歳までモナコで暮らしていた。独特のなまりがあり、極端にプレッシャーに弱い。さらに趣味が「美少女フィギュアのスカートの中を調べること」という残念な人物で、落ちこぼれ状態にあった。 同じく落ちこぼれだった木野姫や等々力月乃、高柳翔と知り合い、4人でボイスドラマを制作したことをきっかけに親しくなる。

高柳 翔 (たかやなぎ しょう)

ヒイラギ学園高等学校の声優科に通う1年生の男子。前髪を目の上で切り、紫色の髪の毛をツンツンにはねさせている。元中央関東連合「ブラッディ」5代目総長を務めたヤンキー。情に厚い一本気な性格だが怒りっぽく、漢字が非常に苦手。台本を正しく読めないため、落ちこぼれ状態にあった。同じく落ちこぼれだった木野姫や等々力月乃、財前ミッチェルと知り合い、4人でボイスドラマを制作したことをきっかけに親しくなる。 のちに一条梅と親密になり、彼女とある大事な約束をする。

山田 遥 (やまだ はるか)

「GGCプロダクション」企画営業部でプロデューサーを務める若い男性。春山瑞希と河合周麻のユニット「AQUA」のプロデューサーでもある。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につかない長さのオレンジ色のストレートヘアをしている。ヒイラギ学園高等学校を訪れた際、木野姫(シロ)の演技を耳にしたことで姫に関心を持つ。 その際、姫には姫が志望する女性キャラクターよりも、男性キャラクターを演じさせたほうが良いと考え、男装させた「シロ」として活動させることを思いつく。以来姫を「GGCプロダクション」で引き取り、指導を行う。クールな態度に加え言葉も辛辣だが、指導は熱心で親身。姫をシロとして活躍させることで、自身の夢をかなえたいと考えている。

河合 周麻 (かわい しゅうま)

ヒイラギ学園高等学校の俳優科に通う2年生の男子。「GGCプロダクション」に所属する2人組アイドルユニット「AQUA」のメンバーでもある。前髪を目が隠れそうなほど伸ばしたウルフカットをしている。心優しいが、やや単純で子供っぽい性格。ユニットの相方である春山瑞希のことを非常に大切に想うあまり、溺愛気味なところがある。 そのため瑞希に近づく女性など、彼を傷つけそうな存在には容赦なく攻撃的に振る舞う。ゆえに、「AQUA」のファンの中には河合周麻と瑞希の関係性に「萌える」者も多い。瑞希と親しい木野姫(シロ)のことは、敵とみなしていた。ところが、ある日自身のプロデューサーでもある山田遥から、姫が男装して男性声優「シロ」として活動することになったことを知らされる。 そのため、事務所の先輩として、「シロ」として活動することになった姫のサポートを、嫌々ながらも行うことになる。

一条 梅 (いちじょう うめ)

ヒイラギ学園高等学校の映像科に通う1年生の女子。前髪を左から右へ向かって斜めに切りそろえ、腰まで伸ばした桃色のロングウェーブヘアを一部だけリボンで結んでいる。学校生活の傍ら、「チェシャ猫」のハンドルネームで、女性に高い人気を誇る動画作家として活躍している。気が強くプライドが高いが、動画作家としての実力は高く、妥協を許さない真面目な性格。 一方で理想の男性である「王子様」を求める夢見がちな一面もある。創作においては、原動力として、何かに強くときめく気持ち、すなわち「萌」を大切にしている。なかでも春山瑞希と河合周麻の関係は素晴らしい「萌」を生み出すものと捉えており、校内では2人の取り巻きの1人となっていた。のちに彼らから「萌」を感じられなくなってしまい、その原因が木野姫たち声優科4人組にあるとして腹を立てる。

木野 茜 (きの あかね)

木野姫の妹で、木野睦子の娘。「湖実茜」の芸名でモデルとして活動する10歳の少女。前髪を目の上で内巻きにし、腰まで伸ばした巻き髪ロングヘアをしている。姉である姫とはあまり似ておらず、非常に可愛らしい容姿の持ち主。姫と比べて周囲に可愛がられることも多く、母親の睦子も姫よりも茜を優先している。そのため姉妹仲は良いものの、悪気なく姫を見下したり、姫を何もできない人間だと思い込んでいるところがある。

木野 睦子 (きの むつこ)

木野姫と木野茜の母親。前髪を左寄りの位置で分け、肩につくほどの長さの巻き髪セミロングヘアをしている。姫を軽視しており、茜にのみ愛情を注ぐ極端な教育をしている。そのため姫が声優業で努力を重ねても、まるで関心を持たず冷たく振る舞う。

藤森 徹 (ふじもり とおる)

私立化伊野宇高等学校芸能科2年2組に所属する男子。俳優として活動している。木野姫(シロ)と春山瑞希が出演する特撮ヒーロー番組「四神戦隊ビーストレンジャイ」の主演俳優でもある。前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につくほどの長さの長髪を外にはねさせている。右目尻にあるほくろが特徴。瑞希と河合周麻のユニットである「AQUA」とはデビュー時期が近かった。 にも関わらず、「AQUA」の方が派手で人気が出るのも早かったため、「AQUA」、特に瑞希のことを強くライバル視している。そのため瑞希には攻撃的に振る舞うが、本質的には向上心の強い努力家。「四神戦隊ビーストレンジャイ」での共演をきっかけに、性格的に似たところのあるシロと親しくなっていく。

青山 さくら (あおやま さくら)

久遠千里の母親で、久遠高成の元妻。女優としても声優としても活躍しており、初代「魔法戦士ラブリー♡ブレザーズ」の主演声優を務めた。木野姫の憧れの人物でもある。前髪を目の上で切り、腰まで伸ばした癖のあるロングヘアをしている。中学卒業後、家を出て高成の主宰する劇団に入って女優を志す。その後、演技への強い情熱と確かな実力で、驚異的なスピードでトップクラスの女優に上り詰めた。 しかし演じることを愛するあまり常軌を逸したところがあり、たとえば誰かと親しくすることすら「芸の肥やし」としか捉えることができない。やがて生まれた息子の千里にも、日常的に演技し、常に演技力を磨きながら生活することを半ば強要するなど、常人には理解しづらい教育を施していた。

江田 (えだ)

ヒイラギ学園高等学校のスポーツ科に通う3年生の男子。前髪を七三分けにし、撫でつけ髪にしている。等々力月乃に想いを寄せており、ある日告白をする。しかし、強引で思い込みが激しい性格から、月乃には敬遠されている。極端にポジティブなため、月乃が困っていることをまったく理解せず、ついにはトラブルを起こしてしまう。

莉子 (りこ)

一条梅のかつての友人の少女。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、肩につかない長さのボブヘアをしている。成績も良く、容姿も良く、さらに絵を描くのもうまいことから、梅の憧れの存在だった。そのため当時の梅は莉子の真似ばかりしていた。莉子自身はそれをストレスに感じており、さらに梅の画力が莉子を上回り始めたことで、トラブルが起きてしまう。

園原 紗奈 (そのはら さな)

河合周麻の幼なじみの少女。周麻と春山瑞希が以前親しくしていた。前髪を目の上で切り、胸のあたりまで伸ばしたロングウェーブヘアをしている。負けず嫌いでプライドが高いものの、思うように結果が出せていない落ちこぼれ。しかし非常に努力家で、女優になることを将来の目標にしていた。以前は瑞希を一方的にライバル視していた。 しかし紗奈の一生懸命な姿に感銘を受けた瑞希が、紗奈を応援するようになったことで仲良くなる。ところが、瑞希が紗奈を想って取った行動がきっかけとなり、現在は疎遠になってしまった。

矢島 (やじま)

音響監督を務める中年の男性。「四神戦隊ビーストレンジャイ」の音響監督も担当している。前髪を眉上で短く切った刈り上げヘアに、口ひげを生やしている。非常に厳しい性格で、春山瑞希のバーターという形で「四神戦隊ビーストレンジャイ」に出演することになった木野姫(シロ)を快く思っていない。しかしやがてシロのひたむきさに心を打たれ、考えを改めるようになっていく。 シロに青山さくらの面影を感じている。

キャサリン

久遠千里が飼っている猫。性別はオスだがメスと自認しており、おまけ漫画ではオネエ口調で話す。黒いぶち模様の入った白い猫で、猫種は不明。大きめの身体と三白眼が特徴。心優しく母性的な性格で、久遠家に次々とやってくる元捨て猫たちの母親的存在。猫たちと同様に、千里のことも案じている。

磯口 ゆき (いそぐち ゆき)

ボーイズラブ小説作家として活動する若い女性。久遠千里と木野姫(シロ)が出演したボーイズドラマCD「蒼の瞳 緋の涙」の原作者でもある。前髪を真ん中で分けて額を全開にし、胸のあたりまで伸ばしたロングウェーブヘアをしている。明るく親しみやすい性格で、シロのファンでもある。「四神戦隊ビーストレンジャイ」の「白」役でシロの存在を知って非常に気に入り、シロに自作の出演依頼をした。

井上 ゆかり (いのうえ ゆかり)

等々力月乃の中学校時代の女性教師。前髪を右寄りの位置で斜めに分け、胸のあたりまで伸ばしたロングウェーブヘアをサイドテールにしている。鼻のあたりにそばかすがあり、男性のような口調で話す。月乃が中学時代、周囲になじめず悩んでいた際に月乃を励まし、彼女の声の良さを見抜いて、声優になるという夢を与えた人物。結婚とそれに伴う引っ越しが決まっており、月乃は井上ゆかりの引っ越し前に、何か彼女が喜ぶようなことをしたいと考えている。

久遠 高成 (くどう たかなり)

久遠千里の父親で、青山さくらの元夫。脚本、監督業を務めている。前髪を左寄りの位置で分けて額を全開にし、撫でつけ髪にしている。多忙で自宅には3か月に一度ほどしか帰って来ないが、千里のことは非常に大切に想っている。仕事中は厳しく鬼のような存在として知られているが、家ではのんびりしており、穏やか。さくらとは自身の劇団を立ち上げた直後に知り合い、家出をして身寄りのないさくらを立派な女優に育てる過程で親しくなった。

(はやし)

久遠家のハウスキーパーを務める中年の女性。前髪を眉上で短く切って右寄りの位置で斜めに分け、耳の下まで伸ばしたショートカットヘアをしている。やや太めで、口元にほくろがある。世話焼きでややおせっかいな性格で、孤独な日々を送る久遠千里を案じている。木野姫(シロ)の存在を知ってからは、シロにぜひ千里ともっと親しくなってほしいと願っている。

今泉 (いまいずみ)

久遠千里の小学校時代の同級生の男子。前髪を眉上で短く切った短髪ヘアをしている。気が弱くおっとりとした性格から学校ではいじめられていた。当時「正義感に溢れるキャラクター」を演じて過ごしていた千里の目に留まる。やがて千里に助けられたのがきっかけで親しくなる。しかし、日常のすべてが演技だと思い込んでいる千里の考え方が理解できず、千里の行動に深く傷つけられてしまう。

越智 和馬 (おち かずま)

久遠千里のかつての友人の男子。前髪を眉上で短く切った刈り上げヘアをしている。関西弁で話す。千里とは小学校5年生の時に「劇団リブロス」の団員同士として知り合う。当時の千里が「目立つのを嫌うキャラクター」を演じて過ごしていることを即座に見抜いた。それがきっかけで親しくなり、一緒に演技力を磨き合う存在となる。明るく世話焼きな性格で、千里の複雑な境遇を案じている。 演技を通じてでしか他人とコミュニケーションがとれない千里と、いつか本当の友人になりたいと考えていた。

場所

ヒイラギ学園高等学校 (ひいらぎがくえんこうとうがっこう)

木野姫たちが通う声優界の超名門学校。声優科に加え、普通科、スポーツ科、俳優科、音楽科、映像科と多数の学科がある。普通科以外は1クラスのみの30人、声優科に至っては1クラスのみの25人という狭き門。その分実績は確かで、声優デビューに最も近い学校といわれている。在校生には活動中の芸能人が多数おり、業界関係者も多く出入りしている。

その他キーワード

魔法戦士ラブリー♡ブレザーズ (まほうしょうじょらぶりーぶれざーず)

木野姫のお気に入りの人気アニメシリーズ。姫がいつか主演声優を務めたいと考えている作品。ブレザーをコスチュームにした美少女ヒロインが活躍する、女児向けの内容になっている。過去のシリーズにおける主演声優には3点の共通点がある。それは「声が可愛らしいこと」「超人気アイドル声優であること」「ヒイラギ学園高等学校のOGであり、声優科を優秀な成績で卒業していること」。 初代主演声優は青山さくらが務めた。

王子声 (おうじごえ)

木野姫が男性キャラクターを演じる際に出る美声のこと。周囲に初めて聞かせたのが「白雪姫」の王子役であったため、「王子様のような素敵な声」「王子を演じた際の声」という意味で「王子声」と呼ばれている。姫が女性キャラクターを演じる際のダミ声とは対照的に、非常に評価が高いが、春山瑞希の眼鏡をかけないと意図的に発することができない。

春山瑞希の眼鏡 (はるやまみずきのめがね)

春山瑞希が木野姫に譲った眼鏡。姫が安定して「王子声」を出すために必要なアイテム。元は瑞希が舞台出演前で緊張している園原紗奈に、「この眼鏡をかけていれば緊張しない」と言って渡したもの。そのとき、暗示のような効力を持ち、舞台が成功したことで生まれたおまじない。これを受けて瑞希は紗奈の時と同様に、姫に「この眼鏡をかけていれば、自由自在に王子声が出せる」と言ってプレゼントした。

(しろ)

「四神戦隊ビーストレンジャイ」で、木野姫(シロ)が演じた男性キャラクター。春山瑞希が演じるキャラクター「白神重人」に憑いている存在。本来は白虎だが、まだ未熟で虎の姿にはなれない。そのため小さな虎模様の猫の姿をしており、「猫形神獣」と呼ばれている。母性的で心優しい性格で、人間嫌いで周囲になじもうとしない重人のことを常に案じている。 そのため重人のペットや友人と言うよりは、母親のようなところがある。

澁谷 ユキル (しぶや ゆきる)

「犯虐のオクタリア」で木野姫(シロ)が演じた男性キャラクター。三白眼の少年で、前髪を目が隠れそうなほど伸ばし、肩につくほどの長さの髪の毛をツンツンに立てている。能力者を殺す仕事を請け負う「始末屋」として活動している。クールで誰にも心を開かない孤高の存在で、原作漫画のファンからは、アニメ放映前から非常に人気がある。 そのためシロはファンの期待に応える役づくりに苦戦することになる。

クレジット

構成協力

, 鏡かおり , 橋立鮎美 , 榛乃綾子 , 藤谷燈子

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